第76回 景気分析と予測(2008年12月29日)

2008-12-29

「日本経済のマクロ経済分析」研究成果報告
(主査: 稲田義久・甲南大学経済学部長・教授
高林喜久生・関西学院大学経済学部教授)

当研究所のマクロ経済分析プロジェクトチームでは、在阪の大手企業・団体の若手スタッフの参加の下で研究会を組織し、予測に必要な景気の現状分析、外生変数の想定について共同で作業を行っている。
「景気分析と予測」については、四半期ごとに年4回(2003年度までは年2回)発表している。
2005年度より四半期予測作業において、日本経済超短期予測モデル(CQM)による、直近2四半期のより正確な予測値を取り入れている。
12月9日の政府四半期別GDP二次速報の発表を受け、2008年末までに公表されたデータを織り込んだ、2008-2009年度の改訂および2010年度の最新経済見通しとなっている。
ポイントは以下の通り。

* 2008年度の改訂見通し‥‥2008年度の実質GDP成長率は▲1.3%と7年ぶりのマイナス成長に転じよう(前回予測▲0.2%から大幅下方修正)。 今回の景気回復(2002年2月-2007年10月)のけん引役は純輸出であったが、米国およびEU経済の減速により純輸出が大幅に減速、また雇用環境の 悪化により民間最終消費支出が低迷するため、民需の寄与もマイナスに転じる。

* 2009年度の改訂見通し‥‥世界経済がゼロないしマイナス成長に陥る可能性が高く、新興諸国の成長率も減速するため、純輸出はさらに低下する。また民需 の回復も期待できず、2009年度の実質GDP成長率は▲1.4%と2年連続のマイナス成長となる。また、原油価格や商品価格の下落によりデフレ圧力が強 まり、2009年度のコア消費者物価指数は前年比▲0.4%、国内企業物価指数は同▲3.7%とデフレに転じる。

* 2010年度の見通し‥‥2010年度の実質GDP成長率は+1.2%と予測している。物価上昇率がプラスに転じるのは2010年に入ってからとなるであろう。