研究プロジェクト:2015年度

「アジア太平洋経済展望」と「地域発展戦略」を主軸に、アジア太平洋地域(関西を含む)の社会・経済動向や政策等に関する研究を行っています。

木村 福成

研究プロジェクト

アジア太平洋地域の政治・経済的協力のあり方

[ 2015年度/アジア太平洋地域の制度インフラとリスク分析 ] AUTHOR木村 福成 DATE

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Abstract/Keywords

リサーチリーダー

上席研究員 木村福成 慶應義塾大学経済学部教授  

研究の目的

今後のアジア太平洋地域における政治・経済的な環境変動を見据えて、日本及び関西経済が引き続き発展していくためのイニシアチブを探ることを目的としている。特に、地域協力については、政経分離が不可能なことから、経済的視点と国際政治的視点までを含めた、幅広い視点で研究を進める。

研究の内容

第一年度は、動きの速いアジア太平洋地域の現状を総合的に把握するため、政治学、国際関係論、経済学(貿易投資・国際金融・経済協力)等さまざまな専門家を招き、リサーチャーとともに研究会を開催する。

研究会は、状況が許す限りオープン形式のワークショップとし、企業の方々等との情報共有を進め、また同時に多方面の方々からのフィードバックも受ける。

リサーチャー

金 成垣 東京経済大学経済学部准教授 後藤健太  関西大学経済学部教授 陳 永峰 東海大学副教授・日本地域研究センター長 中逵啓示 立命館大学国際関係学部長・教授 湯川 拓 大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授  

期待される成果と社会還元のイメージ

オープン形式のワークショップにおいて、多方面からの理論・実証・政策研究の成果を提供し、企業の方々に還元する。研究成果はアジア太平洋地域における事業展開戦略の策定に資すると期待される。
林 万平

研究プロジェクト

日本、フィリピン、タイにおける災害復興のあり方

[ 2015年度/アジア太平洋地域の制度インフラとリスク分析 ] AUTHOR林 万平 DATE

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Abstract/Keywords

アジア、大規模自然災害、復興、社会的脆弱性、復元力

リサーチリーダー

研究員  林 万平  

研究目的

アジア地域の大きなリスクのひとつである自然災害への備えを研究する。

研究内容

過去に行った東日本大震災、タイ洪水の分析研究(「アジアの自然災害リスク」、「アジアの自然災害リスクへの対処」、「日本企業立地先としての東アジア」)をベースに、最新の情報を加えつつ、フィリピンのヨランダ台風のケースについても調査分析を行うことで、各災害の比較研究を行う。

リサーチャー

Jose Tiusonco APIRインターン Mizan Bustanul Fuady Bisri APIRインターン 林 敏彦 APIR研究統括  

期待される成果と社会還元のイメージ

東日本大震災、タイ洪水、ヨランダ台風による被害やその復興における問題や課題等についての分析を元に、報告書を執筆し公表する。政府・自治体は今後の災害復興や将来の災害対策にむけた参考にすることができる。市民・企業は、地域における防災体制の構築の上で参考にすることができる。

 

   
大野 泉

研究プロジェクト

共創型の海外展開支援ネットワーキング

[ 2015年度/アジア太平洋地域の制度インフラとリスク分析 ] AUTHOR大野 泉 DATE

Abstract/Keywords

中小企業、海外展開支援、東南アジア進出、比較分析、知的ネットワーク

リサーチリーダー

上席研究員 大野 泉 政策研究大学院大学教授  

研究目的

地域に根ざした企業の海外展開(地域の産業技術、シニア人材・研修生・留学生等の人材等の活用)、及び相手国との共創プロセスを通じた海外展開に取組んでいる事例を集め紹介する。またセミナー開催や訪問を行い国内各地域・自治体とネットワーク構築を強化する。

研究内容

国内での調査、研究会・公開セミナー、海外調査を組み合わせて、以下の研究と発信活動を行う。

リサーチャー

継続的な研究会活動は行わず、有識者を交えての単発のフォーラム・意見交換会として行うため、リサーチャーは設定しない。

 

