経済予測

日本と米国の景気の現況と先行きについて、週間・月間ごとに予測します。特に日本と関西については、四半期ごとに景気分析と予測を行っています。

稲田 義久

経済予測

第115回景気分析と予測<企業部門中心の回復の持続可能性に疑問符:課題は家計の実質所得拡大>

[ Quarterly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 / 下田 充 DATE2018-02-28

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Abstract/Keywords

日本経済予測, 四半期レポート, 超短期予測

企業部門中心の回復の持続可能性に疑問符:課題は家計の実質所得拡大 1.GDP1次速報値によれば、10-12月期実質GDPは前期比+0.1%(同年率+0.5%)増加した。バブル期以来の8四半期連続のプラスだが、成長率は前期から減速した。季節調整のかけ直しや基礎統計の改定に伴い過去の値が改定され、2017年の3四半期はいずれも下方修正された。結果、2017暦年の実質成長率は6年連続のプラス成長となったが、+1.6%と予想より幾分低めの成長率となった。 2.10-12月期実質GDP成長率の減速は輸入の増加、民間在庫変動の減少による。一方、民間最終消費支出は増加となったが前期の減少幅を回復できていない緩やかな回復で、民間企業設備と輸出が拡大し成長率を押し上げるという企業部門中心の景気回復といえよう。実質GDP成長率への寄与度を見ると、国内需要は前期比+0.1%ポイント(前期比年率+0.6%ポイント)と5四半期連続のプラス、純輸出は同-0.0%ポイント(同-0.1%ポイント)と2四半期ぶりのマイナスとなった。 3.10-12月期GDP1次速報値を織り込み、2017年度の実質GDP成長率を+1.7%、18年度+1.2%、19年度+0.8%と予測を改定した。前回(第114回)予測に比して、17年度は過去値が下方修正されたが変化なし。18年度は+0.1%ポイント、19年度-0.1%ポイント、いずれも小幅の修正。予測シナリオに大きな変化なしである。 4.ベースライン予測では、2019年10月に消費増税が予定通り実施されると想定している。この影響で19年度後半の景気落ち込みは避けられない。ただ前回(14年4月実施)に比して、税率引き上げ幅が小幅にとどまること、飲食料品と新聞には軽減税率が適用されること、実施時期が年度の真ん中であること、またオリンピック需要の影響もあり19年度のマイナス成長は避けられよう。 5.今回の景気回復は2017年12月で「いざなぎ景気(1965年11月~70年7月)」を超えて戦後2番目の長さ(61カ月)となった。19年1月に「いざなみ景気(2002年2月~08年2月)」超えの可能性が見えてきた。海外からの大きなショック(貿易戦争や金融ショック)が生じない限り、しばらくは企業部門中心の回復が続くが、持続性の課題は家計の実質所得拡大である。 6.原油価格の上昇幅を前回予測から上方修正。これらの変化を織り込み、消費者物価コア指数のインフレ率は、2017年度+0.8%、18年度+0.9%、19年度は消費増税の影響で+1.6%と予測。17年度は小幅の上方修正。国内企業物価指数は+2.7%、+1.9%、+2.7%。GDPデフレータは0.0%、+0.7%、+1.9%と予測している。日銀は1月の展望レポートの中で、消費者物価コア指数の見通しを、17年度+0.8%、18年度+1.1%、19年度+2.3%(+1.8%、除く消費税の影響)とみており、いずれも前回からは変化なしである。この予測実現には依然困難が伴うと思われる。
稲田 義久

