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「消費税」の検索結果

  • 岡野 光洋

    1997年の消費税率引き上げが関西経済へ与えた影響

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    岡野 光洋

    ABSTRACT

    本稿では前回の増税(1996年~97年)が関西経済に与えたマクロ的影響を振り返って検討することで、消費増税が関西経済に与える影響について考察する。

    今回の消費増税は、関西経済に前回ほどの大きな負の影響は与えず、景気の腰折れは回避できると考えられる。その根拠として、次の3つを挙げる。

    1. GDPの構成項目のうち、最も消費増税の影響を受けたのは住宅であったが、住宅がGDPに占める割合は当時と比べて半減している。
    2. 前回と比べて、補正予算による消費増税の激変緩和措置が拡充している。また2013 年度補正予算の効果が関西に波及することで、関西経済の落ち込みは一定程度カバーされる(APIR Trend Watch No.17)。
    3. 前回増税時は年後半の海外金融危機の影響によりセンチメントは大幅に悪化した。今回は同様のダウンサイドリスクが発生しない限り、早い段階でセンチメントの改善が期待できる。

    以下では、これらを順にみていこう。

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    消費税率引き上げパスに関するシミュレーション分析

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    消費税における益税の推計

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    消費税の逆進性と複数税率化

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    1990年代の所得税・消費税改革の厚生評価

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.49 – 弱含みの関西経済にCOVID-19が追い打ち:民需・外需が軒並み急落 –

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    1.  20年1-3月期実質GDPは前期比年率-3.4%(前期比-0.9%)で、2四半期連続のマイナス成長となった。COVID-19の感染拡大の影響(経済活動の自粛)により、民間最終消費支出を中心に民間需要が減少し、加えて二つの輸出(財とサービス)が大幅に減少した。4-6月期はマイナス幅がさらに拡大することが予想されている。
    2.  2020年1-3月期の関西経済は、民需と外需が急激に悪化した。前期の消費税率引き上げと中国経済の減速に加えて、COVID-19感染拡大による外出自粛と外国人観光客の入国規制が追い打ちとなった。景況感やインバウンド関連の指標では統計開始以来最低となった指標もある。
    3.  関西の実質GRP成長率を2020年度-5.1%、21年度+2.6%と予測する。日本経済と同様に20年度は記録的な大幅マイナスとなる。21年度には回復に転じると見込むが、以前の水準に戻るのは22年度以降となる。
    4.  前回予測(3月16日公表)に比べて、20年度は-4.6%ポイントの下方修正、21年度は+1.5%ポイントの上方修正である。20年度の下方修正は、COVID-19感染拡大による世界経済および国内経済の失速を反映した。一方21年度は民間需要を中心に、公的需要・域外需要いずれも上方修正とした。
    5.  実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ていく。2020年度は、民間需要が-4.7%ポイントと成長を大きく押し下げる。域外需要も-0.7%ポイントとマイナスの寄与である。公的需要は経済対策の効果から+0.3%ポイントと成長に貢献するが、民間需要のマイナスを補うには至らない。21年度は、民間需要が+1.8%ポイントと回復する。また公的需要+0.3%ポイント、域外需要+0.5%ポイントといずれも成長に寄与する。
    6.  緊急事態宣言に伴う経済活動の抑制ならびにその後の経済社会活動の変化による影響について、前回予測の時点では織り込んでいなかったが、今回の標準予測では織り込んでいる。前回と今回の予測結果の差をみると、緊急事態宣言等が2020年度の関西経済に与えた影響は、民間最終消費支出2兆1,543億円、民間企業設備8,252億円、輸出3兆2,118億円、GRP3兆7,537億円の損失であり、追加的な失業者は157,966人にのぼると見られる

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.48 -民需の大幅失速で19-20年度は 2年連続のマイナス成長: 新型肺炎の影響とGDP2次速報を織り込み予測を改定-

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰

    ABSTRACT

    1. 3月9日発表のGDP2次速報によれば、10-12月期実質GDPは前期比年率-7.1%と1次速報(同-6.3%)からさらに下方修正された。前回増税時(14年4-6月期:同-7.4%)以来の下げ幅となった。

    2. 関西経済は、昨年10月の消費税率引き上げと新型コロナウイルス感染拡大の影響のダブルショックにより、特に民間部門が急速かつ大幅に冷え込んでいる。またこれまで関西経済を支えてきた2つの輸出、対中輸出とインバウンド需要も失速している。コロナウイルスは欧米でも感染拡大し、世界経済全体の景況感が悪化しており、金融市場で乱高下が見られるなど、リスクが高まっている。

