日本及び関西経済の短期予測

2014-04-30

リサーチリーダー

研究統括   稲田義久

 

研究目的

定点観測として関西経済の月次変化を捉え、アジアの中の関西を意識した経済分析月次レポートの作成。また四半期毎にマクロ計量モデルを用いた日本経済の景気の現状分析と予測を行う。それと連動し関西経済の短期見通しを改訂発表する。本プロジェクトは、日米超短期経済予測(リサーチリーダー、熊坂侑三)の成果を短期予測に反映させており、より精度の高い予測と分析を目指している。また関西独自景気指標開発をさらに継続して実施する。

 

研究内容

月次分析レポート(『関西経済月次分析』)はAPIR研究員を中心に作成されており、レポートの準備作成は同時にエコノミストを育てるトレーニングの場ともなっている。四半期レポート(『景気分析と予測』、『関西エコノミックインサイト』)では、日本経済・関西経済の四半期要約とともに、タイムリーなトピックスを取り上げ、経済政策や各種イベントの経済的影響を分析する。これらの成果はHP上でリアルタイムに発表され、またコメンタリー、トレンドウォッチ、関西経済白書などに反映される。また平成25年度より開始した関西2府4県のGDPの早期推計を日経DMとの共同プロジェクトで全国展開する。

 

リサーチャー

 

下田 充 日本アプライドリサーチ研究所 主任研究員

入江啓彰 近畿大学短期大学部講師

小川 亮 大阪市立大学経済学部 専任講師

岡野光洋 APIR研究員

林 万平 APIR研究員

木下祐輔 APIR研究員

 

期待される成果と社会還元のイメージ

関西各府県の足下GDP速報値や、アベノミクスや東京オリンピック招致等影響分析のタイムリーな提供は、企業や自治体の関係者の経営・政策判断に資する。

関連論文

稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Monthly Vol.74 – 景気は足下・先行きともに悪化 –

[ Monthly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 豊原 法彦 / 野村 亮輔 / KARAVASILEV, Yani / 馬 騰 / CAO THI KHANH NGUYET DATE2019-06-25

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Abstract/Keywords

・4月の生産は6カ月ぶりの前月比プラス。結果、4月実績は1-3月期平均比-0.5%下落した。近経局は生産の基調判断を「足踏みをしている」と前月から引き続き据え置いた。 ・5月の貿易収支は4カ月ぶりの赤字。輸出、輸入ともに減少しており、貿易額は6カ月連続で縮小。米中貿易摩擦の影響を受け、対中貿易額は7カ月連続で減少している。 ・5月の景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月ぶりに前月から悪化し、6カ月連続で50を下回った。月初は大型連休の好影響が見られたが、その後は節約志向が強まった。 ・3月の関西2府4県の現金給与総額は3カ月ぶりの前年比マイナス。実質現金給与総額も3カ月ぶりに同マイナスとなった。 ・4月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比マイナス。百貨店はインバウンド需要の影響でプラスに寄与したが、スーパーは、気温の影響もあり、季節品の不調によりマイナスに寄与した。 ・4月の新設住宅着工戸数は主に貸家の大幅減少が影響し、2カ月ぶりに前年同月比減少した。分譲も減少したものの、持家は引き続き増加した。 ・4月の有効求人倍率は前月比小幅のプラスだが、求人数、求職者数ともに4カ月連続の減少。一方、完全失業率は前月比横ばいだが、労働力人口、就業者数いずれも減少している。雇用情勢には一服感がみられる。 ・4月の建設工事出来高は14カ月連続で前年比増加した。5月の公共工事請負金額は2カ月連続の増加となった。補正予算の効果が出ている。 ・5月の関空の外国人入国者数は8カ月連続で前年比増加だが、一桁台の伸びが続いている。国籍別にみると、3月の中国からの入国者は6カ月連続で前年比増加だが、台湾からは2カ月連続、韓国・香港からは10カ月連続でいずれも同減少している。 ・中国の5月の製造業購買担当者景況指数は2カ月連続で前月から悪化し、3カ月ぶりに景気分岐点を下回った。また、対米貿易収支は4カ月連続で拡大したが、貿易総額は6カ月連続で減少していることに注意。 APIR_KEIM_Vol74_統合版
稲田 義久
インサイト