経済予測

Kansai Economic Insight Quarterly No.37 <緩やかな内需の好循環で総じて改善している>

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 / 馬 騰 DATE2018-02-28

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Abstract/Keywords

関西経済, 四半期予測, 早期推計

緩やかな内需の好循環で総じて改善している先行きは成長率低下を見込み、リスクの顕在化に注意 1.2017年10-12月期の実質GDP成長率は、前期比年率+0.5%(前期比+0.1%)と8四半期連続のプラスとなった。成長に対する寄与度をみると、国内需要は+0.6%ポイントで5四半期連続のプラスとなった。民間消費や設備投資が堅調に成長を下支えしたが、在庫循環の進展から在庫品増加がマイナスの寄与となった。純輸出は同-0.1%ポイントと小幅ではあるが2四半期ぶりに成長を押し下げた。 2.2017年10-12月期の関西経済は、前期に引き続き総じて堅調な改善ペースを維持した。家計部門は、消費者センチメント、所得環境、雇用環境など改善が見られ、堅調である。企業部門では、景況感は好調を維持し、生産も持ち直している。対外部門は輸出輸入とも拡大が続いている。公的部門は、底打ちの動きを見せている。 3.関西の実質GRP成長率を2017年度+1.8%、18年度+1.5%、19年度+0.9%と予測する。前回の予測結果と比較すると、17年度は修正なし、18年度は+0.1%ポイントの上方修正、19年度は-0.2%ポイントと下方修正とした。 4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、先行きでの成長率低下は民需が主因である。2017年度は民間需要が中心となり成長に貢献する。18年度は前年度に似た民需中心の成長パターンとなるが寄与度はやや小さくなる。19年度は民需の寄与がさらに小幅となるが、外需とともに成長を下支えする。 5.日本経済予測と比較すると、堅調な輸出にともなう外需の貢献から17年度以降は全国を上回る成長率で推移する。日本経済予測に比べて特に外需の貢献が関西では大きい。 6.足下では総じて好調な関西経済であるが、在庫循環や景気先行指標などでは景気後退局面への移行を示唆するシグナルも見え始めている。標準予測に対するリスク要因として、円高進行リスク、地方金融機関の経営リスクを指摘している。
稲田 義久

経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.58-景気は足下悪化傾向も、先行きは横ばいで推移か-

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰 DATE2018-02-23

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Abstract/Keywords

月次レポート, 関西経済, KEIM

-景気は足下悪化傾向も、先行きは横ばいで推移か- ・12月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりの前月比上昇。結果、10-12月期は2四半期ぶりに拡大した。近畿経産局は12月の生産の基調判断を前月から上方修正した。 ・1月の貿易収支は12カ月ぶりの赤字となったが、赤字幅は前年同月と比べ縮小した。中国の春節休暇に備えて輸入が増加したものの、スマホ関連需要により輸出が大幅に伸びたため。 ・1月の景気ウォッチャー現状判断DIは5カ月ぶりの前月比悪化。堅調なインバウンド消費や年始の初売りが好調であった一方、厳しい寒さによる外出の手控えや生鮮食品の価格上昇などが悪化に寄与した。 ・11月の関西2府4県の現金給与総額は9カ月連続の前年比増加。実質現金給与総額も4カ月連続で上昇しており、所得環境は全国を上回る改善が続いている。 ・12月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比プラス。百貨店は高額品を中心に依然好調であり、スーパーは野菜価格の高騰もあり、農産品が好調であったため。 ・12月の新設住宅着工戸数は4カ月連続の前年比減少。利用関係別にみると、持家、貸家、分譲のいずれも減少が続いており、低調である。 ・12月の有効求人倍率は3カ月連続の前月比上昇。2017年通年では関西の改善幅が全国を上回った。一方、完全失業率は2カ月連続で悪化したものの、雇用環境は引き続き堅調である。 ・1月の公共工事請負金額は4カ月連続で前年比増加した。新名神高速道路や阪神高速道路の工事が増加に寄与したとみられる。 ・12月の建設工事出来高は5カ月ぶりの前年比増加。2017年通年では、関東ではオリンピック・パラリンピックの影響もあり大きな伸びとなったが、関西の伸びは小幅にとどまった。 ・1月の関空への訪日外客数は11カ月連続で前年比増加。また、10カ月連続で2桁増が続いており好調である。 ・中国1月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は2カ月連続で下落したが、18カ月連続で景気の分岐点である50を上回った。
稲田 義久

