研究成果

research

G20大阪サミットと関西経済 -その経済効果と意義-

2019年6月28・29日、大阪で開催されるG20サミットは、日本で初の開催となり、世界的な課題解決に向けてその存在感を世界に示す重要な機会であるのみならず、開催地大阪・関西にとっては25年の万博開催を見据えたうえでの大きな意義がある。本稿は、経済的効果に限定してその評価を行ったものであり、分析ツールとしては産業連関表を用いている。産業連関表はイベント実施が経済全体にどのように波及して所得や雇用に影響を与えるかを分析できる。分析結果を要約すれば、以下のようになる。

 

  1. G20大阪サミット関連最終需要として支出される金額は428億4,200万円と推計される。
  2. 2016年伊勢志摩サミットと支出内訳を比較すれば、今回はインフラ関係の整備事業額が少ないのが特徴で、既存インフラを活用して経費を抑えたコンパクトな開催となっている。
  3. APIR関西地域間産業連関表(2011年版)を用いた試算によれば、G20大阪サミットの総合効果として生産誘発額は621億4,800万円、粗付加価値誘発額は390億3,600万円、雇用者所得誘発額は234億6,300万円と推計される。いずれも直接効果と間接2次効果を含んでいる。
  4. G20大阪サミットは関西経済に365億6,360万円の付加価値を誘発する。0.04%程度の押し上げ効果となり、減速が予測される関西経済に一定程度の下支え効果を発揮する(ここでの関西経済は、APIR関西経済予測モデルと比較可能となるように2府4県ベースでみている)。なお日本全体の下支え効果は0.01%である。
  5. 単年度の効果としては大きくはないが、関西経済にとっては、2025年大阪・関西万博開催を控え、G20サミット開催の意義は深い。今後一連の経済イベントによる需要拡大が投資を誘発し関西経済の供給力を引き上げるという好循環が期待できる。結果、関西経済の潜在成長率引き上げにつながる意義を持つキックオフイベントとなろう。

関連論文

  • 稲田 義久

    都道府県別訪日外客数と訪問率:6月レポート No.25

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔 / 古山 健大

    ABSTRACT

    【ポイント】

    ・JNTO訪日外客統計によれば、入国制限強化の影響もあり6月の訪日外客総数(推計値ベース)は9,300人と前月から減少し、4カ月ぶりに1万人を下回った。

    ・JNTO訪日外客統計を目的別にみれば、4月の総数(暫定値ベース)は10,853人であった。うち、観光客は740人、商用客は1,368人、その他客は8,745人であった。

     

    【トピックス1】

    ・対アジア向けに加え対米、対EU向けの輸出の好調もあり、関西6月の輸出は4カ月連続で増加。また、輸入も5カ月連続で増加した。対中貿易動向をみると、輸出の伸びは13カ月連続で増加し、輸入は3カ月ぶりに増加した。

    ・財貨の輸出入は回復を続けているが、サービスの輸出入は依然低調。6月の関西国際空港への訪日外客数は2,361人で前月から増加したものの低水準が続いている。日本人出国者数は2,518人で前月から減少し、底這いで推移している。

    ・3度目の緊急事態宣言により、サービス業の悪化が続いている。

    5月の第3次産業活動指数は2カ月連続の前月比マイナス。緊急事態宣言の影響で、対面型サービス業指数も2カ月連続の同マイナスと厳しい状況が続く。

    ・第3次産業活動指数のうち、観光関連指数は2カ月連続の前月比マイナスで前月からマイナス幅は拡大。5月の大型連休の旅行需要は低調となり、旅行業や宿泊業を中心に悪影響が表れた。

     

    【トピックス2】

    ・4月の関西2府8県の延べ宿泊者数は3,752.7千人泊で、伸びはコロナ禍の影響がない前々年同月(2019年4月)比で-66.4%となった。

    ・うち日本人延べ宿泊者数は3,719.3千人泊で伸びは前々年同月比-51.3%と前月からマイナス幅は拡大。外国人延べ宿泊者数は、33.4千人泊で伸びは同-99.1%となり、前月から減少幅は拡大した。

