第2号 子ども手当等に関する調査研究(2009.12.01)

2009-12-01

◎財団法人関西社会経済研究所(所在地:大阪市北区中之島6−2−27)では抜本的税制改革研究会(主査:関西大学経済学部教授 橋本恭之氏)を中心に子 ども手当などの新政策の影響や子ども手当が生涯所得に与える影響に関する調査研究を実施しましたので、成果を発表いたします。

1. アンケートによる子ども手当や定額給付金などの経済へのインパクト推計

(1)各論
○子ども手当の賛否
・「賛成」及び「どちらかといえば賛成」が53.4%で、国民の高い期待が伺える。
(アンケート結果3ページ参照)
−前回調査(2009年8月)に比べて、7.5%ポイントの増加(45.9%→53.4%)で、国民の期待は高まっている。

○子ども手当の経済効果
・追加的消費の消費性向は平均12.6%程度であり、 通常の消費性向の約70%に比べると、経済効果は限定的と考えられる。(同上4ページ参照)

○子ども手当の使途
・子ども手当の使途は、「将来に備えた貯蓄」が最多となった。(同上5ページ参照)
これは支給の時期が適切でないため、実際の資金需要期への備えとするものと考えられる。
或いは貯蓄比率が高いのは資金需要を上回る手当てとなっている可能性が考えられる。
・年収別にみた子ども手当の使途は、高所得層は教育向けの割合が高いのに対し、低所得はレジャー向けの割合が高く、支給の手段が適切でないと考えられる。(同上6ページ参照)
−教育格差の拡大、そして階層の固定化も懸念され、教育クーポン等の検討も必要と考えられる。

○子ども手当と出生率
・合計特殊出生率に与える効果は+0.038程度(参考:H⑳1.37)である。(同上7ページ参照)
今回の子ども手当を少子化対策の一環ととらえる考え方があるので出生率上昇効果を推計したが、効果は限定的であり、少子化対策としては有効な施策とはいいがたいと考えられる。

(2)今後への示唆
・子ども手当は国民の支持を得ている政策と考えられる。
・しかし、効率的な施策とするために、支給金額、支給対象時期、支給方法の3つの観点から吟味を行うことが、国民経済的に求められているのではないか。
.子ども手当が生涯所得に与える影響
・これから子育てを行う場合、全ての階層で生涯手取り所得は増加する。
*子ども手当による増収と配偶者控除及び扶養控除の廃止による増税を考慮。
・子どもがいない大卒・大企業の既婚世帯の場合、生涯手取り所得は270万円減少。
・現時点で42〜47歳に達している世帯では生涯手取り所得がマイナスになる。

2. 子ども手当が生涯所得に与える影響
・これから子育てを行う場合、全ての階層で生涯手取り所得は増加する。
*子ども手当による増収と配偶者控除及び扶養控除の廃止による増税を考慮。
・子どもがいない大卒・大企業の既婚世帯の場合、生涯手取り所得は270万円減少。
・現時点で42〜47歳に達している世帯では生涯手取り所得がマイナスになる。