経済予測

日本経済(月次)予測(2018年1月)<10-12月期の実質GDP成長率の下方修正リスクは民間最終消費支出の予測に依存>

[ Monthly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 DATE2018-02-06

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Abstract/Keywords

日本経済, 月次レポート、超短期予測

※ 英語版はこちら
稲田 義久

経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.57-景気は足下、先行きともに悪化の兆し-

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰 DATE2017-01-24

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Abstract/Keywords

関西経済, 月次レポート, KEIM

-景気は足下、先行きともに悪化の兆し- ・11月の鉱工業生産指数は2カ月連続の前月比上昇だが、10-11月平均を7-9月平均と比べると小幅下落した。近畿経産局は「生産は横ばい傾向で推移している」と判断している。 ・12月の貿易収支は11カ月連続の黒字となったが、黒字幅は2カ月ぶりに前年比縮小。スマートフォン需要が旺盛なため輸出が伸びたが、一方でエネルギー輸入が増加したため。 ・12月の景気ウォッチャー現状判断DIは4カ月連続で改善した。好調な季節商品の売れ行き、堅調なインバウンド消費、株高による高額消費増加などが改善に寄与。なお、同月の消費者態度指数は3カ月ぶりに悪化。 ・10月の関西2府4県の現金給与総額は8カ月連続の前年比増加。実質現金給与総額も3カ月連続で上昇しており、所得環境は改善が続いている。 ・11月のスーパーは苦戦したものの、百貨店が依然好調な結果、大型小売店販売額は2カ月ぶりに前年比増加した。 ・11月の新設住宅着工戸数は3カ月連続の前年比減少。利用関係別にみると、持家は9カ月連続、貸家と分譲はそれぞれ3カ月ぶりにいずれも減少した。 ・11月の有効求人倍率は2カ月連続の前月比上昇。完全失業率は2カ月ぶりに小幅悪化したものの、労働力人口と就業者数の増加がみられ、雇用環境は好調である。 ・12月の公共工事請負金額は3カ月連続で前年比増加し、結果10-12月期は5四半期ぶりに増加した。 ・11月の建設工事出来高は4カ月連続の前年比減少。オリンピック・パラリンピックの影響で、増加が続いている関東と異なり、低調で推移している。 ・12月の関空への訪日外客数は10カ月連続で前年比増加し高水準を維持。結果、2017年は716万人となり、6年連続の前年比プラス。 ・中国10-12期の実質GDP成長率は前年比+6.8%となり、前期と同じ伸び。結果、2017年実質GDP成長率は+6.9%となり、政府の目標である6.5%成長を上回った。
稲田 義久

経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.56-景気は足下、先行きともに足踏み基調で推移か-

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰 DATE2017-12-27

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Abstract/Keywords

KEIM, 関西経済, 月次レポート

-景気は足下、先行きともに足踏み基調で推移か- ・10月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月から上昇したものの、7-9月平均と比べると下落した。近畿経産局は「生産は横ばい傾向で推移している」と判断している。 ・11月の貿易収支は10カ月連続の黒字であり、黒字幅は2カ月ぶりに前年比大幅拡大。アジアのスマートフォン市場の好調により、輸出では半導体等電子部品が増加し、輸入では通信機等が増加した。 ・11月の消費者態度指数は2カ月連続、景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続で改善。気温が低く季節商品が好調だったこと、堅調なインバウンド消費などが上昇に寄与。一方、先行き判断DIはインバウンド消費の持続性への不安などから下落。 ・9月の関西2府4県の現金給与総額は7カ月連続の前年比増加。「関西コア」賃金指数も5カ月連続の同改善。実質賃金も2カ月連続で上昇しており、所得環境は改善がみられる。 ・10月の大型小売店販売額は3カ月ぶりの前年比減少。百貨店は化粧品や時計等の高額品が依然好調だが、スーパーは悪天候による来客数の減少と野菜の相場安を受け、低調であったため。 ・10月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前年比減少。利用関係別にみると、貸家は2カ月連続で増加したものの、持家と分譲は8カ月連続と2カ月連続でいずれも減少した。 ・10月の有効求人倍率、新規求人倍率ともに前月比改善。完全失業率も2カ月ぶりに同改善した。雇用情勢は依然堅調である。 ・11月の公共工事請負金額は2カ月連続で前年比増加したものの、季節調整値では5カ月ぶりの前月比減少となった。 ・10月の建設工事出来高は3カ月連続の前年比減少。全国と異なり、低調で推移している。 ・11月の関空を利用した訪日外客数は9カ月連続の前年比増加。また、8カ月連続で2桁増が続いており、好調である。 ・中国11月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は2カ月ぶりに改善し、16カ月連続で景気の分岐点である50を上回っているが、工業生産は2カ月連続で減速している。
稲田 義久

