研究成果

research

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コメンタリーでは最新の社会経済や政策動向等についての考察を行い、特定のトピックスに注目したトレンド・ウォッチを月一回程度発行。ディスカッションペーパーでは分析的・実証的に学術研究を行い、時事テーマに焦点を当てた分析レポートも発行します。

  • 稲田 義久

    緊急事態宣言が関西経済に及ぼす影響-影響は2つの輸出から国内消費へ-

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    安倍首相は4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令した。関西では大阪府、兵庫県がその対象となり、同月16日には全国に拡大された。また、5月4日には宣言が5月31日まで延長された。発令後の外出自粛要請や休業要請強化に伴い、家計はこれまで以上に不要不急の消費を削減している。本稿では、COVID-19が関西の家計消費とインバウンド需要に与える1カ月の直接的な影響について分析した。分析結果の要約は以下の通りである。

     

    1. 緊急事態宣言発令により1カ月換算で関西の家計消費は7,081億円程度、同月のインバウンド需要は840億円程度減少する。また2020年度の名目域内総生産を0.9%程度引き下げる。

    2. 経済への負の影響を緩和するために、政府は国民1人当たり10万円を所得制約なしに給付することを決めた。この政策の事業規模は12兆円超であり、GDP比2%を上回る効果を持つとされ、特別定額給付金支給額は上記の経済損失額を上回っている。

    3. 10万円の定額給付はこれまでの事例とは異なり、ある程度消費の下支え効果を持つと考えられる。家計はこれを生涯所得の増加ではなく一時的な所得増とみなすため、支給後に一時的な消費需要として発現するだろう(所謂ペントアップ需要)。

    4. ただし、支給については可及的速やかな方法を工夫すべきである。日本と海外の給付金支給スピードの差は納税データ電子化普及の差にあると思われる。これを機にマイナンバー制度などの電子化普及を加速する必要があろう。

    5. COVID-19の経済的インパクトはタイムラグを伴い中国から世界に広がっており、世界経済の減速感は今後一層強まろう。その中で政府は緊急事態宣言延長を決めた。難しいバランスが続く中、金融支援や家賃支援を始めとする第二、第三弾の経済政策が求められよう。

     

    *2020年5月7日午後、図表2及び図表4に注釈を追記

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  • KARAVASILEV, Yani

    関西におけるオーバーツーリズム認識の解読:ヨーロッパとの比較

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    KARAVASILEV, Yani

    ABSTRACT

    近年日本は外国人訪問者数が最も多い国の1つになったが、訪問者の集中度が高く、特に京都市では「観光公害」、いわゆる「オーバーツーリズム」が発生している。本稿では、その現象の決定要因を明らかにするために、観光強度(市民1人当たりの宿泊数)や観光密度(1平方キロメートルあたりの宿泊数)をはじめ、先行研究から抽出した様々な変数に基づいて京都市とヨーロッパの訪問者数が最も多い都市と比較分析を行う。分析の結果では、ヨーロッパと京都市におけるオーバーツーリズムの決定要因は異なることが分かった。京都市の場合は、需要側では、旅行の形態(日帰り旅行またはグループツーリズム)、供給側では、都市の中心にあるホテル宿泊施設と市内交通機関への依存度の高さがオーバーツーリズムの認識の主な決定要因と考えられる。なお、京都市内の渋滞しやすい正方形の道路網と観光スポットの地理的分布はさらに混雑感を上昇させている。京都市のオーバーツーリズム問題を解決するために、需要側では、より多様な旅行者(個人旅行者もしくはアジア以外の旅行者)にアピールすること、供給側では、シェアリングエコノミー(AirbnbとUber)の役割を増やすことを検討する必要があろう。

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  • 稲田 義久

    新型肺炎の関西経済への影響-逆回転する2つの輸出-

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 木下 祐輔

    ABSTRACT

    本稿では、2020年1月下旬に明らかになった新型コロナウイルス肺炎(corona virus epidemic、以下、新型肺炎)の大流行が関西経済に与える影響を2つの輸出に限定して分析した。分析結果の要約は、以下の通りである。

