2008年度の文献一覧(39件)

著者不明
研究プロジェクト

産業創生報告書「関西における中小企業の現状と課題」(2008年5月)

[ 2008年度 ] AUTHOR- DATE2008-05

PDF_direct

Abstract/Keywords

中小企業

産業創生研究会 <研究体制> ・主査 竹内 常善 大阪産業大学アジア共同体研究センター研究員 ・委員 後藤 達也 大阪産業大学経済学部准教授 ・アドバイザー 跡田 直澄 慶應義塾大学商学部教授 ・協力者 北浦 義朗 関西社会経済研究所研究員 (順不同、敬称略) <研究テーマと狙い> ☆テーマ : 「関西における中小企業の現状と課題」 ☆狙  い : 関西経済の発展を考える上で中小企業の発展は欠かせない。 これまでも中小企業振興の観点から、様々な政策提言そして施策が実施されてきた。 しかし、関西の中小企業の現況は全国平均を上回る廃業率に象徴される通り、満足できる状況にはない。真に効果的な産業振興策を立案するには、再度、中小企業の現況を分析し、成長の桎梏点を明らかにすることが有益である。 <研究成果の概要> ☆成功している中小企業には様々なパターンがある。 海外進出で成功、国内にとどまり成功 伝統的技術で成功、新技術で成功 伝統市場で成功、新市場で成功 ☆共通する成功要因 確固たる経営の意思と持続力 人材育成 世界レベルの技術とブランド ☆今後の課題 モノづくりだけで競争に勝つのは困難か(収益性含め) 地域、街、住民が産業レベルを向上させるとの観点からは、現状の関西の取り組みは不十分か 国及び行政の産業振興への取り組みも再検討の必要有りか
著者不明
研究プロジェクト

自治体経営力評価報告書 (2008年5月)

[ 2008年度 ] AUTHOR- DATE2008-05

PDF_direct

Abstract/Keywords

自治体経営力

■自治体経営力評価研究会 主査 跡田 直澄 慶應義塾大学商学部教授 委員 鷲見 英司 新潟大学経済学部経営学科准教授 中村 _克 高崎経済大学地域政策学部観光政策学科准教授 中澤 克佳 東洋大学経済学部社会経済システム学科講師 ■研究テーマと内容 ☆テーマ: 「全国政令指定都市の経営力評価」 ☆研究内容: ・因子分析の手法を用いた、客観性の高い自治体経営力評価システムの確立 ・関西の政令指定都市の経営力を全国の他の政令市と比較する ■研究成果の概要 * まず、財務ならびにサービス項目(変数)のデータ群から、因子分析を用いて、地方自治体の財政状況、財政状況改善努力、サービス充実度、サービスコストの 効率性を表す因子を抽出し、得られた因子にウェイトを付けて合成することによって、「財政状況評価指標」、「財政状況改善評価指標」、「行政サービス評価 指標」、「行政サービスコスト評価指標」という4つの評価指標を構築した。さらに、それら4つの評価指標に再びウェイトを付けて統合することで「経営力評 価指標」を構築し、地方自治体の総合的な評価を行った。 * データは平成17年度のものを主に用いた。また、本研究の分析対象は、財務ならびにサービス項目(変数)のデータ群を収集・整理する必要から、札幌市、仙 台市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市の13政令指定都市とした。 * 分析の結果、「財政状況評価指標」ではさいたま市が1位、神戸市が最下位、「財政状況改善評価指標」では神戸市が1位、さいたま市が最下位、「行政サービ ス評価指標」では大阪市が1位で、福岡市が最下位、「行政サービスコスト評価指標」ではさいたま市が1位で、大阪市が最下位であった。 * 「経営力評価指標」に基づく自治体経営力については、次のような総合評価が得られた。13の政令指定都市のうち、自治体経営力が高いのは、1位 川崎市、2位 さいたま市、3位神戸市であった。一方、自治体経営力が低いのは、13位 大阪市、12位 京都市、11位 北九州市であった。 「自治体経営力評価報告書」
熊坂 侑三
インサイト

今月のトピックス(2008年4月)

[ コメンタリー ] AUTHOR熊坂 侑三 DATE2008-04-08

Abstract/Keywords

日米超短期予測(月次)

