Policy Brief No.3 <世界の潮流(SDGs)を牽引する企業統治を>

2018-09-11

近年、SDGsの実現が世界の潮流となっている。SDGsの底流にある「長期的視点での経営」、「多様なステークホルダーへの配慮」、「経営と倫理の両立」は、日本企業の根底にある経営哲学であり、世界から評価されるべき普遍的価値を有する。日本企業はこの価値を活かし、世界の潮流を牽引する企業統治を行っていく必要がある。政府・証券取引所は、長期的視点での経営をバックアップするよう、四半期開示の義務付け廃止、議決権や税制の面での長期保有株主に対する優遇策を講じるべきである。

著者

関連論文

稲田 義久
インサイト

台風21号の関西経済への影響について ―関西国際空港の被害に関連して―

[ トレンドウォッチ ] AUTHOR稲田 義久 / 藤原 幸則 / 木下 祐輔 DATE2018-09-07

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Abstract/Keywords

関西国際空港,インバウンド,輸出

今般の台風21号は関西を中心に大きな被害をもたらした。関西国際空港(以下、関空)においては、A滑走路や駐機場の冠水、タンカーの衝突による連絡橋の損傷等、想定外の被害に見舞われた。関空の早期再開に向け、昼夜を問わず懸命に尽力されている関係者の皆様に心からの敬意を表したい。 関西経済は、関西・日本の経済を支える基幹インフラである国際拠点空港・関空を基盤として、ここ数年2つの輸出、すなわち、成長著しいインバウンドというサービスの輸出(インバウンド消費は、統計上サービスの輸出に分類される)と電子部品・デバイス等の財の輸出に支えられ、好調に推移している。 この好調を持続可能なものとするためにも、関空の1日も早い復旧・再開が望まれる。現段階ではまだ被害の全容、全面再開の見通しが明らかではないが、今般の被害が今後の関西経済に与える影響、関空の早期再開の重要性について、現在把握できる範囲の情報に基づいて整理してみた。
藤原 幸則
研究プロジェクト

スポーツ産業の活性化

[ 2018年度/日本・関西経済軸 ] AUTHOR藤原 幸則 DATE

Abstract/Keywords

スポーツビジネス,生涯スポーツ

リサーチリーダー

藤原幸則 APIR主席研究員  

研究目的

スポーツ産業は日本では伸び悩んでいるものの、本来関連産業とのシナジー効果も含めれば今後大きな成長が期待でき、地域活性化などにも資すると考えられる。現在、日本では行政をはじめ様々な主体が「ゴールデン・スポーツイヤーズ」(2019~21 年)と言われる3年間に日本で開催される国際メガスポーツイベントを見据え、機運醸成と受入環境整備等に取り組んでいる。このような中でスポーツ産業の振興や抱える課題等について議論し、スポーツ用品メーカーの集積やいわゆる「聖地」を抱える関西の視点も踏まえて分析を行う。

 

研究内容

研究会を開催を通じて、日本におけるスポーツのこれまでの経緯とスポーツ産業に関する最新の動向も踏まえつつ「競技・生涯スポーツの担い手の現状と課題」、「スポーツと周辺産業の連携」、「スタジアム・アリーナ改革」等といった多様な課題の中から「スポーツ(特に生涯スポーツ)の担い手の現状と課題」に絞り、ヒアリングや専門家識者の参画も得ながら報告書にまとめる。 ステークホルダーが多岐に亘るスポーツ産業に関する分析において、中立的なシンクタンクであるAPIRで研究会を実施することで、分野横断的な議論が可能となる。  

アドバイザー

山口泰雄 神戸大学名誉教授  

期待される成果と社会還元のイメージ

 研究、議論の結果を期末に報告書にまとめる。報告書は行政、企業、クラブ等関係者にも配布したい。施策の参考、ステークホルダー間の連携拡大などにつなげる。  
藤原 幸則
研究プロジェクト

産業クラスター生成過程の分析

[ 2018年度/日本・関西経済軸 ] AUTHOR藤原 幸則 DATE

Abstract/Keywords

イノベーション,スタートアップ,生産性向上

リサーチリーダー

主席研究員 藤原幸則 APIR主席研究員  

研究目的

関西のスタートアップの起業環境の予備調査において、東京圏との差は大きく、例えば日経新聞のNEXTユニコーン調査でも104社中7社のみが関西圏である。東京圏の比較において、関西に不足している要件を調査して、対策するのみでは東京との差別化が出来ない。既に始まっている東京圏での資金・情報などの集約は、今後も集積効果により集中することが容易に推定される。特徴ある施策が求められる背景である。