期待される成果と社会還元のイメージ

(1) 研究成果(町工場からアジアのグローバル企業へ~中小企業の海外進出戦略と支援策) の発信。 (2) ILO、進出企業等との交流チャンネルの促進
森 剛志

研究プロジェクト

オリンピックブームと関西の訪日観光戦略の構築

[ 2015年度/関西の成長牽引産業 ] AUTHOR森 剛志 DATE

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Abstract/Keywords

オリンピークブーム、オーストラリア人の選好、日本文化・伝統

リサーチリーダー

主席研究員 森 剛志 甲南大学教授  

研究目的

オリンピックを数年後に控え、海外からの訪日観光客は毎年増加する傾向が続いている。これまでのオリンピック開催国の成功と失敗事例を検証するとともに、訪日観光客として今後も大きな需要が見込まれる中華圏(台湾、香港、中国大陸)からの観光客の選好を分析し、関西の行政や民間サイドでできることの可能性と潜在的な需要を分析する。 関西の地方行政(大阪、京都、神戸、奈良)は、何をなすべきか。さらには、大手企業(百貨店、鉄道など)だけでなく、中小企業までを読者として想定し、これまで取りこぼしてきた消費性向が高い訪日客をひきつける秘策を、海外の事例からも学び取りつつ、現場検証・データ分析しまとめる。特に、遠方から来るオーストラリア・欧米人の1人あたり観光支出は高いことから、特にアジア・太平洋地域であるオーストラリア人が日本により多くくるための秘策を分析する。  

研究内容

オリンピック開催国の現場取材、および関西での企業・行政の取り組みの現場取材という「足で稼ぐ」分析を行うとともに、インターネット調査やデータ分析を通じた実証分析を行う。特に、アジア・太平洋地域であるオーストラリアからの訪日観光客が求めている選好(日本の文化・伝統や食事へのあこがれ)などの潜在的需要を分析する。  

リサーチャー

浅岡さおり 大阪観光局 MICE推進部 担当部長 馬 欣欣 京都大学薬学部准教授  

研究協力者

Miles NEALE  大阪大学大学院 津崎 章裕  神戸大学大学院  

期待される成果と社会還元のイメージ

関西の地方行政(大阪、京都、神戸、奈良)は、何をなすべきか。オリンピック開催国の成功と失敗事例を検証することで、日本・関西ブランドをどのように有効に海外の潜在的観光客にむけて発信していくべきか。関空からの快適な旅(食べる・泊まる・観光する)ための、街づくりとは。これを実現するために、関西の観光資源をどのように活用できるかなど、具体的な提案を考える。

アジアからの観光客ための街づくり、さらにはオリンピックブームを最大限享受できる関西にするために活用できるように情報提供を行う。

木下 祐輔

研究プロジェクト

関西における先端医療の動向及び人口動態を踏まえた医療産業の経済評価

[ 2015年度/関西の成長牽引産業 ] AUTHOR木下 祐輔 DATE

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Abstract/Keywords

医療産業、将来市場規模、国家戦略特区

リサーチリーダー

研究員 木下祐輔  

研究目的

医療分野は関西経済にとって新たな成長の鍵となることは広く認識されている。2014年度の調査では、既存の報告書や関連調査、関係者へのヒアリングを通じて、医療産業の市場規模やニーズと課題について把握した。今年度はその結果を踏まえ、関西における先端医療の動向把握、人口動態を踏まえた健康・医療分野の将来規模について検討する。また、国家戦略特区における医療分野の動きについても並行してフォローする。  

研究内容

「関西における医療費・介護費の将来推計と健康寿命延伸による医療費削減効果」

昨年度調査の中で、健康・医療産業の好循環によって成長加速をもたらす必要性について述べるとともに、関西における医療費の将来推計値を試算した。今年度は介護費の将来推計まで対象を拡大するとともに、健康寿命の延伸による医療費削減効果についても試算する。また、疾病による労働損失関連コストについても検討したい。

 

リサーチャー

稲田義久 APIR数量経済分析センターセンター長、甲南大学教授  

研究協力者

加藤久和 明治大学教授 島 章弘 APIRシニアプロデューサー 矢野ひとみ APIR調査役  

期待される成果と社会還元のイメージ

関西における医療費・介護費の将来推計についてDPとして研究所のH/Pで公開予定である。定期的な医療・健康産業に関するレポートの発信による情報提供、医療・介護費に関する将来推計値の利活用が可能となる。

