Kansai Economic Insight Monthly Vol.66 – 景気は足下先行きともに悪化傾向が続く –

2018-10-26

-景気は足下先行きともに悪化傾向が続く-

・8月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりの前月比プラスとなったが、7-8月平均は4-6月平均比で低下した。近畿経産局は3カ月連続で生産の基調判断を前月から据え置いた。
・9月は台風21号と24号で関空が一時閉鎖された影響もあり、輸出入ともに減少した。結果、同月の貿易収支は8カ月連続の黒字となったが、黒字幅は前年比縮小した。
・9月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月ぶりの前月比悪化した。台風21号による影響を受けたが、その後迅速に復旧が進んだため、落ち込みは比較的軽微であった。
・7月の関西2府4県の現金給与総額は17カ月連続の前年比増加。実質現金給与総額は5カ月連続で増加したものの、1%未満の伸びにとどまった。
・8月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比マイナス。百貨店ではブランド品を中心に国内消費が好調であったが、スーパーでは季節性の衣料品が不調であったため。
・8月の新設住宅着工戸数は貸家着工の減少が影響し、3カ月連続の前年比減少となった。弱含みの動きが見られる。
・8月の有効求人倍率は3カ月連続の前月比改善。依然として労働需給は引き締まった状態が続いている。完全失業率は2カ月連続で改善しており、雇用情勢は引き続き堅調である。
・9月の公共工事請負金額は2カ月連続で前年比マイナス。結果、7-9月期は2四半期ぶりのマイナス。公共工事の低迷もあり、建設工事の伸びは減速している。
・9月関空の訪日外客数は2度の台風の影響が大きく、19カ月ぶりの前年比マイナス。国籍別では、7月は韓国・台湾・香港からの入国者数が2カ月連続で同減少した。
・中国7-9月期の実質GDPは前年同期比+6.5%となり、2四半期連続で低下し、2009年1-3月期以来の低水準。米中の貿易を見れば、9月の対米輸出額は駆け込み需要により6カ月連続の増加だが10月以降の反動減が懸念される。

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本稿では観光庁『訪日外国人消費動向調査』の個票データを用いて、インバウンド需要の決定要因について定量的に考察する。具体的には11の国、地域からの訪日外国人の消費額の決定要因を、2015年第1四半期から17年第4四半期までの各期のクロスセクションデータを用いて分析する。分析結果より、為替レートや世帯収入などインバウンド需要の基本的決定要因は有意にプラスの影響を与えていることが明らかとなった。為替レートの変動は訪日外国人の収入の多寡よりも強く作用しており、その影響は自国通貨が円に対して割安であるほど大きくなっていることが確認できた。またビザ緩和は発動当初には強く影響しており、徐々にその効果が低下していく点も明らかとなった。 APIR_Trend_Watch_56
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・5月の生産は2カ月連続で増産となった。結果、4-5月平均は1-3月期平均比+0.6%上昇した。近経局は生産の基調判断を「生産は底堅い動きがみられる」と4カ月ぶりに上方修正した。 ・6月の貿易収支は2カ月ぶりの黒字だが、輸出、輸入ともに減少しており、貿易総額は対中国を中心に7カ月連続で減少。 ・6月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月連続で前月から悪化し、7カ月連続で50を下回った。ゴールデンウィークの反動減の影響やG20サミットによる企業の売上減少がみられる。 ・4月の関西2府4県の現金給与総額は2カ月連続の前年比マイナス。実質現金給与総額も2カ月連続で同マイナスとなった。 ・5月の大型小売店販売額は2カ月ぶりに前年を上回った。高額品の好調に加え、気温の上昇の影響で百貨店もスーパーも季節品の売り上げによりプラスに寄与した。 ・5月の新設住宅着工戸数は前年比-27.5%と2カ月連続で減少。減少幅は2009年8月以来最大。分譲の大幅減少が影響した。 ・5月の有効求人倍率は前月比小幅のマイナスだが、求人数、求職者数ともに5カ月ぶりに増加した。一方、完全失業率は前月比横ばいだが、労働力人口、就業者数いずれも増加している。雇用情勢に引き続き改善がみられる。 ・5月の建設工事出来高は15カ月連続で前年比増加した。好調なインバウンド需要は宿泊業の建設投資の増加に寄与している。6月の公共工事請負金額(季節調整値)は3カ月ぶりに前月比減少した。結果、4-6月期は3四半期ぶりに前期比小幅減少した ・6月の関空の外国人入国者数は9カ月連続で前年比増加し、2018年6月以来の二桁の伸びだが、前年同月の自然災害の影響が一巡したためである。 ・中国4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.2%で、1992年以降で最低の伸び率であった。また、6月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は5月から横ばい、2カ月連続で50を下回っている。
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・4月の生産は6カ月ぶりの前月比プラス。結果、4月実績は1-3月期平均比-0.5%下落した。近経局は生産の基調判断を「足踏みをしている」と前月から引き続き据え置いた。 ・5月の貿易収支は4カ月ぶりの赤字。輸出、輸入ともに減少しており、貿易額は6カ月連続で縮小。米中貿易摩擦の影響を受け、対中貿易額は7カ月連続で減少している。 ・5月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月ぶりに前月から悪化し、6カ月連続で50を下回った。月初は大型連休の好影響が見られたが、その後は節約志向が強まった。 ・3月の関西2府4県の現金給与総額は3カ月ぶりの前年比マイナス。実質現金給与総額も3カ月ぶりに同マイナスとなった。 ・4月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比マイナス。百貨店はインバウンド需要の影響でプラスに寄与したが、スーパーは、気温の影響もあり、季節品の不調によりマイナスに寄与した。 ・4月の新設住宅着工戸数は主に貸家の大幅減少が影響し、2カ月ぶりに前年同月比減少した。分譲も減少したものの、持家は引き続き増加した。 ・4月の有効求人倍率は前月比小幅のプラスだが、求人数、求職者数ともに4カ月連続の減少。一方、完全失業率は前月比横ばいだが、労働力人口、就業者数いずれも減少している。雇用情勢には一服感がみられる。 ・4月の建設工事出来高は14カ月連続で前年比増加した。5月の公共工事請負金額は2カ月連続の増加となった。補正予算の効果が出ている。 ・5月の関空の外国人入国者数は8カ月連続で前年比増加だが、一桁台の伸びが続いている。国籍別にみると、3月の中国からの入国者は6カ月連続で前年比増加だが、台湾からは2カ月連続、韓国・香港からは10カ月連続でいずれも同減少している。 ・中国の5月の製造業購買担当者景況指数は2カ月連続で前月から悪化し、3カ月ぶりに景気分岐点を下回った。また、対米貿易収支は4カ月連続で拡大したが、貿易総額は6カ月連続で減少していることに注意。 APIR_KEIM_Vol74_統合版