経済予測

日本経済(月次)予測(2017年11月)<10-12月期の実質GDP成長率予測プラスに転じる>

[ Monthly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 DATE2017-12-04

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Abstract/Keywords

日本経済, 超短期予測, 月次レポート

稲田 義久

経済予測

Kansai Economic Insight Quarterly No.36 <停滞を抜け、堅調な改善が続いている。実感のある景気回復を定着させよ>

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 / 馬 騰 DATE2017-11-28

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Abstract/Keywords

関西経済, 四半期予測, 早期推計

停滞を抜け、堅調な改善が続いている。実感のある景気回復を定着させよ 1.2017年7-9月期実質GDP成長率は前期比+0.4%(同年率+1.4%)と7四半期連続のプラス。市場コンセンサスにほぼ一致する結果であった。成長に対する寄与度をみると、国内需要は-0.2%ポイントで4四半期ぶりのマイナス。純輸出は同+0.5%ポイントと2四半期ぶりのプラスとなった。 2.2017年7-9月期の関西経済は、堅調な改善ペースを維持した。家計部門は、堅調に推移している。住宅市場や雇用環境では改善傾向に一服感が出ているが、消費者センチメントや所得環境は、足下改善している。企業部門は、景況感は好調を維持しているが、生産は弱い動きであり、在庫は積み上がり局面を迎えている。対外部門は輸出輸入とも拡大が続いており、貿易収支は黒字基調が定着している。公的部門は、大幅な前年割れが続いていたが、足下では底打ちしている。 3.関西の実質GRP成長率を2017年度+1.8%、18年度+1.4%、19年度+1.1%と予測する。日本経済予測の下方修正を反映した結果、前回の予測結果と比較して、2017年度は0.1%ポイント、18年度は0.3%ポイントのともに下方修正である。なお今回から19年度の予測を新たに追加した。 4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2017年度は民間需要が+1.1%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.6%ポイントと、各項目がバランスよく成長に貢献する。18年度は民間需要+0.8%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.5%ポイント、19年度は民間需要+0.6%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.3%ポイントとなる。成長に対する寄与度は徐々に減速していくが、バランスの良い成長パターンが続こう。 5.日本経済予測と比較すると、2015-16年度の回復の立ち遅れから転じて17年度以降は全国を上回る成長率で推移する。内需の寄与は日本経済予測とほぼ同じであるが、外需はアジア向けを中心とした輸出の伸びが旺盛なことと純移出の貢献から、全国よりも寄与が大きくなる。 6.県内GDP早期推計(2015-16年度実績見通し)を改定した。関西2府4県の実質GRP成長率(生産側)の実績見通しは、2015年度-0.0%、16年度-0.4%となる。日本経済(GDP)では15-16年度にプラス成長に回復していたのとは対照的に、関西は2年連続でマイナス成長であった。なお2017年度(超短期予測、参考値)は+1.4%と3年ぶりのプラス成長に回復する。
稲田 義久

経済予測

第114回景気分析と予測<7期連続のプラス成長を確認するが、課題は実質雇用者所得の拡大>

[ Quarterly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 / 下田 充 DATE2017-11-28