    1.世界経済に占める中国のプレゼンスは急上昇している。関西経済は中国を中心とするグローバルサプライチェーンに組み込まれているため、対中関係は大きく深化している。

    2. SARS発生時から2019年をみると、関西の対中輸出額は2.0倍に拡大し、中国人の訪日外客数は21.4倍に急拡大した。輸出の急拡大のみならず、人の移動が爆発的に拡大した。関西経済を見る場合、その成長の駆動因である財とサービス(インバウンド需要)の2つの輸出の視点が重要だが、今その駆動因が新型肺炎の発生を契機に逆回転し始めている。

    3. 自然災害等からのこれまでの回復パターンを見ると、1~2四半期で経済活動は前期比プラスに転じている。新型肺炎発生からの回復パターンとして、1四半期で新型肺炎発生前期の経済水準に戻る早期回復ケース1と、2四半期で経済水準を回復する標準ケース2、及び回復の戻りが遅れ3四半期で回復する長期化ケース3を想定する。

    4. 試算の結果、ケース1では、関西の財輸出は986億円、インバウンド需要は796億円で経済損失額の合計は1,782億円と見込まれる。また、ケース2では、損失額はそれぞれ1,972億円、1,591億円、合計3,564億円と見込まれる。ケース3では、それぞれ2,958億円、2,387億円、合計損失額は5,345億円となる。

    5. 新型肺炎が関西経済に与える経済的影響としては、ケース1は2020年度の関西名目GRPを0.2%、ケース2は同0.4%、ケース3は同0.6%それぞれ押し下げることになる。なお、20年度の関西経済名目GRP成長率は+0.6%程度と予測されており、回復が遅れるケース3の場合は内需への影響も考慮すれば、ゼロないしはマイナス成長に陥る可能性がある。

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  • 藤原 幸則

    社会保障の給付と負担の一体改革を

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    藤原 幸則

    ABSTRACT

    2019年12月19日、政府の全世代型社会保障検討会議が中間報告をとりまとめた。個別の改革検討事項をみると、医療・介護の制度改革については踏み込み不足となっている。国民に追加負担を求める改革メニューのほとんどは退けられた。社会保障制度改革をめぐる議論の背景にある大きな問題点は、高齢化などに伴う社会保障給付の累増にどう対応していくかに関する国民的コンセンサスが欠如していることがあると考える。どの程度まで給付を受け、負担に応じるかという、最終的には国民の選択の問題であろう。本稿では、社会保障制度の何が問題なのか、どのように改革を検討していくべきかの方向性を述べる。

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  • 稲田 義久

    日韓関係の悪化と関西経済:2つの輸出とそのリスク

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 下田 充

    ABSTRACT

    本稿では最近の日韓関係の悪化が関西経済にどのような影響を及ぼすかを「2つの輸出」の視点から分析した。分析から以下の結論が得られた。

    1. 財貨の交易についてみれば、韓国のシェアは関西・全国ともに輸出が約7%、輸入が約4%である。中国のシェアと比較すれば、輸出で約4分の1、輸入で約8分の1である。今後、韓国との交易が停滞したとしても、関西の輸出や景気全体への影響は限定的となろう。足下、関西の輸出では韓国向けと中国向けの下落率が大きい。米中貿易摩擦の昂進とグローバル・バリュー・チェーンを通じた中国経済と韓国経済の連動性に起因していると考えられる。

    2. 2018年関西への訪日外客による消費総額は1兆1,338億円である。関西産品で9,965億円、その他地域で1,373億円が賄われている。これらによる関西経済への波及効果(付加価値ベース)は約9,213億円なり、関西の域内総生産の1.08%を創出したことになる。

    3. 仮に、訪日韓国人客が前年比30%大幅減少したとしても、訪日外客が関西で生み出す付加価値はベースケースより376億円、-4.1%の減少にとどまる。この背景には韓国人の消費単価の低さがある。府県別では、大阪府の影響が大きく269億円減少し、関西の減少幅の72%を説明する。GRPに対する寄与度でみれば、ベースの1.08%から0.044%ポイント低下する。

    最近の日韓関係の悪化が関西経済に及ぼす影響は限定的と見るが、特にインバウンドの観点から、この結論に至るうえで、重要なのは中国の役割である。関西はアジアからの訪日客が圧倒的に多く、中国人客が堅調に伸びる中、日韓関係の悪化からくるインバウンドへの影響は限定的となろう。勿論、訪問率からわかるように、韓国人の訪問率は中国人に比して比較的地方に分散しているため、関西以外ではその影響は厳しめに出る可能性がある。

