研究者紹介

松林 洋一 プロフィール写真

松林 洋一

  • 神戸大学教授
  • 国際マクロ経済学・計量経済学

学歴

神戸大学大学院経済学研究科博士後期課程中退(1991)
経済学博士(神戸大学)

職歴

神戸大学経済学部助手 (1991-1994)
和歌山大学経済学部講師 (1994-1996)
和歌山大学経済学部助教授 (1996-2003)
神戸大学大学院経済学研究科助教授 (2003-2005)
神戸大学大学院経済学研究科教授 (2005-現在)
ハーバード大学経済学部客員研究員 (2010-2011)
ブリューゲル研究所客員研究員 (2013-2014)
財務省財務総合政策研究所上席客員研究員 (2013-現在)
日本銀行金融研究所Visitor (2016年9月-現在)

主な著作物

『対外不均衡とマクロ経済:理論と実証』(2010)東洋経済新報社。

主な論文

“Capital Accumulation, Vintage and Productivity: The Japanese Experience,” Singapore Economic Review (2016) forthcoming.

“Exchange Rate, Expected Profit, and capital Stock Adjustment: Japanese Experience,” Japanese Economic Review (2011),Vol.62(2),

その他

日本銀行調査統計局講師(1998-2014)
財務省国際局委託研究員(2000-2001)
財務省財務総合政策研究所「国際的な資金フローに関する研究会」委員(2009)
内閣府経済社会総合研究所世界経済研究会委員(2012-2013)
内閣府経済社会総合研究所国際共同研究プロジェクト委員(2015-2016)

論文一覧

井田 大輔

ディスカッションペーパー

地域DSGEモデルの応用可能性:家計の異質性を考慮して

[ ディスカッションペーパー ] AUTHOR井田 大輔 / 松林 洋一 DATE2016-02-01

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Abstract/Keywords

DSGEモデル, 関西経済, 住宅投資, 視野の有限性

本稿の目的は、Okano et al. (2015)の地域版の動学的一般均衡(DSGE)モデルにGali et al. (2007)の流動性制約家計を考慮することで地域DSGEの応用可能性を探ることである。本稿の分析からは以下のことが確認された。まず、政府支出の増大は実質金利の上昇を通じて非耐久財投資を減少させるが(クラウディング・アウト効果)、一方で、政府支出増の耐久財投資増加の効果によって耐久財需要が増大する。総需要はこの両者の相対関係で決定されるが、ベンチマーク経済では、政府支出増の耐久財投資増の効果がクラウディング・アウト効果を上回るので、政府支出は総需要の拡大を促す。流動性制約家計の導入に加え、Blanchard (1985)の「視野の有限性」を考慮すると、関西と関東の住宅投資の違いを上手く説明することができた。よって、関西と関東の住宅投資の違いをみるには、流動性家計の存在に加えて、視野の有限性を考慮することが必要であることが示唆された。
稲田 義久

インサイト

「訪日外国人消費動向調査」個票データ分析から得られる関西インバウンド戦略へのインプリケーション(1)

[ トレンドウォッチ ] AUTHOR稲田 義久 / 松林 洋一 / 木下 祐輔 DATE2018-06-05

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Abstract/Keywords

訪日外国人消費動向調査, インバウンド需要, 個票データ,入出港分析

国土交通省近畿運輸局との共同研究により『訪日外国人消費動向調査』の個票データの観察に基づき、関西インバウンド戦略に向けての含意を導出する。今後シリーズで紹介する予定であるが、初回となる本報告では、特に入出港の視点から詳細に検討する。観察結果より以下の点が明らかになった。(1)アジア地域からの観光・レジャー目的での訪日に関しては、関西国際空港を利用するケースは依然として多い。(2)また欧州からの同目的の関西国際空港の利用者数はアジア地域に比すれば数は多くはないが安定している。(3)なお近年は九州圏の利用が無視できない動きとなりつつある。(4)ビジネス目的では成田と羽田を利用した関東圏への集中が圧倒的であり、関西にとっても挑戦すべき課題である。観光・レジャー目的におけるアジア地域からの需要の着実な取り込みが関西圏において不可欠であるといえる。
松林 洋一