前田 正子

研究プロジェクト

関西における女性就業率の拡大に向けた提言「女性は関西で夢を描けるか?鉄は熱いうちに打て」

[ 2015年度/関西の成長牽引産業 ] AUTHOR前田 正子 DATE

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Abstract/Keywords

大卒女性、関西流出、進路

リサーチリーダー

主席研究員 前田正子 甲南大学教授  

研究目的

アベノミクスの成長戦略では女性の活躍が重視されている。今後は少子高齢化で労働力人口が減少し人手不足が予想されており、女性の能力は社会に欠かせない。だが、関西には女性が夢を描いて働ける場があるのだろうか。一方、関西の女性は「できれば働きたくない」という人が多いという説もある。 能力のある女性が関西で働く場がないのか、それとも女性が働く意欲を失うのは、本人の責任だろうか、親や周りの大人の責任だろうか、それとも企業の責任だろうか。女性の問題は様々だが、今回の調査では特に関西の大卒女性に焦点を当て、高い教育を受けた女性たちが関西に留まり、その能力を地域の職場で生かす意欲を持ち、それを実現していくためには、何が必要かを探る。  

研究内容

女性の活用に関しては様々な提言が出ているが、多くのものが、年金や税制改革・保育所整備・柔軟な働き方・仕事の見える化・成果主義といった同じような項目となっているが、例えばそれを個々の企業や職場に具体的にどう導入するかにはまだ壁がある。また、すでに女性を対象とした様々な調査も実施されている。そこでより関西ならではの課題や問題点を明らかにするために、関西の自治体や企業の聞き取りだけでなく、大学卒業時の女性の進路や大学での進路指導なども踏まえ、関西の女性の実態や職場の課題を明らかにする。また企業で働くことだけでなく、女性自らが社会的起業やNPO設立など、求められる社会的ニーズにこたえる仕事づくりが可能かどうかについても検討する。

そのなかで、関西の女性たちが、その能力を地域や職場で生かす意欲を持ち、それを実現していくためには、何が必要かを探る。

  リサーチャー 加藤久和 明治大学教授 長町理恵子 日本経済研究センター 大阪支所主任研究員   オブザーバー 藤原由美 大阪府 商工労働部女性の就業推進チーム課長補佐 森田文子 関西電力 ダイバーシティ推進グループダイバーシティ推進部長 佐野由美 21世紀職業財団 関西事務所長 梅村その子 関西経済連合会 労働政策部ダイバーシティ担当部長 宇野優子 関西経済連合会 労働政策部主任  

期待される成果と社会還元のイメージ

報告書をまとめ、高い教育を受けた女性が、その能力を地域の職場で生かす意欲を持ち、それを実現していくためには何が必要か、高校・大学での教育、就職先での経験、自体の施策、等それぞれの段階で提案する。報告会も実施し、企業、自治体、大学等に広く発信する。

高校や大学での女子学生へのキャリア教育を実施する際、企業や自治体での女性育成の際、さらに地域の女性の活性化や地方創生を模索する行政の施策形成に活用されたい。

 
James Brady

研究プロジェクト

Japanese agriculture: towards a sustainable, trade-oriented future (日本における持続可能な貿易志向型農業の展望)

[ 2015年度/関西の成長牽引産業 ] AUTHORJames Brady DATE

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Abstract/Keywords

Agricultural trade, agricultural innovation, growth sectors, corporations and agriculture, consumer policy preferences, plant factories, Yabu City

リサーチリーダー

研究員 James Brady  

研究目的

This research examines Japanese agriculture and its potential for achieving an increased role in international trade in the Asia-Pacific region in the coming decades. Various domestic policy reforms in recent years have focused on making changes to mitigate the decline of a sector that has deep structural weaknesses and is internationally uncompetitive. However, a fundamental reorientation of the sector is more urgent than ever, since a shrinking home market, an expanding regional market and a worsening domestic fiscal outlook imply that Japan’s farming sector should become export-oriented if it is to become sustainable. Although costly reform policies have so far failed, inherent features like quality, taste, and safety mean that Japan’s agricultural products could significantly increase their share of the high-value segment of the growing international food market, just as many expensive Japanese ‘brand’ goods have become highly sought after by ‘new rich’ consumers in growing Asian countries.

