キーワード「AIIB」の文献一覧

岩本 武和

研究プロジェクト

アジアにおける開発金融と金融協力

[ 2017年度/アジア太平洋地域軸 ] AUTHOR岩本 武和 DATE

Abstract/Keywords

国際資金フロー,金融協力,アジアインフラ投資銀行,AIIB

リサーチリーダー

上席研究員 京都大学教授 岩本 武和  

研究目的

2016年度のプロジェクトでは、「アジア新興国における国際資金フロー」について、特に「中国からの資本の純流出と外貨準備の減少」に焦点を当て、「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)と「一帯一路」構想を、こうした文脈において考察した。現在の中国では、景気回復のための元安が資本流出を招き、それに対応するためには金融を引き締めざるを得ず、当初の景気回復策を打ち消してしまうという意味で、典型的なトリレンマに直面している。今年度においても、中国を中心としたアジアにおける国際資本フローの研究を継続する一方で、中国のみならず広く「金融協力」という側面から、アジアの成長に資する開発金融のあり方を検討する。  

研究内容

アジアの開発金融(アジアの経済成長に資する投資のために動員される国内及び海外の公的及び民間の金融)について、以下のようなテーマを理論的かつ実証的に解明する。第一に、リーマン・ショック後の中国経済の減速を背景にした「アジアの新興国、特に中国からの資本流出」についての昨年度の研究を継続する。第二に、ASEAN+3の枠組みによる金融協力の成果を検証し、今後の課題を展望する。(3)アジアインフラ投資銀行(AIIB)とインフラ開発、およびアジアにおける金融システム改革や銀行部門の資金調達等に関して、中国およびASEAN数カ国に現地調査を行う予定である。 具体的には、以下のようなテーマを取り上げ、以下のような研究会、ワークショップ、フォーラムを行う予定である。(1)「東南アジアの金融メカニズムと政策的取り組み」に関する研究会、(2)「リーマン・ショック後の中国の国際資本フロー」に関するワークショップ、(3)「ASEAN+3の枠組みによる金融協力の成果と今後の課題」に関する研究会、(4)「アジア太平洋における地域統合と金融統合」に関するフォーラム(「アジア太平洋地域におけるFTAとEPAのあり方」プロジェクト(木村福成上席研究員)とのジョイント・フォーラム)  

統括

猪木武徳  研究統括

リサーチャー

三重野文晴 京都大学 東南アジア研究所教授  矢野 剛 京都大学 大学院経済学研究科准教授 青木浩治 甲南大学 経済学部教授 Cao, Thi Khanh Nguyet APIR研究員 辻 俊晴 APIR総括調査役 研究協力者  北野尚宏 国際協力機構 JICA研究所所長  高野久紀 京都大学 大学院経済学研究科准教授 伊藤亜聖 東京大学 社会科学研究所講師  リサーチアシスタント   芦 苑雪 京都大学アジアアフリカ地域研究科  

期待される成果と社会還元のイメージ

 (1)中国における国際資本フローに関する時系列データ

(2)アジアにおけるよる金融協力の成果に関する報告

(3)アジアのインフラ開発に時系列データ

(4)マイクロ・ファイナンスに関する実験データ

(5)アジアにおける開発金融と金融協力に関する報告書

(1)政策立案、ビジネス戦略策定、将来予測の裏付けとなる理論的・実証的裏付け

(2)公共財や研究インフラとなる研究成果やデータ  

<研究会の活動>

研究会 ・2017年5月18日   第1回研究会開催 ・2017年8月3日   第2回オープン研究会(予定)
岩本 武和

研究プロジェクト

アジアの成長に資する開発金融

[ 2016年度/アジア太平洋地域の経済的ダイナミズムと今後の行方 ] AUTHOR岩本 武和 DATE

PDF_direct

Abstract/Keywords

資金フロー,アジア債券市場,アジアインフラ投資銀行,AIIB,マイクロ・ファイナンス

リサーチリーダー

上席研究員 京都大学教授 岩本 武和  

研究目的

2015年における新興国(主要30カ国)への資本流入は、対前年比で半減し、新興国から海外への資本流出も減少するが、ネットでは5,400億ドルの流出超過となる見通しである(IIF)。流出超は1988年以来27年ぶりである。中国経済の減速を背景に、国別では中国が4,775億㌦と過去最大の流出超過、アジアでは韓国743億㌦、マレーシア334億㌦、タイ216億㌦と続いている。新興国の外貨準備高は、過去15年間で11倍に増え、1997年の通貨危機のようなリスクは低いものの、海外からの資金を引き付け、それを原資として工業品の輸出で稼ぐ成長モデルは転換点を迎えている。こうした現状を背景に、本研究では、アジアにおける新しい成長モデルと開発金融のあり方を提示する。  