    3. 足下の経済指標やGDP2次速報の改定を反映して、関西の実質GRP成長率を2019年度-0.2%、20年度-0.5%、21年度+1.1%と予測する。19年度20年度と2年連続のマイナス成長となる。新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛活動の広範化の影響を反映し、19年度は-0.3%ポイント、20年度は-0.7%の大幅下方修正とした。21年度は+0.1%の上方修正である。

    4. 2019年度は、成長を下支えるのは公的需要のみとなる。民間需要は-0.3%ポイントと成長を引き下げる。公的需要は消費税対策から+0.5%ポイントと成長に貢献する。域外需要は-0.3%ポイントと成長抑制要因となる。20年度は、民間需要が-1.2%ポイントと2年連続で成長に寄与せず、むしろ抑制要因となる。公的需要は+0.3%ポイントと成長を押し上げる。域外需要は輸入の減少から+0.4%ポイントとプラスに転じる。21年度は、民間需要が+0.5%ポイントと回復に転じ、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.3%ポイントといずれも成長に寄与する。景気の急回復は期待できない。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.47 – 民需外需の失速が鮮明、正念場迎える関西経済 –

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    1.  2019年10-12月期実質GDPは前期比年率-6.3%(前期比-1.6%)と5四半期ぶりのマイナス成長だった。寄与度を見ると、純輸出は前期比+1.9ポイントと3四半期ぶりのプラスとなったが、国内需要は同-8.3%ポイントと5四半期ぶりのマイナスで、成長を大きく押し下げた。
    2.  2019年10-12月期の関西経済は、民需と外需の失速が鮮明となった。10月の消費税率引き上げ、中国経済の減速を受けて、家計部門、企業部門、対外部門と多くの指標が失速の様相を呈している。これまで堅調だった雇用環境やインバウンド需要も軟調となりつつある。20年1-3月期以降については、さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響が現れてくるため、関西経済は正念場を迎える。
    3.  関西の実質GRP成長率を2019年度+0.1%、20年度+0.2%、21年度+1.0%と予測。消費税率引き上げによる民間消費の停滞、中国経済の減速、新型肺炎による経済活動の縮小といった要因から、19年度20年度は低成長を免れられず、本格的な回復は21年度となる見通しである。
    4.  前回予測に比べて、2019年度は-0.6%ポイントの下方修正、20年度も-0.2%ポイントの下方修正である。下方修正の背景として、19年7-9月期のGDP実績値の大幅下方改定、消費税率引き上げによる影響とそれに伴う足下の景気減速、新型肺炎の影響の織り込みがある。一方21年度は+0.3%ポイントの上方修正とした。
    5.  2019年度については、成長を下支えるのは公的需要のみとなる。民間需要は+0.0%ポイントと成長に貢献しない。公的需要は消費税対策から+0.5%ポイントと成長に貢献する。域外需要は-0.3%ポイントと成長抑制要因となる。20年度は、民間需要が-0.4%ポイントと19年度に続いて成長に寄与せず、むしろ抑制要因となる。公的需要は+0.3%ポイントと成長を押し上げ、域外需要も+0.2%ポイントとプラスに転じる。21年度は、民間需要が+0.3%ポイントと回復に転じ、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.3%ポイントといずれも成長に寄与する。
    6.  新型コロナウイルスの感染拡大が関西経済に与える影響について、2つの輸出に限定して試算した。回復期間の長短にもよるが、経済損失額は1,782億~5,345億円、名目GRP比では0.2~0.6%に相当する。ただしこの試算にはイベントの中止・延期、レジャー施設の休業などの影響など家計消費への影響は含まれていないため、影響はさらに拡大すると見込まれる。