                   With this as a starting point, the title for the project is “Japanese agriculture: pathways to a sustainable, trade-oriented future”. Following on from the fiscal 2014 research stages (1) preliminary investigations into current trends and recent innovations in the agriculture sector and (2) an online survey of policy preference determinants, the stages of the research in fiscal 2015 will be organised as follows: (3) agriculture as an export sector—lessons from Europe; (4) agriculture as an import sector—lessons from Japanese manufacturing companies; (5) creating pathways to a trade-oriented future. Stages 3-5 are scheduled for completion by March 2016.  

研究内容

1. Agriculture as an export sector—lessons from Europe: The European agriculture sector for many decades was high-cost and internationally uncompetitive. However, following reform of the Common Agricultural Policy (CAP) in recent years, EU agriculture has become a net exporting sector since 2010. Some similarities exist between Japan and major European countries, such as the prominent place of agriculture in society in France, and the factor endowments in the Netherlands. The aim of this stage of the research is to examine in detail the successful policy reforms in EU agriculture, to find lessons applicable to the case of Japan.

2.  Agriculture as an import sector—lessons from Japanese manufacturing companies:       Given Japan’s factor endowments, high levels of imports may be unavoidable in future, even if world food markets became more unpredictable. The manufacturing production networks developed by Japanese multinational corporations may offer lessons for developing overseas partnerships between Japanese farmers/firms to produce agricultural products matching Japanese standards and tastes elsewhere in southeast Asia, for export to the Japanese market; in fact, some developments are already starting in this area. This stage of the research will examine the potential of “agricultural production networks” linking Japan and its Asia-Pacific neighbours.

3. Creating pathways to a trade-oriented future:  The current Abe II administration has set as a policy goal doubling the value of agricultural exports by 2020, although previous governments (including Abe I) have set and missed similar policy goals in the past. Paying attention to the complex interplay of interests and preferences in the domestic agriculture sector, ongoing structural problems, and developments in TPP negotiations, this stage of the study will draw together the data and findings of previous stages of the project to create a fresh set of policy proposals that show achievable pathways to a more trade-oriented and economically sustainable future for the agriculture sector in Japan.   

 

期待される成果と社会還元のイメージ

Corporations and those engaged in farming will find the report useful both for better understanding the current situation in Japanese agriculture and for understanding the most promising growth areas for the future, including through case studies. Economic associations will find it useful for its neutral analysis of consumer attitudes, and indications of potential growth areas.

 

稲田 義久

研究プロジェクト

経済の定点観測と予測

[ 2015年度/経済予測とソリューションの提供 ] AUTHOR稲田 義久 DATE

Abstract/Keywords

関西経済、日本経済、米国経済、予測

リサーチリーダー

数量経済分析センター長 稲田義久 甲南大学教授  

研究目的

企業や政策主体(中央政府及び地方政府)にとって、正確で迅速な景気診断が、各主体の意思決定や政策判断にとって決定的に重要となる。本プロジェクトは、日本経済及び関西経済の高頻度の定点観測とともに、超短期予測モデル(CQM)や四半期マクロ計量モデルを用いてタイムリーで正確な短期経済見通しの提供に加え、刻一刻変化する経済に対する適切なコメントならびに政策評価を行うことを意図している。  

研究内容

1.週次予測 特徴は、高頻度(超短期)予測がベースにある。よく知られた超短期予測モデル(CQM)の手法を用いて、週次ベースで日米経済に対する超短期予測が週末に行われる。毎翌週の初めに当該四半期の日米経済の成長率予測が発表される。また月末には、週次予測は月次レポートとして整理、要約される。予測結果は、いずれもHPで発表される。 2.月次経済見通しの作成 日米経済の月次見通しに加え、関西経済の月次レポート(Kansai Economic Insight Monthly)を所内研究員の協力を経て毎月中旬以降に作成している。また翌月の初旬には関経連向けに『関西経済レポート』を提出している。この作業を通して所内エコノミストの分析力の向上を図っている。 3.四半期予測と年次予測の四半期改訂 超短期予測の足下の正確な予測成果を反映し、QE(四半期GDP一次速報値)発表の1週間後に日本経済の四半期予測とともに関西経済の年次予測の四半期改訂が発表される。予測結果や予測改訂は、『景気分析と予測』と『Kansai Economic Insight Quarterly』として発表され、プレスリリリースされる。 また8月予測では関西2府4県経済の成長率予測がトッピクスとして発表される。これらの成果は関西各府県の早期推計として注目されている。また11月予測を受けて景気討論会を企画している。  

