2016年度:経済予測・分析、シミュレーション

稲田 義久

研究プロジェクト

経済フォーキャスト

[ 2016年度/経済予測・分析、シミュレーション ] AUTHOR稲田 義久 DATE

Abstract/Keywords

経済予測,データベース作成,政策シミュレーション

リサーチリーダー

数量経済分析センター長 稲田義久 甲南大学教授  

研究目的

企業や政策主体(中央政府及び地方政府)にとって、正確で迅速な景気診断が、各主体の意思決定や政策判断にとって決定的に重要となる。本プロジェクトは、日本経済及び関西経済の高頻度の定点観測とともに、超短期予測モデル(CQM)や四半期マクロ計量モデルを用いてタイムリーで正確な短期経済見通しの提供に加え、刻一刻変化する経済に対する適切なコメントならびに政策評価を行うことを意図している。  

研究内容

1. 月次レポートの作成 経済の月次見通しに加え、関西経済の月次レポート(Kansai Economic Insight Monthly)を所内研究員の協力を経て毎月中旬以降に作成している。また翌月の初旬には関経連向けに『関西経済レポート』を提出している。この作業を通して所内エコノミストの分析力の向上を図っている。 2. 日本経済予測・関西経済予測の四半期レポートの作成 超短期予測の足下の正確な予測成果を反映し、QE(四半期GDP一次速報値)発表の1週間後に日本経済の四半期予測とともに関西経済の年次予測の四半期改訂が発表される。予測結果や予測改訂は、『景気分析と予測』と『Kansai Economic Insight Quarterly』として発表され、プレスリリリースされる。 3. 府県別GRP早期推計と超短期予測 各府県の県民経済計算確報値が発表され次第、5月予測では関西2府4県経済の成長率予測がアップデートされる。11月には、当該年度の月次指標を基にして超短期予測を行なう。 4. 関西DSGEモデルの開発と関西GRP四半期QEデータベースの作成

DSGEモデルの特性を活かし、地域固有の構造的課題の抽出や各種政策シミュレーションを行う。その際、DSGEモデルの実用にあたって考えられる課題に十分配慮する。またこのとき、関西の四半期データが必要になると思われるが、足りないところは線形補間や推定によって補い、必要に応じて新しい関西データの指標を作成する。

また8月予測では関西2府4県経済の成長率予測がトッピクスとして発表される。これらの成果は関西各府県の早期推計として注目されている。また11月予測を受けて景気討論会を企画している。  

リサーチャー

入江啓彰 近畿大学短期大学部准教授(早期推計、関西モデル、DSGEとデータベース) 小川 亮 大阪市立大学大学院経済学研究科・経済学部准教授(早期推計、関西モデル) 下田 充 日本アプライドリサーチ主任研究員(日本モデル、早期推計、関西モデル) 松林洋一 神戸大学大学院経済学研究科 教授(DSGEとデータベース) 岡野光洋 大阪学院大学講師(DSGEとデータベース) 井田大輔 桃山学院大学経済学部 准教授(DSGEとデータベース)  

期待される成果と社会還元のイメージ

研究成果はHP上で高頻度に提供。プレスリリースを行うことでマスコミに周知。一部成果はマクロモデル研究会やその他学会でも報告予定である。 モデルを用いた関西経済の経済予測・構造分析の結果を客観的かつ定量的に示すことで、足元の経済情勢判断の材料として用いることが可能であるとともに、企業の経営戦略や自治体の政策形成を構築するうえでの重要な指針となり、関西経済の現状および構造的特徴を内外において説明する際の貴重な資料となりうる。
豊原 法彦

研究プロジェクト

関西独自の景気指標の開発と応用

[ 2016年度/経済予測・分析、シミュレーション ] AUTHOR豊原 法彦 DATE

PDF_direct

Abstract/Keywords

景気動向の地域比較,CLI, Composite Leading Indicator,景気予測

リサーチリーダー

主席研究員 豊原法彦 関西学院大学経済学部教授  

研究目的

関西地域では、大阪府、兵庫県、和歌山県などが公表している景気動向指数(先行指数、一致指数、遅行指数)に基づき、景気の山と谷を決定している。その目的は景気の動向を判断することで現状を把握し、さらに将来を予測することで経済的ショックの緩和することにある。 同様の目的にために用いられる指標の1つにOECDが開発しているCLI(Composite Leading Indicators)があり、その特徴は景気に先行して変動するという点にあり、OECD各国や地域で用いられている。 利用するデータは基本的には月次データであり、各府県や機関が公表しているものを用いるので、担当部局のヒアリングを行うことで、各府県で利用可能なCLIの試算値を企業はじめ各公共機関などに提供したい。  

研究内容

実際の景気変動よりも数か月先に変化する指標を作成することで、景気の予測が可能となる。とくに公表されたデータを用いることから、再現性も高く景気動向指数を公表していない地域においても同じ枠組みで対応することが可能となる。  いったん、ソフトウエアが開発でき、採用系列が確定できれば、あとは毎月データの更新のみで指数が計算できるようにシステムを運用することができる。  2015年度分析では関西地区を対象に段ボール生産などを用いて景気に先行して変化する指標を作成し、経済状況を予想できることが明らかとなった。それを踏まえて各府県で公表される月次データのうち、鉱工業生産指数(大阪府は工業生産指数)や雇用関係の指標、段ボールの近畿地区生産高などの項目を組み合わせることでCLIを試算する。 

