研究成果

research

経済予測 : Monthly Report(関西)

日本と米国の景気の現況と先行きについて、週間・月間ごとに予測します。特に日本と関西については、四半期ごとに景気分析と予測を行っています。

  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.111-景気は足下、先行きともに改善を引き続き見込む:消費は緩やかに持ち直すも、物価上昇による下押し圧力に注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 山守 信博

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに引き続き改善を見込む。足下、雇用環境・消費は緩やかに持ち直している。一方、センチメントは食料品などの価格上昇が悪影響し現状判断は悪化。先行きは物価上昇による消費への下押し圧力に注意が必要である。
    ・COVID-19の新規陽性者数は6月21日を底に増加に転じる。7月に入り増加のペースが拡大し、第7波は第6波のピークを超えた。
    ・5月の鉱工業生産は2カ月ぶりの前月比低下した。輸送機械や電気・情報通信機械が大幅減産したこともあり、2020年5月以来の大幅落ち込みとなった。
    ・5月は失業率が改善したものの、就業者数と労働力人口は減少に転じた。ただし、就業者数と労働力人口の4‐5月平均は、1-3月平均に比して増加傾向を維持している。また、有効求人倍率は2カ月連続で改善した。総じて、雇用情勢は改善傾向にある。
    ・4月の関西2府4県の現金給与総額は、名目で14カ月連続の前年比増加となり、4カ月連続でコロナ禍前の水準を超えた。一方実質では、消費者物価指数の上昇により、2カ月連続の減少となった。物価高は当面続くと見込まれるため、実質賃金はマイナスで推移していくだろう。
    ・5月の大型小売店販売額は8カ月連続で前年比増加した。うち、スーパーは内食需要の鈍化と食品価格の上昇から2カ月連続の減少。百貨店は3年ぶりの行動制限のないGWによる来客増などにより3カ月連続で増加した。
    ・5月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前月比減少。持家、貸家、分譲のすべてにおいて減少。特にマンションは2カ月連続で大幅減少した。
    ・5月の建設工事出来高は3カ月連続の前年比増加。公共工事出来高は4カ月ぶりの小幅減少となった。4-6月期の公共工事請負金額は前期比大幅拡大した。公共工事には反転の兆しがみられる。
    ・6月の景気ウォッチャー現状判断DIは4カ月ぶりに前月比悪化。先行き判断DIも5カ月ぶりの悪化。現状、先行きとも物価上昇による消費マインドの低下や企業収益悪化の懸念が影響した。
    ・6月の貿易収支は2カ月ぶりの黒字となったが、4-6月期でみれば3四半期連続で前年比縮小し、マイナス幅は2四半期連続で拡大した。輸入の増加幅が輸出の増加幅を上回る状況が続く。
    ・6月の関空への外国人入国者数は3カ月連続で2万人超となった。段階的な入国緩和の影響で、4-6月期は7万人超と1-3月期の1万人超から大幅増加した。
    ・中国の4-6月期実質GDPは前年同期比+0.4%と、辛うじてプラス成長を維持したが、前期比年率では-10.4%と失速した。雇用と内需の回復が鈍いことに加えて、オミクロン株派生型の感染拡大によるゼロコロナ政策のリスクもあるため、7-9月期の景気については大幅な改善は見込めない。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.110-景気は足下、先行きともに改善を見込む: 中国経済の減速リスクもサービス支出中心の回復に期待-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 山守 信博

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに改善を見込む。足下、行動制限がない大型連休(GW)で人流が回復し、センチメントは改善。先行きは、中国のゼロコロナ政策による経済減速と原材料高等は海外からのリスク要因だが、国内的にはサービス支出中心の回復が期待される。
    ・COVID-19の新規陽性者数はGW後減少傾向で推移してきた。しかし6月中旬以降、減少の推移に鈍化がみられる。
    ・4月の鉱工業生産は2カ月ぶりの前月比上昇。生産用機械や輸送用機械などの増産が影響した。
    ・4月は経済活動の正常化を受け、労働需給双方が拡大した。ただし、労働力人口の増加に比して、就業者数の回復が小幅にとどまったため、完全失業率は3カ月ぶりに前月から上昇。また、有効求人倍率は2カ月ぶりに改善した。
    ・3月の関西2府4県の現金給与総額は、名目で13カ月連続の前年比増加し、3カ月連続でコロナ禍前の水準を超えた。一方実質では、消費者物価指数の上昇により、3カ月ぶりの減少となった。
    ・4月の大型小売店販売額は7カ月連続の前年比増加となったが、全国に比して消費の回復は弱い。うち、スーパーは内食需要が鈍化し3カ月ぶりの減少。百貨店は前年の営業時間短縮や休業の反動で2カ月連続の増加となった。
    ・4月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比減少。貸家は増加したが持家、分譲が減少に寄与。うちマンションは前月の反動で大幅減少した。
    ・4月の建設工事出来高は2カ月連続の前年比増加。公共工事出来高は3カ月連続の増加となった。5月の公共工事請負金額も3カ月連続で増加しており、減少傾向が続く全国に比して好調が続いている。
    ・5月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続で前月比改善。行動制限のないGWによる人流の大幅増加で景況感は改善した。先行き判断DIも4カ月連続改善だが、中国のゼロコロナ政策による悪影響には注視が必要である。
    ・5月の貿易収支は4カ月ぶりの赤字。燃料価格の高騰により輸入が過去最高額を更新したことによる。地域別にみれば、中国の物流停滞解消により対中輸入が増加したことで、対中貿易赤字は拡大した。
    ・5月の関空への外国人入国者数は入国者数上限引き上げの影響もあり、2万7,161人と2カ月連続で2万人超の水準となった。
    ・5月の中国経済は、上海市で経済活動が段階的に再開されたため、生産再開の動きが見られ、工業生産は前月からプラスに転じ、輸出も拡大した。一方、雇用に改善は見られず、内需が低迷している。6月にもゼロコロナ政策の影響が続くと見られるため、4-6月期の中国経済には下押し圧力となろう。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.109-景気は足下局面変化、先行きは改善を示唆: 消費回復期待も中国経済減速による景気下振れに注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 山守 信博

