2017年度:アジア太平洋地域軸

木村 福成

研究プロジェクト

アジア太平洋地域におけるFTAとEPAのあり方

[ 2017年度/アジア太平洋地域軸 ] AUTHOR木村 福成 DATE

Abstract/Keywords

経済統合, ASEAN, 東アジア, 日本・関西企業

リサーチリーダー

上席研究員 木村福成 慶應義塾大学経済学部教授  

研究目的

2017年1月、米国トランプ大統領がTPPからの撤退の意志を明確にした。今後、「ポストTPP」がどのような方向に行くのか、他の選択肢も含めて注意深くその動向を調査・分析する必要がある。また、「ポストTPP」が他の多国間経済連携協定(AEC、RCEPなど)へ与える影響もふまえ、東アジア諸国の経済はどのように変わっていくのか、またそれは日本・関西の企業にどのような変化をもたらすのか、経済、国際法、国際政治など多方面から分析を加える。  

研究内容

研究3年目の最終年度となる2017年度は、商業出版も視野に入れながら、研究会を進めていく。内容としては、第一に、国際通商政策体系の再編と東アジアが目指すべき経済統合の姿について、経済学、国際政治学、国際経済法の視点から議論を深める。それを踏まえ、第二に、東アジア経済統合の進展を、台湾のケース、ASEAN・東アジア経済統合、連結性、企業活動などの切り口から、検討を加えていく。  

リサーチャー

阿部顕三  大阪大学大学院経済学研究科教授 春日尚雄  福井県立大学地域経済研究所教授 川島富士雄 神戸大学大学院法学研究科教授 椎野幸平  拓殖大学国際学部准教授 清水一史  九州大学経済学研究院教授 陳 永峰 東海大学副教授・日本地域研究センター長 湯川 拓 大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授  

期待される成果と社会還元のイメージ

 オープン形式のワークショップにおいて、多方面からの理論・実証・政策研究の成果を提供し、企業の方々に還元する。研究成果の集大成として商業出版を実施し、一般の方々にも広く研究に理解を得る。また、アジア太平洋地域における事業展開戦略の策定に資する。  

<研究会の活動>

研究会 ・2017年4月14日   キックオフミーティング開催 ・2017年6月27日   第1回研究会開催 ・2017年10月02日   第2回研究会開催 ・2017年12月18日   第3回研究会開催
岩本 武和

研究プロジェクト

アジアにおける開発金融と金融協力

[ 2017年度/アジア太平洋地域軸 ] AUTHOR岩本 武和 DATE

Abstract/Keywords

国際資金フロー,金融協力,アジアインフラ投資銀行,AIIB

リサーチリーダー

上席研究員 京都大学教授 岩本 武和  

研究目的

2016年度のプロジェクトでは、「アジア新興国における国際資金フロー」について、特に「中国からの資本の純流出と外貨準備の減少」に焦点を当て、「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)と「一帯一路」構想を、こうした文脈において考察した。現在の中国では、景気回復のための元安が資本流出を招き、それに対応するためには金融を引き締めざるを得ず、当初の景気回復策を打ち消してしまうという意味で、典型的なトリレンマに直面している。今年度においても、中国を中心としたアジアにおける国際資本フローの研究を継続する一方で、中国のみならず広く「金融協力」という側面から、アジアの成長に資する開発金融のあり方を検討する。  

研究内容

アジアの開発金融(アジアの経済成長に資する投資のために動員される国内及び海外の公的及び民間の金融)について、以下のようなテーマを理論的かつ実証的に解明する。第一に、リーマン・ショック後の中国経済の減速を背景にした「アジアの新興国、特に中国からの資本流出」についての昨年度の研究を継続する。第二に、ASEAN+3の枠組みによる金融協力の成果を検証し、今後の課題を展望する。(3)アジアインフラ投資銀行(AIIB)とインフラ開発、およびアジアにおける金融システム改革や銀行部門の資金調達等に関して、中国およびASEAN数カ国に現地調査を行う予定である。 具体的には、以下のようなテーマを取り上げ、以下のような研究会、ワークショップ、フォーラムを行う予定である。(1)「東南アジアの金融メカニズムと政策的取り組み」に関する研究会、(2)「リーマン・ショック後の中国の国際資本フロー」に関するワークショップ、(3)「ASEAN+3の枠組みによる金融協力の成果と今後の課題」に関する研究会、(4)「アジア太平洋における地域統合と金融統合」に関するフォーラム(「アジア太平洋地域におけるFTAとEPAのあり方」プロジェクト(木村福成上席研究員)とのジョイント・フォーラム)  

