Kansai Economic Insight Quarterly No.30 <一部明るい兆しもあるが、総じて停滞している関西経済 先行きはリスク要素多く不透明感が強い>

2016-06-02

〈予測のハイライト〉

1.2016年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.7%(前期比+0.4%)と2四半期ぶりのプラスとなった。内需は+0.9%ポイントと2四半期ぶりのプラス、純輸出は+0.8%ポイントと3四半期連続のプラスとなった。しかし閏年要因を除けば小幅のプラス成長にとどまっており、日本経済の景気の実態は横ばいないし停滞といえる。

2.関西経済は、一部明るい兆しもあるが、総じて停滞している。家計部門は、弱含みである。雇用環境では堅調な改善が続いているものの、消費者心理、所得、大型小売店販売など弱い動きが目立つようになってきている。企業部門は、景況感については足下減速しており先行き不透明感が強いが、生産の動向や設備投資計画にはやや明るい兆しも見られる。域外取引では、輸出の失速が続いている。同時に輸入も縮小しており、貿易収支は黒字基調である。

3.関西の実質GRP成長率を2016年度+1.2%、17年度-0.3%と予測する。今回の予測改定では、2013年度までの県民経済計算の公表を受けて、県内GDP早期推計の結果をもとに実績見通しを見直した。前回予測と比較すると、2016年度0.2%ポイントの下方修正、17年度は修正がなかった。

4.成長に対する寄与度を見ると、16年度は翌年の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要から、民間需要が成長を押し上げる(+0.9%ポイント)。公的需要と外需の寄与はそれぞれ+0.1%ポイント、+0.2%ポイントと小さい。17年度は、消費税率引き上げにより民間需要は-0.6%ポイントと成長を抑制。公的需要と外需の寄与は+0.1%ポイントずつにとどまり、16年度に続き経済成長への影響は僅少である。

5.今回の標準予測では、2017年4月に消費税率が引き上げられると想定している。しかし6月1日に安部首相は、消費税率引き上げを2年半延期すると表明した。シミュレーション結果によると、増税が延期された場合の実質GRP成長率は16年度+0.8%、17年度+0.6%と見込む。16年度は駆け込み需要が発生しないため成長率は抑制される(-0.4%ポイント)が、17年度は実質所得の増加から民間需要が増加し、成長率は+0.9%ポイント押し上げられる。影響の出方については、関西と全国で大きな差異はない。

6.県内GDP早期推計を改定した。関西2府4県の実質GRP成長率は2014年度+0.04%、15年度が-0.83%と予測。国のGDPとは異なり、消費税率引き上げのあった2014年度から一年遅れて15年度にマイナス成長となる。

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[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰 DATE2018-02-23

