2013年度:イノベーション

小川 一夫

研究プロジェクト

関西企業におけるイノベーションと人材

[ 2013年度/イノベーション ] AUTHOR小川 一夫 DATE2013-03-08

Abstract/Keywords

研究成果概要

本プロジェクトでは、高い生産性の伸びを維持している関西企業を抽出して、ヒアリング調査を通じて高生産性の秘訣を探りました。この調査の大きな特徴は2つあります。第1に、生産性の指標として全要素生産性(TFP; Total factor productivity 付加価値に対する労働や資本といった生産要素の貢献以外の部分)を取り上げ、個別企業の財務データを使用して定量的な分析により各企業の生産性の伸び率を算出し、グローバル金融危機や東日本大震災といった大きなショックが発生した2009年度から2011年度について全国の平均的な企業よりも生産性の伸びが高い関西企業を抽出したことです。 第2に、抽出された関西企業を対象にヒアリング調査を施し、何が高生産性をもたらしたのか定性的な分析を行った点です。高生産性企業ではさまざまなイノベーションが打ち出されていることがわかりましたが、さらにイノベーションを推進する上で優秀な人材をいかに確保し、企業組織内でどのように活用しているのかという点についても検討を加えました。 その結果、多様な人材が持つ遠心力と企業の基本理念の共有化という求心力が備わって始めて、組織の実行力が高められる中で多様な人材の能力が最大限に発揮され、企業の生産性の向上が実現することがわかりました。詳細はこちら

 目的

・TPPに象徴される地域経済協定の進展により各国間で貿易への制約が撤廃された場合、企業が生き残っていくためには、絶え間なく高い生産性を維持し、新製品開発により積極的なイノベー ションを推進していかなければならない。こうした企業の創造的活動を推進する上では人材や柔軟な企業組織が果たす役割は大きい。 ・高い生産性を誇る関西企業が、優秀な人材をいかに確保して企業組織内でどのように配置することによってイノベーションの創造に成功しているのか、外国人財の活用、大学・地方自治体の役割も考察に入れながら、分析を進めていく。 ・読者としては企業、大学そして地方自治体が対象となる。

内容

・大学・研究機関、企業、行政、シンクタンク等をメンバーとするオープンな研究チームを組織し以下の調査を実施する。 (1)企業財務データから生産性を算出するためのデータ収集と分析 (2)関西の高生産性企業へのヒアリング (3)生産性向上に大学や地方自治体が果たす役割について調査 ・財務データという客観的なデータに基づいて高生産性企業を特定するとともに、ヒアリングを通してデータに表れない企業内の無形の工夫を調べ、イノベーション企業の特徴を明らかにする。

期待される成果と社会還元のイメージ

・関西企業の中の高生産性企業を特定し、その人材採用、活用、企業組織における配置といった特徴を明らかにすることにより、企業が生産性の向上を図るために必要な方策を提示する。これは、企業戦略を立案する上で貴重な情報となりうる。 ・企業の生産性向上ため、大学や地方自治体とどのような連携を行うべきかについても提言として纏める。
岡野 光洋

研究プロジェクト

新しいマクロ経済モデル:地方財政および関西経済への応用可能性の検証

[ 2013年度/イノベーション ] AUTHOR岡野 光洋 DATE2013-03-08

Abstract/Keywords

関西経済, DSGE モデル, GRP, 地方政府

研究成果概要

 政策シミュレーションに適したマクロ経済モデルである動学的確率的一般均衡(Dynamic Stochastic General Equilibrium, DSGE) モデルを関西経済へと応用することを目的とし、その研究成果をとりまとめたものです。地域経済を対象とするDSGE モデルを構築することで、   1) シミュレーション分析を通じて地域特性を明らかにする   2) 他の地域のDSGE モデルと比較する   3) 様々な政策シナリオを試算する ことが可能になると期待されます。日本の地域を対象としたDSGE モデルの開発は前例がなく、新しい試みといえます。本報告書が足下の関西の経済情勢判断の一助となり、関西経済の構造的特徴を説明する際の資料として活用されることを望みます。詳細はこちら

