第23回 関西エコノミックインサイト<全国に比して反動減の影響が軽微な関西経済―回復基調を維持し家計部門と企業部門の好循環を実現できるか―>

2014-08-27

<要 旨>

1. 関西経済は、消費増税に伴う駆け込み需要からの反動減の影響があったものの、緩やかながら立ち直りの動きを見せており、その足取りは全国よりも順調である。14年4-6月期の経済指標は一時的な停滞を示しているが、先行き7-9月期以降には回復が見込まれている。

2. 企業部門では、生産活動は、停滞する全国と異なり増産が続いている。また2013年の好況による収益環境の改善を背景に、14年度の設備投資計画は積極的である。関西企業の多くは、消費増税の影響を軽微と見ているようである。しかし家計部門のセンチメントの回復は緩やかであり、所得の伸びもいまだ緩慢である。今後は、足下の回復基調を維持し、家計部門と企業部門の好循環を実現できるかが重要である。

3. 最新の日本経済予測の結果を織り込み、関西の実質GRP成長率を2014年度+0.9%、15年度+1.6%、16年度+1.5%と予測する。今回から16年度の予測を追加した。前回予測結果から、14年度は0.1%ポイントの上方修正、15年度は0.2%ポイントの下方修正である。

4. 成長率に対する寄与度をみると、2014年度は民間需要の寄与が-0.2%ポイントと景気押し下げ要因となる。外需は+0.5%ポイントと成長の牽引役としての役割を果たす。15年度、16年度は民間需要と外需がバランスよく成長を下支えする。

5. 雇用環境が改善する中、非製造業で人手不足感が高まっている。今後、生産年齢人口が減少していくが、雇用のミスマッチは解消されておらず、6割の企業が人手不足を懸念している。女性を中心とした人手不足の解消が求められる。

関連論文

稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.60-景気は足下停滞気味、先行きは悪化の兆し-

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰 DATE2018-04-24

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Abstract/Keywords

月次レポート, 関西経済

-景気は足下停滞気味、先行きは悪化の兆し- ・2月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりの前月比プラスだが、1-2月平均は10-12月平均比で大幅下落した。なお、近畿経産局は基調判断を「持ち直しの動きで推移」と前月から据え置いた。 ・3月の貿易収支は2カ月連続の黒字となり、黒字幅は前年比大幅拡大した。原動機と半導体等電子部品の貢献により輸出が伸び、一方、輸入が13カ月ぶりに減少したため。 ・3月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続で前月比悪化。インバウンド需要や春物商材の販売は好調だったが、円高・株安の影響から消費マインドは悪化した。 ・1月の関西主要府県(大阪府・兵庫県)の現金給与総額は一定の改善が見られるが、足下物価の上昇が続いており、実質賃金の伸びは停滞している。先行きには依然注意が必要である。 ・天候不順の影響で、2月の大型小売店販売額は4カ月ぶりの前年比マイナス。野菜価格高騰でスーパーの販売額は増えたが、春物衣料需要低下のため、百貨店の販売額は減少した。 ・分譲の好調の影響で、2月の新設住宅着工戸数は前年比大幅に増加し、6カ月ぶりのプラス。 ・2月の有効求人倍率は前月比横ばい。完全失業率は2カ月ぶりに悪化したものの、雇用環境は引き続き堅調である。 ・3月の公共工事請負金額(季節調整値)は前月比大幅増加し、4カ月ぶりのプラス。結果、1-3月期は2四半期連続の前期比プラスとなった。 ・2月の建設工事出来高は3カ月ぶりの前年比減少。関西ではオリンピック・パラリンピックの影響は見られず、伸びは低調である。 ・3月の関空への訪日外客数は13カ月連続で前年比増加。また、12カ月連続で2桁増が続いており依然好調である。 ・中国の実質GDPは、2018年1-3月期に前年同期比+6.8%成長した。17年7-9月期以来、3四半期連続で同じ伸び。2018年の政府目標である6.5%成長を上回った。
稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.59-景気は足下、先行きともに横ばいから改善傾向に-

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰 DATE2018-03-23

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Abstract/Keywords

関西経済, 月次レポート, KEIM

-景気は足下、先行きともに横ばいから改善傾向に- ・1月の鉱工業生産指数は前月比大幅低下し、4カ月ぶりのマイナス。また、10-12月平均比でも大幅下落した。なお、近畿経産局は生産の基調判断を前月から据え置いた。 ・2月の貿易収支は2カ月ぶりの黒字となったが、黒字幅は前年同月と比べ縮小した。輸出額は増加した財と減少した財の全体で横ばいだが、輸入額が中国産衣料品を中心に伸びたため。 ・2月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で前月比悪化。春節によるインバウンド需要や冬物商材の販売は好調だったが、天候不順の影響で景況感は悪化した。 ・12月の関西2府4県の現金給与総額は10カ月連続の前年比増加。2017年通年では関西の改善幅が全国を上回った。実質賃金総額は5カ月連続で上昇したものの、物価上昇の影響で伸びは減速。 ・1月の大型小売店販売額は3カ月連続の前年比プラス。百貨店は高額品が国内外向けに好調、スーパーは野菜価格の高騰もあり、いずれも販売額が伸びた。 ・1月の新設住宅着工戸数は5カ月連続の前年比減少。利用関係別にみると、持家、貸家、分譲のいずれも減少が続いており、低迷している。 ・1月の有効求人倍率は5カ月連続の前月比上昇。完全失業率は3カ月ぶりに改善しており、雇用環境は引き続き堅調である。 ・2月の公共工事請負金額は5カ月ぶりの前年比減少。季節調整値で見ても、3カ月連続で減少している。 ・1月の建設工事出来高は2カ月連続の前年比増加。関西ではオリンピック・パラリンピックの影響は見られず、伸びはほぼ横ばいにとどまった。 ・2月の関空への訪日外客数は12カ月連続で前年比増加。また、11カ月連続で2桁増が続いており好調である。 ・中国2月の製造業の購買担当者景況指数は19カ月連続で景気分岐点を上回っているが、直近3カ月は減速感がみられる。