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  • 稲田 義久

    第126回景気分析と予測<消費増税、新型コロナウイルスの影響で大幅減速>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1.  CPB World Trade Monitor(25 Feb. 2020)によれば、2019年10-12月期の世界輸出(数量ベース:2010年=100)は前期比+0.1%と2四半期連続のプラスだが小幅にとどまった。12月14日に、米中貿易交渉は第1段階の合意に達し世界貿易の一層の悪化は避けられたが、世界貿易の先行きは依然読みにくい。
    2.  2月17日発表のGDP1次速報によれば、10-12月期実質GDPは前期比年率-6.3%(前期比-1.6%)大幅低下し、5四半期ぶりのマイナス成長マイナス幅は市場コンセンサス(ESPフォーキャスト1月調査)の最終予測同-4.05%を大きく下回った。CQM最終予測は、支出サイドが同-4.2%、生産サイドが同-6.4%、平均同-5.3%となり、生産サイドからの予測が実績に近かった。
    3.  10-12月期1次速報発表に合わせて、基礎統計の改定や季節調整のかけ直しが行われ、過去値が改訂された。過去1年を振り返ると、18年10-12月期+1.0%ポイント、19年1-3月期0.0%ポイント、4-6月期-0.1%ポイント、7-9月期-1.3%ポイント、それぞれ修正された。特に、7-9月期の下方修正が大きい
    4.  10-12月期GDP1次速報を織り込み、予測を改定した。2019年度の実質GDP成長率は+0.3%、20年度は+0.2%と減速する。21年度は+1.1%と回復に転じよう。前回(第125回)予測に比して、今回は(1)7-9月期の下方修正、(2)10-12月期の大幅マイナス成長と(3)1-3月期以降の新型コロナウイルスの影響を反映し、19年度を-0.6%ポイント、20年度を-0.2%ポイント下方修正。下方修正からの反動もあり、21年度は+0.4%ポイント上方修正した。
    5.  経済政策の影響もあり今回の駆け込み需要は低く出たものの、増税後は駆け込み需要の反動減や10月の台風の影響もあり、消費の落ち込みは相対的に大きかった。そもそも民間最終消費支出の基調は弱く、その後の回復はしばらく緩やかなものにとどまろう。
    6.   米中貿易戦争は一時的な休戦に入ったが、1月下旬に明らかになった中国を発生源とする新型コロナウイルスの感染拡大は日本経済の先行きに大きな影響を与える。その影響はまず財とサービスの輸出に表れる。またその影響の程度は、経済活動の下落幅とその持続期間に依存する。このため、19-20年度の日本経済は大きく減速し、回復に転じるのは21年度である
    7.  物価の先行きについては、エネルギー・非エネルギー価格の動向と消費税増税に加え教育無償化の影響が重要だ。1月における消費増税と幼児教育無償化のCPIに与える影響は+0.4%にとどまった。これらに加え、今後の需給ギャップの動向をふまえ、コアCPIのインフレ率を、19年度+0.6%、20年度+0.5%、21年度+0.4%と予測するる。

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  • 稲田 義久

    第125回景気分析と予測<世界貿易悪化は一服も、予断を許さない先行き>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1.   CPB World Trade Monitor (24 Dec. 2019) によれば、2019年7-9月期の世界輸出数量は前期比+0.5%増加し、4四半期ぶりのプラス。10月の世界輸出数量も前月比+0.9%と3カ月ぶりのプラスとなった。また12月14日米中貿易交渉は第1段階の合意に達し世界貿易の一層の悪化は避けられたが、先行き世界貿易の回復については依然予断を許さない。
    2.  12月8日発表のGDP2次速報によれば、7-9月期実質GDPは前期比年率+1.8%(前期比+0.4%)と1次速報(前期比+0.1%、同年率+0.2%)から大幅上方修正された。なおCQMの最終予測は前期比年率+1.7%。
    3.  過去に遡って基礎データが改訂された結果、2018年すべての四半期の成長率が1次速報から下方修正され、19年の3四半期はすべて上方修正された。このため、18年度の実質GDP成長率は前年比+0.7%から同+0.3%へと大幅下方修正された。18年度は公的固定資本形成が大幅上方修正(-4.0%→+0.6%)されたものの、民間最終消費支出(+0.4%→+0.1%)と民間企業設備(+3.5%→+1.7%)が下方修正されたためである。
    4.  7-9月期GDP2次速報を織り込み、予測を改定した。2019年度の実質GDP成長率は+0.9%、20年度は+0.4%と減速する。21年度は+0.7%と回復に転じよう。前回(第124回)予測に比して、今回は7-9月期の上方修正を反映し、19年度を+0.2%ポイント上方修正した。20-21年度はいずれも変化なし。
    5.  駆け込み需要やその反動減は前回増税時に比して限定的だが、低い可処分所得の伸びに加え消費性向(消費者センチメント)が低下トレンドにあるため、消費増税後の民間最終消費支出の回復基調は弱い。このため、19年10-12月期はマイナス成長を避けられず、その後の回復はしばらく緩やかなものにとどまる。ただ、政府の手厚い経済対策、オリンピック需要の効果が剥落する20年度後半に景気落ち込みは避けられない。加えて、米中貿易戦争解決には時間がかかり世界貿易への下押し圧力は依然強いことから20年度の日本経済は減速し、回復に転じるのは21年度である。
    6.  物価の先行きについては、エネルギー・非エネルギー価格の動向と消費税増税に加え教育無償化の影響が重要だ。10月における消費増税と幼児教育無償化のCPIに与える影響は+0.2%にとどまった。これらに加え、今後の需給ギャップの動向をふまえ、コアCPIのインフレ率を、19年度+0.6%、20年度+0.4%、21年度+0.5%と予測する。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.45 – 内外需ともに弱さが目立ち、停滞懸念が顕在化確固たる成長の牽引役が先行き不在となるおそれ –