起業活性化や関西での起業環境の調査報告は幾つかある。今回の調査は、経済活性化の為の施策提案を行なうための調査であるので、アウトプットは事業提案もしくはポリシーブリーフとなる。とりわけ、経済団体である関経連、大商、同友会とは事業提案について情報交換していく。  

研究内容

上記の目的を達成するために、本調査では、イノベーションに関する様々な関係者よりヒヤリングを行い、施策を検討する。また、イノベーションの経済的な効果は実効性には重要なので、関連する研究者よりご教示頂く。 1)調査と施策検討

主に、大企業とスタートアップを結び付けるオープンイノベーションに関するフォーラムなどに出席して、各企業の課題意識について調査する。また、先進的な取り組みをされている企業やスタートアップなどとは個別に情報交換を行なう。

2)産学連携

各大学の産学連携の取り組みの特徴や大学発ベンチャーの取り組みについてまとめる。とりわけ、企業との包括連携、大学でのオープンイノベーションプラットフォーム作りなどこれまでと異なる施策が、イノベーションに対して有効かの検証を行なう。

3)イノベーションの研究者

イノベーションに関する既存研究について、研究者に当たってヒヤリングなどを行なう。現在のところは、特許出願などを調査されている帝塚山大学経済経営学部経済経営学科蟹先生、スタートアップ企業について研究されている関西学院大学経済学部加藤先生、生産性向上について検討されている東洋大学経済学部滝澤先生などが候補である。

 

リサーチャー

山本明典  総括調査役・研究員  

期待される成果と社会還元のイメージ

 外部イノベーションの取り込みが苦手な企業やスタートアップ企業が関西に集積する施策を提案する。  

<研究会の活動>

研究会
藤原 幸則
その他の活動・出版物紹介

「目指すべき企業経営のあり方~世界の潮流を牽引する企業統治のあり方」研究(公益社団法人関西経済連合会委託研究)

[ その他の活動 ] EDITOR藤原 幸則 DATE2018-06-29
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Abstract/Keywords

SDGs,企業価値,企業統治(コーポレートガバナンス)

研究内容

近年、世界では、短期利益志向と株主価値の最大化を図る企業経営に対する反省が高まっている。反省の潮流の中にあるのは、長期的な視点での経営と株主だけでない多様なステークホルダーへの配慮が重要ということである。また、富の大きな格差、超国家的存在の巨大多国籍企業の過剰な税回避など、行き過ぎた資本主義の問題が露呈される中で、経営には倫理的であることが強く求められている。

長期的視点での経営、多様なステークホルダーへの配慮、経営と倫理の両立は、日本企業の根底にある経営哲学である。今、SDGsという世界の持続的な社会実現に向けた目標があるが、古くから日本企業が経営哲学とし、実践してきたことに合致するものが多い。こうした日本企業の経営哲学は、世界から評価されるべき普遍的価値を有するものである。日本企業は、経営や企業統治において、SDGsという世界の潮流を牽引していくことが必要である。

そこで、本研究では、短期利益志向や株主価値最大化の経営に走った投資家資本主義の問題と反省の動きをレビューし、SDGsという最近の世界の潮流を踏まえて、企業統治(コーポレートガバナンス)の観点から、世界の潮流を牽引する「目指すべき企業経営のあり方」について報告書をとりまとめた。  

リサーチリーダー

加護野忠男 甲南大学特別客員教授、神戸大学名誉教授

リサーチャー

田中一弘  一橋大学 大学院経営管理研究科教授 伊藤博之  滋賀大学 経済学部教授 吉村典久  大阪市立大学 大学院経営学研究科教授 藤原幸則  アジア太平洋研究所 主席研究員  
藤原 幸則
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財政健全化をどう進めるか

[ トレンドウォッチ ] AUTHOR藤原 幸則 DATE2018-03-12

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Abstract/Keywords

財政健全化の道筋,金利上昇リスク,独立財政機関

政府は本年夏に新たな財政健全化目標と具体的計画を示すとしているが、先行きの金利上昇リスクを考えると、財政健全化は先送りできない。景気の維持を大前提に経済成長を促す政策を講じるとともに、必要な税収増と歳出抑制に着実に取り組むことが望まれる。本稿では、簡易なシミュレーションを行うことにより、その方向性を確認している。また、財政健全化を進めるための制度・仕組みとして、わが国にも独立財政機関の設置の検討を提案している。