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  • 稲田 義久

    『訪日外国人消費動向調査』個票データを用いた インバウンド需要の計量分析

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一

    ABSTRACT

    本稿では観光庁『訪日外国人消費動向調査』の個票データを用いて、インバウンド需要の決定要因について定量的に考察する。具体的には11の国、地域からの訪日外国人の消費額の決定要因を、2015年第1四半期から17年第4四半期までの各期のクロスセクションデータを用いて分析する。分析結果より、為替レートや世帯収入などインバウンド需要の基本的決定要因は有意にプラスの影響を与えていることが明らかとなった。為替レートの変動は訪日外国人の収入の多寡よりも強く作用しており、その影響は自国通貨が円に対して割安であるほど大きくなっていることが確認できた。またビザ緩和は発動当初には強く影響しており、徐々にその効果が低下していく点も明らかとなった。

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  • 稲田 義久

    G20大阪サミットと関西経済 -その経済効果と意義-

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 藤原 幸則 / 下山 朗 / 川本 剣悟 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    2019年6月28・29日、大阪で開催されるG20サミットは、日本で初の開催となり、世界的な課題解決に向けてその存在感を世界に示す重要な機会であるのみならず、開催地大阪・関西にとっては25年の万博開催を見据えたうえでの大きな意義がある。本稿は、経済的効果に限定してその評価を行ったものであり、分析ツールとしては産業連関表を用いている。産業連関表はイベント実施が経済全体にどのように波及して所得や雇用に影響を与えるかを分析できる。分析結果を要約すれば、以下のようになる。

     

    1. G20大阪サミット関連最終需要として支出される金額は428億4,200万円と推計される。
    2. 2016年伊勢志摩サミットと支出内訳を比較すれば、今回はインフラ関係の整備事業額が少ないのが特徴で、既存インフラを活用して経費を抑えたコンパクトな開催となっている。
    3. APIR関西地域間産業連関表(2011年版)を用いた試算によれば、G20大阪サミットの総合効果として生産誘発額は621億4,800万円、粗付加価値誘発額は390億3,600万円、雇用者所得誘発額は234億6,300万円と推計される。いずれも直接効果と間接2次効果を含んでいる。
    4. G20大阪サミットは関西経済に365億6,360万円の付加価値を誘発する。0.04%程度の押し上げ効果となり、減速が予測される関西経済に一定程度の下支え効果を発揮する(ここでの関西経済は、APIR関西経済予測モデルと比較可能となるように2府4県ベースでみている)。なお日本全体の下支え効果は0.01%である。
    5. 単年度の効果としては大きくはないが、関西経済にとっては、2025年大阪・関西万博開催を控え、G20サミット開催の意義は深い。今後一連の経済イベントによる需要拡大が投資を誘発し関西経済の供給力を引き上げるという好循環が期待できる。結果、関西経済の潜在成長率引き上げにつながる意義を持つキックオフイベントとなろう。
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  • 稲田 義久

    都道府県別訪日外客数の月次推計と予測

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    戦略策定には、それにふさわしい主要業績評価指標(KPI)が必要となる。インバウンド・ビジネス産業戦略を例にとると、都道府県別訪問率や訪日外客数といったデータが重要である。戦略担当自治体やDMO(Destination Management/Marketing Organization)にとっては、これら2指標とその積である都道府県別訪日外客数が重要な指標となる。具体的には当該自治体が特定の海外プロモーション政策を実施した場合、数カ月後、その成果を各府県への訪日外客数や彼らの消費の変化から読み取ることができれば、その指標は戦略のPDCAサイクルを回すうえでも客観的で有益なものとなる。ただこれらのデータはタイムリー(ここでは月次ベースで公表には1カ月程度のラグ程度)に利用可能となることが望ましいが、現実にはそうなっておらず解決すべき課題である。これらの望ましい条件を満たす指標作成の可能性検討が本稿作成のモチベーションである。