研究プロジェクト

テキストデータを利用した新しい景況感指標の開発と応用

[ 2018年度/経済予測・分析軸 ] AUTHOR松林 洋一 DATE

Abstract/Keywords

テキストマイニング,RNN,日次データ

リサーチリーダー

主席研究員 松林洋一 神戸大学大学院経済学研究科教授  

研究目的

従来、マクロ経済の動向を把握するには、集計データを用いることが一般的である。しかし、集計データは、速報性に欠けており、ミクロの経済要因を知るには不十分という課題がある。一方、昨今の情報技術の急速な進展により、国内外の経済活動において生成される大規模なデータ(ビッグデータ)が様々な形で利用可能になり始めている。きわめて豊富な情報を内包しているビッグデータの活用は、マクロ経済のより精緻な情勢判断と予測において、有効であると考えられる。このため、本研究ではビッグデータの一つであるテキストデータに着目して、経済の動向を、速報性をもって析出することを試みる。

本研究では、高頻度(日次ベース)で公表される新聞紙上における経済記事に着目し、同記事のテキスト情報から景況感を析出するという手法(=テキストマイニング)を用いて、より速報性の高い景況感指標を作成することを試みていく。

 

研究内容

2017年度の研究成果を受け、多様な語彙を持つ経済用語を数量的に解析するために、深層学習、特にリカレント・ニューラル・ネットワーク(RNN)という分析枠組みを用いる。深層学習とは、人間の脳内における多層段階にわたる思考過程を模倣した数理モデルの総称であり、アルゴリズムとデータを用いてコンピュータで実装される。 深層学習を二段階で実施する。第一段階では、コンピュータにテキストデータ(新聞記事)を大量に読み取らせ、そのデータに対する回答(景況感指数)を人間が教える。第二段階では、新しいデータを読み込ませて、正答を出力できるか確かめる。第二段階で正答が出力されなければ、第一段階に立ち戻る。そこで、アルゴリズムの修正やデータの追加を行い、再度第二段階へ進む。所望の結果が得られるまで、第一段階と第二段階のサイクルを繰り返す。  

リサーチャー

関 和弘  甲南大学知能情報学部准教授 岡野光洋  大阪学院大学経済学部講師 生田祐介  APIR研究員 木下祐輔  APIR調査役・研究員  

期待される成果と社会還元のイメージ

 テキストデータを利用した、新しい景況感指標のプロトタイプを開発する。このプロトタイプを、APIRが毎月公表している「APIR Economic Insight Monthly」などへ掲載することも予定している。 新しい景況感指数を見ることによって、企業は家計(消費者)の景況感(経済マインド)を、より早くより正確に知ることができるようになる。こうした情報は、自社にとって最適な経営戦略の立案や、マーケティング戦略の実施に役立つはずである。また、政策当局においても、従来の数量的な経済変数だけではなく、テキストデータによる新たな指標に基づき、柔軟かつ精緻な情勢判断を行い、政策決定に生かすことが可能になるであろう。  

<研究会の活動>

研究会 ・2018年9月   第1回研究会開催(予定) ・2018年11月   第2回研究会開催(予定) ・2019年3月   第3回研究会開催(予定)
岡野 光洋

ディスカッションペーパー

Development of a Regional DSGE Model in Japan: Empirical Evidence of Economic Stagnation in the Kansai Economy

[ ディスカッションペーパー ] AUTHOR岡野 光洋 / 井田 大輔 / 北野 重人 / 松林 洋一 DATE2015-04-13

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Abstract/Keywords

Kansai economy, Area DSGE, productivity, residential investment

Using a dynamic stochastic general equilibrium model, this study empirically examines Japan’s Kansai Region to ascertain causes of its long-run economic stagnation. Simulations and the empirical investigation demonstrate that stagnant private residential and equipment investments and productivity persistency are structural problems responsible for Kansai’s unique economic fluctuations.
松林 洋一