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Abstract/Keywords

日本経済予測, 四半期レポート, 超短期予測

7期連続のプラス成長を確認するが、課題は実質雇用者所得の拡大 1.GDP1次速報値によれば、7-9月期実質GDP成長率は前期比+0.4%(同年率+1.4%)と7四半期連続のプラス。潜在成長率を上回る成長が続いている。実績は市場コンセンサスにほぼ一致した。なおCQM最終予測は、支出サイドが同年率+0.2%と実績よりも下振れた。 2.実質成長率への寄与度を見ると、国内需要は前期比-0.2%ポイントと4四半期ぶりのマイナス、純輸出は同+0.5%ポイントと2四半期ぶりのプラス。4-6月期とは逆の回復パターンである。これまで成長を牽引してきた民間最終消費支出、民間住宅、公的固定資本形成が内需を押し下げた。一方、輸出は2四半期ぶりに増加。Slow trade脱却の兆しは明瞭で、日本経済にとって輸出市場の持続的回復が期待できる。 3.7-9月期GDP1次速報値を織り込み、2017年度の実質GDP成長率を+1.7%、18年度+1.1%。今回新に19年度を+0.9%と予測した。前回(第113回)予測に比して、17年度は-0.3%ポイントと比較的大幅の、18年度は-0.1ポイントと小幅の、いずれも下方修正となった。17年度の下方修正は4-6月期の成長率が2次速報値で大幅下方修正(前期比年率+4.5%→+2.5%)された影響である。ただ、半期ベース(4-9月期)では前期比2%程度の堅調な成長となっている。 4.ベースライン予測では、2019年10月に消費増税が予定通り実施されると想定している。この影響で19年度後半の景気落ち込みは避けられない。ただ前回(14年4月実施)に比して、税率引き上げ幅が小幅にとどまること、飲食料品と新聞には軽減税率が適用されること、実施時期が年度の真ん中であることなどから19年度のマイナス成長は避けられよう。 5.今回の景気回復は2017年9月で「いざなぎ景気(1965年11月~70年7月)」を超えて58カ月と戦後2番目の長さとなった。19年1月に「いざなみ景気(2002年2月~08年2月)」超えの可能性も見えてきた。ただ今回の景気回復は途中に消費増税による景気の踊り場を含んでおり、景気回復の実感を伴うものではない。景気回復が持続可能となるため課題は実質雇用者所得の拡大となろう。 6.原油価格の上昇幅を前回予測から上方修正した。これらの変化を織り込み、消費者物価コア指数のインフレ率は、2017年度+0.7%、18年度+1.0%、19年度は消費増税の影響で+1.7%と予測。前回から上方修正となっている。また国内企業物価指数は+2.7%、+2.0%、+2.8%となる。GDPデフレータは+0.1%、+0.9%、+1.5%と予測している。日銀は10月の展望レポートの中で、消費者物価コア指数の見通しを、17年度+0.8%、18年度+1.1%と前回からは下方修正しているが、19年度は+2.3%と変化なしである。この予測実現には依然困難が伴うと思われる。
稲田 義久

経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.55-景気は足下やや横ばいだが、先行きは緩やかな改善の見込-

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰 / 豊原 法彦 DATE2017-11-24

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Abstract/Keywords

KEIM, 関西経済, 月次レポート

-景気は足下やや横ばいだが、先行きは緩やかな改善の見込み- ・9月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月から低下した。7-9月期は2四半期ぶりのマイナス。近畿経産局は「生産は横ばい傾向で推移している」と前月から据え置いた。 ・10月の貿易収支は9カ月連続の黒字だが、黒字幅は前年同月と比べて3カ月ぶりに縮小した。輸出は前月に続き、遊戯用具が増加し、9カ月連続のプラス。輸入はたばこ・医薬品等が増加し、8カ月連続のプラス。 ・10月の消費者態度指数は4カ月ぶり、景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続の改善。株価上昇や好調なインバウンド消費が上昇に寄与した。先行き判断DIは、株高を受けた年末商戦への期待などから大幅に上昇した。 ・8月の関西2府4県の現金給与総額は6カ月連続の前年比増加。「関西コア」賃金指数も4カ月連続の同改善。賃金は着実に伸びている。 ・9月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比プラス。百貨店は、秋冬物衣料が伸び、化粧品と宝飾品は依然好調。スーパーは、牛肉と鍋物関連商品を中心に食料品が堅調であった。 ・9月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前年比減少。利用関係別にみると、持家は7カ月連続の減少、貸家は3カ月ぶりの増加、分譲は3カ月ぶりの減少。 ・9月の有効求人倍率、新規求人倍率はともに前月比悪化。完全失業率も4カ月ぶりに悪化したが、これまでの反動とみられ、雇用情勢は依然堅調である。 ・10月の公共工事請負金額は5カ月ぶりの前年比増加。季節調整値では4カ月連続の増加となった。 ・10月の関空を利用した訪日外客数は8カ月連続の前年比増加。また、7カ月連続で2桁増が続いており、好調である。 ・中国10月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は3カ月ぶりに悪化したものの、15カ月連続で景気の分岐点である50を上回った。
稲田 義久

経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.54-景気は足下、先行きともに緩やかな成長が見込まれる-