統括

猪木武徳  研究統括

リサーチャー

三重野文晴 京都大学 東南アジア研究所教授  矢野 剛 京都大学 大学院経済学研究科准教授 青木浩治 甲南大学 経済学部教授 Cao, Thi Khanh Nguyet APIR研究員 辻 俊晴 APIR総括調査役 研究協力者  北野尚宏 国際協力機構 JICA研究所所長  高野久紀 京都大学 大学院経済学研究科准教授 伊藤亜聖 東京大学 社会科学研究所講師  リサーチアシスタント   芦 苑雪 京都大学アジアアフリカ地域研究科  

期待される成果と社会還元のイメージ

 (1)中国における国際資本フローに関する時系列データ

(2)アジアにおけるよる金融協力の成果に関する報告

(3)アジアのインフラ開発に時系列データ

(4)マイクロ・ファイナンスに関する実験データ

(5)アジアにおける開発金融と金融協力に関する報告書

(1)政策立案、ビジネス戦略策定、将来予測の裏付けとなる理論的・実証的裏付け

(2)公共財や研究インフラとなる研究成果やデータ  

<研究会の活動>

研究会 ・2017年5月18日   第1回研究会開催 ・2017年8月3日   第2回オープン研究会(予定)
後藤 健太

研究プロジェクト

中所得国の新展開‐東南アジアが主導するグローバル・バリューチェーンの展開

[ 2017年度/アジア太平洋地域軸 ] AUTHOR後藤 健太 DATE

Abstract/Keywords

アジアの中所得国,バリューチェーン,地場市場,一次産品

リサーチリーダー

主席研究員 後藤健太 関西大学教授  

研究目的

2017年度のプロジェクトでは、アジアの中所得国に注目し、こうした国々の企業が統括するグローバル・バリューチェーンがどのように形成され、展開しているのかを明らかにする。これまでグローバル・バリューチェーンといった場合、中所得国企業は先進国企業が統括するバリューチェーンの中で労働集約的な機能を担うことで参加し、高度化の機会を実現するという見方が中心だった。しかし近年、こうした国々でも購買力を持つ中間層が増加し、彼らを対象とした内需とその周辺を含む地域市場向けのビジネスが大きく伸びている。また、地場資源に根付いたバリューチェーンの場合、そうした資源を持つ中所得国の企業が、生産と流通をグローバルなレベルで組織化する事例も見られる。こうした中所得国アジアが生み出す新しいアジアのダイナミズムを前提とした場合、これまでの日本や欧米などの先進国企業が統括するバリューチェーンの分析だけでは、その地域に生まれる新しいビジネスチャンスや高度化の機会の可能性を把握することはできない。 以上の問題意識から、本プロジェクトではタイとマレーシアといったアジア中所得国の企業が統括するバリューチェーンの展開に注目する。タイに関しては、内需向けのアパレルや農産物加工・食品などといった産業にフォーカスを当てる。そのうえで、現地企業主導型のグローバル・バリューチェーンの実態を明らかにし、それが日本企業にどのようなインプリケーションを持つのかを検討する。。  

研究内容

本研究課題では、タイとマレーシアの各種公式統計などの二次資料を活用しながらも、分析の中心となるデータ・情報は現地企業の調査に依存する。現地調査については、8月にタイで1週間程度、11月にマレーシアで1週間程度で実施予定である。  

統括

猪木武徳  研究統括

リサーチャー

小井川広志 関西大学 商学部教授 夏田  郁 立命館アジア太平洋大学 国際経営学部准教授 馬場 孝志 APIR調査役  

期待される成果と社会還元のイメージ

 研究報告書、ワーキングペーパーは、いずれも当研究所の会員企業をはじめ、関西を中心としたビジネス界が、今後アジア中所得国で国内・地場市場あるいはパーム油関連ビジネスを展開する際の参考資料として使ってもらえる 。  

<研究会の活動>

研究会 ・2017年4月21日   キックオフミーティング開催 ・2017年6月2日    分科会開催 ・2017年8月18~25日 タイ国地元企業現地ヒアリング調査(予定)