    ・関西の延べ宿泊者数を宿泊者の居住地別でみると、県内の延べ宿泊者数は993.0千人泊、県外は2,597.0千人泊であった。夏休みシーズンに向け、各府県で自府県民を対象とした旅行補助事業が予算化されており、今後、県内宿泊者のシェアは高まっていくことが予想される。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.99-景気は足下、先行きともに改善:ワクチン接種進捗の一方で懸念される変異株拡大のリスク-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔 / 郭 秋薇 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    景気は足下、先行きともに改善:ワクチン接種進捗の一方で懸念される変異株拡大のリスク

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数(7日移動平均)は、7月1日を底として再び増加に転じ、足下では緊急事態宣言中であった5月下旬を上回った。こうした中、各府県ではワクチン接種が進捗しているが、変異株拡大が大きなリスクとなっている。
    ・5月の鉱工業生産は汎用・業務用機械や化学工業(除.医薬品)などの減産により、2カ月ぶりの前月比低下。4-5月平均比は1-3月平均と比べると小幅上昇にとどまった。
    ・5月の完全失業率は2カ月ぶり、有効求人倍率は4カ月ぶりの前月比小幅改善。4-5月の増減を均してみると、雇用環境は依然厳しい状態が続いている。
    ・4月の関西2府4県の現金給与総額は名目で2カ月連続、実質で4カ月連続の前年比増加。しかし、コロナ禍の影響がない前々年同月比では、いずれもマイナスと低調である。
    ・5月の大型小売店販売額は前年比ほぼ横ばいだが、前々年と比べると、3度目の緊急事態宣言により、前月からマイナス幅は拡大している。
    ・5月の新設住宅着工戸数は4カ月ぶりの前月比減少。貸家の大幅減少が全体の低下に寄与した。輸入木材価格の急騰による影響が現れ始めており、今後の動向を注視する必要がある。
    ・5月の建設工事出来高は38カ月連続の前年比増加。手持ち工事高から判断して、先行きも増加が予想される。6月の公共工事請負金額は2カ月連続の前年比増加となった。
    ・6月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続の前月比改善。緊急事態宣言の解除が改善に影響した。先行きはワクチン接種加速の期待から2カ月連続の改善となった。
    ・6月の輸出は4カ月連続、輸入は5カ月連続の前年比増加。前者の伸びが後者の伸びを上回った結果、貿易収支は17カ月連続の黒字となった。なお、6月は半導体等電子部品の輸出が単月で過去最高となった。
    ・6月の関空への外国人入国者数は前月から幾分増加したが、入国制限の継続もあり、2,361人にとどまった。
    ・中国4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.9%と、1-3月期に比して半減したものの、前期比で見れば加速している。

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  • 稲田 義久

    インバウンド先進地域としての関西 ―持続可能な観光戦略を目指して―

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2021年度 » 日本・関西経済軸

    AUTHOR : 
    稲田 義久

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    APIR研究統括兼数量経済分析センター長 稲田 義久

     

    研究目的

    ・持続可能なインバウンド産業にむけての戦略転換の指針の導出
    コロナ前のインバウンド産業では訪日外客の量的拡大を志向する傾向が強く、供給制約に直面した場合、持続可能な発展が望めない状況にあった。こういった量的拡大志向から、コロナ後を見据えて1人当たりの付加価値を高める戦略への転換が必要であり、コロナ禍によって訪日外客が途絶えている現在は戦略を再考する好機といえる。
    2020年度、本研究PJではインバウンド消費を分析する視点として「ブランド力」「広域・周遊化」「イノベーション」「安全・安心・安堵」を提示した。2021年度は特に「ブランド力」の向上のために、日本人が気づきにくい観光資源の魅力や課題を抽出する施策を検討し、戦略転換の指針を導きたい。

    ・ポストコロナのインバウンド戦略策定を意識した、基礎的分析の継続
    本テーマでは、マーケティングの指標となるインバウンド関係基礎データの整理・推計や、戦略策定に参考となるマイクロデータ分析といった基礎的な分析を継続的に行い、得られた知見をトレンド・ウォッチ等の形で都度発表してきた。2021年度はコロナ禍の影響も取り入れた分析を継続し、コロナ後のインバウンド戦略の策定に資する情報として成果を発信したい。コロナ禍により訪日外客のデータが公表されない期間については、対象を拡大して国内旅行について同様の分析を行う。