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下局面変化、先行きは改善を示唆。足下、感染状況が落ち着きセンチメントは改善した。先行きについては、中国の「ゼロコロナ政策」堅持による景気の下振れリスクには注意が必要である。
    ・COVID-19の新規陽性者数はGW後の再拡大も懸念されたが、5月18日現在6,168人となっている。3回目のワクチン接種については、若年層の接種率の低さが課題である。
    ・3月の鉱工業生産は電子部品・デバイスや電気・情報通信機械などの減産が影響し3カ月ぶりの前月比低下。1-3月期は1-2月の増産が影響し、3四半期ぶりの前期比上昇となった。
    ・3月の完全失業率は2カ月連続で前月から改善。また、有効求人倍率は前月から横ばい。1-3月期は、完全失業率と有効求人倍率ともに2四半期ぶりに改善した。雇用情勢は総じて回復が見られるが、力強さを欠く。労働力人口と就業者数はともにコロナ禍前の水準に及ばず、休業率も高止まりしている。
    ・2月の関西2府4県の現金給与総額は、名目で12カ月連続の前年比増加でコロナ禍前とほぼ同水準となった。一方、消費者物価指数の上昇により、実質での増加幅は前月より縮小し小幅にとどまった。
    ・3月の大型小売店販売額はまん延防止等重点措置の解除もあり、6カ月連続の増加となった。うち、スーパーは内食需要が依然堅調で2カ月連続の増加。百貨店は衣料品や身の回り品が好調で2カ月ぶりの増加となった。
    ・3月の新設住宅着工戸数は8カ月ぶりの前月比大幅増加で、コロナ禍前の19年12月以来の水準。ただし、1-3月期では2四半期連続で前期比減少した。
    ・3月の建設工事出来高は2カ月連続の前年比増加。公共工事出来高は30カ月連続の同増加と堅調である。4月の公共工事請負金額も2カ月連続で増加しており、出来高、請負金額ともに減少傾向が続く全国に比して好調が続いている。
    ・4月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で前月比改善。人流の回復もあり飲食業や旅行業などが改善した。先行き判断DIは3カ月連続の改善だが、ロシアのウクライナ侵攻や原材料高の影響が懸念されている。
    ・4月の貿易収支は3カ月連続の黒字だが、輸出入ともに伸びは前月から減速していることに注意。地域別にみれば、対中貿易は上海市をはじめとする各地のロックダウンの影響を受け、輸出入ともに前年比大幅減少している。
    ・4月の関空への外国人入国者数は2万1,616人。1日当たり入国者数の上限が緩和された影響もあり、2020年3月以来の水準となった。
    ・4月の中国経済は、「ゼロコロナ政策」に伴う厳格な行動制限により、多くの経済指標は武漢のロックダウン以来の冷え込みとなっている。中国政府は同政策を堅持しており、このため4-6月期の中国経済への下押し圧力となろう。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.108-景気は足下、先行きともに局面変化へ: 国際情勢一層の悪化による景気下振れリスクに注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに局面変化を見込む。足下では雇用・所得環境は幾分改善だが、消費は小幅増加にとどまった。先行きはウクライナ情勢影響長期化や中国の都市封鎖等、景気の下振れリスクに注意が必要である。
    ・COVID-19の新規陽性者数は、2月中旬をピークに減少が続いた。しかし新たな変異株の発現で、3月26日を底に拡大傾向へと転じた。足下は再び減少傾向を示しているものの、第5波のピークを依然上回っている。
    ・2月の鉱工業生産は2カ月連続の前月比上昇。主に電気・情報通信機械、輸送機械、電子部品・デバイスなどが上昇に寄与した。
    ・2月の完全失業率は失業者数の減少により2カ月ぶりに前月から改善。ただ、休業率は依然高止まっており、厳しい雇用情勢が続いていると言えよう。有効求人倍率は、求職者数の減少により、2カ月連続の小幅上昇となった。
    ・1月の関西2府4県の現金給与総額は名目及び実質ともに前年比大幅増加した。ただし、消費者物価の上昇基調は続いており、今後の実質賃金の先行きには注意が必要である。
    ・2月の大型小売店販売額は5カ月連続の前年比増加だが小幅にとどまった。感染拡大による外出自粛が影響した。うち、スーパーは内食需要によるまとめ買い等で4カ月ぶりの増加となったが、百貨店の売上は低調であった。
    ・2月の新設住宅着工戸数は7カ月連続の前月比減少。主に持家の減少が寄与し2カ月連続での1万戸割れとなった。ウクライナ情勢の緊迫化による原材料の流通停滞等で価格の上昇が懸念され、先行きは下押し圧力となろう。
    ・2月の建設工事出来高は前年比横ばいとなったが、公共工事出来高は29カ月連続の同増加と堅調。3月の公共工事請負金額も2カ月連続の増加となった。減少傾向の続く全国に比して関西は好調であった。
    ・3月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月ぶりの前月比改善。まん延防止等重点措置解除が飲食業や宿泊業などに好影響した。先行き判断DIは2カ月連続の改善だが、ウクライナ情勢の緊迫化による原材料価格急騰が懸念される。
    ・3月の貿易収支は2カ月連続の黒字だが、輸入の伸びは高水準で推移し、輸出は減速傾向のため、黒字幅は縮小が続く。なお、中国上海市などのロックダウンの影響により、先行き対中輸出の停滞が懸念される。
    ・3月の関空への外国人入国者数は水際対策の緩和が影響し、前月から大幅増加。2021年1月以来の1万人超となった。
    ・中国の1-3月期実質GDPは前年同期比+4.8%と4四半期ぶりに前期から加速した。しかし前期比では減速しており、全人代の目標成長率を下回った。「ゼロコロナ」政策により、物流停滞や工場停止等が懸念され、4-6月期の景気は減速すると予想される。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.107-景気は足下、先行きともに局面変化へ: 国際情勢や原油高による下押し圧力が懸念材料-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに局面変化を見込む。足下の所得環境は弱く、消費も人流抑制で減少。センチメントも悪化した。先行きはロシアのウクライナ侵攻で国際商品市況が急騰し、景気の下押し圧力が高まっている。
    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数は、2月中旬にピークを打ち、足下では第6波のピーク時の3割程度まで減少した。まん延防止等重点措置の解除を受け、今後緩やかではあるがサービス消費の回復が見込まれる。
    ・1月の鉱工業生産は2カ月ぶりの前月比上昇。主に生産用機械、化学工業(除.医薬品)、電子部品・デバイスなどの増産が好影響した。
    ・1月の完全失業率は2カ月ぶりの前月差悪化。感染拡大に伴い非労働力人口が増加し就業者数が減少。雇用環境は悪化している。有効求人倍率は7カ月ぶりの上昇だが小幅にとどまり、緩やかに回復する全国と比べ差が広がっている。
    ・12月の関西2府4県の現金給与総額は名目で10カ月連続の前年比増加だが、伸びは小幅にとどまった。実質では4カ月連続の同減少で、マイナス幅も前月から拡大。通年では名目で3年ぶり、実質で4年ぶりの増加だが、コロナ禍の大幅落ち込みからの回復としては弱い。
    ・1月の大型小売店販売額は4カ月連続の前年比増加だが、2019年同月と比べて前月からマイナス幅は拡大。感染拡大でスーパーは内食需要の増加でマイナス幅は縮小。一方、百貨店は来店客数が急速に減少し、売上が悪化した。
    ・1月の新設住宅着工戸数は6カ月連続の前月比減少。主に貸家の大幅な減少が寄与した。足下は弱含みとなり、減少傾向が続いている。先行きはオミクロン株の感染拡大による住宅展示場への客足の減少、マンションの平米単価の高騰による需要減少等の下押し圧力が強まっている。
    ・1月の建設工事出来高は関西、全国ともに前年比減少が続いている。公共工事出来高は関西では増勢基調が続くが、全国は低調。2月の公共工事請負金額は関西、全国ともに減少が続いている。
    ・2月の景気ウォッチャー現状判断DIは、まん延防止等重点措置の延長により飲食や宿泊などの業種が悪影響を受け、2カ月連続の前月比悪化。先行き判断DIは5カ月ぶりに改善したものの、原材料価格高騰の懸念もみられる。
    ・2月の貿易収支は2カ月ぶりの黒字となった。医薬品やエネルギー関連の輸入増加が続くものの、アジア向け半導体等電子部品の輸出が好調であったため。
    ・2月の関空への外国人入国者数は3,499人と前月とほぼ同水準。外国人の新規入国停止継続が影響し、低水準が続く。
    ・1-2月期の中国経済は、生産の加速や、春節と冬期オリンピックの影響で消費が好調と安定基調が続いている。一方で国際商品市況の高騰で生産者物価が依然高水準であり、今後の国際情勢次第では、その加速が懸念されている。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.106-景気は足下、先行きともに足踏み: 原油高とオミクロン株拡大によるリスクが高まる-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに足踏みを見込む。生産や消費は足下で幾分改善したが所得環境は弱く、センチメントも感染拡大で悪化が見込まれる。
    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日間移動平均)は、12月下旬以降急増していたが2月中旬にピークを打った。足下では新規陽性者数は減少傾向が見られるが、確保病床使用率は高水準で医療提供体制の逼迫が続く。
    ・12月の鉱工業生産は2カ月連続の前月比上昇だが、上昇幅は小幅にとどまった。2021年平均は3年ぶりのプラスだが、コロナ禍前の水準を下回った。
    ・12月の完全失業率は3カ月ぶりの小幅改善、有効求人倍率は4カ月連続の横ばい。緊急事態宣言解除後も雇用の改善は遅れている。10-12月期では、完全失業率は前期差横ばい、有効求人倍率は4四半期ぶりの小幅悪化。結果、通年ではいずれも2年連続で悪化しており、回復は遅れている。
    ・11月の関西2府4県の現金給与総額は名目で9カ月連続の前年比増加だが、伸びは小幅にとどまった。消費者物価の上昇基調が続いており、実質賃金は3カ月連続の同減少でマイナス幅も前月から拡大した。所得環境は悪化が続く。
    ・12月の大型小売店販売額は3カ月連続の前年比増加。新規陽性者数が低水準であることを背景に、外出機運の高まりや年末商戦の活況により、百貨店を中心に回復が続いた。結果、10-12月期は2四半期ぶり、通年は4年ぶりの前年比増加となった。
    ・12月の新設住宅着工戸数は3カ月連続の前月比減少。持家と分譲の減少が寄与した。これまで回復基調にあったものの、足下では減速傾向が目立つ。結果、10-12月期は3四半期ぶりのマイナスとなった。通年では2018年以降低迷していた貸家の大幅な回復により、3年ぶりの増加となった。
    ・12月の公共工事出来高は27カ月連続の前年比増加と、全国(6カ月連続の同減少)に比して好調。公共工事請負金額は関西、全国共に減少が続いている。1月は全国でマイナス幅が拡大したが、関西は縮小した。
    ・1月の景気ウォッチャー現状判断DIは、オミクロン株による感染急拡大で飲食やサービス関連が悪影響を受け、5カ月ぶりの前月比大幅悪化。先行き判断DIも感染状況の改善が依然不透明なこともあり、3カ月連続で悪化した。
    ・1月の貿易収支は24カ月ぶりの赤字となった。輸入が12カ月連続の増加に加え過去最高額となったため。品目別では、医薬品輸入が月別過去最高額となったことと、エネルギー関連の輸入増加が影響した。また、地域別では、春節の影響で中国からの輸入が増加した。
    ・1月の関空への外国人入国者数は3,496人と、外国人新規入国停止が継続されている影響もあり、低水準が続いている。
    ・中国1月のPMIは製造業では3カ月ぶり、非製造業では2カ月ぶりに、ともに前月から悪化した。また、石炭や鋼材などの価格低下の影響から、生産者物価指数は3カ月連続で減速し、5カ月ぶりに1桁の伸びとなった。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.105-景気は足下、先行きともに足踏み: 半導体不足は緩和だが、オミクロン株拡大リスクが懸念-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに足踏みを見込む。半導体不足が幾分緩和されたが、オミクロン株拡大リスクの懸念で先行きのセンチメントは悪化した。
    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、12月下旬に増加に転じた後、急激に増加し、足下では第5波のピークを2.5倍上回り過去最高を更新した。確保病床使用率も上昇し、医療提供体制の逼迫が懸念される。
    ・11月は半導体不足等の影響が幾分緩和されこともあり、輸送機械が増産した結果、鉱工業生産は5カ月ぶりに前月比上昇した。
    ・11月の完全失業率は2カ月連続の悪化。感染状況が落ち着いた9-11月の変化を均すと労働力人口と就業者数が減少しており、労働市場改善の足取りは鈍い。11月の有効求人倍率は3カ月連続の前月差横ばい。
    ・10月の関西2府4県の現金給与総額は名目で8カ月連続の前年比改善だが、伸びは小幅にとどまった。消費者物価が上昇に転じたため、実質賃金は2カ月ぶりの同減少。所得環境は悪化している。
    ・11月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比増加。新規陽性者数が低水準で推移したことで人流の増加傾向が続き、百貨店を中心に回復が見られた。ただし、前々年同月比では依然低水準となっている。
    ・11月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前月比減少。持家と貸家の減少が寄与した。回復は鈍化したが、低迷していたアパートローンにも底打ちが見られることから、今後も持ち直しの基調が続こう。
    ・11月の公共工事出来高は26カ月連続の前年比増加と、全国に比して好調。一方、12月の公共工事請負金額は関西、全国共に大幅減少が続いている。
    ・12月の景気ウォッチャー現状判断DIは、クリスマスや年末商戦などの好調もあり、4カ月連続の前月比改善だが、オミクロン株の感染拡大懸念もあり小幅にとどまった。一方、先行きは感染拡大や原材料価格上昇の懸念の高まりから2カ月連続で悪化した。
    ・12月の輸出は10カ月連続、輸入は11カ月連続の前年比増加。貿易収支は23カ月連続の黒字。輸出は半導体等電子部品が、輸入はエネルギー関連が引き続き増加に寄与。通年では輸出は半導体等電子部品、建設用・鉱山用機械の好調で過去最高額を更新した。輸入は医薬品に加え、エネルギー関連の増加により、2014年に次ぐ大きさとなった。
    ・12月の関空への外国人入国者数は、外国人新規入国停止の影響もあり2,737人と前月(3,678人)から減少。通年では4万1,119人と、1994年の開港以来、過去最低となった。