研究プロジェクト

ビッグデータを利用した新しい景気指標の開発と応用

[ 2017年度/経済予測・分析軸 ] AUTHOR松林 洋一 DATE

Abstract/Keywords

テキストマイニング, ネットワーク分析, 景気ウォッチャー

リサーチリーダー

主席研究員 松林洋一 神戸大学大学院経済学研究科教授  

研究目的

昨今の情報技術(Information Technology)の急速な進展により、国内外の経済活動において生成される大規模なデータ(ビッグデータ)が様々な形で利用可能となり始めている。きわめて豊富な情報を内包しているビッグデータの活用は、マクロ経済のより精緻な情勢判断と予測において、必要不可欠であると考えられる。 

研究内容

本研究プロジェクトでは、ビッグデータの分析手法の一つであるテキストマイニングに注目し、2つの研究成果が得られることを予定している。第1は、日本銀行による「景気動向調査」のデータ・マイニングの手法の高度化と改善である。第2は、関西の特徴を出せるようなデータ・マイニング手法の開発である。

上記2つの分析視点をもとに以下の分析を試みていくことにする。「1.データ・マイニングの手法の高度化と改善」では、他の(日銀以外の)データ・マイニング手法の調査により、現在の日銀分析手法の評価、および、改善を行うことにする。さらにネットワーク分析手法の高度化(ネットワーク構造の通時的な構造変化の探索)を試みることにする。「2.関西独自のテキストマイニング開発」では、現在の日銀手法で関西の特性が出せるかの有効性を確認するとともに、関西の特徴を出せるようなデータ・マイニング手法の開発を行っていくことにする。

第1のポイントは、データ・マイニング手法において核ともいえる「ネットワーク分析」(言語間の相互連関の構造)に関する手法の高度化である。テキストマイニングでは、ある時期の経済活動を規定する諸要因の関係(例えば原油価格と景気など)が、頻出する語彙(テキスト)の相互連関構造=ネットワークとして描写される。このネットワークの構造は通時的に変化するはずであり、構造変化を解析的にしていくことは極めて興味深い試みである。第2のポイントは、関西独自のテキストマイニングの開発である。関西経済の特徴をテキストマイニングによって析出していくためには、データソースの探索が不可欠である。日本銀行では内閣府の「景気ウォッチャー」をベースとして分析が行われているが、本研究プロジェクトではより広範な情報ソース(業界紙など)にもとづいて、関西経済の特徴を浮き彫りにしていくことにする。

 

統括

稲田義久 APIR数量経済分析センター センター長  

リサーチャー

青山秀明 APIR上席研究員、京都大学教授 池田雄一 京都大学教授 生田祐介 APIR研究員 木下裕輔 APIR研究員兼調査役  

期待される成果と社会還元のイメージ

 「1.データ・マイニングの手法の高度化と改善」では、経済構造の変化をテキストマイニングの枠組みにおいて的確に抽出することができるネットワーク分析の開発を進めていき、その手法の適用可能性を探っていくことにする。「2.関西独自のテキストマイニング開発」では、主要日刊紙の関西欄に記載されている記事、関西圏の業界紙に掲載されている記事をもとにテキストマイニングの手法を用いて、関西経済の特徴を定量的、定性的に把握することにする。 テキストマイニングの手法を用いて関西経済の情勢判断(現状)と足元予測(先行き)を、これまでの手法とは異なる形で定期的に公表していくことができる。こうした成果は、企業の経営戦略(関西経済の現状把握やマーケティング戦略)において有力な情報源となりえるはずである。また関西の政策当局においても、従来の数量ベースの経済変数だけではなく、テキストマニングによる新たな指標に基づいてより柔軟かつ精緻な情勢判を行うことができるはずである。  

<研究会の活動>

研究会 ・2017年4月7日  キックオフミーティング開催 ・2017年6月30日  第1回研究会開催