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 小川 亮 / 野村 亮輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    1.  2019年7-9月期実質GDPは前期比年率+0.2%(前期比+0.1%)と4四半期連続のプラス成長だが小幅にとどまった。寄与度を見ると、純輸出は前期比-0.2ポイントと成長を抑制し、国内需要は同+0.2%ポイントと4四半期連続のプラスだが民間需要も公的需要のいずれも同+0.1%ポイントと低調だった。
    2.  2019年7-9月期の関西経済は、内需外需とも弱い動きが見られる。インバウンド需要や設備投資計画、公共投資など堅調な部分も随所に見られるが、センチメントや景況感は大幅悪化している。また、これまで比較的堅調だった所得・雇用環境でも改善ペースが緩慢となり、弱含みとなっている。
    3.  関西の実質GRP成長率を2019年度+0.6%、20年度+0.4%、21年度+0.7%と予測する。19年度は修正なし、20年度は-0.1%ポイントの下方修正である。19年度は民間需要を下方修正とした一方で、公的需要を上方修正した。域外需要は輸出・輸入とも下方修正しており、全体では相殺して修正なしとなった。20年度も民需を小幅下方修正した。21年度は今回から新たに予測を追加した。
    4.  実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2019年度は民間需要+0.6%ポイント、公的需要+0.5%ポイントと内需は成長に貢献する。域外需要は-0.5%ポイントと成長抑制要因となる。20年度は、成長を下支えるのは公的需要(+0.3%ポイント)のみで、民間需要・域外需要はそれぞれ+0.1%ポイントにとどまる。21年度は、民間需要+0.3%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.1%ポイントといずれも成長に寄与するが小幅で、成長を力強く牽引することはできない。
    5.  関西2府4県GRPの過年度の未公表分の実績見通しについて早期推計した。17年度は大阪府と兵庫県をはじめとした各府県のプラス寄与により+1.5%の成長を達成した。18年度は、大阪府のマイナス成長があったが他府県のゼロまたはプラスの寄与度により、関西全体としてはほぼ横ばいの動きとなったと予測される。
    6.  関西における消費税率引き上げ前後の動態を過去の事例と比較した。今回は種々の対策により、関西でも前回に比して駆け込み需要が小幅であることを確認した。なお足下9月の指標は、前年の特殊要因からの反動増を含むことに注意。

     

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  • 稲田 義久

    第124回景気分析と予測<下げ止まりも、予断を許さない世界貿易の回復>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1. CPB World Trade Monitorによれば、2019年7-9月期の世界輸出は前期比+0.6%増加した。4四半期ぶりのプラスとなった。日本の7-9月期機械受注(外需)は前期比+6.8%と3四半期ぶりのプラス。10-12月期見通しで外需は2四半期連続の増加が予測されている。9月の世界半導体売上高(3カ月移動平均)は前年比-14.6%と9カ月連続のマイナスを記録したが、落ち込み幅は前月から幾分縮小した。IT関連輸出は下げ止まり傾向を示しているが、世界貿易の回復は予断を許さない。
    2. 11月14日発表のGDP1次速報によれば、7-9月期実質GDPは前期比年率+0.2%(前期比+0.1%)と4四半期連続のプラス成長となったが小幅にとどまった。市場コンセンサスやCQMの最終予測は実績から上振れ、過大予測となった。
    3. 4-6月期は堅調な内需が低調な純輸出を相殺したが、7-9月期は低調な純輸出に加え内需が減速したため、4四半期連続のプラス成長となったものの小幅な伸びにとどまった。民間最終消費支出の伸びが予想ほど高くなかったことに加え、民間在庫変動のマイナスの寄与(駆け込み需要による在庫取り崩し)が大きかったことが、内需の減速の要因といえよう。
    4. 7-9月期GDP1次速報を織り込み、予測を改定した。2019年度の実質GDP成長率は+0.7%、20年度は+0.4%と更に減速する。21年度は+0.7%と回復に転じよう。前回(第123回)予測に比して、19年度を-0.3%ポイント、20年度を-0.1%ポイント、いずれも下方修正した。19年前半の低調な民間需要を反映して、19年度全体の予測を下方修正した。内需の下方修正と米中貿易摩擦の長期化予想の影響を受け、20年度も幾分下方修正となっている。
    5. 駆け込み需要は前回増税時に比して限定的だが、低い可処分所得の伸びに加え消費者センチメントの回復が遅いため、民間最終消費支出の基調は弱い。このため19年度後半の景気落ち込みは避けられない。ただ前回から税率引き上げ幅が小幅で軽減税率が適用されること、政府の手厚い経済対策、オリンピック需要の影響もあり、19年度はマイナス成長を避けられよう。しかし、米中貿易戦争解決には時間がかかり世界貿易への下押し圧力は依然強いこと、また政策効果の一巡から20年度は更に落ち込む。日本経済が回復に転じるのは21年度である。
    6. 物価の先行きについては、エネルギー・非エネルギー価格の動向と消費税増税に加え教育無償化の影響が重要だ。10月における消費増税と幼児教育無償化のCPIに与える影響は+0.2%にとどまった。これらに加え、今後の需給ギャップの動向をふまえ、コアCPIのインフレ率を、19年度+0.6%、20年度+0.4%、21年度+0.5%と予測する。

