Kansai Economic Insight Monthly Vol.54-景気は足下、先行きともに緩やかな成長が見込まれる-

2017-10-24

-景気は足下、先行きともに緩やかな成長が見込まれる-
・8月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月から上昇したが、7-8月平均は4-6月平均比小幅上昇にとどまった。近畿経産局は「生産は横ばい傾向で推移している」と判断している。
・9月の貿易収支は8カ月連続の黒字。米国向けのゲームソフトを中心に遊戯用具が過去最高額となり、輸出の伸びに寄与した。結果、前年比でも黒字幅は拡大した。
・9月の消費者態度指数は前月比小幅悪化。一方、景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月ぶりの改善。消費者の節約志向は依然強いものの、好調なインバウンドに加え、秋物商材が好調で全体は上昇した。
・7月の関西2府4県の現金給与総額は5カ月連続の前年比増加。「関西コア」賃金指数も3カ月連続の同改善。緩やかではあるものの、賃金は上昇が続いている。
・8月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比プラス。百貨店は化粧品、宝飾品等が国内需要とインバウンド需要向けで好調。スーパーは牛肉と水産品を中心に食料品が堅調であった。
・8月の新設住宅着工戸数は3カ月ぶりの前年比増加となった。利用関係別にみると、持家は6カ月連続、貸家は2カ月連続いずれも減少。一方、分譲は2カ月連続の増加。
・8月の有効求人倍率は前月比横ばい。新規求人倍率は2カ月連続の上昇となり、労働需給が引き締まった状態が続く。完全失業率は3カ月連続の改善で、雇用情勢は依然好調である。
・9月の公共工事請負金額は4カ月連続の前年比減少。季節調整値で見ると、3カ月連続の増加となったものの、補正予算の効果はすでに剥落しているとみられる。
・9月の関空を利用した訪日外客数は前年比+24.0%と7カ月連続で増加しており、インバウンドは好調。また、7-9月期の訪日外客の平均消費額は7四半期ぶりのプラスであった。
・中国の7-9期の実質GDP成長率は、前年比+6.8%となり、4-6月期から、-0.1%ポイント小幅下落した。

関連論文

稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.72 – 景気は足下悪化傾向、先行きは改善の兆しか –

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔 / 馬 騰 / KARAVASILEV, Yani / CAO THI KHANH NGUYET DATE2019-04-23

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KEIM, 月次レポート, 関西経済

- 景気は足下悪化傾向、先行きは改善の兆しか - ・2月の生産は4カ月ぶりの前月比プラスだが、1-2月の生産は10-12月平均比-3.0%下落し、生産は依然低調である。近経局は生産の基調判断を「足踏みをしている」と前月から据え置いた。 ・3月の貿易収支は2カ月連続の黒字だが、前年比縮小した。輸出・輸入はともに減少しており、内容がよくない。世界経済減速の影響もあり、特に中国向けの科学光学機器、半導体等電子部品等が減少した。 ・3月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月ぶりに前月比悪化し、4カ月連続で50を下回った。月後半の気温の低下により春物商材の動きが芳しくなかったことがマイナスに寄与した。 ・1月の関西コア実質現金給与総額は2カ月ぶりの前年比改善だが、伸びは小幅にとどまった。 ・2月の大型小売店販売額は4カ月連続の前年比マイナス。百貨店はインバウンド需要の伸びがプラスに寄与したが、スーパーは野菜の相場安と冬物衣料の不調によりマイナスに寄与した。 ・2月の新設住宅着工戸数は4カ月ぶりの前年比減少。持家は増加したものの、貸家の減少の影響が大きい。 ・2月の有効求人倍率は5カ月ぶり、新規求人倍率は2カ月連続で前月比小幅改善した。完全失業率も3カ月連続で改善しており、引き続き雇用情勢は堅調である。 ・3月の公共工事請負金額は3カ月ぶりの前年比減少。結果、1-3月期は5四半期ぶりに前年比増加した。 ・3月の関空の外国人入国者数は6カ月連続で前年比増加したが、依然一桁台の伸びに留まっている。国籍別にみると、1月の台湾は8カ月ぶりに前年比増加したものの、韓国・香港からの入国者数は8カ月連続で同減少している。 ・中国1-3月期実質GDP成長率は好調な第2次産業に支えられ、前年同期比6.4%となった。また、3月の製造工業PMIは2カ月ぶりに改善し、4カ月ぶりに50を上回った。
稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.71 – 景気は足下悪化傾向、先行きは改善の兆しか –