    具体的には、(1)四半期データである都道府県別訪問率を月次変換することで公表頻度の課題を解決し、(2)その月次指標を時系列モデル(ARIMA)で特定化を行い足元の予測(早期推計)を行うことで公表に伴うタイムラグの課題を解決した。結果、ほぼリアルタイムで都道府県別訪日外客数を推計することができた。このようなタイムリーなKPIの開発は戦略のダイナミックな展開に役立ち、今後の分析適応範囲を拡大するものとなろう。

    APIR_Trend_Watch_54

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  • 稲田 義久

    持続可能なインバウンド戦略を目指して: オープンデータを利用した北陸地域の分析

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    2018年関西国際空港(関空)入港の訪日外客数(インバウンド需要)は765万2,130人を記録し、前年比+6.8%と7年連続のプラスとなったが、これまでの6年連続2桁の伸びが1桁に減速した。その理由としては自然災害の一時的な影響が考えられるが、今後インバウンド需要が持続可能となるためには様々な課題が考えられる。その一つがオーバーツーリズムであり、訪日外客の大阪・京都府への偏在が考えられる。この課題に答えるために、偏在の対極にある広域関西の周辺県である福井県とその近隣県に焦点を当てた。本分析で得られたインバウンドビジネス戦略への含意は以下のようである。

    1)ビッグデータ(モバイル空間統計やクレジットカードデータ)は、訪日外客数の推移や消費行動を高頻度で把握できる。またこれらのデータは国籍別にも把握できることから、インバウンドビジネス戦略を考えるうえで、重要なインフラとなる。

    2)訪日外客数を見れば、福井県は近隣県から大きな格差をつけられている。国籍別の分析から、自治体の海外プロモーションの重要性が示唆される。

    3)海外プロモーションは重要であるが、問題は投資の効率性であろう。各県が独自のプロモーションをかけることも重要だが、広域DMOなどの組織を通じたプロモーションが重要となろう。

    4)クレジットカードデータ分析から、周遊プログラムの充実、またキャッシュレス決済システムのインフラ整備を充実させることが重要である。

    5)訪日外国人の移動パターン分析から見られるように、福井県は前後に岐阜・石川県を控えており、通過県となっている。このため、北陸広域を周遊するプログラムが必要となろう。周遊プログラムの開発ないしはストーリー性のあるプログラム作りが重要である。

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  • 豊原 法彦

    関西CLI の予測力の検証 – 2008年1月から2019年1月の発表データを用いて –

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    豊原 法彦

    ABSTRACT

    著者はアジア太平洋研究所(APIR)の2015 年度研究プロジェクト「関西独自の景気指標の開発と積極的な活用」において関西CLIを開発し、同年11 月より現在まで毎月計算した結果を経済フォーキャストならびに四半期に一度開催されるマクロ研にて報告している。

    本稿では、2 年にわたる継続的な結果を踏まえ、関西CLI がどれほど将来予測に利用可能かを検証する。具体的にはまず2 章ではt時点のCLI(t) ?とそれよりlカ月先の一致指数試算値(以下ではCI_c(t + l) と略記) を用いて計算されるTheil’s U を最小にするl を関西ならびに各府県ごとに求める。3 章では2017 年1 月から2019 年1 月の結果に対し、関西ならびに各府県それぞれについてCLI(t) を説明変数、lカ月先のCI_c(t + l) を被説明変数する回帰分析を行い係数の有意性と当てはまり度合いを調べ、さらに4 章ではCLI(t) とCI_c(t + l) の動く方向に注目し、同じ方向に動いている割合から当てはまりの状況を検証する。最後に5 章で全体の評価をまとめる。

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  • 稲田 義久

    「訪日外国人消費動向調査」個票データ分析から得られる関西インバウンド戦略へのインプリケーション(2)-訪日外国人の移動パターン-

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    本稿では、『訪日外国人消費動向調査』の個票データの観察に基づき、訪日外国人の移動パターンについて得られる特徴を整理、検討し、関西インバウンド戦略に向けての含意(インプリケーション)を導出する。今回の報告では、特に訪日外国人の滞在日数と移動パターンについて詳細(国籍別)に検討する。