     

    研究内容

    2020年度に引き続き、以下の5つの軸でバランスよく進める。

    ①関西基礎統計の整理

    ②マイクロデータによる実証分析

    ③ブランド力指標の開発のための基礎調査、アンケート調査の実施

    ④観光戦略の在り方や、成長戦略立案の課題検討

    ⑤成果の発信、課題共有の「場」作り

     

    <研究体制>

    研究統括・リサーチリーダー

    稲田 義久  APIR研究統括兼数量経済分析センター長、甲南大学名誉教授

    リサーチャー

    松林 洋一  APIR上席研究員、神戸大学大学院経済学研究科長・教授
    KARAVASILEV Yani  APIR研究員、京都文教大学総合社会学部講師
    郭 秋薇   APIR研究員
    野村 亮輔  APIR研究員

    研究協力者

    道久 聡   国土交通省 近畿運輸局観光部 計画調整官
    岩﨑 靖彦  国土交通省 近畿運輸局観光部 観光企画課 課長
    濱田 浩一  関西観光本部 事務局次長
    中野 裕行  日本旅行業協会 関西事務局長
    筒井 千恵  関西エアポート株式会社 航空営業部 グループリーダー
    TIRTARA Alin  APIRインターン

    オブザーバー

    森本 裕   甲南大学経済学部準教授

    ※必要に応じてDMO、自治体や民間企業等関係者にも参画いただく。

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    研究成果としては、関西インバウンド基礎統計の整備(月次レポート、トレンドウォッチ)、マイクロデータの分析成果(研究報告書)、関西観光戦略の課題の共有化(研究会、シンポジウム等での情報提供と議論)を予定している。
    また、上記研究成果を「ポストコロナ禍における観光政策の立案」、「観光ハード面とソフト面のインフラ整備」、「推計値を用いた観光DMOのプロモーション施策の検証」等に活用できるであろう。

  • 稲田 義久

    都道府県別訪日外客数と訪問率:5月レポート No.24

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    【ポイント】

    ・JNTO訪日外客統計によれば、5月の訪日外客総数(推計値ベース)は10,000人で、前月(10,900人)から減少した。伸びは前々年同月(2019年5月)比でみれば-99.6%となり、依然訪日外客は低迷した状況が続いている。

    ・JNTO訪日外客統計を目的別にみれば、3月の総数(暫定値ベース)は12,276人となった。伸びはコロナ禍のない前々年同月(2019年3月)比では、-99.6%と大幅減少が続く。うち、観光客は374人(同-100.0%)、商用客は1,105人(同-99.3%)、その他客は10,797人(同-94.2%)であった。

     

    【トピックス1】

    ・関西5月の輸出は堅調な対中輸出に加え欧米向け輸出の回復もあり、3カ月連続で増加し、伸びは前月から加速した。対中貿易動向をみると、輸出の伸びは12カ月連続の増加だが、輸入は昨年5月のマスク需要の急増を受け、輸入が大幅増加した裏が出たため、2カ月連続の減少となった。

    ・財貨の輸出入は中国や欧米の景気回復により堅調だが、サービスの輸出入は厳しい状況が続いている。

    5月の関西国際空港への訪日外客数は2,001人、日本人出国者数は2,902人でいずれも前月から減少し、低位で推移している。

    ・3度目の緊急事態宣言を受け、サービス業は再び悪化した。

    4月の第3次産業活動指数は98.0で2カ月ぶりの前月比マイナス。4月末に発令された緊急事態宣言により小売業などの対面型サービス業を中心に悪影響が表れた。

    ・第3次産業活動指数のうち、観光関連指数は66.3で2カ月ぶりの前月比マイナス。緊急事態宣言の発令に伴い、飲食サービス業を中心に休業要請が行われたことが悪影響した。

     

    【トピックス2】

    ・3月の関西2府8県の延べ宿泊者数は5,413.3千人泊で、伸びはコロナ禍の影響がない前々年同月(2019年3月)比で-49.9%となった。

    ・うち日本人延べ宿泊者数は5,356.4千人泊で伸びは前々年同月比-33.3%と前月からマイナス幅は縮小した。外国人延べ宿泊者数は、56.9千人泊で伸びは前々年同月比-98.0%となり、前月から小幅縮小した。