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET DATE2017-10-24

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Abstract/Keywords

関西経済, 月次レポート, KEIM

-景気は足下、先行きともに緩やかな成長が見込まれる- ・8月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月から上昇したが、7-8月平均は4-6月平均比小幅上昇にとどまった。近畿経産局は「生産は横ばい傾向で推移している」と判断している。 ・9月の貿易収支は8カ月連続の黒字。米国向けのゲームソフトを中心に遊戯用具が過去最高額となり、輸出の伸びに寄与した。結果、前年比でも黒字幅は拡大した。 ・9月の消費者態度指数は前月比小幅悪化。一方、景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月ぶりの改善。消費者の節約志向は依然強いものの、好調なインバウンドに加え、秋物商材が好調で全体は上昇した。 ・7月の関西2府4県の現金給与総額は5カ月連続の前年比増加。「関西コア」賃金指数も3カ月連続の同改善。緩やかではあるものの、賃金は上昇が続いている。 ・8月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比プラス。百貨店は化粧品、宝飾品等が国内需要とインバウンド需要向けで好調。スーパーは牛肉と水産品を中心に食料品が堅調であった。 ・8月の新設住宅着工戸数は3カ月ぶりの前年比増加となった。利用関係別にみると、持家は6カ月連続、貸家は2カ月連続いずれも減少。一方、分譲は2カ月連続の増加。 ・8月の有効求人倍率は前月比横ばい。新規求人倍率は2カ月連続の上昇となり、労働需給が引き締まった状態が続く。完全失業率は3カ月連続の改善で、雇用情勢は依然好調である。 ・9月の公共工事請負金額は4カ月連続の前年比減少。季節調整値で見ると、3カ月連続の増加となったものの、補正予算の効果はすでに剥落しているとみられる。 ・9月の関空を利用した訪日外客数は前年比+24.0%と7カ月連続で増加しており、インバウンドは好調。また、7-9月期の訪日外客の平均消費額は7四半期ぶりのプラスであった。 ・中国の7-9期の実質GDP成長率は、前年比+6.8%となり、4-6月期から、-0.1%ポイント小幅下落した。
稲田 義久

経済予測

日本経済(月次)予測(2017年9月)<7-9月期の実質成長率予測、支出・生産サイドともに小幅のマイナス成長>

[ Monthly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 DATE2017-10-02

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Abstract/Keywords

日本経済, 月次レポート, 超短期予測

稲田 義久

経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.53-景気は足下、先行きともに緩やかな回復が続く-

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 DATE2017-09-26

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Abstract/Keywords

関西経済, 月次レポート, KEIM

-景気は足下、先行きともに緩やかな回復が続く- ・7月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月から下落し、4-6月平均と比べても下落した。近畿経済産業局は「総じてみれば、生産は横ばい傾向で推移している」と判断している。 ・8月の貿易収支は7カ月連続の黒字。アジア向けの科学光学機器等の輸出額の増加が半導体等電子部品等の輸入額の増加を上回ったことから、前年同月比でも黒字幅は拡大した。 ・8月の消費者態度指数は前月比横ばい。一方、景気ウォッチャー現状判断DIは4カ月ぶりの悪化。インバウンド消費や猛暑による季節商材の好調も、依然消費者の節約志向は強く、全体は低下。インバウンド消費への期待は高いものの、海外リスクへの懸念から、先行き判断DIは2カ月ぶりの小幅上昇。 ・6月の関西2府4県の現金給与総額は4カ月連続で増加。「関西コア」賃金指数も2カ月連続の改善。賃金の伸びが今後も定着するかどうか、注視が必要であろう。 ・7月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの減少。百貨店ではインバウンド需要が好調だったが、バーゲン前倒しの反動により売上が減少した。スーパーでは鮮魚と農産品が苦戦した。 ・7月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の減少。利用関係別にみると、持家は5カ月連続、貸家は3カ月ぶりの減少。一方、分譲は6カ月ぶりの増加となった。 ・7月の有効求人倍率は6カ月連続の改善。新規求人倍率は2カ月ぶりの上昇となり、労働需給が引き締まった状態が続く。完全失業率は横ばいで、雇用情勢は依然好調である。 ・8月の公共工事請負金額は3カ月連続の減少。季節調整値で見ると、2カ月連続の増加となったものの、今後補正予算の効果剥落が懸念される。 ・8月の関空を利用した訪日外客数は61万6,020人で6カ月連続の増加。5カ月連続で2桁増が続いている。 ・中国8月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は2カ月ぶりに前月から改善し、13カ月連続で景気判断の分岐点である50を上回った。一方、不動産市場は低調で、主要70都市のうち不動産価格が上昇したのは46都市で、前月から10都市減少した。
稲田 義久