G20大阪サミットと関西経済 -その経済効果と意義-

[ トレンドウォッチ ] AUTHOR稲田 義久 / 藤原 幸則 / 下山 朗 / 川本 剣悟 / 野村 亮輔 DATE2019-06-19

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Abstract/Keywords

関西経済,G20大阪サミット, 産業連関表

2019年6月28・29日、大阪で開催されるG20サミットは、日本で初の開催となり、世界的な課題解決に向けてその存在感を世界に示す重要な機会であるのみならず、開催地大阪・関西にとっては25年の万博開催を見据えたうえでの大きな意義がある。本稿は、経済的効果に限定してその評価を行ったものであり、分析ツールとしては産業連関表を用いている。産業連関表はイベント実施が経済全体にどのように波及して所得や雇用に影響を与えるかを分析できる。分析結果を要約すれば、以下のようになる。  
  1. G20大阪サミット関連最終需要として支出される金額は428億4,200万円と推計される。
  2. 2016年伊勢志摩サミットと支出内訳を比較すれば、今回はインフラ関係の整備事業額が少ないのが特徴で、既存インフラを活用して経費を抑えたコンパクトな開催となっている。
  3. APIR関西地域間産業連関表(2011年版)を用いた試算によれば、G20大阪サミットの総合効果として生産誘発額は621億4,800万円、粗付加価値誘発額は390億3,600万円、雇用者所得誘発額は234億6,300万円と推計される。いずれも直接効果と間接2次効果を含んでいる。
  4. G20大阪サミットは関西経済に365億6,360万円の付加価値を誘発する。0.04%程度の押し上げ効果となり、減速が予測される関西経済に一定程度の下支え効果を発揮する(ここでの関西経済は、APIR関西経済予測モデルと比較可能となるように2府4県ベースでみている)。なお日本全体の下支え効果は0.01%である。
  5. 単年度の効果としては大きくはないが、関西経済にとっては、2025年大阪・関西万博開催を控え、G20サミット開催の意義は深い。今後一連の経済イベントによる需要拡大が投資を誘発し関西経済の供給力を引き上げるという好循環が期待できる。結果、関西経済の潜在成長率引き上げにつながる意義を持つキックオフイベントとなろう。
稲田 義久
経済予測

日本経済(月次)予測(2019年5月)<4-6月期実質GDP成長率予測は、徐々に下方トレンドへ>

[ Monthly Report(日本) ] AUTHOR稲田 義久 DATE2019-06-03

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Abstract/Keywords

日本経済, 超短期予測, 月次レポート

稲田 義久
経済予測

Kansai Economic Insight Quarterly No.43 <一部底堅さも見られるが、先行き不安で弱含み>

[ Quarterly Report(関西) ] AUTHOR稲田 義久 / 入江 啓彰 / 野村 亮輔 DATE2019-05-30

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Abstract/Keywords

関西経済, 四半期予測, 早期推計,

一部底堅さも見られるが、先行き不安で弱含み-米中対立の行方や消費増税の影響など不透明要素が重荷- 1.2019年1-3月期実質GDP成長率は前期比+0.5%(年率換算+2.1%)と2四半期連続のプラス成長となった。内需で成長率を押し上げたのは民間在庫変動と公的固定資本形成で、民間最終消費支出や民間企業設備はともにマイナスとなった。純輸出(外需)はGDP成長率に対してプラスに寄与した。対中国取引が停滞して輸出が減少したが、輸入が輸出を上回るマイナスとなったためである。 2.2019年1-3月期の関西経済は、一部にはまだ底堅さも見られるが、景気後退懸念が高まってきている。中国経済の減速から、対中輸出や生産は停滞している。また消費者センチメントや企業の景況感などマインドに関する指標の悪化も目立つ。この背景には、米中対立の行方や消費増税の影響など景気の先行きに対するリスクの高まりがある。 3.関西の実質GRP成長率を2019年度+0.7%、20年度+0.4%と予測する。前回の予測結果と比べて、19・20年度とも下方修正とした(それぞれ-0.1%ポイント、-0.2%ポイント)。域外需要、特に輸出を見直したためである。なお標準予測に対するリスクとして、米中対立に伴う中国経済の鈍化および影響の長期化、消費増税の影響が考えられる。 4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2019年度は民間需要が+0.5%ポイントと、前年度に比べると幾分小幅となるが、景気を下支えする。また公的需要も政府の消費税対策の影響から+0.3%ポイントと成長に貢献する。一方域外需要は-0.1%ポイントと成長抑制要因となる。20年度は民間需要+0.3%ポイント、公的需要+0.3%ポイント、域外需要-0.1%ポイントとなる。前年度と似た傾向の成長パターンとなるが、民需の貢献はやや小さくなる。 5.地域経済統計の確報値公表について、時期の遅れや頻度がしばしば課題となる。APIRでは、足下の経済のタイムリーな状況把握を目的として、確報値発表に先行する経済データの作成に取り組んでいる。今回は都道府県別訪日外客数と県内総生産の早期推計を紹介する。