<2008-2009年の太平洋地域経済成長見通し〜PEO/SOTR会議から〜> 去る3月18-19日、日経平均が12,000円を一時的に下回り、為替レートが100円を割り込む厳しい状況の下で、PECCの PEO/SOTR(太平洋経済展望(PEO)短期予測部門国際専門家会合)大阪会合が開かれた。今月のトピックスでは、同会合で議論された太平洋地域経済 の見通し(暦年ベース)を日米中心に紹介しよう。 前提条件:標準的な想定として、米国サブプライムローン問題に端を発する世界の金融混乱が2008年央にかけて安定化し日銀も年内は政策金利を引き上げ ないとしている。今後も米国の大胆な金利引下げがしばらく続き、米国や日本が金利引き上げに向かうのは、世界経済が安定から回復に向かう2009年に入っ てからと見込んでいる。この世界経済の前提については、大きな議論となったが、ベースラインとして合意の得られたものである。 米国経済:(S.ハイマンズ・ミシガン大学教授の予測)2008年前半のゼロないしマイナス成長は年後半には2.5%成長に加速するが、年平均では1.0%の低成長となり、2007年の2.2%から半減する。一方、2009年は2.5%と回復感を強くする。 最近の月次データから、米国経済が少なくとも軽微なリセッションに入ったという印象を強くする。住宅市場が引き続き縮小し、雇用市場の収縮が明確になる 中、1-3月期のマイナス成長は避けられない。1-3月期は前期比年率-1.5%、4-6月期同0.0%と予測している。減税の効果は5-6月に出始め、 年後半には本格的に効き出す。2009年1-3月期には減税効果がなくなり経済は一時的に減速するが、金融政策の効果が徐々に出始め景気を支える。 2009年後半には自動車販売が回復する。雇用の回復については、2008年はゼロであるが、2009年は50万人程度の緩やかな雇用増が見込まれてい る。 インフレについては、コア消費者物価上昇率(食料とエネルギー除く)は2008年、2009年ともに2.5%以下にコントロールできよう。他方、(総 合)消費者物価指数は2008年に急上昇し3.9%の上昇を予測。2009年には、原油価格が8-10%程度下落するため、インフレ率は2.6%に低下す るであろう。 (注: 上記PEO予測では、米国経済が1-3月期に、軽微なリセッションに入ったとするが、後述の超短期予測では、 所得サイドから見て1-3月期にリセッションは底を打ったとみており、米国経済に対する2人の予測専門家の見方はやや異なっている。) 日本経済:(稲田義久・甲南大学教授の予測)われわれの予測で最も重要なポイントは、日本経済にとってこれまで景気回復のギア(輸出)が2008年 には逆回転することである。このため、2008年の日本経済の成長率(実質GDP) は前年の+2.1%から+1.6%へと減速し、2009年は+1.7%と小幅な回復にとどまると予測している。2008年の民間部門の寄与度は2007年 とほぼ同じと見ているが、純輸出の寄与度が2008年で+0.7%ポイント、2009年は+0.4%ポイントといずれも2007年の+1.1%ポイントか ら大きく低下する。米国経済の急減速やEU経済の停滞の影響は極めて大きいのである。 四半期パターンを見れば、2008年の最初の2四半期に減速するが、テクニカル・リセッション(2四半期連続のマイナス成長)は避けられるであろう。これ は、米国経済のマイルドリセッションによる輸出停滞等の不確実性の高まりから企業設備投資が減速局面に入るからである。ただ、2008年後半以降は住宅投 資や建設投資のマイナスの影響が剥落するため民間需要は全体として落ち込むことはない。日本経済は2008年後半以降1-2%で安定すると見ている。もっ とも、内外需バランスの取れた回復は2009年後半となろう。 エネルギーと食料価格の引き上げで、2008年前半には物価押し上げ圧力が強まる。ただ、最終需要が弱いためインフレは高進しない。このため、消費者物価指数は2008年に0.9%の上昇となるが、2009年は0.2%に落ち着くと見ている。 中国経済:( ・中国国家発展改革委員会投資研究所ディレクターの予測)は輸出が減速するため2008年の成長率は前年の11.4%から9.6%と2ポイント程度低下する。2009年は小幅回復して10.0%と予測している。 PECC経済:以上の3ヵ国に加え、その他PECC参加各国・地域予測専門家の成長率予測を貿易シェアで加重したPECC全体の経済成長率は、2007年 の4.9%から2008年は3.7%に減速するが、2009年は4.7%に回復すると見ている。インフレ(消費者物価上昇率)については、2008年には 前年の2.6%から3.2%に加速するが、2009年は2.8%に減速する。このように、2008年の太平洋地域経済はミニ・スタグフレーションの様相を 示すことになると見ている。 リスク:これらベースラインに対して、3つのリスクが想定できる。第一は、安定化を想定している金融混乱が世界的な信用収縮に悪化する場合である。第二 は、100ドルを突破した原油価格の超高値が持続する場合である。