経済予測

日本経済(月次)予測(2017年8月)<7-9月期の実質成長率予測、前期高成長の反動減が表れる>

[ Monthly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 DATE2017-09-04

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Abstract/Keywords

日本経済, 月次予測, 超短期予測

稲田 義久

経済予測

第113回景気分析と予測<足下堅調な景気回復を確認するが、先行き持続性に難点>

[ Quarterly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 / 下田 充 DATE2017-08-30

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Abstract/Keywords

日本経済予測, 四半期レポート, 超短期予測

足下堅調な景気回復を確認するが、先行き持続性に難点 1.GDP1次速報値によれば、4-6月期実質GDP成長率は前期比年率+4.0%(前期比+1.0%)と6四半期連続のプラス。潜在成長率を上回る成長が続いている。実績は市場コンセンサス(2%台前半)から大幅に上振れた。CQM最終予測は、支出サイドが同+2.8%、生産サイドが同+3.0%、平均同+2.9%である。 2.基礎統計の追加と推計方法の変更の結果、過去値が遡及改訂された。16年度の四半期実質成長率のパターンを前回と比較すると、4-6月期こそ下方修正されたものの、7-9月期、10-12月期、1-3月期、いずれも上方修正された。結果、2016年度の実質成長率は+1.3%と前回から上方修正された。また17年度にかけての実質成長率の下駄が+0.6%と前回から上昇している。 3.4-6月期実質GDP成長率への寄与度を見ると、国内需要は前期比年率+5.1%ポイントと3四半期連続のプラス、純輸出は同-1.1%ポイントと6四半期ぶりのマイナス。これまで成長を牽引してきた輸出は4四半期ぶりのマイナス、民間最終消費支出の大幅拡大、民間企業設備の好調、補正予算の影響が出だした公的固定資本形成の大幅増加が特徴といえよう。 4.4-6月期GDP1次速報値を織り込み、2017年度の実質GDP成長率を+2.0%、18年度+1.2%と予測する。前回(第112回)予測に比して、17年度は+0.6%ポイントの大幅上方修正、18年度は+0.1ポイントの小幅上方修正。17年度にかけての成長率の下駄の影響もあり、大幅な上方修正となった。 5.1-3月期、4-6月期に見られた民間最終消費支出の回復は消費性向の急上昇に支えられている。問題は好条件に支えられた消費性向の持続性である。緩やかな所得環境の回復に対してエネルギー価格の上昇から消費者物価が上昇し、実質可処分所得の伸びは減速する。合わせて消費性向が低下するため17年度後半から18年度の民間最終消費支出の伸びは減速しよう。 6.原油価格の上昇幅を前回予測から下方修正した。これらの変化を織り込み、消費者物価コア指数のインフレ率は、2017年度+0.5%、18年度+0.8%と予測。前回から下方修正となっている。また国内企業物価指数は+2.1%、+1.6%となる。GDPデフレータは+0.3%、+0.3%と予測している。日銀は7月の展望レポートの中で、消費者物価コア指数の見通しを、17年度+1.1%、18年度+1.5%と引き続き下方修正しているが、この予測実現には困難が伴うと思われる。
稲田 義久