目的

近年、マクロ経済政策の分析ツールとして、動学的確率的一般均衡モデル(Dynamic Stochastic General Equilibrium, DSGE)が広く活用されている。DSGEモデルは、パラメータが政策変更等の外部要因に影響されることがなく、シミュレーションに適している。しかし有用性がある一方でこのモデルはほとんど研究が進んでいない。 本研究は、関西経済や政策分析、マクロ経済理論に関心のある読者を対象とする。先行研究のサーベイ、ベンチマークモデルを用いたシミュレーション等を行なう。また予測についても検討し、他の予測モデルとパフォーマンスを比較する。

内容

分析にはDSGEモデルを用いる。国内地域モデルを考察するために、まず欧州経済を想定した二国モデルを参考とする。 本研究の特色は、特定の地域経済を対象とすることである。特に日本国内において、地方財政を扱ったDSGEモデルには例がなく、地域に則した形でマクロ経済を記述し、政策効果を評価する。

期待される成果と社会還元のイメージ

関西経済の構造的特徴をパラメータ値の推定によって定量的に捉えることができるとともに、マクロ経済理論をベースとする形で、各種の政策シミュレーションを行うことが可能である。理論的に透明度の高いモデルを用いることにより、政策効果の波及メカニズムを理論に即して追跡することが可能であり、企業・経済団体でも、情勢判断の一助として利用してもらうことが可能である。
村上 一真

研究プロジェクト

グリーン&レジリエントなサプライチェーン構築に関する研究

[ 2013年度/イノベーション ] AUTHOR村上 一真 DATE2013-03-08

Abstract/Keywords

サプライチェーン、リスクマネジメント、BCP・BCM、南海トラフ地震、製造業

研究成果概要

   本研究は、企業(製造業)のサプライチェーン(以下、SC)における調達先(サプライヤー)と納品先(顧客)の関係性を対象にし、CSRの一環としての環境経営、ならびにBCPなどの危機管理の取組みの現状を、「SCのリスクマネジメントに関するアンケート調査」の分析から明らかにすることを目的としました。具体的には、近畿・東海9府県に本社を有す、小規模な企業を含む加工組立製造業のSCを対象として、企業の自然災害等に対する「事業継続力」と、CO2抑制としての「低炭素化力」の取組みの現状を分析しました。本報告書では、速報性が求められる「事業継続力」の現状を取りまとめました。 個別企業の取組みを支援できる主体として、自治体、および業界団体・工業組合、大手企業を想定し、本社所在地別(中部太平洋側、近畿内陸、近畿臨海)と業種別(一般機械、電気機械、輸送機械)の取組みの特徴と脆弱性(リスクの大きさ)を示しています。これにより、企業や業界団体・工業組合は「事業継続力」の取組み進捗のベンチマークや、支援方策検討の基礎資料に活用できるものと考えます。また、政策当局や経済団体においては、地域の加工組立製造企業の対策推進に係る支援策立案の基礎資料として用いることが期待されます。詳細はこちら

 

目的

投資家・消費者の社会意識・環境意識の高まりや、多発化・深刻化する自然災害等に対しての、ISO2600(CSRの国際標準規格)やBCP(危機管理)などのしくみへの関心が高まっている。 本研究は、関西企業(製造業)のサプライチェーンにおけるバイヤーとサプライヤーの関係性を対象にし、環境経営(CSRの一環)やBCPにおける現状の課題と方策等を明らかにする。 成果は、企業における環境経営や危機管理に係る取組み進捗のベンチマークや、方針検討に資する基礎資料として活用できる。また、政策当局の政策立案の基礎資料としても活用が期待される。

 

内容

まず、サプライチェーンとの関連性を中心とした企業の環境経営や危機管理対応の現状等をサーベイする(文献調査)。これを踏まえ、関西に本社のある企業に対して調査を行い、環境経営とBCPなど危機管理の取組みの現状と課題等を明らかにする(アンケート調査)。 さらにアンケート結果を踏まえて、企業ヒアリング(バイヤー、サプライヤー)を行い、定量的な考察を行う(ヒアリング調査)。 最後にこれら個別結果をもとにして、総合的な検討・考察を行う。

 

