研究成果

research project

2100年までの実質GDPと一人当たりGDPの年次推定データベースを公開

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約200の国・地域に関する、2100年までの実質GDPと一人当たりGDPの予測を統計データの新規ページとして公開しました。

この研究成果の研究プロジェクト

  • 林 敏彦

    世界の人口と経済に関する超長期データベースの作成

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2013年度 » アジア太平洋地域軸

    RESEARCH LEADER : 
    林 敏彦

    ABSTRACT

    目的

    OECDが発表した2060年までの加盟国の実質GDPに関する予測によれば、中国およびインドは、GDPにおいて21世紀中葉にアメリカを凌駕し一人当たりGDPも順調に上昇すると推定されている。英国エコノミスト誌も、2050年までの世界の経済、人口、社会構造等に関する長期予測を発表するなど、世界的に長期予測に関心が高まっている。この研究においては、2100年までの世界160カ国について、人口、実質GDP、および一人当たりGDPを予測し、それをデータベースとして広く一般に提供することを目的とする。

    内容

    初めに、アンガス・マディソンの歴史統計(西暦1年~2006年)によって、各国の人口と実質GDPの統計的関係性を推定する。次いで、国連の人口推計を手がかりとして、160カ国について、2100年までの実質GDPと一人当たりGDPの年次推定を行う。最後に、それらのデータを公表するための、簡易データベースを構築し、APIRデータとしてホームページ上に英文で公表する。国連の人口推計もIMF経済展望も定期的に改訂されるため、このデータベースも再推定した結果を継続的にアップデートすることとする。

    期待される成果と社会還元のイメージ

    ・人口動態が経済に与える影響を明示する。100年におよぶ超長期予測のベースとなる変数は人口であることにもとづく。

    ・世界の中には人口増加に伴って一人当たりGDPが低下するという「マルサスのわな」に陥っている国もあることを明らかにする。

    ・21世紀の中央まで一人当たりGDPの国別格差が縮小する方向に動くが、それ以降再び国別格差が拡大することを示す。

    ・2100年時点の世界経済においてもアメリカの優位性は保たれ、中国やインドは人口減少でマイナス成長に転移すると予想する。

    ・ASEAN(+6)、TPP参加予定国、EUなどの地域経済の長期的展望についても明らかにする。

    ・APIRでの各研究の基礎データとなるとともに、投資先を検討する企業にも、カントリーリスク推定などに利用価値が高いと思われる。