    ・中国10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比+4.0%と7四半期連続のプラスだが、前期から-0.9%ポイント減速した。20年は、COVID-19の影響もあり前年比+2.2%の低成長だったが、21年は同+8.1%と回復し11年以来の高成長となった。また、「政府工作報告」の目標値(6.0%)を上回った。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.104-景気は足下、先行きともに足踏み: 半導体不足による減産に加え、新変異株拡大リスクに注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・ 関西の足下の景気は足踏みしており、先行きも足踏みを見込む。半導体不足で関連産業の大幅減産が続く。また、新変異株による感染拡大リスクなどの懸念から先行きのセンチメントは悪化した。
    ・ 関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、8月下旬以降減少し、足下低水準が続く。先行きは新変異株拡大により国内旅行需要やサービス消費の回復に水を差す可能性が懸念されている。
    ・ 10月は半導体不足等の影響もあり、電気情報通信機械や電子部品・デバイスが減産した結果、鉱工業生産は4カ月連続で前月比低下した。
    ・ 10月の完全失業率は6カ月ぶりの小幅悪化。緊急事態宣言は解除されたものの、労働力人口と就業者数は減少し、労働市場の改善は遅れている。10月の有効求人倍率は2カ月連続の前月差横ばいであった。
    ・ 9月の関西2府4県の現金給与総額は名目で7カ月連続の前年比改善だが、伸びは前月から縮小した。実質賃金は9カ月ぶりの同減少。一昨年と比較すれば、依然として所得環境は厳しい状況が続いている。
    ・ 10月の大型小売店販売額は3カ月ぶりの前年比増加。新規陽性者数が低水準で推移し、緊急事態宣言が解除されたことで、人流が大幅に増加し、百貨店を中心に売上の回復が見られた。
    ・ 10月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比減少。貸家と分譲マンションの減少が寄与した。合板など建設資材価格の高騰等の下押し要因は強いため、今後回復は鈍化しよう。
    ・ 10月の公共工事出来高は25カ月連続の前年比増加と、全国(4カ月連続の減少)に比して好調。一方、11月の公共工事請負金額は関西(3カ月連続)、全国(5カ月連続)共に大幅減少が続いている。
    ・ 11月の景気ウォッチャー現状判断DIは、飲食やサービス関連の回復もあり3カ月連続の前月比改善。一方、先行きは新変異株の感染拡大や原材料価格高騰による値上げへの懸念から3カ月ぶりに悪化した。
    ・ 11月の輸出は9カ月連続、輸入は10カ月連続の前年比増加。貿易収支は22カ月連続の黒字だが、黒字幅は前月から大幅縮小した。輸出は原動機や半導体等電子部品が引き続き好調だが、輸入は原油高によるエネルギー関連輸入増が全体を押し上げたためである。
    ・ 11月の関空への外国人入国者数は、3,678人と入国緩和の影響は小さく前月(3,743人)とほぼ同水準となった。
    ・ 11月の中国経済は、COVID-19の感染再拡大によって多くの経済指標は減速傾向になっている。外出を控える一方で、インターネット経由の消費は堅調な動きを示している。オミクロン株の市中感染の懸念もあり、先行きの景気については減速の可能性が高まっている。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.103-景気は足下足踏み、先行きの改善に陰り: 供給制約が懸念されるがサービス消費の回復に期待-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西の景気は、足下は足踏み、先行きは改善を見込む。半導体不足により関連産業で大幅減産がみられる一方、行動制限の緩和によりセンチメントが改善し、サービス消費の回復が期待される。
    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、8月下旬にピークを打ち低水準が続く。感染対策の解除や観光キャンペーン拡大の動きもあり、低迷していたサービス消費の回復が期待される。
    ・9月の鉱工業生産は、半導体不足による輸送機械の大幅減産が主因となり、3カ月連続の前月比低下。結果、7-9月期は5四半期ぶりに前期比低下した。
    ・9月の完全失業率は5カ月連続の小幅改善。7-9月期も3四半期連続の改善だが、就業者数が減少しており内容は良くない。9月の有効求人倍率は前月から横ばい。四半期ベースでも横ばいであった。
    ・8月の関西2府4県の現金給与総額は名目で6カ月連続、実質で8カ月連続の前年比増加だが伸びは小幅であった。コロナ禍の影響がない前々年比はいずれも減少しており、依然所得環境は厳しい状況が続く。
    ・9月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比減少。新規陽性者数の急速な減少と緊急事態宣言の解除が検討され始めたことにより、百貨店を中心に回復が見られた。7-9月期は2四半期ぶりの前期比減少。感染拡大(第5波)と4度目の緊急事態宣言が響いた。
    ・9月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比増加。分譲マンションの大幅増加が寄与した。7-9月期は持家と貸家の回復ペースが鈍化したが、持ち直しの基調が続いており、小幅な前期比増加となった。
    ・9月の公共工事出来高は24カ月連続の前年比増加と、全国に比して好調。一方、10月の公共工事請負金額は2カ月連続の同減少となった。
    ・10月の景気ウォッチャー現状判断DIは、新規陽性者数が低水準で推移していたことや、飲食店などへの時短要請解除決定もあり、2カ月連続の前月比改善。先行きも小幅ながら2カ月連続で改善した。
    ・10月の輸出は8カ月連続、輸入は9カ月連続の前年比増加。前者の伸びが後者を上回った結果、貿易収支は21カ月連続の黒字、黒字幅は前月から拡大。輸出はアジア向けの半導体等製造装置を中心に好調で、単月過去最高額を更新した。一方、輸入は原粗油の増加が寄与した。
    ・10月の関空への外国人入国者数は、1日当たりの入国者数の上限が緩和された影響もあり、3,743人と前月(3,079人)から増加した。
    ・10月の中国経済は、「ゼロ・コロナ」方針による経済活動抑制の影響が見られた。外需は堅調であるが、生産活動と雇用の停滞が続いている一方で、消費は拡大。財政金融政策の引き締めにより、国有資産投資の鈍化、不動産業の資金調達難など、景気減速が懸念される。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.102-景気は足下、先行きともに改善:今後センチメント改善によりサービス消費持ち直しに期待-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西の景気は、足下、先行きともに改善傾向が続いている。緊急事態宣言解除の決定もあり今後センチメントは改善が予想されるため、サービス消費の持ち直しが期待される。一方、中国の内需減速により対中輸出の不透明感が高まっている。
    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、8月28日にピークを打ち、足下では低水準が続いている。時短要請など感染対策の解除により、今後は緩やかではあるものの、サービス消費の回復が見込まれよう。
    ・8月の鉱工業生産は2カ月連続の前月比低下。世界的な半導体不足による電気・情報通信機械や輸送機械の大幅減産が影響した。
    ・8月の完全失業率は4カ月連続の小幅改善だが、感染対策の影響で就業者の減少が続く。8月の有効求人倍率は2カ月連続の下落。雇用情勢は依然厳しい状況が続いている。
    ・7月の関西2府4県の現金給与総額は名目で5カ月連続、実質で7カ月連続の前年比増加だが伸びは小幅にとどまった。コロナ禍の影響がない前々年比はいずれも減少。賃金は依然低調である。
    ・8月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比減少。急激な感染拡大と緊急事態宣言発令による外出自粛や長雨が影響し、百貨店とスーパーの販売額はいずれも前月より悪化した。
    ・8月の新設住宅着工戸数は3カ月ぶりの前月比減少。分譲マンションの大幅減少が寄与。ただし、ウッドショックの緩和とアパートローンの底打ちの兆しが出ており、今後持ち直しの基調が続くと予想される。
    ・8月の建設工事出来高は13カ月連続の前年比増加。うち、公共工事出来高は23カ月連続の同増加。9月の公共工事請負金額は5カ月ぶりの前年比減少となった。
    ・9月の景気ウォッチャー現状判断DIは緊急事態宣言解除の決定もあり2カ月ぶりの前月比改善。先行きはワクチン接種の進展や宣言解除による規制緩和の期待から3カ月ぶりに改善した。
    ・9月の貿易収支は20カ月連続の黒字だが、黒字幅は前月から縮小した。輸出は7カ月連続、輸入は8カ月連続の前年比増加。輸出はアジア向けの半導体等電子部品が好調で、輸入は中国からの通信機、EUからの医薬品の増加が寄与した。
    ・9月の関空への外国人入国者数は3,079人となり、前月から幾分増加した。7-9月期は前期から増加したが、コロナ禍前の水準と比べれば、依然低水準の状況が続く。
    ・7-9月期、中国の実質GDP成長率は前年同期比+4.9%と、前期に比して大幅下落した。自然災害の頻発や、一部地域における電力供給制限が製造業を中心に大きな影響を与えた。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.101-景気は足下、先行きともに改善:陽性者数減少も感染対策による消費下押し圧力に注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、8月28日にピークを打ち、足下ではピーク時の3分の1以下となった。一方、飲食店への時短要請や入場制限などの感染対策が継続されており、消費の下押し圧力が懸念される。
    ・7月の鉱工業生産は2カ月ぶりの前月比低下。電気・情報通信機械、金属製品、汎用・業務用機械などの減産が影響した。
    ・7月の完全失業率は3カ月連続の小幅改善だが、感染対策の影響から就業者が減少した。また、7月の有効求人倍率は3カ月ぶりの小幅下落。雇用情勢は厳しい状況が続いている。
    ・6月の関西2府4県の現金給与総額は名目で4カ月連続、実質で6カ月連続の前年比増加だが、コロナ禍の影響がない前々年比はいずれも減少。賃金は依然低調である。
    ・7月の大型小売店販売額は3カ月ぶりの前年比増加。前々年比でみても、2カ月連続で前月よりマイナス幅が縮小しており、回復している。
    ・7月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前月比増加。分譲マンションの大幅増加が全体の増加に寄与した。持ち直しの基調が続いているが、ウッドショックや感染再拡大等の要因による下押し圧力が今後も懸念される。
    ・7月の建設工事出来高は40カ月連続の前年比増加。うち、公共工事出来高は22カ月連続の同増加。8月の公共工事請負金額は4カ月連続の前年比増加となった。
    ・8月の景気ウォッチャー現状判断DIは緊急事態宣言発令や天候不順の影響もあり4カ月ぶりの前月比悪化。先行きは感染拡大による緊急事態宣言延長の見方もあり、2カ月連続で悪化した。
    ・8月の輸出は6カ月連続、輸入は7カ月連続の前年比増加。輸出は前月に引き続き、アジア向けの半導体等電子部品やプラスチックが好調。輸入は原油及び粗油、医薬品の増加が寄与した。
    ・8月の関空への外国人入国者数は2,476人となり、前月から減少し、21年前半の月平均(3,772人)を下回る状況が続いている。
    ・8月の中国経済は、多くの指標に減速傾向がみられる。COVID-19の再拡大によって、非製造業PMIは昨年2月以来の低水準。また、外需の軟調により生産も頭打ちとなっている。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.100-景気は足下、先行きともに改善:変異株拡大と緊急事態宣言による消費下押し圧力の高まり-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、7月1日に増加に転じ、8月以降急増した(感染第5波)。足下では第4波のピークを大幅に上回った。感染拡大を受けた商業施設の入場制限などにより、消費への下押し圧力が強まろう。
    ・6月の鉱工業生産は化学工業(除.医薬品)や汎用・業務用機械工業の増産で、2カ月ぶりの前月比上昇。4-6月期は4四半期連続で上昇し、コロナ禍の影響が表れ始めた頃の水準を上回った。
    ・6月の完全失業率は2カ月連続の小幅改善。4月の大幅悪化の影響もあり4-6月期は2四半期ぶりの悪化。6月の有効求人倍率は2カ月連続の改善、四半期ベースでも2四半期連続の改善。ただし、業種別では製造業と対面サービス業で回復に差が見られる。
    ・5月の関西2府4県の現金給与総額は名目で3カ月連続、実質で5カ月連続の前年比増加。しかし、コロナ禍の影響がない前々年比ではいずれもマイナスであり、依然低調である。
    ・6月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比減少。前々年比でみると、緊急事態宣言解除により、6月は前月からマイナス幅は縮小した。また、4-6月期は、感染拡大と緊急事態宣言発令により、1-3月期に比してマイナス幅は拡大した。
    ・6月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比増加。結果、4-6月期は2四半期ぶりに大幅増加した。貸家の好調が全体の回復を牽引したが、ウッドショックや感染再拡大等の下押し要因もあり、今後回復ペースが鈍化すると予想される。
    ・6月の建設工事出来高は39カ月連続の前年比増加。うち、公共工事出来高は21カ月連続の同増加であった。7月の公共工事請負金額は3カ月連続の前年比増加となった。
    ・7月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続の前月比改善だが、小幅上昇にとどまった。一方、先行きは感染拡大(第5波)の影響で3カ月ぶりに悪化した。
    ・7月の輸出は5カ月連続、輸入は6カ月連続の前年比増加。輸出入ともに増加幅は前月からやや縮小したものの、高い伸びが続いている。なお、半導体等電子部品の輸出は前月に引き続き単月過去最高額を更新した。
    ・7月の関空への外国人入国者数は東京オリンピックの選手や関係者の一部が入国したこともあり2,776人となった。前月から幾分増加したものの、依然底這い圏で推移している。
    ・7月の中国経済は、COVID-19感染拡大による移動制限と洪水被害に伴う経済活動の停滞で、減速傾向が見られる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.99-景気は足下、先行きともに改善:ワクチン接種進捗の一方で懸念される変異株拡大のリスク-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔 / 郭 秋薇 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    景気は足下、先行きともに改善:ワクチン接種進捗の一方で懸念される変異株拡大のリスク