経済予測

Kansai Economic Insight Quarterly No.35 <緩やかな改善が続く関西経済>

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 DATE2017-08-30

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Abstract/Keywords

関西経済, 四半期予測, 早期推計

緩やかな改善が続く関西経済 1.2017年4-6月期実質GDP成長率は前期比年率+4.0%(前期比+1.0%)と6四半期連続のプラスとなった。市場コンセンサスから大幅に上振れた。国内需要の寄与度は前期比年率+5.1%ポイントと3四半期連続のプラス、純輸出は同-1.1%ポイントと6四半期ぶりのマイナス。内需主導型の堅調な回復となった。 2.2017年4-6月期の関西経済は、緩やかな改善が続いている。家計部門、企業部門ともに持ち直しており、特に企業部門の景況感は先行きも明るい。またこれまで関西では改善が遅れていた所得環境でも、まだ楽観視はできないものの、ようやく上昇の気配が見えてきた。対外部門では、対アジアを中心に輸出輸入とも持ち直してきており、貿易収支は黒字基調が続いている。ただし公的部門は、弱い動きとなっている。 3.関西の実質GRP成長率を2017年度+1.9%、18年度+1.7%と予測する。前回の予測結果と比較すると、関西経済の足下での底堅さと日本経済予測の上方修正を受けて、17年度+0.5%ポイント、18年度+0.4%ポイントとともに上方修正とした。なお過年度の実績見通しについては、前回予測から大きな修正はない。 4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2017年度は民間需要が+1.1%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.7%ポイントと、各項目がバランスよく成長に貢献する。18年度は民間需要+0.9%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.7%ポイントと前年度に比べるとやや内需が減速するが、前年度に続いてバランスの良い成長パターンを見込む。 5.日本経済予測と比較すると、2015-16年度の回復の立ち遅れから転じて17年度は全国並み、18年度は全国を上回る成長率で推移しよう。内需の寄与は日本経済予測より小幅にとどまるが、外需はアジア向けを中心とした輸出の伸びが旺盛なことと純移出の貢献から、全国よりも寄与が大きくなる。 6.インバウンド消費の関西経済に対する影響について分析した。訪日外国人消費は2016年の関西GRPを約0.86%、就業者を約1.25%押し上げる効果をもたらした。インバウンド需要は「爆買いから新たな拡張局面へ」移行したといえる。
稲田 義久

経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.52-景気は足下、先行きともに緩やかな回復を見込む-

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET DATE2017-08-24

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Abstract/Keywords

関西経済, 月次レポート, KEIM

-景気は足下、先行きともに緩やかな回復を見込む- ・6月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりの前月比プラス。結果、4-6月期は2四半期ぶりの増産となった。 ・7月の貿易収支は6カ月連続の黒字となった。しかし、黒字幅は2か月連続の前年比マイナス。中国向けの科学光学機器を中心に輸出額が増加したが、エネルギーを中心に輸入額も増加したためである。 ・7月の消費者態度指数は前月比横ばいだが、景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続の改善。インバウンド消費や天候要因等が景況感を押し上げた。一方、酷暑による客足の減少や秋物商戦への影響懸念から、先行き判断DIは4カ月ぶりに悪化。 ・5月の関西2府4県の現金給与総額は3カ月連続で増加。「関西コア」賃金指数も2カ月ぶりに改善したものの、依然として賃金の伸びは弱い。 ・6月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比プラス。うち、百貨店はインバウンド需要の好調に加え、夏のバーゲンの前倒しが売上に貢献した。スーパーは、平年より低温の影響で夏物衣料と季節の農産品が苦戦した。 ・6月の新設住宅着工戸数は前年同月比-5.4%となり、先月から再び減少に転じた。利用関係別にみると、持家は4カ月連続のマイナス。分譲は5カ月連続のマイナス。一方、貸家は2カ月連続の増加となった。 ・6月の有効求人倍率は5カ月連続で改善。新規求人倍率は3カ月ぶりに低下したものの、労働需給は引き締まった状態が続く。完全失業率は2カ月ぶりに改善し、雇用環境は好調である。 ・7月の公共工事請負金額は前年同月比-31.3%と2カ月連続のマイナス。季節調整値で見ると、前月比+7.1%となり、3カ月ぶりのプラス。 ・7月の関空への訪日外客数は65万5,140人と前年比+13.0%となり、5カ月連続のプラス。4カ月連続で2桁増が続いている。 ・中国7月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は51.4と4カ月ぶりに前月から低下したが、12カ月連続で景気判断の分岐点である50を上回った。
稲田 義久

経済予測

日本経済(月次)予測(2017年7月)<4-6月期の実質成長率は強い内需に支えられ年率2%台後半の可能性が高い>

[ Monthly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 DATE2017-08-04

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Abstract/Keywords

日本経済, 月次レポート, 超短期予測