リサーチャー

入江啓彰 近畿大学短期大学部講師 小川 亮 大阪市立大学大学院経済学研究科・経済学部専任講師 下田 充 日本アプライドリサーチ主任研究員  

期待される成果と社会還元のイメージ

研究成果はHP上で高頻度に提供。プレスリリースを行うことでマスコミに周知。一部成果はマクロモデル研究会やその他学会でも報告予定である。

 

岡野 光洋

研究プロジェクト

新しい関西マクロ経済モデルの応用試行

[ 2015年度/経済予測とソリューションの提供 ] AUTHOR岡野 光洋 DATE

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Abstract/Keywords

関西経済、地域DSGEモデル、政策評価

リサーチリーダー

副主任研究員 岡野光洋 大阪学院大学講師  

研究目的

動学的確率一般均衡モデル(Dynamic Stochastic General Equilibrium:DSGE)を関西経済に適用することによって、関西経済の特徴を理論的基礎付けのあるマクロ一般均衡体系おいて定量的に考察する。本研究を通じて、関西経済の長期低迷の要因となる候補を、シミュレーション分析を用いて浮き彫りにする。また同時に、シミュレーションに必要な関西データの整備が不十分である点に着目し、その問題を克服すべく、関西四半期データベースの構築を行う。  

研究内容

2014年度までに構築・改良した関西版DSGEモデルを基本とし、頑健性の検証、拡張、各種シミュレーションの実施を行う。モデルを2地域の体系に拡張する、財政政策の経済効果をモデルに取り入れることなどを検討し、各種財政政策のシミュレーションや生産性ショック等の関西経済への波及について分析する。 本研究の特色は、特定の地域経済を対象とすることである。特に日本国内において、地方財政を扱ったDSGEモデルには例がなく、地域に則した形でマクロ経済を記述し、政策効果を評価することが貢献となりうる。  

リサーチャー

松林洋一 神戸大学大学院経済学研究科教授 北野重人 神戸大学経済経営研究所教授 井田大輔 桃山学院大学経済学部准教授  

期待される成果と社会還元のイメージ

関西経済の構造的特徴(家計の嗜好、企業の技術構造など)を、パラメータ値の推定によって、定量的に捉えることができる。さらにマクロ経済理論をベースとする形で、各種の政策シミュレーションを行うことが可能である。理論的に透明度の高いモデルを用いることによって、政策効果の波及メカニズムを、理論に即して追跡することが可能であり、企業・経済団体の方々にも、情勢判断の一助として利用してもらうことが可能である。

足元の経済情勢判断の材料として用いることが可能であるとともに、関西経済の構造的特徴を、内外において説明する際の貴重な資料となりうる。またモデルを用いて関西経済の中長期的な経済予測を行うことによって、自社の経営戦略を構築するうえでの重要な指針となりうるはずである。

豊原 法彦

研究プロジェクト

関西独自の景気指標の開発と積極的な活用

[ 2015年度/経済予測とソリューションの提供 ] AUTHOR豊原 法彦 DATE

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Abstract/Keywords

景気動向の地域比較、CLI (Composite Leading Indicator)、景気予測

リサーチリーダー

主席研究員 豊原法彦 関西学院大学経済学部教授  

研究目的

関西地域では、大阪府、兵庫県、和歌山県などが公表している景気動向指数(先行指数、一致指数、遅行指数)に基づき、景気の山と谷を決定している。その目的は景気の動向を判断することで現状を把握し、さらに将来を予測することで経済的ショックの緩和することにある。 同様の目的にために用いられる指標の1つにOECDが開発しているCLI(Composite Leading Indicators)があり、その特徴は景気に先行して変動するという点にあり、OECD各国や地域で用いられている。 本研究では段ボール生産など景気に先行して変化する指標を作成し、たとえば4か月後の景気状況について予測することをめざしたい。 月次データを用いて、できるだけ早く試算CLIを算出できる体制を構築し、ある程度安定的なものが得られれば、ホームページで成果を公開したい。  