第三は、米国経済が、当初予測していた軽微なリセッションではなく深刻化する場合であ る。 日本 今回の予測では、若干の3月データと2月の多くのデータが更新された。支出サイドモデル予測によれば、1-3月期の実質GDP成長率は、内需と純輸出が小 幅ながらバランスよく拡大するため、前期比+0.5%、同年率+2.0%となり、前回予測(同年率+1.8%)から上方修正である。 1-3月期の国内需要を見れば、実質民間最終消費支出は前期比+0.6%となる。2月の消費総合指数は、閏年効果の影響で前月比+1.1%と大幅に上昇 し、2ヵ月連続のプラス。この結果、1-2月の消費総合指数(平均値)は10-12月期平均を0.8%上回った。GDP速報値では、閏年調整を行っていな いため、1-3月期の民間最終消費支出は当初の予想に比して上振れする可能性が高い。実質民間住宅は前期比+14.8%と5期ぶりのプラスとなるが、実質 民間企業設備は同-1.7%と減少する。実質政府最終消費支出と実質公的固定資本形成は同横ばいとなる。このため、国内需要の実質GDP成長率(前期 比+0.5%)に対する寄与度は+0.3%ポイントとなる。 財貨・サービスの実質輸出は同+1.0%と増加し、実質輸入が同-0.5%と減少する。このため、純輸出の実質GDP成長率に対する貢献度は+0.2%ポイントとなる。 このように、内外需の伸びは小幅であるが、バランスの取れた回復となろう。この結果、2007年度の実質GDP成長率は+1.7%と予測する。 4-6月期の実質GDP成長率については、内需は引き続き拡大するが純輸出が横ばいとなるため、前期比+0.5%、同年率+1.9%と予測 。前回より小幅の上方修正である。 物価について見れば、GDPデフレータは、1-3月期に前期比-0.4%、4-6月期に同0.0%と予測している。民間最終消費支出デフレータは、 1-3月期に同0.0%、4-6月期は同-0.1%と見込んでいる。このように、現在のところインフレの高進は見られないが、4月に入り、暫定税率廃止に よりガソリン価格が下落する一方で食料価格の一連の引き上げが行われ、プラス・マイナス両要因がある。このため、今後のインフレ動向については不確実な要 素が多く、目が離せない。 支出サイド・主成分分析モデルの実質GDP平均成長率(前期比年率)は、1-3月期が+3.1%、4-6月期が+1.1%となる。両モデルの平均で見れば、日本経済は年央に向けて減速するもののリセッションには陥らないであろう。 [稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学] 米国 3月の非農業雇用者数は市場コンセンサス(前月比5万人減)を大きく上回る同8万人の減少となった。さらに2月の雇用減が6.3万人から7.6万 人へ、1月の雇用減が2.2万人から7.6人へと、それぞれ下方に修正された。また失業率も2月の4.8%から3月には5.1%へと上昇し、2005年9 月以来の高さとなった。3月の雇用統計の発表によって、ほとんどのエコノミスト・投資家達は、米国経済がリセッションに陥っていると確信するようになっ た。実際、今回の超短期予測も所得サイドからの成長率(2008年1-3月期)をマイナスと予測している。しかし、グラフに示すように、市場予測とは異な り、所得サイドからの実質GDP成長率(前期比年率)予測を前週の-0.8%から-0.4%へと上方修正した。 この予測結果は奇異に思えるかもしれないが、それは次のような理由によるものである。すなわち、雇用者所得の変化は労働時間、雇用数、一人当たりの雇用 所得の変化で説明されるが、実際、1-3月期は、労働時間増と一人当たりの所得増が雇用の大幅減を上回ったため、所得サイドの賃金・俸給が前週の超短期予 測よりも増加したのである。 多くのエコノミスト、投資家たちは深刻なリセッション懸念を示しているが、超短期予測のグラフは、1-3月期の所得サイドからみた景気後退が-1.0% で底を打った様子を示している。一方、支出サイドから見た実質GDPの伸び率は今もって低下傾向にあるが、1-3月期の経済成長率(前期比年率)は1%の 前半でリセッションとはみていない。この結果、両モデルの平均成長率は+0.5%程度となっている。 インフレに関しては、GDPデフレータ、一般・コア消費者支出価格デフレータの伸び率を前期比年率+2.5%〜+3.5%と予測している。まさに、 1-3月期はミニ・スタグフレーションの様相を示している。しかし、4-6月期の経済成長率(支出・所得両サイドからの平均)は同+1.2%、インフレ率 は同+1.5%程度と予測しており、大幅なマイナス成長や、2期連続のマイナス成長になるような深刻なリセッションの状況は予想していない。 今後、第2の“ベアー・スターンズ”が出ない限り、これまでの政策金利引下げの効果が出始め、ドル安による純輸出の改善と5月からの税還付による個人消費支出の刺激により米国経済は徐々に安定に向かうと思われる。 [熊坂有三 ITエコノミー]
著者不明
ディスカッションペーパー