    ・関西の延べ宿泊者数を宿泊者の居住地別でみると、県内の延べ宿泊者数は1,300.0千人泊、県外は3,882.0千人泊であった。延べ宿泊者数に占めるシェアを前年同月で比較すると、県内は上昇している一方で、県外は低下しており、県内比率が高まっていることが分かる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.98–景気は足下、先行きともに改善:先行きの個人消費回復のカギを握るワクチン接種の進捗–

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数(7日移動平均)は、4月末にピークアウトし、5月以降減少。足下では「感染第4波」は収束に向かっている。
    ・4月の鉱工業生産は生産用機械や汎用・業務用機械などの増産もあり、2カ月ぶりに前月比上昇したものの、4-6月期の最初の月としては低調である。
    ・4月の完全失業率は4カ月ぶり、有効求人倍率(受理地別)は2カ月連続の前月比悪化。3度目の緊急事態宣言発令で経済活動が抑制されており、雇用への下押し圧力が見られる。
    ・3月の関西2府4県の現金給与総額は名目で20カ月ぶり、実質で3カ月連続の前年比増加。パートタイム労働者比率が4カ月連続で低下したために、1人当たり賃金が押し上げられたと見られる。所得環境の本格的な回復は道半ばである。
    ・4月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比増加。ただし、コロナ禍の影響がない前々年と比較すると、販売額は依然低水準である。今月は感染拡大と緊急事態宣言再発令により、百貨店を中心に前月より販売額が縮小した。
    ・4月の新設住宅着工戸数は3カ月連続の前月比増加。持家の回復と貸家の大幅な増加は全体の上昇に寄与した。
    ・4月の建設工事出来高は関東が15カ月連続で前年比減少する一方、関西は37カ月連続で増加した。5月の公共工事請負金額は2カ月ぶりの前年比増加となった
    ・5月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月ぶりの前月比改善。新規感染者数の減少や休業要請の一部緩和が影響した。先行きはワクチン接種普及等の期待から3カ月ぶりに改善した。
    ・5月の輸出は3カ月連続、輸入は4カ月連続の前年比増加。堅調な回復を見せるものの、前々年同月比では輸入は減少となっている。ただし、欧米からの医薬品輸入の増加が続く。
    ・5月の関空への外国人入国者数は2,001人と前月(2,341人)から減少。入国制限が続いているため、入国者数は底這いでの推移が続こう。
    ・5月の中国の貿易収支は15カ月連続の黒字となったが、輸入の増大もあり4カ月連続で前年比縮小。また、企業のセンチメント、工業生産指数などは前月から幾分回復したが、社会消費品小売総額は前月から減速した。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.54 -持ち直しているが本格回復には道半ば:ワクチン接種を促進し、内需主導の確固たる成長を-

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    一般財団法人アジア太平洋研究所では、日本ならびに関西経済について、四半期ごとに景気分析と予測を行っています。6月1日、最新の「日本経済予測」と「関西経済予測」を発表しました。経済見通しの説明動画を以下の通り配信しています。

     