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数(7日移動平均)は、7月1日を底として再び増加に転じ、足下では緊急事態宣言中であった5月下旬を上回った。こうした中、各府県ではワクチン接種が進捗しているが、変異株拡大が大きなリスクとなっている。
    ・5月の鉱工業生産は汎用・業務用機械や化学工業(除.医薬品)などの減産により、2カ月ぶりの前月比低下。4-5月平均比は1-3月平均と比べると小幅上昇にとどまった。
    ・5月の完全失業率は2カ月ぶり、有効求人倍率は4カ月ぶりの前月比小幅改善。4-5月の増減を均してみると、雇用環境は依然厳しい状態が続いている。
    ・4月の関西2府4県の現金給与総額は名目で2カ月連続、実質で4カ月連続の前年比増加。しかし、コロナ禍の影響がない前々年同月比では、いずれもマイナスと低調である。
    ・5月の大型小売店販売額は前年比ほぼ横ばいだが、前々年と比べると、3度目の緊急事態宣言により、前月からマイナス幅は拡大している。
    ・5月の新設住宅着工戸数は4カ月ぶりの前月比減少。貸家の大幅減少が全体の低下に寄与した。輸入木材価格の急騰による影響が現れ始めており、今後の動向を注視する必要がある。
    ・5月の建設工事出来高は38カ月連続の前年比増加。手持ち工事高から判断して、先行きも増加が予想される。6月の公共工事請負金額は2カ月連続の前年比増加となった。
    ・6月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続の前月比改善。緊急事態宣言の解除が改善に影響した。先行きはワクチン接種加速の期待から2カ月連続の改善となった。
    ・6月の輸出は4カ月連続、輸入は5カ月連続の前年比増加。前者の伸びが後者の伸びを上回った結果、貿易収支は17カ月連続の黒字となった。なお、6月は半導体等電子部品の輸出が単月で過去最高となった。
    ・6月の関空への外国人入国者数は前月から幾分増加したが、入国制限の継続もあり、2,361人にとどまった。
    ・中国4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.9%と、1-3月期に比して半減したものの、前期比で見れば加速している。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.98–景気は足下、先行きともに改善:先行きの個人消費回復のカギを握るワクチン接種の進捗–