     

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  • 稲田 義久

    第123回景気分析と予測<深刻度を増す世界貿易、足下堅調も民需先細り懸念>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    深刻度を増す世界貿易、足下堅調も民需先細り懸念

    1. 世界貿易は深刻度を増している。CPB World Trade Monitor(23 August, 2019)によれば、19年4-6月期の世界輸出数量は前期比-0.9%減少し、3四半期連続のマイナス。地域別にみれば、先進国は同-0.5%と2四半期ぶりのマイナス、新興国は同-1.4%と3四半期連続のマイナスを記録した。米国の対中制裁第4弾をめぐり、事態打開は当面期待できない。世界貿易の先行きが読みにくくなっており、米中貿易戦争は世界を巻き込みその影響は長期化かつ深刻化している。
    2. 8月9日発表のGDP1次速報によれば、4-6月期実質GDPは前期比年率+1.8%と3四半期連続のプラス成長。市場コンセンサス(ESPフォーキャスト8月調査)の最終予測(同+0.25%)は実績を大幅下回った。一方、CQM最終予測は、支出サイドが同+1.5%、生産サイドが同+2.1%、平均同+1.8%となり、実績とほぼピンポイントとなった。
    3. 4-6月期の実質GDP成長率は、堅調な内需が低調な純輸出を相殺し、3四半期連続のプラスとなった。民間最終消費支出、民間住宅、民間企業設備、公的需要(政府最終消費支出、公的固定資本形成)が成長率を押し上げる一方で、民間在庫変動や純輸出は押し下げた。4-6月期1次速報発表に合わせて、基礎統計の改定や季節調整のかけ直しが行われ、過去値が改訂された。19年1-3月期の上方修正と4-6月期の堅調な成長により、19年1-6月期は前期比年率+2.1%と予想を上回る高成長となった。
    4. 4-6月期GDP1次速報を織り込み、2019年度の実質GDP成長率を+1.0%、20年度を+0.5%と予測した。前回(第122回)予測に比して、19年度を0.4%ポイント上方修正した。一方、20年度を-0.1%ポイント下方修正した。19年前半の好調を反映して、19年度全体の予測を上方修正した。内需の下方修正と米中貿易摩擦の長期化予想の影響を受け、20年度は幾分下方修正となっている。
    5. 足下、民間最終消費支出の堅調は大型連休の影響による一時的なものにとどまり、基調は弱い。標準予測では消費増税が予定通り実施されると想定している。このため19年度後半の景気落ち込みは避けられない。ただ前回から税率引き上げ幅が小幅で軽減税率が適用されること、実施時期が年央であること、政府の手厚い経済対策、オリンピック需要の影響もあり、19年度はマイナス成長を避けられよう。
    6. 物価の先行きについては、エネルギー・非エネルギー価格の動向と消費税増税の影響に加え教育無償化の影響が重要だ。これらを考慮し、コアCPIのインフレ率を、19年度+0.6%、20年度+0.5%と予測する。
    7. 世界経済は減速を避けるために、一連の景気刺激策を打っている。一方、米中貿易摩擦の高進は最大のリスク要因となっている。両国の敵対的行動がさらに進めば、世界経済が同時不況入りするリスクが高まる。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.44 – 足下底堅く推移しているが不透明感の強まりから先行き弱含み –