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰 DATE2019-03-26

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- 景気は足下悪化傾向、先行きは改善の兆しか - ・1月の生産は3カ月連続の前月比マイナス。10-12月平均比でも低下し、1-3月期の最初の月としては低調である。近畿経産局は生産の基調判断を前年9月以降始めて下方修正した。 ・2月の貿易収支は2カ月ぶりの黒字となり前年比拡大したが、輸出と輸入はともに減少。輸出については、中国を始めとする世界経済の減速には注意が必要である。 ・2月の景気ウォッチャー現状判断DIは、4カ月ぶりの前月比改善だが、3カ月連続で50を下回った。暖冬の影響や、生活防衛意識の高まりから消費の勢いは鈍い。中国EC法の影響は前月から緩和したものの、インバウンド需要の増勢は鈍化している。 ・12月の関西2府4県の実質現金給与総額は2カ月ぶりの前年比減少。結果、2018年の実質現金給与総額は3年ぶりに減少した。 ・1月の大型小売店販売額は3カ月連続の前年比マイナス。インバウンド需要減少の影響で百貨店は2カ月ぶりのマイナス、スーパーは野菜の相場安のため4カ月連続のマイナスであった。 ・1月の新設住宅着工戸数は3カ月連続の前年比増加。利用関係別に見れば、マンションの急増が全体を押し上げた。 ・1月の有効求人倍率は3カ月ぶりに前月比小幅悪化したが、完全失業率は2カ月連続の改善。引き続き雇用情勢は堅調である。 ・2月の公共工事請負金額(季節調整値)は前月比2カ月連続のプラスとなり、持ち直しつつある。 ・2月の関空の外国人入国者数は5カ月連続で前年比増加したが、一桁台の伸びが続いている。国籍別では、2018年は自然災害の影響もあり、台湾、香港では前年比減少し、韓国はほぼ同横ばいとなった。 ・中国2月の製造業PMIは3カ月連続で景気分岐点を下回った。うち、生産指数は2009年1月以来の低水準となった。また、米中貿易摩擦の影響を受け、中国の対米貿易黒字は前年同月比-29.8%と大幅縮小し、11カ月ぶりのマイナスであった。
稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Quarterly No.42 <先行きの減速リスク高まる関西経済>

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 / 馬 騰 DATE2019-02-27

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Abstract/Keywords

関西経済, 四半期予測, 早期推計,

先行きの減速リスク高まる関西経済-個人消費は弱含み、「2つの輸出」も減速懸念- 1.2018年10-12月期実質GDP成長率は前期比+0.3%(年率換算+1.4%)と2四半期ぶりのプラス成長となった。実質GDP成長率に対する寄与度を見ると、国内需要は2四半期ぶりのプラスとなった。前期の自然災害による供給制約の影響が剥落し、個人消費や設備投資は持ち直した。他方、輸出の伸びが小幅にとどまったことから、純輸出(外需)は3四半期連続のマイナスとなった。 2.2018年10-12月期の関西経済は、弱い動きが見られる。家計部門は、弱い動きを示している。所得環境は改善が続いているが、センチメントは悪化している。雇用についても、やや一服感が見られる。企業部門では、景況感や設備投資計画は前向きであり、生産も緩やかに持ち直した。対外部門は、輸出・輸入とも減速しており、インバウンドについても勢いは鈍化している。公的部門は、一進一退であるが総じて弱い動きとなっている。 3.関西の実質GRP成長率を2018年度+1.4%、19年度+0.8%、20年度+0.6%と予測する。前回予測(41回)と比べて、大幅な変更はない。全国の成長率と比較すると、18年度は、全国以上となる所得の高い伸びや年度前半の堅調なインバウンド需要に支えられ、全国を上回る成長率で推移する。19年度以降は「2つの輸出」が減速し、全国並みの成長率となる。20年度には、内需の貢献がより小幅となり、日本予測の成長率が関西を若干上回る。 4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2018年度は民間需要+1.0%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、域外需要+0.4%ポイントと主に民間需要が中心となり成長を押し上げる。19年度は民間需要+0.5%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.1%ポイントで、民間需要と域外需要の寄与が小幅となる。20年度は民間需要+0.3%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.0%ポイントとなる。消費増税の影響がより顕在化し、民間需要の寄与はさらに縮小する一方で、公的需要が成長を下支える。 5.インバウンド需要について、個票データおよびオープンデータを用いて訪日外国人の移動パターン等の特徴を整理・検討した。関西におけるインバウンド需要はここへ来て変調の兆しが見えつつあり、国・地域別に傾向が異なっている。データに基づく分析結果を踏まえた持続可能な発展戦略の形成が求められる。