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数(7日移動平均)は、4月末にピークアウトし、5月以降減少。足下では「感染第4波」は収束に向かっている。
    ・4月の鉱工業生産は生産用機械や汎用・業務用機械などの増産もあり、2カ月ぶりに前月比上昇したものの、4-6月期の最初の月としては低調である。
    ・4月の完全失業率は4カ月ぶり、有効求人倍率(受理地別)は2カ月連続の前月比悪化。3度目の緊急事態宣言発令で経済活動が抑制されており、雇用への下押し圧力が見られる。
    ・3月の関西2府4県の現金給与総額は名目で20カ月ぶり、実質で3カ月連続の前年比増加。パートタイム労働者比率が4カ月連続で低下したために、1人当たり賃金が押し上げられたと見られる。所得環境の本格的な回復は道半ばである。
    ・4月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比増加。ただし、コロナ禍の影響がない前々年と比較すると、販売額は依然低水準である。今月は感染拡大と緊急事態宣言再発令により、百貨店を中心に前月より販売額が縮小した。
    ・4月の新設住宅着工戸数は3カ月連続の前月比増加。持家の回復と貸家の大幅な増加は全体の上昇に寄与した。
    ・4月の建設工事出来高は関東が15カ月連続で前年比減少する一方、関西は37カ月連続で増加した。5月の公共工事請負金額は2カ月ぶりの前年比増加となった
    ・5月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月ぶりの前月比改善。新規感染者数の減少や休業要請の一部緩和が影響した。先行きはワクチン接種普及等の期待から3カ月ぶりに改善した。
    ・5月の輸出は3カ月連続、輸入は4カ月連続の前年比増加。堅調な回復を見せるものの、前々年同月比では輸入は減少となっている。ただし、欧米からの医薬品輸入の増加が続く。
    ・5月の関空への外国人入国者数は2,001人と前月(2,341人)から減少。入国制限が続いているため、入国者数は底這いでの推移が続こう。
    ・5月の中国の貿易収支は15カ月連続の黒字となったが、輸入の増大もあり4カ月連続で前年比縮小。また、企業のセンチメント、工業生産指数などは前月から幾分回復したが、社会消費品小売総額は前月から減速した。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.97–景気は足下、先行きともに改善:懸念される緊急事態宣言発令の影響–

