関西経済予測と関西経済構造分析

2012-04

リサーチリーダー
高林 喜久生 関西学院大学教授

研究成果概要
「国際収支(=輸出-輸入)の地域版」である域際収支(=移出-移入)の分析からは、関西から関東への波及効果は大きく、その逆方向の効果は小さいことがわかりました。また、国・地域の景気指標(CI)の連動関係の分析からは、関西経済はアジア諸国・地域とのつながりが深く、リーマンショック以前は韓国、それ以降は中国からの影響を強く受けていることがわかりました。本研究の結果からも関西の景気変動の独自性は明らかで、速報性・信頼性を持つ関西景気指標(CI)の開発が求められます。分析の結果、関西景気指標は、需要、生産、所得、雇用の4指標をベースに簡便に作成できることがわかりました。また、ユニークな景気指標として、「段ボール生産」が地域の景気の一致指標として要注目です。詳細はこちら

研究目的
関西経済の現状分析と予測。関西活性化に資するテーマに関する構造分析の視点からの研究。関西の府県別経済構造分析ならびに関西景気指標の開発と応用。これらを通じて、関西経済の課題と対応策を明らかにする。

研究内容
○マクロ計量モデル分析による日本・関西経済の現状分析と予測
○地域産業連関分析による関西経済の構造分析や観光消費の経済波及効果分析、独自の連関表の維持・拡張
○関西景気指標の開発ならびに応用
○アンケート・ヒアリング・現地調査による関西の実態把握
○マクロ経済研究会における会員企業若手スタッフとの共同作業

メンバー
稲田義久 (甲南大学)
地主敏樹 (神戸大学)
下田 充 (日本アプライドリサーチ研究所)
入江啓彰 (近畿大学短期大学部)
APIRマクロ経済研究会会員企業メンバー

期待される研究成果
・四半期経済予測(2、5、8、11月)の発表
・関西エコノミックインサイト(同上)の発表
・関西経済に焦点を当てた景気討論会の開催

研究成果
11月9日に第2回マクロ経済研究会を開催しました。
9月13日に第1回マクロ経済研究会を開催しました。
4月24日に第1回研究会を開催しました。

関連論文

高林 喜久生
研究プロジェクト

関西・アジア諸国間の経済連動関係の分析と関西独自景気指標の開発

[ 2013年度/イノベーション ] AUTHOR高林 喜久生 / 稲田 義久 DATE2013-03-08

Abstract/Keywords

域際収支、地域間産業連関表、関西景気動向指数、段ボール生産

研究成果概要

  本研究では関西の府県別の変動パターンに着目しました。「国際収支(=輸出-輸入)の地域版」である域際収支(=移出-移入)の関西府県分析からは、あらためて大阪府の重要性が浮き彫りになりました。一方、関西の府県別景気指標の分析によると、シェアが必ずしも大きくない滋賀県や福井県が関西の景気変動にとって重要な位置を占めています。そして韓国が関西の府県に先行していることも注目点です。また、ユニークな景気指標として「段ボール生産」に昨年度着目しましたが、大型小売店販売額等との時差相関係数を分析したところ、関西の消費動向の1 ヶ月の先行指標として利用可能なこともわかりました。詳細はこちら

目的

地域ごとの景気変動パターンの独自性が高まっている。この研究プロジェクトは、関西とアジア諸国・諸地域間の経済連動関係を明らかにし、その結果を踏まえて関西景気指標を独自に開発・応用を行うことを目的とする。読者は、このような情報提供を最も必要とする関西の企業・地方自治体を第一に想定する。

内容

アジア諸国・地域との経済的な連動関係を数量的に把握する。具体的には、国際地域間産業連関表の作成を行う。その際、常に新たな成長牽引産業を意識する。関西はバランスのよい産業構造を持っているとされるが、リーディング産業が無いという見方もできる。バランスのよい産業構造を生かすには産業間・企業間の連携が必要で、それが新たな成長を生み出すことに繋がると考えられる。

期待される成果と社会還元のイメージ

・関西と特定アジア諸国・地域間の国際地域間産業連関表の作成。 ・景気指標による関西とアジア諸国間の経済連動関係の抽出。 ・関西景気個別指標(例えば段ボール生産が有望視される)の発見。 ・関西独自の景気指標の開発と応用・公表。 これらの研究成果を体系的に整理したものを書籍(「関西経済論」の教科書としても利用可能なもの)としても世に問いたいと考えている。
高林 喜久生
研究プロジェクト

報告書『“関西広域観光統計”整備に向けて?行政のリーダーシップと民間の知の活用?』

[ 2012年度/その他の調査研究 ] AUTHOR高林 喜久生 DATE2012-09

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Abstract/Keywords

関西広域観光

広域観光研究会(主査:関西学院大学経済学部教授 高林喜久生氏)の報告書を掲載しました。 人口減少や景気の低迷によって国内の観光消費は伸び悩む一方で、外国人観光客数の伸びしろは大きく、1人当たりの消費支出額も国内観光客のそれよりはるか に大きい。今後、外国人観光客の誘客促進に取り組む上で統計整備は重要な役割をもつが、関西地域での消費額を把握するためには、必ずしも十分なものとは言 えない。本研究では、とりわけアジアの観光客を主眼に置き、外国人観光客に関する統計整備の課題と、利用者の視点に立った統計の整備に向け、統計のあり方 や実現のための手法について提言を行っています。
稲田 義久
経済予測