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 野村 亮輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    1. 2019年4-6月期実質GDPは前期比年率+1.8%と3四半期連続のプラス成長となった。民間最終消費支出、民間住宅、民間企業設備、公的需要が成長率を押し上げる一方で、民間在庫変動や純輸出は押し下げた。
    2. 2019年4-6月期の関西経済は、基調としては底堅く推移しているが、不透明感の強まりから先行きに関しては弱含みである。米中貿易戦争の行方に代表される国際情勢や、消費増税の影響といった先行きの不透明感は、消費者センチメントや企業の景況感などマインドに関する指標を下押ししている。一方で、インバウンド需要など堅調な部分も見られ、総じて見れば底堅く推移した。
    3. 関西の実質GRP成長率を2019年度+0.6%、20年度+0.5%と予測する。19年度は-0.1%ポイントの下方修正、20年度は+0.1%ポイントの上方修正とした。19年度は年前半の堅調ぶりから民間需要を上方修正としたが、輸出の伸び悩みから域外需要の寄与を大きく下方修正しており、全体では小幅下方修正となる。一方、20年度には外需の回復を幾分見込み、上方修正とした。
    4. 実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2019年度は民間需要が+0.8%ポイントと景気を下支えする。また公的需要も消費税対策の影響から+0.4%ポイントと成長に貢献する。一方域外需要は-0.5%ポイントと成長抑制要因となる。20年度は民間需要+0.3%ポイント、公的需要+0.2%ポイントと前年に引き続いて成長を押し上げるが、小幅である。域外需要は-0.0%ポイントと成長にほとんど寄与しない。
    5. 関西と韓国の交易状況について整理した。関西からの輸出総額に占める韓国のシェアは7%程度で、仮に韓国との交易が停滞が続いたとしても、輸出全体あるいは景気全体への影響は限定的とみられる。なお対中貿易について見られるような関西と全国でのシェアの差異は、対韓貿易については見られない。また関西から韓国への輸出品目は、韓国の製造業の中でウェイトの高い半導体やディスプレイパネル等の製造に関連した品目が多い。

    なお、韓国のトピックについては別添資料参照。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.43 <一部底堅さも見られるが、先行き不安で弱含み>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    一部底堅さも見られるが、先行き不安で弱含み-米中対立の行方や消費増税の影響など不透明要素が重荷-

    1.2019年1-3月期実質GDP成長率は前期比+0.5%(年率換算+2.1%)と2四半期連続のプラス成長となった。内需で成長率を押し上げたのは民間在庫変動と公的固定資本形成で、民間最終消費支出や民間企業設備はともにマイナスとなった。純輸出(外需)はGDP成長率に対してプラスに寄与した。対中国取引が停滞して輸出が減少したが、輸入が輸出を上回るマイナスとなったためである。

    2.2019年1-3月期の関西経済は、一部にはまだ底堅さも見られるが、景気後退懸念が高まってきている。中国経済の減速から、対中輸出や生産は停滞している。また消費者センチメントや企業の景況感などマインドに関する指標の悪化も目立つ。この背景には、米中対立の行方や消費増税の影響など景気の先行きに対するリスクの高まりがある。

    3.関西の実質GRP成長率を2019年度+0.7%、20年度+0.4%と予測する。前回の予測結果と比べて、19・20年度とも下方修正とした(それぞれ-0.1%ポイント、-0.2%ポイント)。域外需要、特に輸出を見直したためである。なお標準予測に対するリスクとして、米中対立に伴う中国経済の鈍化および影響の長期化、消費増税の影響が考えられる。

    4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2019年度は民間需要が+0.5%ポイントと、前年度に比べると幾分小幅となるが、景気を下支えする。また公的需要も政府の消費税対策の影響から+0.3%ポイントと成長に貢献する。一方域外需要は-0.1%ポイントと成長抑制要因となる。20年度は民間需要+0.3%ポイント、公的需要+0.3%ポイント、域外需要-0.1%ポイントとなる。前年度と似た傾向の成長パターンとなるが、民需の貢献はやや小さくなる。

    5.地域経済統計の確報値公表について、時期の遅れや頻度がしばしば課題となる。APIRでは、足下の経済のタイムリーな状況把握を目的として、確報値発表に先行する経済データの作成に取り組んでいる。今回は都道府県別訪日外客数と県内総生産の早期推計を紹介する。

     

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  • 稲田 義久

    第122回景気分析と予測<高まる輸出・投資の縮小スパイラル・リスク>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    高まる輸出・投資の縮小スパイラル・リスク