地域間格差是正のための税源交換と交付税制度の整合性

[ ディスカッションペーパー ] AUTHOR- DATE2008

PDF_direct

Abstract/Keywords

地域間格差

著者不明
ディスカッションペーパー

法人課税と設備投資

[ ディスカッションペーパー ] AUTHOR- DATE2008

PDF_direct

Abstract/Keywords

法人課税

著者不明
研究プロジェクト

「抜本的税制改革に向けた調査研究」最終報告 (2008年4月)

[ 2008年度 ] AUTHOR- DATE2008-04
close

PDF_multi

Abstract/Keywords

税制改革

((社)関西経済連合会委託調査研究) 主査: 跡田直澄 慶應義塾大学商学部教授 ゆるやかな経済成長を続ける日本経済ではあるが、実際の成長率は2%程度と低迷している。経済構造改革は着実に進み、法人税収等にはその成果が明確に現 れている。一方、政府の財政構造改革はその端緒についたばかりであり、その成果はまだほとんど現れていない。にもかかわらず、先の参議院選挙の結果を勘案 すると、構造改革路線の一時的後退も予想されるところである。 しかしながら、日本経済の再生には政府の構造改革は不可欠である。肥大化した財政のスリム化により、民間部門の活性化をはからなければ21 世紀の高齢社会は乗り切れない。この点からみれば、今、取り組まなければならない課題は、やはり、歳出の徹底的な削減であり、同時に民間活力の増強にむけ た税制の再構築である。そして、その結果を踏まえて、超高齢社会を乗り切るための次なる改革を考えることである。 そこで、本研究では、総合的な財政改革とマクロ経済パフォーマンスとの関係をシミュレーション分析を踏まえて検討し、改革の必要性とそのあり方を模索し てみる。さらに、財政改革の中でも税制改革 は 経済のさまざまな側面に影響を与えることになるので、その影響を考慮しながら、抜本的改革のあり方を議論してみた 。 第1章  2011年度までの財政の状況を予想しながら、取り組むべき改革を明らかにする。 第2章  法人課税の実効負担分析に基づき税制が企業の投資行動に与える影響を明らかにし、減税の必要性に言及する。 第3章  所得格差の原因を明らかにした上で、所得課税における給与所得控除、所得控除、さらには税率表のあり方を議論する。 第4章  消費税の増税根拠を再考し、増税時期や増税論議における消費税偏重の問題を検討する。 第5章  財源格差と地方課税の問題をとりあげ、法人税割と事業税を地方消費税に交換した場合のシミュレーションを行い、その影響を踏まえて税源交換のあり方を検討する。 終 章  本報告書における分析結果を再述するとともに、その意義をまとめ今後の課題に言及する。
著者不明
ディスカッションペーパー