研究内容

各府県で公表される月次データのうち、鉱工業生産指数(大阪府は工業生産指数)や各社、団体が公表しているデータの中からいくつかの項目をえらび有効求人倍率などと組み合わせることでCLIを計算する。 その中で大阪府、兵庫県などが設定している景気基準日付と比較して一致度を測定し、望ましい性質(たとえば先行月数が4か月程度ぐらいで安定している、山谷の見過ごしや過剰判定が少ないなど)がどれぐらい満たされているかを検討する。  

リサーチャー

根岸 紳 関西学院大学経済学部教授 高林喜久生 関西学院大学経済学部教授 入江啓彰 近畿大学短期大学部講師  

研究協力者

芦谷恒憲 兵庫県企画県民部統計課参事  

期待される成果と社会還元のイメージ

ある程度データがたまった段階で、試作CLIを公開する

試作であることを明記したうえで、関学内またはAPIRのサーバで公開することにより、情報提供するとともに、そこからのフィードバックを受けて改善したい。

後藤 孝夫

研究プロジェクト

交通網の整備拡充に伴う交通近接性の改善と期待できる経済効果の予測

[ 2015年度/経済予測とソリューションの提供 ] AUTHOR後藤 孝夫 DATE

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Abstract/Keywords

関西、交通ネットワーク、インフラ、交通近接性

リサーチリーダー

主任研究員 後藤孝夫 近畿大学准教授  

研究目的

交通ネットワーク整備に関する研究・分析は,国内外を問わず,これまで数多く実施されてきた。そのなかには,いわゆる従来型の研究課題として,「新規交通ネットワークの整備効果あるいは既存の交通ネットワークを拡充する際の整備効果の測定」がある。たとえば,関西圏では訪日観光客が近年激増し,広域観光振興を達成するための交通ネットワークの整備・改善が求められており,現在複数の事業化が検討されている。このような事業化の際の評価として経済効果を測定することは,経済活動を支える交通ネットワークの重要性を鑑みれば,引き続き重要であると思われる。

一方,交通インフラのプロジェクトごとには,すでに交通政策実施上でも費用便益分析が用いられて,整備の可否を判断する重要な指標の1つとなっているものの,交通インフラの整備・拡充の地域に与える経済波及効果を計測する方法については,交通分野の知見とマクロ経済モデル分野の知見の整合性が必ずしもとれていないと思われる。

そこで,本研究の目的は,アジア太平洋研究所の研究グループによって蓄積されてきた「関西経済モデル」に,上記交通ネットワーク整備に伴う所要時間の減少を指標化した「交通近接性」を組み込んだ新たなモデルの構築を検討することにある。そして,従来から必要とされてきた交通ネットワークの整備・拡充に伴う経済波及効果をより精緻に計測する方法を検討する。  

研究内容

1.関西圏における交通ネットワークの課題調査と交通近接性指標の改良 ①先行研究の調査・整理 ②交通ネットワークの特性を加味した交通近接性指標の検討・改良 ③交通近接性を表す方程式の検討 2.交通ネットワークの整備経済効果の導出方法の検討 ①関西経済モデルの対象範囲の拡張(福井県を含む関西2府5県)の検討 ②府県ごとの経済効果の算出方法の検討(効果の分割) ③交通近接性指標およびネットワーク効果を組み込んだモデル構築の検討 3.新たな経済効果モデルでの経済波及効果の推計 関西圏における交通インフラあるいは公共交通機関ネットワークの実際の整備事例を取り上げて,上記新たなモデルで経済波及効果の推計を実施  

統括

稲田義久 APIR数量経済分析センター センター長  

リサーチャー

入江啓彰 近畿大学短期大学部講師 下田 充 日本アプライドリサーチ研究所主任研究員  

期待される成果と社会還元のイメージ

・関西圏の交通ネットワーク整備における将来的な課題を提示すること ・交通近接性指標あるいはネットワーク効果を組み込んだ関西圏経済効果モデルの基礎的な枠組みを提示すること