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数(7日移動平均)は、4月以降急増し28日に過去最高を更新し、ピークを打った。5月以降は減少に転じたが、依然高水準が続いている。
    ・3月の鉱工業生産は生産用機械や汎用・業務用機械などの減産により、3カ月ぶりに前月比低下。1-3月期では3四半期連続の上昇となり、コロナ禍の影響が出始めた時期まで回復した。
    ・3月の完全失業率は2カ月連続の前月比改善。有効求人倍率(受理地別)は3カ月ぶりの小幅悪化。1-3月期は、完全失業率は小幅だが6四半期ぶり、有効求人倍率は7四半期ぶりの改善。雇用情勢は総じて回復が見られるが、回復のペースは緩やかである。
    ・2月の関西2府4県の現金給与総額は名目で19カ月連続の前年比減少だが、マイナス幅は前月から縮小。実質では24カ月ぶりに同増加に転じた。
    ・3月の大型小売店販売額は18カ月ぶりの前年比増加。ただし、前年同月はインバウンド消費の激減や巣ごもり需要の増加による影響もあり、それらの影響がない前々年と比較すると、販売額は依然コロナ前の水準を下回っている。
    ・3月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前月比増加。全てのカテゴリーで増加がみられ、特に分譲マンションの増加が全体の上昇に大きく寄与した。
    ・3月の建設工事出来高は関東が15カ月連続で前年比減少する一方、関西は8カ月連続で増加した。4月の公共工事請負金額は3カ月ぶりの前年比減少となった
    ・4月の景気ウォッチャー現状判断DIは4カ月ぶりの前月比悪化。3度目の緊急事態宣言の発令で対面型サービス業が大きく影響を受けた。また、先行きも2カ月連続で悪化した。
    ・4月の輸出は2カ月連続、輸入は3カ月連続の前年比増加。輸出増には中国向け半導体等製造装置や米国向け建設用・鉱山用機械が寄与し、輸入増には欧米からの医薬品が引き続き寄与した。
    ・4月の関空への外国人入国者数は2,341人と前月(3,129人)から減少し、依然インバウンド需要は消失した状況が続く。
    ・4月の中国経済は、多くの経済指標で堅調な伸びを示したが、前年同月の裏が出たため、伸び率は前月からやや縮小した。2020年の「人口普査(センサス)」が発表されたが、結果は今後の中国経済の課題を示唆するものとなっている。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.96–景気は足下先行きともに改善:感染拡大防止策によるサービス消費の下押し圧力に注意–

