にぎわう関西に向けた地域観光戦略 -実態調査に基づく分析- (2009年3月)

2009-03-09

(主査: 稲田義久・甲南大学経済学部教授、高林喜久生・関西学院大学経済学部教授 )
当研究所のマクロ経済分析プロジェクトチームでは、在阪の大手企業・団体の若手スタッフの参加による研究会を組織し、稲田主査指導のもとマクロ計 量モデルによる景気予測を行なうとともに、高林主査指導のもと時宜に適ったテーマを取り上げ、特別研究を実施している。2008年度の特別研究は関西の魅 力ある観光資源の活用というテーマに取り組み、2009年3月5日にその成果を公表した。

<<要旨>>

【関西の観光をとりまく状況】
(1)観光資源の量・質ともに充実
・特AおよびAランクの観光資源(日本交通公社「観光資源評価台帳」による)の件数。
①関西91件(23%),②関東63件(16%),③東北58件(15%), 全国399件(100%)
(2)アジア人観光客、欧米人観光客両方の嗜好に対応できる観光資源
・アジア人はショッピング・テーマパーク、欧米人は伝統文化・歴史的施設を嗜好。
(3)修学旅行のメッカ
・関西以外の国民の72%が修学旅行で関西を訪問した経験あり。
(4)外国人観光客への対応は発展途上(当研究所アンケートによる)
・駅・バス停標記や案内板標記の外国語表記は大手・関東が先行。
駅・バス停の英語表記:関西75%,関東100%, 同 中国語表記:関西13%,関東33%。
ただし、関西は大手5社に限ると英語は100%。
・「外国人向けサービスを今後強化する方針」と回答した割合は関西25%,関東50%。

【観光の経済効果】
(1)2010年に向けて行われる平城遷都1300年記念事業が奈良県に与える経済効果は990億円。
(2)奈良県を含む関西全体への効果は1560億円。内訳は大阪府320億円、兵庫県95億円、京都府74億円等。
(3)産業別にみると、いずれの府県でも食料品・飲料部門への影響が大。

【にぎわう関西に向けた観光戦略のカギ −連携−】
(1)「地域住民・民間・行政の連携を」
・心斎橋筋商店街と周辺店舗、他業種(金融機関等)、行政等が取り組む「大阪ミナミおい でやすプロジェクト」の成功。
(2)「同業種間の連携を」
・大型小売店舗での外国語ホームページの充実や、交通機関における外国語表示などの整備。
(3)「自治体間の連携を」
・トップセールスによるプロモーションや、道路・空港などのインフラ整備。