2018年度:アジア太平洋地域軸

木村 福成

研究プロジェクト

アジアをめぐる経済統合の展望と課題

[ 2018年度/アジア太平洋地域軸 ] AUTHOR木村 福成 DATE

Abstract/Keywords

経済統合,ASEAN,東アジア,日本・関西企業,メガFTAs,CPTPP

リサーチリーダー

上席研究員 木村福成 慶應義塾大学経済学部教授  

研究目的

アジア諸国は、Brexitと米トランプ政権の登場に象徴される保護主義的風潮の高まりに危機感を抱きつつも、日EU EPAの大枠合意、TPP11の署名、RCEP交渉の継続などを受け、新たな段階にはいりつつある。アジアは自由貿易に対する向かい風に抗していけるのか、デジタル・エコノミーの波はこれまでの製造業ベースのグローバル・ヴァリュー・チェーンを中心に据えた開発戦略をどう変えていくのか、高いレベルの自由化と新たな国際ルール作りは進むのかなど、最新の情報を踏まえつつ検討すべき課題は多い。本プロジェクトでは、国際経済学のみならず、国際法学、企業研究などさまざまな知見を得ながら、アジアの経済統合について研究を進めていく。

 2018年度は、過去3年間の研究プロジェクトの後継として、改めて研究のスコープを設定し、特に企業経営に影響を与えうる諸要因の抽出を行っていく。  

研究内容

2017年度までの3年プロジェクトから仕切り直しとなる初年度は、刻々と変化する国際貿易体制の状況を踏まえながら、マクロ的には自由貿易体制の行方、ミクロ的には自由化と国際ルール作りの要点につき、学際的な視点を固めていくことに力を傾けたい。また最新情勢の把握のため、適宜、外部講師を招聘し、認識の共有を促進したい。 研究会は、オープン形式のワークショップとし、会員企業の方々等との情報共有を進め、また同時に多方面の方々からのフィードバックも受ける。喫緊の課題についての研究実施となるため、事態の新展開を常に追っていく必要がある。それら最新の情勢に関して専門性をもって解釈し、将来を見据えた議論を展開していくところに、本プロジェクトの独自性が存在する。  

リサーチャー(調整中)

 

期待される成果と社会還元のイメージ

 オープン形式のワークショップにおいて、多方面からの理論・実証・政策研究の成果を提供し、企業の方々に還元する。また、アジア太平洋地域における事業展開戦略の策定に資する。
後藤 健太

研究プロジェクト

地域統合におけるアジア中所得国と日本

[ 2018年度/アジア太平洋地域軸 ] AUTHOR後藤 健太 DATE

Abstract/Keywords

アジアの中所得国,バリューチェーン,接続力

リサーチリーダー

主席研究員 後藤健太 関西大学教授  

研究目的

昨今のアジア(中国、東南アジア諸国を含む)は急速に経済発展し、その存在感を日増しに高めている。20世紀後半「世界の工場」と呼ばれ、世界の生産一大拠点となったことはよく知られた事実だが、21世紀に入り、それ以上の役割を果たすようになった。例えば、日本を仮想トップとするようなこれまでの経済秩序から、アジア中所得国企業を統括者とする、グローバル・バリュー・チェーンが展開されているというのもその一つである。生産工程は細かく分割され、それぞれの工程は国境を越え、多様な国の多様な企業が担っている。そして、そのプロセスの連鎖を日本ではなく、アジア中所得国企業が統括(ガバナンス)し始めたということである。こうした分業生産工程に日本企業あるいは関西企業がどう参入するか、その「接続力」が求められるようになってきている。本年度はこうした日本企業のアジアでの立ち位置の変化や今後のアジア展開へのインプリケーションについて2016年度、2017年度の研究を踏まえながら、書籍の出版に向けた執筆に注力する。  

研究内容

本年度は書籍発刊に向けての2016年度、2017年度の研究成果を補填する情報収集に加え、出版社との細かな原稿調整を行う。そのための国内(東京)出張を年間で5回程度予定している。 中所得国企業の台頭によるアジアの新たな展開について、これらの状況を示す断片的な情報は多いが、体系的に分析したものは極めて少ない。更にそうした状況を日本あるいは関西企業の視点で捉えることはダイナミックなアジア経済における今後の戦略を考えていくうえでも、有効である。  

統括

猪木武徳  研究統括  

期待される成果と社会還元のイメージ

 ①研究報告書、②ワーキングペーパー(学術雑誌投稿用)、③書籍発刊用原稿研究報告書、を執筆する 。 上記の研究成果は、いずれも当研究所の会員企業をはじめ、関西を中心としたビジネス界が、今後アジア中所得国で国内・地場市場へ展開する際の参考資料として使ってもらえる。