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-景気は足下悪化傾向も、先行きは横ばいで推移か- ・12月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりの前月比上昇。結果、10-12月期は2四半期ぶりに拡大した。近畿経産局は12月の生産の基調判断を前月から上方修正した。 ・1月の貿易収支は12カ月ぶりの赤字となったが、赤字幅は前年同月と比べ縮小した。中国の春節休暇に備えて輸入が増加したものの、スマホ関連需要により輸出が大幅に伸びたため。 ・1月の景気ウォッチャー現状判断DIは5カ月ぶりの前月比悪化。堅調なインバウンド消費や年始の初売りが好調であった一方、厳しい寒さによる外出の手控えや生鮮食品の価格上昇などが悪化に寄与した。 ・11月の関西2府4県の現金給与総額は9カ月連続の前年比増加。実質現金給与総額も4カ月連続で上昇しており、所得環境は全国を上回る改善が続いている。 ・12月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比プラス。百貨店は高額品を中心に依然好調であり、スーパーは野菜価格の高騰もあり、農産品が好調であったため。 ・12月の新設住宅着工戸数は4カ月連続の前年比減少。利用関係別にみると、持家、貸家、分譲のいずれも減少が続いており、低調である。 ・12月の有効求人倍率は3カ月連続の前月比上昇。2017年通年では関西の改善幅が全国を上回った。一方、完全失業率は2カ月連続で悪化したものの、雇用環境は引き続き堅調である。 ・1月の公共工事請負金額は4カ月連続で前年比増加した。新名神高速道路や阪神高速道路の工事が増加に寄与したとみられる。 ・12月の建設工事出来高は5カ月ぶりの前年比増加。2017年通年では、関東ではオリンピック・パラリンピックの影響もあり大きな伸びとなったが、関西の伸びは小幅にとどまった。 ・1月の関空への訪日外客数は11カ月連続で前年比増加。また、10カ月連続で2桁増が続いており好調である。 ・中国1月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は2カ月連続で下落したが、18カ月連続で景気の分岐点である50を上回った。
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-景気は足下、先行きともに悪化の兆し- ・11月の鉱工業生産指数は2カ月連続の前月比上昇だが、10-11月平均を7-9月平均と比べると小幅下落した。近畿経産局は「生産は横ばい傾向で推移している」と判断している。 ・12月の貿易収支は11カ月連続の黒字となったが、黒字幅は2カ月ぶりに前年比縮小。スマートフォン需要が旺盛なため輸出が伸びたが、一方でエネルギー輸入が増加したため。 ・12月の景気ウォッチャー現状判断DIは4カ月連続で改善した。好調な季節商品の売れ行き、堅調なインバウンド消費、株高による高額消費増加などが改善に寄与。なお、同月の消費者態度指数は3カ月ぶりに悪化。 ・10月の関西2府4県の現金給与総額は8カ月連続の前年比増加。実質現金給与総額も3カ月連続で上昇しており、所得環境は改善が続いている。 ・11月のスーパーは苦戦したものの、百貨店が依然好調な結果、大型小売店販売額は2カ月ぶりに前年比増加した。 ・11月の新設住宅着工戸数は3カ月連続の前年比減少。利用関係別にみると、持家は9カ月連続、貸家と分譲はそれぞれ3カ月ぶりにいずれも減少した。 ・11月の有効求人倍率は2カ月連続の前月比上昇。完全失業率は2カ月ぶりに小幅悪化したものの、労働力人口と就業者数の増加がみられ、雇用環境は好調である。 ・12月の公共工事請負金額は3カ月連続で前年比増加し、結果10-12月期は5四半期ぶりに増加した。 ・11月の建設工事出来高は4カ月連続の前年比減少。オリンピック・パラリンピックの影響で、増加が続いている関東と異なり、低調で推移している。 ・12月の関空への訪日外客数は10カ月連続で前年比増加し高水準を維持。結果、2017年は716万人となり、6年連続の前年比プラス。 ・中国10-12期の実質GDP成長率は前年比+6.8%となり、前期と同じ伸び。結果、2017年実質GDP成長率は+6.9%となり、政府の目標である6.5%成長を上回った。
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-景気は足下、先行きともに足踏み基調で推移か- ・10月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月から上昇したものの、7-9月平均と比べると下落した。近畿経産局は「生産は横ばい傾向で推移している」と判断している。 ・11月の貿易収支は10カ月連続の黒字であり、黒字幅は2カ月ぶりに前年比大幅拡大。アジアのスマートフォン市場の好調により、輸出では半導体等電子部品が増加し、輸入では通信機等が増加した。 ・11月の消費者態度指数は2カ月連続、景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続で改善。気温が低く季節商品が好調だったこと、堅調なインバウンド消費などが上昇に寄与。一方、先行き判断DIはインバウンド消費の持続性への不安などから下落。 ・9月の関西2府4県の現金給与総額は7カ月連続の前年比増加。「関西コア」賃金指数も5カ月連続の同改善。実質賃金も2カ月連続で上昇しており、所得環境は改善がみられる。 ・10月の大型小売店販売額は3カ月ぶりの前年比減少。百貨店は化粧品や時計等の高額品が依然好調だが、スーパーは悪天候による来客数の減少と野菜の相場安を受け、低調であったため。 ・10月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前年比減少。利用関係別にみると、貸家は2カ月連続で増加したものの、持家と分譲は8カ月連続と2カ月連続でいずれも減少した。 ・10月の有効求人倍率、新規求人倍率ともに前月比改善。完全失業率も2カ月ぶりに同改善した。雇用情勢は依然堅調である。 ・11月の公共工事請負金額は2カ月連続で前年比増加したものの、季節調整値では5カ月ぶりの前月比減少となった。 ・10月の建設工事出来高は3カ月連続の前年比減少。全国と異なり、低調で推移している。 ・11月の関空を利用した訪日外客数は9カ月連続の前年比増加。また、8カ月連続で2桁増が続いており、好調である。 ・中国11月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は2カ月ぶりに改善し、16カ月連続で景気の分岐点である50を上回っているが、工業生産は2カ月連続で減速している。