研究内容

アジアの開発金融(アジアの成長・開発目的に資する投資のために動員される国内及び海外の公的及び民間の金融)について、以下のようなテーマを理論的かつ実証的に解明する。(1)アジア通貨危機、世界金融危機、中国経済の減速を画期として、「アジアの開発金融」がどのような影響を受けたか、(2)その課題をどのように克服しながら現在に至っているか、(3)「海外からの資金流入・海外への工業品輸出」に代わる将来のアジアの成長・開発モデルはどのようなものか。また、アジアインフラ投資銀行とインフラ開発、およびアジアにおける金融システム改革や銀行部門の資金調達等に関して、中国およびタイに現地調査を行う予定である。

具体的には以下のようなテーマを取り上げ、各テーマについて1-2名のリサーチャーが担当。研究者のみならず、官民の現場で開発金融に携わっている実務家を招聘し、研究会やセミナーを開催する予定である。(1)アジア太平洋の資金フローの変化(主として研究者)、(2)東南アジアの銀行部門(アジアの民間銀行の在日支店、JBIC審査部)、(3)アジアのインフラ開発とアジアインフラ投資銀行(AIIB)の役割(JICA、中国関係の実務家)、(4)アジアにおける国際協力とABMI(アジア債券市場育成イニシアティブ)の現状(財務省、JBIC)、(5)マイクロ・ファイナンス(主として研究者)、(6)人民元改革とアジアの金融統合。   

統括

林 敏彦 研究統括 リサーチャー 三重野文晴 京都大学 東南アジア研究所教授  矢野 剛 京都大学 大学院経済学研究科准教授 青木浩治 甲南大学 経済学部教授 北野尚宏 国際協力機構 JICA研究所所長  研究協力者  高野久紀 京都大学 大学院経済学研究科准教授 榊 茂樹 野村アセットマネジメント 運用調査本部チーフ・ストラテジスト  リサーチアシスタント   芦 苑雪 京都大学アジアアフリカ地域研究科  

期待される成果と社会還元のイメージ

 アジアにおける資本フローのパネルデータ(時系列とクロスセクションを統合したデータ)。アジアの民間企業・銀行部門の資金調達に関するパネルデータ。アジアのインフラ開発に関する州・県レベルのパネルデータ。マイクロ・ファイナンスに関する実験データ。マイクロ・ファイナンスに関する実験データ。アジアにおける新しい成長モデルと開発金融のあり方に関する報告書。 政策立案、ビジネス戦略策定、将来予測の裏付けとなる理論的・実証的裏付け。公共財や研究インフラとなる研究成果やデータ。    

<研究会の活動>

  研究会   ・2016年6月20日   第1回研究会開催  プレゼン資料はこちら ・2016年8月1日  第2回研究会開催   プレゼン資料はこちら ・2016年10月17日  第3回研究会開催 ・2016年11月21日  第4回研究会開催 ・2017年2月13日  第5回研究会開催  
Miles Neale

インサイト

APIR Commentary No.50<オーストラリアのAIIB参加表明の背景とは>

[ コメンタリー ] AUTHORMiles Neale DATE2015-07-01

PDF_direct

Abstract/Keywords

オーストラリア,AIIB,参加

今年3月29日、日米が中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の運営方針に対する懸念を示す中、オーストラリアのアボット首相はAIIBに参加する意向を正式に表明した。アボット政権は当初、AIIBの参加に関してためらいを見せていた。例えば、昨年11月の閣議では、日本とアメリカとの同盟を重視する外務省がAIIBに対する反対の意向を示し、経済成長のためにアジア諸国へのインフラ投資の重要性を訴えた財務相と対立した。議論を重ねた結果、政府は参加を見合わせる方針を新聞等で発表した。しかし、表明期限のわずか2日前、これまでの方針から一転、参加の意向を表明した。 この一見唐突に見える転換の背景について明らかにしておく必要があろう。本稿では、オーストラリアがAIIBに参加を表明した理由と背景を考察する。検討の結果、参加の判断に影響を及ぼした要因は、①他国の参加、②中国との協議を通じた発言力確保、③オーストラリアの経済戦略という3点であることを示す。
金 賢九

インサイト

APIR Commentary No.46<AIIB参加が韓国で議論にならなかった理由とは>

[ コメンタリー ] AUTHOR金 賢九 DATE2015-05-20

PDF_direct

Abstract/Keywords

AIIB, 韓国, 無風状態

2015年4月11日、韓国は中国が主導するアジアインフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank,以下AIIB)に参加することを決めた。本稿では、参加決定に至るまでの韓国の主要な新聞の論調を振り返ることで、何が論点となってきたか示したい。結論を述べると、韓国では政治的配慮から慎重意見はみられるものの、経済的な利益が期待できることから、いずれの新聞もAIIB参加に賛成で一致しており、反対意見はみられなかった。このようにメディアが大きな関心を持って報じたにも関わらず、一般世論はAIIBや参加決定に対して異論を唱えることはなく、さながら無風状態とも呼べる状況であった。このような状態が生じた理由として、既に国民は「国益」という視点からAIIB参加に賛成で一致しており、それを問題と感じなかったこと、それよりも政治や国内問題解決を優先してもらいたいという意見が大勢を占めていたことなどが考えられる。