    1. 2021年1-3月期の関西経済は、緩やかに持ち直している。ただしコロナ禍が依然続く中、緊急事態宣言等で経済活動が抑制されているため、家計部門や企業部門など内需部門の改善ペースは緩慢である。規模・業種によっても回復度合いに差が見られる。
    2. 2021年に入り、新規陽性者数は「第3波」の収束から「第4波」を迎えた。その「第4波」は4月末にピークアウトし、足下では収束に向かっている。ただし重症患者病床使用率は依然として高水準にあるため、4月以降、3度目となる緊急事態宣言が発令され、6月以降も継続となる。
    3. 新型コロナワクチンの接種が21年2月から開始となった。ワクチン接種の進展は、先行きの新規陽性者数の減少に加え、消費者心理の改善、先送りしていたペントアップ需要の発現に貢献しよう。
    4. 家計部門は、COVID-19の感染拡大や緊急事態宣言発令の影響から、総じて弱い動きとなっている。センチメントや所得・雇用環境など持ち直してはいるものの、前年の反動といった部分もあり、堅調な回復とは言いがたい状況である。
    5. 企業部門は、製造業と非製造業で回復度合いに差異が見られる。製造業は、輸出の回復を背景にして生産や景況感など持ち直しの動きが見られる。一方非製造業は、特に対面型サービスでコロナ禍の影響が根強く、弱い動きとなっている。
    6. 輸出の回復は鮮明となっている。中国向けに続き、米国・EU向けも足下で2019年同月の水準を上回った。一方インバウンド需要は回復の見込みが立たない。
    7. 関西の実質GRP成長率を2021年度+3.6%、22年度+2.1%と予測する。20年度の大幅マイナスから21年度以降回復に転じる。ただしコロナ禍前の水準に戻るのは22年度以降となる。前回予測(3月1日公表)に比べて、21年度は輸入を上方修正したため-0.2%ポイントの下方修正、22年度は成長の加速を見込み+0.5%ポイントの上方修正とした。
    8. 成長に対する寄与度を見ると、民間需要が21年度+2.2%ポイント、22年度+1.4%ポイントと2018年度以来3年ぶりにプラスとなり、成長を牽引する。また、公的需要・域外需要も成長を下支えし、バランスの取れた成長となる。
    9. 感染抑制と景気回復の両立に向け、ワクチン接種の進展は、経済活動再開を促進しよう。今後景気を加速していくにあたっては、外需のみに依存するのではなく、内需を刺激する経済対策も望まれる。経済活動の正常化には、過剰な自粛・萎縮は避け「正しく恐れる」ことが必要であろう。
    10. トピックスでは、関西各府県における2019-20年度のGRPの早期推計結果を紹介する。2020年度は関西2府4県いずれもマイナス成長となった。

     

    ※説明動画の一般公開は終了しました。会員企業の方は会員専用ページから閲覧可能です。

     

  • 稲田 義久

    133回景気分析と予測<ワクチン接種にgame changerとしての期待が高まる-実質GDP成長率予測:21年度+3.4%、22年度+2.3%->

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    一般財団法人アジア太平洋研究所では、日本ならびに関西経済について、四半期ごとに景気分析と予測を行っています。6月1日、最新の「日本経済予測」と「関西経済予測」を発表しました。経済見通しの説明動画を以下の通り配信しています。

     

    1.  2021年1-3月期実質GDP(1次速報)は前期比年率-5.1%(前期比-1.3%)減少し、3四半期ぶりのマイナス。結果、2020年度実質GDP成長率は-4.6%と2年連続のマイナスとなった(19年度-0.5%)。リーマンショック時の08年度(-3.6%)、09年度(-2.4%)を超えるマイナス成長となった。1-3月期実績は、市場コンセンサス(ESPフォーキャスト5月調査)の最終予測(前期比年率-4.61%)から下振れた。なお、CQM最終予測の支出サイドは同-3.8%であった。
    2.  1-3月期のマイナス成長の主要因は緊急事態宣言による民間最終消費支出の減少である。またGo Toキャンペーン一時停止による政策的効果の剥落と感染者急増による医療機関への受診手控え等による政府最終消費支出の減少が影響した。実質GDP成長率(前期比-1.3%)への寄与度を見ると、国内需要は同-1.1%ポイントと3四半期ぶりのマイナス。うち、民間需要は同-0.7%ポイントと3四半期ぶりのマイナス、公的需要も同-0.4%ポイントと10四半期ぶりのマイナス寄与。また純輸出も同-0.2%ポイントと3四半期ぶりのマイナスとなった。
    3. 新たに、1-3月期GDP1次速報を追加し、外生変数の想定を織り込み、21-22年度の日本経済の見通しを改定した。今回、実質GDP成長率を、21年度+3.4%、22年度+2.3%と予測した。暦年ベースでは、21年+2.1%、22年+2.6%と予測した。前回(第132回)予測に比して、21年度は変化なし、22年度は+0.5%ポイント上方修正した。ワクチン接種普及が後ずれすることから、成長の加速効果を21年後半から22年にかけて発現するとした
    4.  実質GDP成長率への寄与度をみれば21年度は、民間需要(+1.7%ポイント)、純輸出(+1.2%ポイント)、公的需要(+0.5%ポイント)、すべての項目が景気を押し上げるが、民間需要、純輸出は前年度の落ち込みに比すれば回復力に欠ける22年度も、民間需要(+1.7%ポイント)、公的需要(+0.4%ポイント)、純輸出(+0.3%ポイント)と、いずれも景気を押し上げるが、純輸出の寄与度が前年から低下する
    5.  実質GDPの四半期パターンをみれば、21年4-6月期はCOVID-19感染再拡大(第4波)と3度目の緊急事態宣言の影響で停滞は避けられない。以降、ワクチン接種普及に伴うセンチメントの急回復により、潜在成長率を上回るペースが持続する。このため、コロナ禍前の水準を超えるのは22年1-3月期、コロナ禍前のピークを超えるのは10-12月期となろう。
    6.  消費者物価指数の先行きについては、通信料、エネルギー価格、宿泊料がポイントとなろう。年後半以降前年同月比プラスに転じるが、サービス価格が下押し圧力となるため、消費者物価指数の基調は低調である。結果、消費者物価コア指数のインフレ率を、21年度+0.4%、22年度+0.5%と予測する