第88回 景気分析と予測(2011年8月24日)

[ Quarterly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 / 高林 喜久生 DATE2011-08-24

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Abstract/Keywords

景気分析,景気予測

「日本経済のマクロ経済分析」研究成果報告 (主査: 稲田義久・甲南大学経済学部教授 高林喜久生・関西学院大学経済学部教授) 当研究所のマクロ経済分析プロジェクトチームでは、在阪の大手企業・団体の若手スタッフの参加の下で研究会を組織し、予測に必要な景気の現状分析、外生変数の想定について共同で作業を行っている。 「景気分析と予測」については、四半期ごとに年4回(2003年度までは年2回)発表している。 2005年度より四半期予測作業において、日本経済超短期予測モデル(CQM)による、 直近2四半期のより正確な予測値を取り入れている。 ポイントは以下の通り。 *4-6月期GDP1次速報値を織り込み、2011年度実質GDP成長率を+0.9%、 2012年度を+1.8%と予測する。 2011年度は前回から1.0%ポイント上方に、2012年度は1.1%ポイント下方に、それぞれ修正した。2011年度は第3次補正予算の効果が上方修正に影響しており、2012年度は電力供給制約の高まりが下方修正に反映されている。 *震災以降、原発問題は日本経済の成長制約に転じた。 電力供給制約を短期的に回避(原発停止を火力発電で代替)するためのコストは、 年当たり3兆円程度と試算される。燃料代替による追加的輸入増加の影響で、 節電効果を考慮しても、日本経済の成長率は0.1%-0.3%程度低下する。
稲田 義久
経済予測

第87回 景気分析と予測(2011年5月26日)

[ Quarterly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 / 高林 喜久生 DATE2011-05-26

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Abstract/Keywords

景気分析,景気予測

「日本経済のマクロ経済分析」研究成果報告 (主査: 稲田義久・甲南大学経済学部教授 高林喜久生・関西学院大学経済学部教授) 当研究所のマクロ経済分析プロジェクトチームでは、在阪の大手企業・団体の若手スタッフの参加の下で研究会を組織し、予測に必要な景気の現状分析、外生変数の想定について共同で作業を行っている。 「景気分析と予測」については、四半期ごとに年4回(2003年度までは年2回)発表している。 2005年度より四半期予測作業において、日本経済超短期予測モデル(CQM)による、直近2四半期のより正確な予測値を取り入れている。 ポイントは以下の通り。 *GDP1次速報値によれば、1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率-3.7%と市場の見方を下回った。震災の影響により2期連続のマイナスと なったが、年初から回復の勢いが強かったので、2010年度の実質GDP成長率は前年度比+2.3%と3年ぶりのプラスとなった。2006年度以来の大き さである。 *1-3月期GDP1次速報値を織り込み、2011年度実質GDP成長率を-0.1%、2012年度を+2.9%と予測する。前回から2.1%ポイ ント下方に、1.2%ポイント上方にそれぞれ修正した。ともに震災が影響しており、2012年度は復興需要による成長の加速が反映されている。
稲田 義久
経済予測

第86回 景気分析と予測(2011年2月23日)

[ Quarterly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 / 高林 喜久生 DATE2011-02-23

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Abstract/Keywords

景気分析,景気予測

「日本経済のマクロ経済分析」研究成果報告 (主査: 稲田義久・甲南大学経済学部教授 高林喜久生・関西学院大学経済学部教授) 当研究所のマクロ経済分析プロジェクトチームでは、在阪の大手企業・団体の若手スタッフの参加の下で研究会を組織し、予測に必要な景気の現状分析、外生変数の想定について共同で作業を行っている。 「景気分析と予測」については、四半期ごとに年4回(2003年度までは年2回)発表している。 2005年度より四半期予測作業において、日本経済超短期予測モデル(CQM)による、直近2四半期のより正確な予測値を取り入れている。 ポイントは以下の通り。 *10-12月期GDP1次速報値を織り込み、2010年度実質GDP成長率を+3.2%、2011年度+2.0%、2012年度+1.7%と予測する。前回から0.2%ポイント、0.4%ポイント、0.1%ポイント、それぞれ上方に修正された。 2011年度が0.4%ポイント上方修正された理由は、いったん途切れた外需の再加速が今回予測に反映されたためである。 *2010年10-12月期の一時的な踊り場局面から、日本経済は持ち直しに転じ比較的高い成長が2011年前半に実現しよう。 前回予測では2011年前半の調整を経て海外経済の回復とともに、後半から日本経済は順調な拡張経路に復するとみていたが、景気回復は前倒しとなろう。