関西エコノミックインサイト 第13号(2012年2月28日)

2012-02-28

「日本経済のマクロ経済分析−関西経済の現況と予測−」研究成果報告
(主査: 稲田義久・甲南大学経済学部教授
高林喜久生・関西学院大学経済学部教授
研究協力:近畿大学世界経済研究所入江啓彰助教)

「関西エコノミックインサイト」は、関西経済の現況の解説と、計量モデルによる将来予測を行ったレポートです。アジア太平洋研究所が公表する日本経済予測と連動しており、原則として四半期ごとに公表いたします。

第13号(2012年2月)の概要は以下の通りです。

1.大震災による供給制約が解消され、回復基調にあった関西経済は、足下、円高の長期化や海外経済の減速などの影響が色濃くなっている。家計消費な ど一部に底堅い動きが見られるものの、輸出は大幅に減少し、生産は全国と比べても落ち込みが大きい。加えて火力発電増強による燃料輸入増加により関西の1 月の貿易収支は過去最大の赤字となった。

2.震災以降の化石燃料の輸入量は、石炭を除いて、原油及び粗油、液化天然ガスはいずれも前年比増加した。しかし、全国の原油及び粗油の輸入数量は減少しており、関西とは異なる動きとなった。関西の原発依存度の高さを反映しており、今夏の電力需給の厳しさが予想される。

3.関西の実質GRP成長率を2011年度-0.2%、12年度+0.7%、13年度+1.9%と予測する。今回の予測では、主要自治体の2012 年度当初予算案等を基にした政府支出見通しの改訂と足下の輸出減等を反映し、前回予測から2011年度0.6%ポイント、12年度0.7%ポイントの下方 修正とした。2013年度は1.0%ポイントの上方修正である。

4.標準予測に対する下振れリスクとして世界経済の停滞が懸念される。EU発の金融危機が世界経済に伝播した場合、関西の実質GRPは2012年度 に1.11%、2013年度に1.04%標準予測より減少する。これは輸出の減少に加え国内他地域の経済の停滞の影響が大きい。