     

    ※説明動画の一般公開は終了しました。会員企業の方は会員専用ページから閲覧可能です。

     

  • 稲田 義久

    都道府県別訪日外客数と訪問率:4月レポート No.23

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    【ポイント】

    ・JNTO訪日外客統計によれば、4月の訪日外客総数(推計値ベース)は10,900人で、前月(12,300人)から減少したが、2カ月連続で1万人を超える水準となった。伸びはCOVID-19の影響がない前々年同月(2019年4月)比でみれば-99.6%で底這いの状況が続いている。

    ・JNTO訪日外客統計を目的別にみれば、2月の総数(暫定値ベース)は7,355人(前年同月比-99.3%)となった。うち、観光客は266人(同-100.0%)、商用客は776人(同-98.9%)、その他客は6,313人(同-94.4%)であった。

    ・世界のワクチン接種状況をみれば、欧米の主要国でワクチンの普及が進み、イタリアや英国では観光に対する規制緩和が行われている。一方、日本の接種状況は欧米各国と比較すると遅れており、入国緩和の目途も依然立っていない状況となっている。

     

    【トピックス】

    ・関西4月の輸出は中国や米国の景気回復もあり、2カ月連続のプラスとなり、伸びは前月から加速した。対中貿易動向をみると、輸出の伸びは11カ月連続のプラスだが、輸入は昨年のマスクの輸入の大幅増加の裏が出たため、3カ月ぶりのマイナスとなった。

    ・財貨の輸出入は回復を示しているが、サービスの輸出入は低迷している。

    4月の関西国際空港への訪日外客数は2,341人で前月から減少。また、同月の日本人出国者数は2,965人であった。インバウンド需要、アウトバウンド需要ともに消失した状況が続く。

    ・財貨の生産は持ち直しの動きがみられるが、サービス業の回復は遅れている。

    3月の第3次産業活動指数は97.5で5カ月ぶりの前月比プラス。1-3月期では3四半期ぶりの前期比マイナスとなり、水準は前年同期から低い状況が続く。

    ・第3次産業活動指数のうち、観光関連指数は68.8で2カ月ぶりの前月比プラス。1月の落ち込みが大きかったため1-3月期では65.4となり、3四半期ぶりの前期比マイナスとなった。前年同期の水準(92.7)と比較すれば27.3ポイント低く、回復が遅れていることがわかる。

     

    ・2月の関西2府8県の延べ宿泊者数は3,077.2千人泊で、伸びは13カ月連続の前年比マイナスとなり、大幅減少が続く。

    ・うち日本人延べ宿泊者数は3,044.4千人泊で伸びは14カ月連続の前年比マイナス、外国人延べ宿泊者数は、32.8千人泊で13カ月連続の同マイナスとなった。

    ・関西の延べ宿泊者数を宿泊者の居住地別でみると、県内の延べ宿泊者数は853千人泊で伸びは3カ月連続の前年比マイナス、県外は2,063千人泊で伸びは15カ月連続の同マイナス。緊急事態宣言再発令により府県間を跨ぐ不要不急の移動が制限されたことから、特に県外の延べ宿泊者への影響が大きい。

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