    1.CPB World Trade Monitorによれば、2019年1-3月期の世界輸出(数量ベース)は前期比-0.3%低下した。15年7-9月期以降18年7-9月期まで13四半期連続で増加したが、足下の2四半期は連続で減少している。1-3月期の機械受注(外需)は2四半期ぶりのマイナス成長、4-6月期も低調が見込まれている。機械受注の先行性を考慮すれば、19年後半も輸出市場は低迷が続く

    2.5月20日発表のGDP1次速報によれば、1-3月期実質GDPは前期比年率+2.1%と2四半期連続のプラス成長となった。1-3月期実績は、市場コンセンサス(ESPフォーキャスト5月調査)の同-0.06%を大幅に上回った。一方、CQM最終予測は、支出サイドが同+0.1%、生産サイドが同+0.8%、平均同+0.5%とかろうじてプラス成長を予測したが、実績から下振れた。

    3.1-3月期の結果はポジティブサプライズとなったが、内容は決してよくない。民間最終消費支出、民間企業設備、輸出が前期比減少する一方で、民間在庫変動の増加、輸入の大幅減が成長率を押し上げたからだ。実質GDP成長率への寄与度を見ると、国内需要は前期比+0.1%ポイント(うち、民間在庫変動は同+0.1%ポイント)と2四半期連続、純輸出は同+0.4%ポイント(うち、輸入は同+0.9%ポイント)と4四半期ぶりの、プラスとなった。

    4.1-3月期GDP1次速報を織り込み、2019年度の実質GDP成長率を+0.6%、20年度を+0.6%と予測した。前回(第121回)予測に比して、19年度は変化なし、20年度は-0.1%ポイント下方修正した。米中貿易摩擦の長期化予想の影響を受け、20年度は下方修正となっている。

    5.標準予測では消費増税が予定通り実施されると想定している。このため19年度後半の景気落ち込みは避けられない。ただ前回から税率引き上げ幅が小幅で軽減税率が適用されること、実施時期が年央であること、政府の手厚い経済対策、オリンピック需要の影響もあり、19年度はマイナス成長を避けられよう。

    6.標準予測に対して、最大のリスク要因は米中貿易摩擦の激化と長期化である。これまで日本経済が享受してきた2つの輸出による景気回復に一段と下押し圧力が高まってきている。輸出の減少が企業収益縮小につながり企業設備を抑制するという、輸出・投資の縮小スパイラルに転じる瀬戸際に日本経済は位置している

    7.物価の先行きについては、エネルギー価格の動向と消費税増税の影響に加え教育無償化の影響が重要だ。これらを考慮し、コアCPIのインフレ率を、19年度+0.7%、20年度+0.8%と予測する。

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  • 稲田 義久

    第121回景気分析と予測<世界輸出減速、高まる景気下押し圧力>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    世界輸出減速、高まる景気下押し圧力

    1.世界輸出はすでに減速局面に入っている。CPB World Trade Monitor(November 2018)によれば、2018年10-11月平均の世界輸出数量は7-9月平均比-0.2%と低調である。引き続き12月も低調であれば10-12月期は15年4-6月期以来のマイナス成長になり、景気下押し圧力が高まろう。

    2.2月14日発表のGDP1次速報値によれば、10-12月期実質GDPは前期比年率+1.4%(前期比+0.3%)と2四半期ぶりのプラス成長となった。10-12月期実績は、市場コンセンサス(ESPフォーキャスト2月調査)の同+1.61%とほぼ同じ結果となった。一方、CQM最終予測は、支出サイドが同+2.4%、生産サイドが同+2.0%、平均同+2.2%と実績から幾分上振れた。

    3.10-12月期実質GDPプラス成長は7-9月期における自然災害による供給制約の影響が剥落した結果であるが、7-9月期における成長率の落ち込み(-2.6%)を回復できていない。2018年後半にかけて、景気回復の勢いは明らかに鈍化している。10-12月期の実質GDP成長率への寄与度を見ると、国内需要は前期比+0.6%ポイントと2四半期ぶり、純輸出は同-0.3%ポイントと3四半期連続のマイナス。純輸出の景気下押し圧力が高まっている。

    4.10-12月期GDP1次速報値を織り込み、2018年度の実質GDP成長率を+0.5%、19年度を+0.6%、20年度を+0.7%と予測した。前回(第120回)予測に比して、18年度-0.2%ポイント下方修正、19年度+0.1%ポイント上方修正、20年度-0.1%ポイント下方修正した。世界経済減速の影響もあり、前々回の予測(第119回)から18年度は大幅な下方修正(-0.5%ポイント)となっている。