税制の再分配効果について

[ ディスカッションペーパー ] AUTHOR- DATE2008

PDF_direct

Abstract/Keywords

税制

著者不明
研究プロジェクト

中期的な原油価格の目安

[ 2008年度 ] AUTHOR- DATE2008

Abstract/Keywords

原油価格

原油価格(ここでは油種WTI)の値動きは非常に荒く(volatile)、予測しづらい。この1年の値動きを 振り返ってみよう。米国でサブプライムローン問題が注目された2007年7月には、1バーレル70ドルをつけ、9月半ばに80ドルを突破、10月後半には 90ドルを抜け、2008年2月半ばにはついに100ドルという記録的な水準に達する。KISERの前回の四半期景気予測時点(5月20日)では120ド ル半ばであった。原油価格はさらに加速を続け、7月3日に145.28ドルのピークをつける。以降マーケットは弱気に転じ、直近の8月15日では 113.77ドルとピークから30ドル以上も下落している。このように非常に荒い値動きを示してきたが、7月で見るとこの1年で2倍になったという事実の 持つ意義は大きい。 われわれの景気予測では原油価格(モデルではWTI、ドバイ、ブレントの平 均)は外生変数であるが、この1年間のトレンドを持った荒い値動きから、その想定は常に上方修正となった。中期的な原油の均衡価格についてはほぼ推測がつ くが、短期的にはそれから乖離する部分の予測が非常に難しい。 短期の原油価格については、基本的にはタイトな需給バランスと地政学的な問題により高値は避けられないが、需給条件から決まる部分以外の投機を含むプレ ミアム部分が相当あると考えられている。最近の経済産業省の分析(通商白書2008年第1章)では、2008年4月の原油価格(125.5ドル)のうち、 在庫の変化で説明できる部分が74.7ドルで、プレミアムが50.8ドルと推計されている。 中期的な均衡価格の目安として参考になるのが、代替エネルギーのコストであり、現在では70ドル程度と考えられている。もう1つの参考価格が、原油生産 者がその実質価値を維持した場合の価格である。1980年以降、世界の消費者物価指数は2.5倍になっているから、当時の原油価格40ドルを考慮すると、 現在原油価格が100ドル程度と見込まれるのである。このことから、直近の原油価格はピークから30ドル程度下落しているが、さらに100ドルを目指して 値を下げる可能性がある。ただ、基本的には需給条件がタイトなことから、一方的な下落は想定しづらく、やがて底打ちして高値の水準がしばらく続くと思われ る。 今回の四半期予測(8月20日発表)では、最近の価格動向を反映させて2008年7-9月期を前回予測の想定より11ドル程度上方修正した(106.6 ドル→117.8ドル)。需要期の2008年末には120ドル前半間まで上昇し、2009年は120ドル程度の高値圏で推移するが、年末には110ドル台 に緩やかに低下すると想定する。 原油価格には、需給条件で説明できる部分以外に投機を含むプレミアム部分が相当 あるようである。最近の経済産業省の分析(通商白書2008年第1 章)では、2008年4月の原油価格(125.5ドル)のうち、在庫の変化で説明できる部分が74.7ドルで、プレミアム部分が50.8ドルと推計されて いる。 各国予測要約 【日本】 <年後半の経済、不況に陥らないためのポイントは「民間最終消費」と「輸出」> 4-6月期の日本経済は4四半期ぶりのマイナス成長となった。8月13日に発表されたGDP1次速報値によれば、同期の実質GDPは前期比 -0.6%、同年率換算-2.4%のマイナス成長となり、1-3月期の同年率換算+3.2%から大幅な低下であった。図からわかるように、実績はほぼ市場 コンセンサス予測(-2.0%)と同じであった。超短期予測は、支出サイドモデル予測が前期比-0.9%、主成分分析モデル予測が同-1.6%といずれも 若干過大推計となった。今回の予測動態を振り返れば、6月初旬以来、超短期モデル、市場コンセンサスともにマイナス成長を予測しており、早くから低調な経 済が一致した見方となっていた。 4-6月期の実質GDP成長率への寄与度を見れば、国内需要は経済成長率を0.6%ポイント引き下げ、また純輸出の寄与はゼロとなった。 今回の特徴は、民間需要、公的需要、輸出のすべての需要項目で減少したことである。民間需要では、実質民間最終消費支出、実質民間住宅の低迷が実質 GDP成長率を0.3%ポイント、0.1%ポイントそれぞれ引き下げた。公的需要も経済全体の成長率を0.2%ポイント引き下げた。 加えて、4四半期ぶりのマイナス成長には、米国経済低迷による輸出の減少が影響している。これまで経済成長を牽引してきた実質輸出は同2.3%低下し、 経済成長率を0.4%ポイント引き下げた。実質輸入は同2.8%大幅下落し、3期ぶりのマイナスとなった。