    観察結果より、(1)アジア地域からの観光・レジャー目的での滞在日数は概ね1週間以内である一方で、欧米からの観光客は滞在日数が10日以上の長期型となっている。(2)ビジネス目的での訪日外国人の滞在日数はアジア、欧米にかかわらず、長期研修目的を除けば概ね4泊5日以下の短期滞在型が主流である。(3)注目すべきはインバウンド需要が本格化する2015年から足元の移動パターンは、観光・レジャー目的のみならずビジネス目的においても広域化しており、入国先が関西であったとしても、その後の移動先はほぼ全国に広がっていることが確認できた。

    インバウンド需要が関西経済を拓く新たな原動力と捉えるならば、こうした現象・傾向はインバウンド産業戦略を考える上での重要な点であり、検討すべき課題と言える。この分析をもとに、今後は関西から入国した後の訪日外国人の移動パターンを、個別地域に特化してより詳細に観察することが可能となろう。また、ミクロデータを用いてインバウンド需要の決定要因について定量的に分析することが可能である。

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  • 藤原 幸則

    災害時における土地利用の円滑化

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    藤原 幸則

    ABSTRACT

    災害時、生活や産業・社会活動の復旧・復興には、インフラの早期復旧が極めて重要となる。豪雨や台風などの災害時に緊急を要する道路や鉄道の復旧作業において、重機・資材や土砂等の置き場の調整に時間がかかると、早期復旧の障害となる。置き場として利用したい土地が民有地や所有者不明土地の場合、地権者を特定し同意を得るのに時間を要したり、地権者不明で調整が困難なことがある。そこで、インフラ早期復旧のため、特別立法措置により、災害時に民有地や所有者不明土地であっても、一時的に重機・資材や土砂等の置き場として円滑に活用できる仕組みを構築することが必要である。

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  • 稲田 義久

    台風21号の関西経済への影響について ―関西国際空港の被害に関連して―

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 藤原 幸則 / 木下 祐輔

    ABSTRACT

    今般の台風21号は関西を中心に大きな被害をもたらした。関西国際空港(以下、関空)においては、A滑走路や駐機場の冠水、タンカーの衝突による連絡橋の損傷等、想定外の被害に見舞われた。関空の早期再開に向け、昼夜を問わず懸命に尽力されている関係者の皆様に心からの敬意を表したい。

    関西経済は、関西・日本の経済を支える基幹インフラである国際拠点空港・関空を基盤として、ここ数年2つの輸出、すなわち、成長著しいインバウンドというサービスの輸出(インバウンド消費は、統計上サービスの輸出に分類される)と電子部品・デバイス等の財の輸出に支えられ、好調に推移している。

    この好調を持続可能なものとするためにも、関空の1日も早い復旧・再開が望まれる。現段階ではまだ被害の全容、全面再開の見通しが明らかではないが、今般の被害が今後の関西経済に与える影響、関空の早期再開の重要性について、現在把握できる範囲の情報に基づいて整理してみた。

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  • 稲田 義久

    訪日外国人消費の経済効果 新たな拡張局面は持続するか:比較2013-17年

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    APIRでは、これまで平成25-28年(2013-16年)の訪日外国人(以下、インバウンド)消費需要を推計し、関西各府県に及ぼす経済効果の経年変化を比較分析してきた。本稿では17年のインバウンド需要の経済波及効果を推計するとともに、新たに関西における宿泊業建設投資をとりあげ、その特徴と課題を検討した。結論を先取りすれば、17年の関西インバウンド消費需要は前年比+16.4%増加し前年を幾分上回る伸びとなり、その効果としてGRPの1%程度貢献できるようになった。今後しばらくはこの傾向が持続する可能性が高いと思われるが、このためにもインバウンドをめぐる環境の需給両面での検討が重要である。

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  • 稲田 義久

    「訪日外国人消費動向調査」個票データ分析から得られる関西インバウンド戦略へのインプリケーション(1)