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数(7日移動平均)は、緊急事態宣言が解除された3月1日以降、増加に転じた。4月19日には過去最多を更新し、感染拡大が続いている。
    ・2月の鉱工業生産は汎用・業務用機械や輸送機械などの増産もあり、2カ月連続の前月比上昇。水準は消費増税前の2019年9月以来の値となり、生産は回復傾向が続いている。
    ・2月の完全失業率は5カ月ぶり、有効求人倍率(受理地別)は2カ月連続でいずれも前月比改善だが、回復のテンポは緩やかである。
    ・1月の関西2府4県の現金給与総額は名目で18カ月連続の前年比減少だが、実質賃金はほぼ横ばい。来月以降、所得環境が回復基調に転じるかどうか、注視が必要である。
    ・2月の大型小売店販売額は17カ月連続の前年比減少。減少幅は前月から縮小し、回復が見られた。ただし、前年2月はうるう年や衛生用品の買い占めの影響もあり、影響がない前々年同月と比較すると、依然厳しい状況が続いている。
    ・2月の新設住宅着工戸数は3カ月ぶりの前月比増加。中でも貸家が大幅な増加となり、全体の押し上げに寄与した。
    ・2月の建設工事出来高は関東が14カ月連続で前年比減少する一方、関西は7カ月連続で増加した。3月の公共工事請負金額は2カ月連続の前年比増加となったが、1-3月期は2四半期連続で前年比減少した。
    ・3月の景気ウォッチャー現状判断DIは緊急事態宣言が全国的に解除されたことで、2カ月連続の前月比改善。一方、先行きは感染再拡大の悪影響が懸念されており、4カ月ぶりに悪化した。
    ・3月の輸出は2カ月ぶり、輸入は2カ月連続の前年比増加。輸出増には中国向けプラスチックや米国向け建設用・鉱山用機械が寄与。一方、輸入増には欧米の医薬品や中国のPC等が寄与した。
    ・3月の関空への外国人入国者数は前月から増加したものの、厳格な水際対策が依然続いており、入国者は低迷している。
    ・1-3月期の中国の実質GDPは前年同期の低水準により+18.3%と11年4-6月期以来の2桁増加。一方、中国政府は世界経済の先行きリスクや、海外の感染拡大状況などの不確実性を警戒し、21年の経済成長率を6%以上とする控えめな目標を設定した。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.95– 足下景気は局面変化を迎え、先行きは改善:感染再拡大による景気下振れリスクに注意 –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数は、1月中旬にピークを打ち、2月に入ってからも減少傾向で推移した。しかし、3月2日を底として徐々に増加し、3月中旬には感染第3波が広がり始めた11月上旬の水準まで再び増加した。
    ・1月の鉱工業生産は2カ月ぶりの前月比上昇。電気・情報通信機械工業や生産用機械工業などの増産の影響もあり、新型コロナウイルスの影響が出始めた2020年2月以来の水準となった。
    ・1月の完全失業率は前月から横ばい。有効求人倍率は2019年6月以来、1年7カ月ぶりの改善。新規求人倍率は3カ月連続で改善だが、対面サービス業を中心に先行きには注意を要する。
    ・12月の関西2府4県の現金給与総額は名目で17カ月連続の前年比減少。実質賃金は22カ月連続の同減少。結果、2020年通年では実質賃金は3年連続で減少した。伸びも3年連続で全国を下回っており、所得環境を巡る状況は一層厳しさを増している。
    ・1月の大型小売店販売額は16カ月連続の前年比減少。緊急事態宣言再発令に伴う外出自粛の影響で、百貨店の減少幅は前月から大幅拡大。一方、スーパーは巣ごもり需要で小幅改善した。
    ・1月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前月比減少。持家に持ち直しの傾向がみられる一方、貸家では低下傾向が続く。
    ・1月の建設工事出来高は6カ月連続の前年比増加。2月の公共工事請負金額は2カ月ぶりの前年比増加となった。
    ・2月の景気ウォッチャー現状判断DIは緊急事態宣言解除の影響もあり4カ月ぶりの前月比改善。先行きは3カ月連続の改善で、ワクチン接種開始による感染収束への期待が大きく影響した。
    ・2月の輸出は中国の春節時期が2月にずれたため、3カ月ぶりの前年比減少。一方輸入は生産活動停止による大幅減少の反動で対中輸入が大幅増加したため、17カ月ぶりの同増加であった。
    ・2月の関空への外国人入国者数は1,819人と前月から大幅減少した。緊急事態宣言の期間延長に伴い、外国人の入国制限が継続された影響が大きい。
    ・1-2月の中国経済は、比較対象となる前年の水準が低いため、主要経済指標は前年比2桁の大幅増となった。しかし、景気の持続性については依然注意が必要である。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.94- 景気足下は下げ止まり、先行きは改善を見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数は、緊急事態宣言再発令の直前の1月12日に1,030人とピークを打ち、以降減少に転じている。
    ・12月の鉱工業生産は汎用・業務用機械工業や電子部品・デバイス工業などの減産もあり4カ月ぶりの前月比低下。4-6月期の大幅減産の影響もあり2020年は、09年以来の低水準を記録した。
    ・12月の完全失業率、有効求人倍率はいずれも2カ月ぶりの悪化。Go Toトラベル事業の一時停止や飲食店への時短要請が雇用情勢の悪化に影響した。通年では、完全失業率は8年ぶり、有効求人倍率は11年ぶりに、いずれも悪化した。
    ・11月の関西2府4県の現金給与総額は16カ月連続の前年比減少。また、実質賃金は21カ月連続の同減少。所得環境は悪化が続くが、経済活動正常化に伴い、マイナス幅は縮小傾向にある。
    ・12月の大型小売店販売額は15カ月連続の前年比減少。新型コロナウイルスの全国的な感染再拡大による外出自粛が影響した。結果、10-12月期は5四半期連続の前年比減少、2020年通年は3年連続の同減少となった。
    ・12月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比減少。分譲マンションの大幅減少が全体の低下に大きく寄与した。2020年通年では2年連続で前年比減少した。
    ・12月の建設工事出来高は5カ月連続の前年比増加。2020年通年では5年連続の増加。1月の公共工事請負金額は2カ月ぶりの前年比減少となった。
    ・1月の景気ウォッチャー現状判断DIは前月比横ばいだが、低水準が続く。緊急事態宣言の再発令で、旅行関連や飲食関連を中心に幅広い業種で悪影響が表れている。
    ・1月の輸出は2カ月連続の前年比プラス、一方輸入は16カ月連続の同マイナス。対中輸出の好調もあり、貿易収支は12カ月連続の黒字となった。
    ・1月の関空の外国人入国者数は12カ月連続の前年比マイナス。これまで例外的に認められていたビジネス関係の往来が新たに停止されたこともあり、マイナス幅は前月から拡大した。
    ・中国1月のPMIは製造業と非製造業ともに2カ月連続で前月から悪化した。また、国際商品価格の上昇により、PPIは1年ぶりに前年比プラスに転じた。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.93- 景気足下は下げ止まり、先行きは持ち直しを見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数は1月に入り急増し、12日に過去最多の1,030人となり依然高水準が続いている。
    ・11月の生産は汎用・業務用機械工業や電子部品・デバイス工業の増加もあり3カ月連続の前月比上昇。結果、近畿経済産業局は基調判断を「持ち直している」へと4カ月ぶりに上方修正した。
    ・11月の完全失業率は2カ月ぶりの改善。有効求人倍率(受理地別)は11カ月ぶりの改善。しかし、いずれも改善幅は小幅にとどまっており、依然としてコロナ禍による影響は大きい。
    ・10月の関西2府4県の現金給与総額は15カ月連続の前年比減少。また、実質賃金は20カ月連続の同減少。所得環境は悪化が続くが、下落幅は縮小傾向にある。
    ・11月の大型小売店販売額は14カ月連続の前年比減少。新型コロナウイルスの感染再拡大による外出自粛に加え、気温上昇による冬物需要の減退などが影響した。
    ・11月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりに前月から増加した。分譲マンションの大幅増加が全体の上昇に大きく寄与した。
    ・11月の建設工事出来高は4カ月連続で前年比増加した。12月の公共工事請負金額は3カ月ぶりの同増加となった。
    ・12月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で前月比大幅悪化。感染再拡大を受け、Go Toキャンペーン事業の一時停止や営業時間の短縮要請により、サービス業や飲食業を中心に悪影響が出ている。
    ・12月の輸出は2カ月ぶりの前年比プラス、一方輸入は15カ月連続の同マイナス。結果、貿易収支は11カ月連続の黒字だが、貿易総額は縮小が続いている。
    ・12月の関空の外国人入国者数は1万3,552人と2カ月連続で1万人を超えた。2020年通年では101万1,184人と、1996年以来の低水準であった。
    ・中国の10-12月期実質GDP成長率は前年同期比+6.5%と前期から+1.6%ポイント上昇。3四半期連続のプラス。20年通年では前年比+2.3%となり、主要国では唯一プラス成長の見込み。