輸入の減少は経済全体の成長率を0.5%ポイン ト引き上げたが、輸出がほぼ同程度減少したので、実質純輸出の実質GDP成長率への貢献はゼロとなった。 4-6月期のGDPを反映した最新の超短期モデル予測によれば、7-9月期の実質GDP成長率は前期比+0.5%、同年率換算+2.2%と高めの見通しと なっている。2期連続のマイナス成長は今のところ避けられそうである。また10-12月期は前期比+0.4%、同年率換算+1.8%の予測となっている。 この結果、現時点では2008暦年の経済成長率は1.2%と見込んでいる。 マーケットの見方からすれば、若干強気の予測となっているようである。たしかに年末にかけての景気減速は否めないが、不況に陥らないためのポイントは民間最終消費支出と輸出の動向にあるといえよう。その意味で、7月の通関統計が最初の重要なデータとなろう。 【米国】 <7月半ばから景気は下降状態にある〜メンタルリセッションからリセッションへ?> 2008年4-6月期の経済成長率が1.9%(速報値)と発表され、多くのエコノミストが懸念していたリセッション懸念とは程遠いものとなった。 この速報値が発表される直前の市場のコンセンサスは2.2%であり、超短期予測も2.8%を支出サイドから予測していた。速報値が市場のコンセンサスや超 短期予測よりもかなり低い経済成長率となったのは、製造業の実質在庫増が-324億ドルと大幅なマイナスになったことにある。センサス局の毎月の製造業在 庫統計からこのような大幅な在庫減は想定されないことから、この大幅減は在庫評価調整によるものである。ちなみに、在庫をGDPから除いた実質最終需要の 4-6月期の伸び率は+3.9%と非常に高い。 このように最終需要の伸びが高い成長率は今後の経済成長に希望をもたらすものであるが、超短期予測では、グラフにみるように8月15日の予測で7-9月 期の支出・所得サイドからの平均実質GDP伸び率を-0.5%と予測している。さらに悪いことは、7月半ばから景気が下降状態にあることである。原油価格 の下落傾向、株式市場の持ち直し傾向など明るい材料があるものの、次のような懸念材料がある。 * 個人消費のうち、サービス支出がスローダウンしており、耐久財支出がマイナス成長を続けている。 * 還付税の経済への影響が10-12月期にはかなり小さくなるだろう。 * 設備・ソフトウエア投資の回復が遅い。 * 住宅市場の停滞が続く。 * 在庫調整も長引くと思われる。 * ドル高から純輸出の改善がみられなくなる。 * 賃金・俸給の伸び率が前期比年率3%−4%と非常に小さい。 * インフレ率(3%−5%)がFRBの許容範囲を大きく超えることから、景気のスローダウンに対して政策金利引き下げが難しくなる。 【中国】 <7月の経済指標は勢いを強めている> 国家統計局発表の7月の経済指標によれば、中国経済は4-6月期に減速したものの、7-9月期の始めに勢いを強めている。注目すべきは、インフレ圧力は消費者物価では幾分緩和したが生産者物価では引き続き強いことである。 小売販売額は、2008年上半期の前年同期比+21.4%に続いて、7月も前年比+23.3%と好調である。 北京オリンピックが旅行や小売販売を後押ししたことは確実である。商品部門の好調により、投資も勢いを強めている。 4-6月期の貿易黒字は減速したが、7月は反発した。同月の貿易黒字は253億ドルとなり、前年同月比+4%となり、年初以来もっとも高い伸びを記録し た。中国の対米貿易黒字は前年同月比+13.8%の164億ドルと拡大し、米国にとって中国は、日本を抜いて最大の貿易相手国になった。対EU貿易黒字は 同+22.9%増加して150億ドルとなった。 工業生産は依然強い勢いを維持しているが、最近やや減速している。7月の工業生産は前年同月比+14.7%を記録したが、昨年7月の同+18.0%から は低い伸びとなっている。同月の鉄鋼生産の伸びは40%を上回り、繊維生産は同10%増加したが、自動車生産量は同8%にとどまっている。またセメント生 産は同6.8%増加した。 われわれは、中国経済が2008年7-9月期、10-12月期に幾分ながら減速するものの強い成長モメンタムを維持するものと予測する。7-9月期の実質GDP成長率を+10.5%、10-12月期は+10.4%と予測する(いずれも累積ベース)。 インフレについてみると、7-9月期の消費者物価指数は前年同期比+6.2%、10-12月期は同+5.6%と、いずれも4-6月期の同+7.8%から 減速する。一方、生産者物価指数は、今後6ヵ月をみると減速傾向は見られず高い伸びを維持するものと予測する。すなわち、7-9月期は前年同期 比+9.9%、10-12月期は同+9.7%と見ている。 [ウエンディ・マック ペンシルベニア大学客員研究員]
著者不明
研究プロジェクト

2008年版関西のプロジェクト動向調査

[ 2008年度 ] AUTHOR- DATE2008

PDF_direct

Abstract/Keywords

動向調査

この記事の詳細は、下記PDFよりご覧いただけます。