上記枠組みを用いて,関西圏における交通インフラあるいは公共交通機関ネットワークの実際の整備事例を対象とした経済波及効果の推計結果を提示すること

林 敏彦

研究プロジェクト

APIR世界経済超長期予測2015年版

[ 2015年度/経済予測とソリューションの提供 ] AUTHOR林 敏彦 DATE

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Abstract/Keywords

超長期予測、人口大転換、中所得国の罠

リサーチリーダー

研究統括 林 敏彦  

研究目的

これまでに国連の2012年版人口推計をベースとして、アジア太平洋を含む世界180カ国の一人当たりGDPを2100年まで予測したデータベース(DB)を構築し、APIRのウェブサイトで公開すると共に、そのDBを活用した資料をAPIRフォーラムやイラク、韓国、米国、英国、タイ、オーストラリア、ミャンマーなど多くの国からの訪問客に提供し、学術論文としても発表してきた。

国連の人口推計は2年ごとに改定予定で、今年前半には2014年版が発表されることになっている。改定値の発表に伴い、APIRのDBを再計算、再推定の上、アップデートする。

新しいDBは、アップデートされたデータに基づいて、「中所得国の罠」(高中所得国における経済発展上の壁)が本当に存在するのかを明らかにし、比較分析によって中所得国の将来的経済発展の可能性を予測することができよう。

データベース改定作業が年度内に終われば、派生的に生まれると期待される分析と合わせてその結果を随時ホームページに掲載する。また、予測結果は関西企業が海外進出時にカントリーリスクを評価する上で参考になると思われるため、メディア、シンポジウム、新聞記事等を通じて内外に発信する。

研究内容

現地への出張調査は行わず、国ごとに異なる人口とGDPとの統計的関係から、将来の一人当たりGDPをできるだけ長期にわたって予測する。

21世紀中葉までのG7など主要国に関する長期予測は、IMFや世界銀行においても行われているが、その多くは直近数年のトレンドに基づいたナイーブな予測となっているため、人口大転換の影響を考慮に入れない極めて楽観的な予測となっている。本研究がアップデートしようとしているDBは、基礎となるモデルがオリジナルであるだけでなく、カバーする国の多さと予測期間の長さにおいて世界のいかなる機関の予測よりも包括的であり、他のシンクタンク等の予測に対抗する軸を提供する。

 

リサーチャー

James Brady APIR研究員  

インターン

Jose Tiusonco 金 賢九  

期待される成果と社会還元のイメージ

「APIR世界経済超長期予測2015年版」データベースおよびDP「アジアにおける中所得国の罠」を公表予定。また、これらの成果に基づいたワークショップを開催。

超長期データベースは、研究者、国際機関、経済団体等が世界経済の長期見通しを立てる上で有用であり、企業にとっては海外進出戦略の立案上参考になる。

山下かおり

研究プロジェクト

高度外国人材受入促進のための実践的研究

[ 2015年度/その他の調査研究 ] AUTHOR山下かおり DATE

Abstract/Keywords

留学生、人材育成、高度外国人材

リサーチリーダー

総括調査役 山下かおり  

研究目的

日本企業の海外進出が盛んであるが、海外進出の拡大に伴い企業における人材国際化の必要性も高まってきている。日本政府としても、企業における人材国際化を推進するため、留学生の受入促進、高度外国人財の活用推進に取り組んでいる。こうした背景の下、海外からの留学生は年々増加しているが、留学生の日本企業への就職はまだまだ多くないのが現状である。 APIRの2012年度の自主研究「関西地域の投資戦略:高度外国人財の活用による活性化」(小川一夫・大阪大学教授)によれば、就職に関する情報はうまく留学生に伝わっているとはいえず、留学生の側からは情報不足を指摘する声が多数寄せられるなどまだまだ多くの課題があることがわかっている。そのような課題は以前からも指摘されているが、なかなか改善されない実態がある。本プロジェクトではできるだけ具体的な課題を調査し、解決策を提言することを目的とする。  

研究内容

具体的には1)留学生への情報伝達がうまくなされていないのは、伝達手段・経路などのどこに具体的な問題があるのか、2)また企業側のニーズが大学教育の中で解消されていない現状を打破するために具体的にどのような事をなすべきか、3)留学生の日本企業への就職促進のための障害は何か等について明らかにすることを念頭に、昨年度の調査研究を発展させ今年度は①留学生の就活に資する就活支援サイト等の支援方法、②グローバル人材育成に関する定性及び定量調査(戦略と組織、現場対応、そして外国籍社員の現状から)の調査研究を実施する。  