    ※英語版はこちら

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.92- 足下の景気は下げ止まり、先行きは持ち直しを見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西におけるCOVID-19の新規感染者数は10月下旬以降急増しており、感染第3波が到来している。また、11月下旬以降、500人を超える高水準が続く。
    ・10月の生産は2カ月連続の前月比上昇だが、コロナ禍前の1月の水準と比べて依然低調であることに注意。
    ・10月の完全失業率は3カ月ぶりの悪化。有効求人倍率(受理地別)は12カ月連続の悪化。就業地別では0.97倍と3カ月連続で1倍を割り込んだ。雇用情勢は総じて厳しい状況が続いている。
    ・9月の関西2府4県の現金給与総額は14カ月連続の前年比減少。また、実質賃金は19カ月連続の同減少。所得環境は悪化が続くが、下落幅は縮小傾向にある。
    ・10月の大型小売店販売額は13カ月連続の前年比減少だが、減少幅が前月より大幅縮小。昨年の水準は、消費増税反動減により低かったことに加え、新型コロナウイルス感染拡大が10月前半は一定程度落ち着いていたことなど、が影響した。
    ・10月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりに前月から減少した。持家と貸家の減少が全体の引き下げに寄与した。
    ・10月の建設工事出来高は3カ月連続で前年比増加した。11月の公共工事請負金額は2カ月連続の前年比減少。
    ・11月の消費者態度指数は前月比小幅悪化にとどまったが、同月の景気ウォッチャー現状判断DIは大幅悪化した。新型コロナウイルス第3波によりセンチメントは悪化しつつある。
    ・11月の輸出は中国向けが減速した影響もあり2カ月ぶりの前年比マイナス、輸入は14カ月連続の同マイナスであった。結果、貿易収支は10カ月連続の黒字だが、貿易総額は縮小が続く。
    ・11月の関空の外国人入国者数は1万1,945人と2020年3月以来の1万人を超える水準となったが依然低水準が続く。
    ・中国は新型コロナウイルスの収束とともに経済活動の正常化が進んでいる。足下の中国経済は回復の動きが確認されたものの、国内外需要の回復は前期の停滞からのリバウンドの側面が強く、先行きについては引き続き注意が必要である。

    ※英語版はこちら

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