Kansai Economic Insight Quarterly No.41 <足下の景気は堅調だが先行き下降局面を迎える-18年7-9月期GDP2次速報値反映>

2019-02-08

  1. 12月10日発表のGDP2次速報値によれば、7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率-2.5%と1次速報値(同-1.2%)から大幅下方修正された。最大の要因は民間企業設備の下方修正である。また17年度の第一次年次推計値、16年度の第二次年次推計値が公表された。結果、16年度の実質GDP成長率は下方修正(+1.2%→+0.9%)されたが、17年度は上方修正(+1.6%→+1.9%)された。
  2. 日本経済の先行きについては、7-9月期GDP2次速報を織り込み、実質GDP成長率を2018年度+0.7%、19年度+0.6%、20年度+0.8%と予測 (APIR『第120回 景気分析と予測』)。緩やかな回復を維持するが、低い成長率にとどまろう。
  3. 関西の実質GRP成長率を2018年度+1.4%、19年度+0.7%、20年度+0.5%と予測する。前回予測と比較すると、2018年度は7-9月期GDP2次速報値の結果と日本経済予測の下方修正を織り込み、18年度は-0.4%ポイントの下方修正とした。19年度・20年度は、民間需要を上方修正、外需を下方修正した結果、成長率全体では修正なしとなった。
  4. 実質GRP成長率に対する寄与度を見ると、2018年度は民間需要+1.0%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.3%ポイントと民需が成長を牽引する。19年度は民間需要+0.5%ポイントで、前年度と同様に景気を下支えするが、年度央の消費増税の影響もあり、寄与は小幅となる。公的需要は+0.1%ポイント、外需は+0.1%ポイントと成長への貢献は小さい。また20年度は民間需要+0.3%ポイントと消費増税の影響が顕在化し、民需の寄与はさらに小さくなる。公的需要は+0.2%ポイント、外需は+0.1%ポイントとなる。

全国の成長率と比較すると、18年度は、所得環境での全国を上回る改善やインバウンド需要の加速により、全国より高い成長率で推移する。19年度以降は、消費増税の影響から日本経済予測と同様に関西でも成長率は減速し、全国並みの成長率となる。2020年度には、全国に比して関西では内需の貢献が小幅となり、日本予測の成長率が関西を若干上回る。

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本稿では観光庁『訪日外国人消費動向調査』の個票データを用いて、インバウンド需要の決定要因について定量的に考察する。具体的には11の国、地域からの訪日外国人の消費額の決定要因を、2015年第1四半期から17年第4四半期までの各期のクロスセクションデータを用いて分析する。分析結果より、為替レートや世帯収入などインバウンド需要の基本的決定要因は有意にプラスの影響を与えていることが明らかとなった。為替レートの変動は訪日外国人の収入の多寡よりも強く作用しており、その影響は自国通貨が円に対して割安であるほど大きくなっていることが確認できた。またビザ緩和は発動当初には強く影響しており、徐々にその効果が低下していく点も明らかとなった。 APIR_Trend_Watch_56
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・5月の生産は2カ月連続で増産となった。結果、4-5月平均は1-3月期平均比+0.6%上昇した。近経局は生産の基調判断を「生産は底堅い動きがみられる」と4カ月ぶりに上方修正した。 ・6月の貿易収支は2カ月ぶりの黒字だが、輸出、輸入ともに減少しており、貿易総額は対中国を中心に7カ月連続で減少。 ・6月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月連続で前月から悪化し、7カ月連続で50を下回った。ゴールデンウィークの反動減の影響やG20サミットによる企業の売上減少がみられる。 ・4月の関西2府4県の現金給与総額は2カ月連続の前年比マイナス。実質現金給与総額も2カ月連続で同マイナスとなった。 ・5月の大型小売店販売額は2カ月ぶりに前年を上回った。高額品の好調に加え、気温の上昇の影響で百貨店もスーパーも季節品の売り上げによりプラスに寄与した。 ・5月の新設住宅着工戸数は前年比-27.5%と2カ月連続で減少。減少幅は2009年8月以来最大。分譲の大幅減少が影響した。 ・5月の有効求人倍率は前月比小幅のマイナスだが、求人数、求職者数ともに5カ月ぶりに増加した。一方、完全失業率は前月比横ばいだが、労働力人口、就業者数いずれも増加している。雇用情勢に引き続き改善がみられる。 ・5月の建設工事出来高は15カ月連続で前年比増加した。好調なインバウンド需要は宿泊業の建設投資の増加に寄与している。6月の公共工事請負金額(季節調整値)は3カ月ぶりに前月比減少した。結果、4-6月期は3四半期ぶりに前期比小幅減少した ・6月の関空の外国人入国者数は9カ月連続で前年比増加し、2018年6月以来の二桁の伸びだが、前年同月の自然災害の影響が一巡したためである。 ・中国4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.2%で、1992年以降で最低の伸び率であった。また、6月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は5月から横ばい、2カ月連続で50を下回っている。
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・4月の生産は6カ月ぶりの前月比プラス。結果、4月実績は1-3月期平均比-0.5%下落した。近経局は生産の基調判断を「足踏みをしている」と前月から引き続き据え置いた。 ・5月の貿易収支は4カ月ぶりの赤字。輸出、輸入ともに減少しており、貿易額は6カ月連続で縮小。米中貿易摩擦の影響を受け、対中貿易額は7カ月連続で減少している。 ・5月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月ぶりに前月から悪化し、6カ月連続で50を下回った。月初は大型連休の好影響が見られたが、その後は節約志向が強まった。 ・3月の関西2府4県の現金給与総額は3カ月ぶりの前年比マイナス。実質現金給与総額も3カ月ぶりに同マイナスとなった。 ・4月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比マイナス。百貨店はインバウンド需要の影響でプラスに寄与したが、スーパーは、気温の影響もあり、季節品の不調によりマイナスに寄与した。 ・4月の新設住宅着工戸数は主に貸家の大幅減少が影響し、2カ月ぶりに前年同月比減少した。分譲も減少したものの、持家は引き続き増加した。 ・4月の有効求人倍率は前月比小幅のプラスだが、求人数、求職者数ともに4カ月連続の減少。一方、完全失業率は前月比横ばいだが、労働力人口、就業者数いずれも減少している。雇用情勢には一服感がみられる。 ・4月の建設工事出来高は14カ月連続で前年比増加した。5月の公共工事請負金額は2カ月連続の増加となった。補正予算の効果が出ている。 ・5月の関空の外国人入国者数は8カ月連続で前年比増加だが、一桁台の伸びが続いている。国籍別にみると、3月の中国からの入国者は6カ月連続で前年比増加だが、台湾からは2カ月連続、韓国・香港からは10カ月連続でいずれも同減少している。 ・中国の5月の製造業購買担当者景況指数は2カ月連続で前月から悪化し、3カ月ぶりに景気分岐点を下回った。また、対米貿易収支は4カ月連続で拡大したが、貿易総額は6カ月連続で減少していることに注意。 APIR_KEIM_Vol74_統合版