期待される成果と社会還元のイメージ

関西の企業(製造業)のサプライチェーンにおけるバイヤー・サプライヤー・これらの関係性における、環境経営やBCPなどの危機管理の取組みの現状と課題、今後の方向性、求められる方策等が、アンケート分析により定量的に明らかにされる。 関西企業は自社企業の環境経営や危機管理に係る取組み進捗のベンチマークや、今後の取組み方針検討に係る基礎資料として活用でき、経済団体は政策当局への支援要望の基礎資料として用いることが期待される。
岩壷 健太郎

研究プロジェクト

邦銀のアジア展開と国際競争力

[ 2013年度/イノベーション ] AUTHOR岩壷 健太郎 DATE2013-03-08

Abstract/Keywords

東南アジア、邦銀、国際競争力、中小企業、海外進出支援

リサーチリーダー

 岩壷 健太郎 神戸大学経済学研究科・経済学部教授 

研究成果概要

  近年、中堅・中小企業の積極的な東南アジア進出に対応して、地域銀行(地方銀行及び第二地方銀行)や信用金庫の海外進出が盛んになっています。その現状と課題について、東南アジア、特にタイとシンガポールを中心に調査・研究を実施しました。預金・融資業務が許されていない地域銀行はタイの地場銀行と積極的に提携していますが、現在のところ、スタンドバイ融資やクロスボーダー融資は親子ローンほど魅力的ではありません。進出企業による現地通貨建て資金需要が増える中、これらの融資をどうやって増やしていくかが課題となっています。一方、各国に支店や現地法人を開設して包括的な業務を行っているメガバンクはリテールや地場企業向けの取引拡大を目指して、東南アジアの地場銀行に対して買収・資本参加を本格化させています。GSIFI(グローバルに重要な金融機関)になるためには企業風土・企業文化・人材の面で企業を大幅に変革させていくことが不可欠になっています。詳細はこちら

目的

企業と同様、日本の金融機関も成長著しいアジア地域への進出が本格化しようとしている。チャイナプラスワンが進む中、昨年実施した中国地域への邦銀の海外進出に関わる調査研究に引き続き、本年度は東南アジア地域での邦銀の進出や、企業進出を支援する資金調達の実態を把握する。これにより、課題やチャンスを調査研究し、アジア地域への邦銀および日本企業の進出に資する施策として発信する。

内容

下記の調査・分析を行う。 1)タイ・シンガポールでの銀行、日系企業の調査 2)アジア地域への進出で先進する地銀(山口、中国、横浜、名古屋等)へのヒアリング 3)その他必要に応じて、企業・政府機関などへのヒアリングや、研究会への有識者の招へい等。 昨年の東南アジア調査で得た課題等を勘案して本年度調査を行い、より具体的な実態把握と分析を行う。

メンバー

 砂川 伸幸  神戸大学経営学研究科・経営学部教授

猪口 真大   京都産業大学経営学部准教授

梶谷 懐   神戸大学経済学研究科・経済学部准教授

地主 敏樹  神戸大学経済学研究科・経済学部教授

唐  成     桃山学院大学経済学部教授

播磨谷 浩三 立命館大学経営学部教授

三重野 文晴 京都大学東南アジア研究所准教授

期待される成果と社会還元のイメージ

メガ銀については国際競争力の現状を明らかにするとともに、更なる競争力向上に向けた課題と提言の実施、地銀については海外展開進展のための提言を行う。企業に対しては、特に中小企業に対し、従前から日本国内において取引のある地銀の海外進出の加速が、中小企業の海外進出支援につながる事を通じての支援を想定する。 これらは邦銀および海外進出企業の海外展開戦略立案、 行政の海外進出支援策に資する。
高林 喜久生