 そして、何カ月数先行したCLI試算値とCI一致指数間における相関係数やその試算値から景気の転換点を求め、大阪府、兵庫県などが設定している景気基準日付と比較して、両者間で景気の拡大または後退局面の一致度合い(concordance指数)を計算することで採用系列を決める。  

 

統括

稲田義久 APIR数量経済分析センター センター長

リサーチャー

根岸 紳 関西学院大学経済学部教授 高林喜久生 関西学院大学経済学部教授 入江啓彰 近畿大学短期大学部准教授

オブザーバー

芦谷恒憲 兵庫県企画県民部統計課参事  

期待される成果と社会還元のイメージ

ある程度データがたまった段階で、試作CLIを公開する

試作であることを明記したうえで、関学内またはAPIRのサーバで公開することにより、情報提供するとともに、そこからのフィードバックを受けて改善したい。

後藤 孝夫

研究プロジェクト

交通インフラ整備の経済インパクト分析

[ 2016年度/経済予測・分析、シミュレーション ] AUTHOR後藤 孝夫 DATE

PDF_direct

Abstract/Keywords

企業の本社移転,交通インフラのストック効果,交通ネットワーク

リサーチリーダー

主任研究員 後藤孝夫 近畿大学教授  

研究目的

交通ネットワーク整備に関する研究・分析は、国内外を問わず、これまで数多く実施されてきた。そのなかには、いわゆる従来型の研究課題として、「新規交通ネットワークの整備効果あるいは既存の交通ネットワークを拡充する際の整備効果の測定」がある。たとえば、関西では訪日観光客が近年激増し、広域観光振興を達成するための交通ネットワークの整備・改善が求められており、現在複数の事業化が検討されている。このような事業化の際の評価として交通ネットワーク整備による経済効果を定量的に測定することは、経済活動を支える交通ネットワークの重要性を鑑みれば引き続き重要であり、かつ課題も抱えていると考えられる。

 

研究内容

主に関西に本社を置く企業あるいは交通ネットワーク整備にかかわる行政担当者に対して、アンケート調査およびインタビュー調査を実施し、交通ネットワークのストック効果に関する推計枠組みを補強する。あわせて、交通インフラ整備の経済効果を定量的に把握するための基礎的なデータ収集を実施し、交通インフラの整備が関西全体に与えるインパクトを定量的に推計する。

・  交通インフラ整備のストック効果を定量的に把握するための手法を整理すること

・ 交通インフラ整備の経済効果を定量的に把握するためのデータ収集を行うこと

・ 交通インフラ整備と企業行動(本社移転等)との関係を定性的あるいは定量的に把握すること 

 

統括

稲田義久 APIR数量経済分析センター センター長  

リサーチャー

入江啓彰 近畿大学短期大学部准教授 下田 充 日本アプライドリサーチ研究所主任研究員  

期待される成果と社会還元のイメージ

研究成果については、関西発信の政策提言を補強する基礎的資料として利用可能であると考えられる。 

・  交通インフラ整備の経済効果を定量的に把握するための基礎的なデータ収集を実施し、そのデータから読み取れることを政策論として提示すること

・  交通インフラの整備が関西に与えるインパクトを定量的に推計すること

・  交通インフラ整備と企業行動に関する個別事例(例:交通インフラ整備の遅れが在阪企業の行動に与える影響分析)について1つ取り上げて、基礎的な分析枠組みを提示すること

林 敏彦

研究プロジェクト

世界経済超長期予測 2016年版

[ 2016年度/経済予測・分析、シミュレーション ] AUTHOR林 敏彦 DATE

Abstract/Keywords

世界超長期予測,人口とGDP,ビジネスパートナーとしての日本企業,のれん価値

リサーチリーダー

研究統括 林 敏彦  

研究目的

2015年度は、国連の人口推計2015年版への改定、および世界銀行各国GDPデータの改定を取り入れ、また、基本モデルを改定して、世界155カ国の実質GDPを2100年まで予測するためのAPIR超長期データベースの大改定を行った(以下、「APIR超長期データベース2015年版」と呼ぶ)。2016年度は、このデータベースをウェブで活用できる形に仕上げると同時に、そのデータを用い、同時に行うアジア進出日系企業に関するネット調査を通じて、マクロとミクロの視点から、日本企業の投資先の選択に指針を示す。 

 

研究内容

APIR超長期データベースに関しては、今年度インターン数名を指導してデータのアップデートと計量経済学的分析を行い、各種レポートを執筆するなど、研究所内での作業が中心となる。

平行して行うウェブ調査では、アジア諸国に進出した日本企業の「好感度」調査を行い、消費者ではなく、B to B の視点から、ビジネスパートナーとしての日本企業に対する評価と批判点を明らかにしたい。 

リサーチャー

島 章弘  APIRシニアプロデューサー 辻 俊晴  APIR総括調査役 門野尚誉  APIR総括調査役 松川純治  APIR総括調査役  

期待される成果と社会還元のイメージ

APIR超長期データベース2015年版を国際的に認知してもらうことを目的として、英文学会誌に成果論文を発表する。

同データベースを用いた分析と各国経済の超長期見通しを、「アジア太平洋と関西」やコメンタリー、ポリシーブリーフなどのAPIRが発行する媒体を通じて、会員企業および政策担当者向けに提供する。

データベースを通じて得られた分析と、別に行うネット調査の結果を、新聞、雑誌、「共同ウィークリー」などのメディアを通じて、幅広い読者に向けて発信する。

研究の全体を取りまとめた報告書を作成する。