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 木下 祐輔

    ABSTRACT

    国土交通省近畿運輸局との共同研究により『訪日外国人消費動向調査』の個票データの観察に基づき、関西インバウンド戦略に向けての含意を導出する。今後シリーズで紹介する予定であるが、初回となる本報告では、特に入出港の視点から詳細に検討する。観察結果より以下の点が明らかになった。(1)アジア地域からの観光・レジャー目的での訪日に関しては、関西国際空港を利用するケースは依然として多い。(2)また欧州からの同目的の関西国際空港の利用者数はアジア地域に比すれば数は多くはないが安定している。(3)なお近年は九州圏の利用が無視できない動きとなりつつある。(4)ビジネス目的では成田と羽田を利用した関東圏への集中が圧倒的であり、関西にとっても挑戦すべき課題である。観光・レジャー目的におけるアジア地域からの需要の着実な取り込みが関西圏において不可欠であるといえる。

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  • 木下 祐輔

    北陸新幹線開業後、北陸と関西の結びつきはどう変わったか

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    木下 祐輔 / 馬場 孝志

    ABSTRACT

    2018年3月14日の北陸新幹線開業以来3年間の大学進学先や就職先などの「人」の流れに着目して分析した結果、北陸と関東間の関係性は強化される一方、関西間との関係性は相対的に弱くなっていることがわかった。
    現在関西では、北陸新幹線だけでなく、様々な交通インフラの整備計画が進行中である。財源の確保や、関係者間の利害調整など、いくつもの壁を乗り越える必要があるが、これらの事業は、国内に点在する地域資源を結び付け、新たなイノベーションを生むだけでなく、海外と国内地域を結ぶ交通ネットワークにも大きな経済的インパクトをもたらす可能性を秘めている。グローバルに開かれた日本経済を支える屋台骨として交通インフラ整備を位置づけ、より俯瞰的な視点から、検討を行うべきであろう。

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  • 藤原 幸則

    財政健全化をどう進めるか

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    藤原 幸則

    ABSTRACT

    政府は本年夏に新たな財政健全化目標と具体的計画を示すとしているが、先行きの金利上昇リスクを考えると、財政健全化は先送りできない。景気の維持を大前提に経済成長を促す政策を講じるとともに、必要な税収増と歳出抑制に着実に取り組むことが望まれる。本稿では、簡易なシミュレーションを行うことにより、その方向性を確認している。また、財政健全化を進めるための制度・仕組みとして、わが国にも独立財政機関の設置の検討を提案している。

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  • 島 章弘

    鉄道インフラ整備への気運が高まる関西の課題

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    島 章弘

    ABSTRACT

    関西における鉄道新線敷設計画検討が活発化している。近年のインバウンド観光隆盛等に支えられた旅客増加が背景にあると考えられる。交通インフラ整備は経済発展の有力な手段であり、効果的な計画が求められる。沿線の街づくり計画などと整合性のとれたものが望ましい。そして、交通インフラは整備やメンテナンスに加え、情報発信が重要である。これにより、内外から人や物を呼び集めることが可能になると考える。関係者の叡智を集めた鉄道インフラ整備計画に期待している。

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  • 藤原 幸則

    未来を見据えた関西の総合力強化~関西広域連合の機能強化

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    藤原 幸則

    ABSTRACT

    地域が世界と直につながる経済社会のグローバル化の進展、本格的な人口減少が進む日本の将来を見据えるならば、関西はひとつという視点から、地域としての総合力を発揮することがますます重要になる。本稿では、関西における広域連携の実績と課題を踏まえ、多様性や独自性を尊重しながらも、関西としての総合力を発揮できる制度のあり方として、関西広域連合の機能強化の必要性について意見を述べる。

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  • 稲田 義久

    訪日外国人消費の経済効果 -爆買いから新たな拡張局面へ:比較2013-16年-

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     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    2015年は「爆買い」という言葉に象徴されるような圧倒的な外国人消費の拡大により、関西経済の所得や雇用に歴史的な影響をもたらした。2016年は通年でみると大幅に減速したものの、全体のインバウンド消費が前年比で増加したかは非常に気になるところである。

    本稿では、関西へのインバウンド消費が関西各府県の経済にどのような影響を及ぼしたかを分析している。手順としては、これまでと同様に関西各府県の観光消費ベクトルを推計し、APIRが開発した関西地域間産業連関表を用いて、インバウンド消費が関西各府県の生産、所得や雇用にどの程度寄与したかを推計するものである。所得に対する寄与の推計には、APIRの域内総生産(GRP)の早期推計の結果が援用されているのも特徴である。

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