研究プロジェクト

関西・アジア諸国間の経済連動関係の分析と関西独自景気指標の開発

[ 2013年度/イノベーション ] AUTHOR高林 喜久生 / 稲田 義久 DATE2013-03-08

Abstract/Keywords

域際収支、地域間産業連関表、関西景気動向指数、段ボール生産

研究成果概要

  本研究では関西の府県別の変動パターンに着目しました。「国際収支(=輸出-輸入)の地域版」である域際収支(=移出-移入)の関西府県分析からは、あらためて大阪府の重要性が浮き彫りになりました。一方、関西の府県別景気指標の分析によると、シェアが必ずしも大きくない滋賀県や福井県が関西の景気変動にとって重要な位置を占めています。そして韓国が関西の府県に先行していることも注目点です。また、ユニークな景気指標として「段ボール生産」に昨年度着目しましたが、大型小売店販売額等との時差相関係数を分析したところ、関西の消費動向の1 ヶ月の先行指標として利用可能なこともわかりました。詳細はこちら

目的

地域ごとの景気変動パターンの独自性が高まっている。この研究プロジェクトは、関西とアジア諸国・諸地域間の経済連動関係を明らかにし、その結果を踏まえて関西景気指標を独自に開発・応用を行うことを目的とする。読者は、このような情報提供を最も必要とする関西の企業・地方自治体を第一に想定する。

内容

アジア諸国・地域との経済的な連動関係を数量的に把握する。具体的には、国際地域間産業連関表の作成を行う。その際、常に新たな成長牽引産業を意識する。関西はバランスのよい産業構造を持っているとされるが、リーディング産業が無いという見方もできる。バランスのよい産業構造を生かすには産業間・企業間の連携が必要で、それが新たな成長を生み出すことに繋がると考えられる。

期待される成果と社会還元のイメージ

・関西と特定アジア諸国・地域間の国際地域間産業連関表の作成。 ・景気指標による関西とアジア諸国間の経済連動関係の抽出。 ・関西景気個別指標(例えば段ボール生産が有望視される)の発見。 ・関西独自の景気指標の開発と応用・公表。 これらの研究成果を体系的に整理したものを書籍(「関西経済論」の教科書としても利用可能なもの)としても世に問いたいと考えている。
稲田 義久

研究プロジェクト

日本経済および関西経済の短期予測

[ 2013年度/イノベーション ] AUTHOR稲田 義久 DATE2013-03-08

Abstract/Keywords

目的

時々刻々変化する日本経済及び関西経済の短期的な見通しを定点的に示す。 想定読者は、企業のdecision makingの部門や自治体の政策担当者及びマスコミ。

内容

日本経済と関西経済マクロ計量モデルによる短期予測をトピック性そなえ理解しやすいレポートとして四半期の頻度で公表。本予測は、熊坂プロジェクトの日本経済超短期予測と連動しており、読者に日本経済、関西経済の足下の見方とともに短期的な変化とトレンドの予測を示す。 本年のセールスポイントしては、超短期モデルの手法を応用した関西各府県の足下GDPの速報化をめざす。すでに、大阪府については超短期の手法が実験的に応用され速報GDPが作成されており、政策判断に用いられている。

期待される成果と社会還元のイメージ

日本経済と関西経済の四半期予測結果をマスコミにプレスリリース。 企業や関係者の経営判断への情報提供。 関西自治体の予算作成への足下景気判断の提供。
林 敏彦

研究プロジェクト

関西地域の成長牽引産業の展望

[ 2013年度/イノベーション ] AUTHOR林 敏彦 / 稲田 義久 DATE2013-03-08

Abstract/Keywords

成長牽引産業

目的

1)関西の産業構造を雇用効果、産業連関効果等の視点から総点検し、将来への可能性も吟味した上で、具体的な成長牽引産業を提案する。2)新政権に関西から新たに提案することを目的として、アジアとの関係を意識し、関西の実情に根ざした成長牽引産業のイメージを具体的に示す。

内容

・イノベーション、国際展開、中小企業、地場産業も考慮に入れた将来の関西成長牽引産業を例示。 ・熾烈なグローバル競争に伴い、プロダクト・サイクルが短期化している中で、関西企業が目指すべき安定成長の方向性について示唆を与える。 ・提示の具体性と実現可能性を担保するためにも、有識者との密度の高い研究会をコアにしながら、政府出先機関や広域連合などと緊密な連携を図る。

期待される成果と社会還元のイメージ

成長牽引産業を中心とする関西発展戦略を、政府出先機関、関西広域連合、金融機関、経済団体等とも共有し、各方面に情報発信する。