研究成果

research project

2013年度の報告書 日本型ものづくりのアジア展開 -中小企業の東南アジア進出と支援策- が完成しました。

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本研究は、日本の中小企業が「ものづくり」を東アジア諸国で展開するために相手国および日本側でとるべき施策・体制を検討し、提言を策定することを目的としています。2013 年度は関西及び国内他地域の産業集積地を訪問し、地域の特色を活かした中小企業の海外展開支援の取り組みについて調査しました。また、ベトナムと並んで日系中小企業の関心が高いタイで現地調査を実施し、昨年度焦点をあてたベトナムとの比較分析を行いました。本
研究が強調している点は、①日本型ものづくりの将来ビジョンを策定する必要性とその指針の提示、②海外進出支援のめざす方向として、国内ビジネス支援機能と海外展開支援機能、及び現地支援機能を連携させる仕組みをつくる必要性、そして国内の産業集積地における好事例の紹介、③相手国との共創プロセスを通じた進出の促進、その意味で日本の産業政策と産業開発協力を調和化させ、相手国と「ものづくりパートナーシップ」ビジョンを共有する意義、です。研究を進めるにあたっては、実践とネットワーキング、政策的な働きかけを意識して、オープンな研究会の運営や問題意識を共有する組織とのコラボレーション企画に取り組みました。本報告書の分析と提言、
及び研究プロセスで構築された知的ネットワークが、関係者の皆様に役立つことを願っています。

この研究成果の研究プロジェクト

  • 大野 泉

    中小企業の東南アジア進出に関する実践的研究

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2012年度 » アジア太平洋地域軸

    RESEARCH LEADER : 
    大野 泉

    ABSTRACT

    リサーチリーダー
    大野 泉 政策研究大学院大学教授

     

    研究成果概要
    本研究は、日本の中小企業が「ものづくり」を東アジア諸国で展開するために相手国および日本側でとるべき施策・体制を検討し、提言を策定することを目的としています。2012年度は、関西のものづくり中小企業のベトナム進出支援に関わる諸問題に焦点をあてて分析・検討を行いました。そして、ものづくり中小企業が海外進出の際に直面する途上国側と国内の課題を明確にし、政府・地方自治体、国内支援機関、経済協力機関、企業や研究者等の参考に資することを念頭に、日越の支援ネットワークの結合を含む提言をとりまとめました。研究を進めるにあたっては、実践とネットワーキング、政策的な働きかけを意識して、オープンな研究会を運営したり、ベトナムの工業団地に関する情報等、国内支援機関や企業に役立つ具体的情報を提供することに努めました。本報告書の分析と提言、及び研究プロセスで構築された知的ネットワークが、関係者の皆様に役立つことを願っています。 詳細はこちら

     

    研究目的
    わが国の中小企業の「ものづくり」がアジアに展開しつつある。また政府はそれを支援するための体制を構築している。この動きを現場レベルで実践・推進するために、日本および投資受け入れ国でとるべき具体的施策を検討し、提言をとりまとめる。

     

    研究内容
    ○国内での議論と海外調査(ベトナム)を組み合わせて実施
    ・中小企業の海外進出に関する考察
    ・現地工業団地の状況調査、誘致政策等の把握
    ・途上国における人材育成の課題の把握
    ○自治体、経済協力機関へのヒアリング
    ○国・自治体・企業・経済協力機関等のネットワーク構築
    ・近畿経済産業局をはじめとする近畿地域中小企業海外展開支援会議の構成機関等との連携にも努める

     

    メンバー
    大野健一 (政策研究大学院大学)
    森 純一 (JICA専門家)
    前田充浩 (産業技術大学院大学)
    領家 誠 (大阪府商工労働部)
    関係機関・企業・専門家等が参加するオープンな研究会方式

     

    期待される研究成果
    ・日本の中小企業が海外展開の際に直面する途上国側の課題を明確にし、今後の政策、企業の取組みに役立つ具体的な情報の提供
    ・ベトナムの現場の取組みを踏まえ、実効性と政策インパクトのある分析と提言
    ・国内外の知的ネットワークの構築への貢献