リサーチャー

鈴木勘一郎 立命館アジア太平洋大学教授 平井達也 立命館アジア太平洋大学准教授 岡崎仁美 株式会社リクルートキャリア 就職みらい研究所所長 今泉 浩 株式会社リクルートキャリア 新卒事業本部関西営業部部長 山下弘喜 株式会社マイナビ グローバル採用企画統括部統括部長 中森博也 株式会社マイナビ 大阪 総合企画営業部部長  

オブザーバー

坂本和一 立命館大学 名誉教授、立命館アジア太平洋大学初代学長 梅村その子 関西経済連合会ダイバシティ担当部長 鱧谷 貴 大阪商工会議所 人材開発部部長、人材採用支援担当課長   

期待される成果と社会還元のイメージ

・調査研究結果の公表による情報提供(企業・大学・行政等関係者ならびに一般) ・APIRの研究報告書やシンポジウム等での活用 ・関西経済連合会や行政機関への情報提供や政策提言活動での活用  

<ご参考: 研究会の活動予定>

研究会 ・2015年6月19日   第一回研究会(2014年成果報告&研究計画議論)開催済 ・2015年9月~11月  中間報告会 ・2015年9月~11月  外部講師招へいによるオープン研究会 ・2016年3月頃     最終研究会 イベント・セミナー ・2015年7月31日 グローバル人材育成・活用推進シンポジウム 「今、問い直すグローバル人材育成-産学官の認識ギャップを超えて-」15:00~17:20 ・2015年9~11月 留学生セミナー(関西経済連合会、近畿経産局、APIR共催予定)
澤 昭裕

研究プロジェクト

東京一極集中の是正と地域における大学のあり方に関する調査研究

[ 2015年度/その他の調査研究 ] AUTHOR澤 昭裕 DATE

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Abstract/Keywords

リサーチリーダー

副所長 澤 昭裕  

研究目的

関西経済連合会は、2014年10月に「次期国土形成計画に望む」を取りまとめ、その中で東京一極集中是正のために地方大学が果たす役割の重要性を指摘した。地方における大学の社会的役割を明確化し、その機能を強化していくことが、東京一極集中の是正に寄与すると考えたからである。また、2015年2月の関西財界セミナー第3分科会において、地域における大学の役割について議論し、経済界として検討を深める必要があるとの結論を得た。そこで、関経連・APIR共同で、東京一極集中是正に寄与する地方大学の役割・機能を強化するための方策を調査研究し、その成果を国や自治体、大学に提言することとしたい。  

研究内容

下記の視点に基づき、特徴的な取組を行う地方大学へのヒアリング等を実施して事例調査を行う。並行して研究会で企業・大学メンバーから意見聴取し、各事例から活用できる点や問題点・改善点、提案を取りまとめる。 〇希望する若者が地域で働ける環境づくり 〇地方大学の立場を活かした魅力ある高等教育機会の充実 〇地域に役立つ地方大学のあり方 〇国・経済界の役割  

委員

寺岡英男 福井大学理事・副学長(教育・学生担当) 法橋 誠 鳥取大学理事・副学長 森口佳樹 和歌山大学経済学部教授 横山俊夫 滋賀大学理事・副学長(社会連携担当) 畑 正夫 兵庫県立大学地域創造機構教授 磯 陽太郎 三菱東京UFJ銀行 企画部部長企画部部長 大野 敬 西日本電信電話 秘書室担当部長 中村 勝 住友商事 専務執行役員・関西地域担当役員・関西支社長 柘植洋介 レンゴー 経営企画部長 堀井孝一 大黒 代表取締役社長兼CEO  

期待される成果と社会還元のイメージ

各地方大学の取り組み、活用できる点、改善点・問題点、企業の声、東京一極集中是正に向けた提案など報告書にとりまとめ公表する。

各企業は大卒者の採用の参考に、政府・自治体は地方創生にむけた改革の参考にすることができる。大学関係者は、より地域に密着・貢献する大学づくりの参考にすることができる。

2015年夏頃に閣議決定が予定されている国土形成計画、2015年度内に取りまとめられる広域地方計画への示唆を与える。