    5.貿易摩擦高進の影響が大きくなっている。これまで日本経済が享受してきた2つの輸出による景気回復に下押し圧力が高まっている。低い潜在成長率の下では、緩やかな回復シナリオが海外状況に大きな影響を受けるようになってきた。

    6.標準予測では消費増税が予定通り実施されると想定。このため19年度後半の景気落ち込みは避けられない。ただ前回から税率引き上げ幅が小幅で軽減税率が適用されること、実施時期が年央であること、政府の手厚い経済対策、オリンピック需要の影響もあり、19年度はマイナス成長を避けられよう。四半期パターン(前年同期比)でみると、19年10-12月期と20年の最初の3四半期はゼロ%台前半の成長率にとどまるが、マイナス成長を回避できよう

    7.今回は平成31年度予算を政策に反映し、これまでの消費税増税の影響に加え教育無償化によるコアCPI上昇率への影響をみた。恒久措置である幼児教育無償化により約-0.6%ポイント、また20年4月に予定されている高等教育無償化により約-0.1%ポイント程度押し下げられる。これらを考慮すると、コアCPIのインフレ率は、18年度+0.8%、19年度+0.6%、20年度+0.6%と予測する。

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  • 稲田 義久

    第116回景気分析と予測<一時的な踊り場をこえ企業部門中心の回復が続く>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    一時的な踊り場をこえ企業部門中心の回復が続く-課題は家計実質所得の改善

    1.GDP1次速報値によれば、1-3月期実質GDPは前期比-0.2%(同年率-0.6%)と9四半期ぶりのマイナス成長となった。また季節調整のかけ直しや基礎統計の改定に伴い過去の値が改定され、2017年の3四半期はいずれも前回から下方修正された。結果、2017年度の実質GDPは+1.5%と3年連続のプラス成長となったが、実績は超短期最終予測(+1.7%)より低めとなった。

    2.1-3月期実質GDP成長率への寄与度を見ると、国内需要は前期比-0.2%ポイント(同年率-0.9%ポイント)と2四半期ぶりのマイナス、純輸出は前期比+0.1%ポイント(同年率+0.3%ポイント)と2四半期ぶりのプラスとなったが小幅の寄与にとどまった。実質GDPのマイナス成長は一時的で、これまで順調な回復の踊り場とみている。大雪や生鮮野菜価格の高騰による民間最終消費支出の小幅減少や民間住宅の低迷、加えて企業設備の減少や輸出の減速が複合的に影響している。

    3.1-3月期GDP1次速報値を織り込み、2018年度の実質GDP成長率を+1.1%、19年度を+0.7%と予測を改定した。過去値の下方修正から成長の下駄が低くなったため、前回(第115回)予測に比して、18年度+0.1%ポイント、19年度+0.1%ポイント、いずれも小幅の下方修正となった。ただ緩やかな回復を維持するという予測シナリオに大きな変化はない。

    4.ベースライン予測では、2019年10月に消費増税が予定通り実施されると想定している。この影響で19年度後半の景気落ち込みは避けられない。ただ前回(14年4月実施)に比して、税率引き上げ幅が小幅にとどまること、飲食料品と新聞には軽減税率が適用されること、実施時期が年度の真ん中であること、またオリンピック需要の影響もあり19年度のマイナス成長は避けられよう。

    5.海外からの大きなショック(貿易紛争や金融ショック)が生じない限り、しばらく企業部門中心の回復が続くが、景気持続性の課題は家計の実質所得拡大である。所得環境は改善しているが、春闘賃上げは3%を下回り厳しい状況である。加えて消費者物価が緩やかに上昇する中、非勤労者世帯を含む家計全体の実質可処分所得の伸びは実質雇用者報酬の伸びを下回る。実質民間最終消費支出の伸びは低調となる。

    6.原油価格は前回予測を上回る上昇となっている。これらの変化を織り込み、消費者物価コア指数のインフレ率は、18年度+1.1%、19年度は消費増税の影響で+1.6%と予測。国内企業物価指数は+2.1%、+2.4%。18年度はガソリン価格の高騰によりいずれも上方修正となった。GDPデフレータは、+0.1%、+1.1%と予測している。日銀は4月の展望レポートの中で、消費者物価コア指数の見通しを、18年度+1.3%、19年度+2.3%(+1.8%、除く消費税の影響)とみており、18年度を前回から0.1%ポイント下方修正した。この予測実現には依然困難が伴うと思われる。

     

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