研究成果

research

関西独自の景気指標の開発と応用

リサーチリーダー

主席研究員 豊原法彦 関西学院大学経済学部教授

 

研究目的

関西地域では、大阪府、兵庫県、和歌山県などが公表している景気動向指数(先行指数、一致指数、遅行指数)に基づき、景気の山と谷を決定している。その目的は景気の動向を判断することで現状を把握し、さらに将来を予測することで経済的ショックの緩和することにある。 同様の目的にために用いられる指標の1つにOECDが開発しているCLI(Composite Leading Indicators)があり、その特徴は景気に先行して変動するという点にあり、OECD各国や地域で用いられている。

利用するデータは基本的には月次データであり、各府県や機関が公表しているものを用いるので、担当部局のヒアリングを行うことで、各府県で利用可能なCLIの試算値を企業はじめ各公共機関などに提供したい。

 

研究内容

実際の景気変動よりも数か月先に変化する指標を作成することで、景気の予測が可能となる。とくに公表されたデータを用いることから、再現性も高く景気動向指数を公表していない地域においても同じ枠組みで対応することが可能となる。

いったん、ソフトウエアが開発でき、採用系列が確定できれば、あとは毎月データの更新のみで指数が計算できるようにシステムを運用することができる。

2015年度分析では関西地区を対象に段ボール生産などを用いて景気に先行して変化する指標を作成し、経済状況を予想できることが明らかとなった。それを踏まえて各府県で公表される月次データのうち、鉱工業生産指数(大阪府は工業生産指数)や雇用関係の指標、段ボールの近畿地区生産高などの項目を組み合わせることでCLIを試算する。

そして、何カ月数先行したCLI試算値とCI一致指数間における相関係数やその試算値から景気の転換点を求め、大阪府、兵庫県などが設定している景気基準日付と比較して、両者間で景気の拡大または後退局面の一致度合い(concordance指数)を計算することで採用系列を決める。

 

統括

稲田義久 APIR数量経済分析センター センター長

リサーチャー

根岸 紳 関西学院大学経済学部教授

高林喜久生 関西学院大学経済学部教授

入江啓彰 近畿大学短期大学部准教授

オブザーバー

芦谷恒憲 兵庫県企画県民部統計課参事

 

期待される成果と社会還元のイメージ

ある程度データがたまった段階で、試作CLIを公開する

試作であることを明記したうえで、関学内またはAPIRのサーバで公開することにより、情報提供するとともに、そこからのフィードバックを受けて改善したい。

研究成果

  • 2016年度報告書が完成しました。 [ 2017-04-28 ]

関連論文

  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.91- 景気足下は底打ち、先行きは回復の兆し –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・9月の生産は2カ月ぶりに前月比上昇。結果、7-9月期は2四半期ぶりのプラスだが、水準はコロナの影響が出始めた1-3月期と比べて依然10%程度低く、生産の戻りは遅い。
    ・9月の完全失業率は4カ月ぶりに前月から改善し、7-9月期は4四半期ぶりの改善となった。しかし、労働力人口や就業者数は感染拡大前の水準(1-3月期)を回復できていない。9月の有効求人倍率(受理地別)は9カ月連続の前月比悪化。7-9月期は5四半期連続の悪化となり、雇用は総じて厳しい状況が続いている。
    ・8月の関西2府4県の現金給与総額は13カ月連続の前年比減少。また、実質賃金は18カ月連続の同減少。6月を大底としマイナス幅は縮小しているものの、依然所得環境は悪化が続く。
    ・9月の大型小売店販売額は12カ月連続の前年比減少。新型コロナウイルス感染再拡大の影響と昨年増税前の駆け込み需要による反動を受けて、前月より減少幅が大幅拡大した。
    ・9月の新設住宅着工戸数は前月比+14.7%と2カ月ぶりに増加した。うち分譲マンションと貸家の寄与が大きい。7-9月期は前期比+2.4%増加し、3四半期ぶりのプラスとなった。
    ・9月の建設工事出来高は2カ月連続で前年比増加した。結果、7-9月期は小幅ながら10四半期連続の前年比増加となった。10月の公共工事請負金額は5カ月ぶりの前年比減少。
    ・10月の景気ウォッチャー現状判断DIは6カ月連続で前月から改善。Go To Travelキャンペーンの効果が旅行や小売関連業種の改善に影響したようである。
    ・10月の輸入の伸びは13カ月連続の前年比マイナスだが、輸出の伸びが8カ月ぶりにプラスに転じたため、黒字幅は同拡大した。対中輸出の回復が大きく寄与した。
    ・10月の関空の外国人入国者数は、新規入国の条件が一部緩和されたため前月から増加したが、5,381人と依然低水準が続く。
    ・中国経済は新型コロナウイルスの影響を克服しつつある。10月の貿易総額は5カ月連続で拡大し、工業生産の伸びは2カ月連続でコロナ禍直前と同程度まで回復。一方、消費の伸びは未だ昨年12月を回復していないが、電子商取引は好調が続いている。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.90- 景気は足下・先行きともに底打ちの兆し –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・8月の生産は前月比横ばい。水準は今年の生産のピークである1月と比較すると11%低く、生産の戻りは遅い。
    ・8月の完全失業率は前月比横ばい。一方、同月の有効求人倍率は8カ月連続の同悪化。就業地別では0.98倍と2014年4月以来の1倍を割り込む低水準となった。雇用は総じて厳しい状況が続く。
    ・7月の関西2府4県の現金給与総額は12カ月連続の前年比減少。就業時間調整やテレワーク推進で所定外労働時間は減少傾向。実質賃金は17カ月連続の同減少。所得環境は悪化が続く。
    ・8月の大型小売店販売額は11カ月連続の前年比減少。新型コロナウイルスの感染再拡大や猛暑により外出を控える動きが強まり、消費の回復は小幅にとどまった。
    ・8月の新設住宅着工戸数は前月比大幅減少し、2カ月ぶりのマイナス。うち貸家と分譲マンションの寄与が大きい。
    ・8月の建設工事出来高は2カ月ぶりに前年比増加した。9月の公共工事請負金額は4カ月連続の同増加となった。
    ・9月の景気ウォッチャー現状判断DIは5カ月連続で前月比改善。百貨店などの小売関連業種やGo To Travelキャンペーンで旅行関連業業種の改善が影響したようである。
    ・9月の輸出額は7カ月連続の前年比マイナスだが、減少幅は4カ月連続で縮小。対中輸出の回復と対米輸出の改善が影響した。一方、輸入額は12カ月連続の同マイナス。
    ・9月の関空の外国人入国者数は在留資格をもつ外国人の再入国が全面緩和されたこともあり、前月から幾分増加したものの、依然低水準が続いている。
    ・中国の7−9月期の実質GDPは前年同期比+4.9%と4-6月期から加速。また、1-9月期の累積ベースでは前年比+0.7%とすでに前年の水準を上回っており、通年ではプラス成長が予想される。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.89- 景気は足下・先行きともに底打ちの兆し –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・7月の生産は2カ月連続の増産。水準は4月まで回復したものの、1-3月期平均比10%程度低い。主に増産となったのは、汎用・業務用械工業、電気・情報通信機械工業等であった。
    ・7月の完全失業率は2カ月連続の悪化。企業業績の悪化を受け、解雇や雇い止めが増加した。また、同月の有効求人倍率は7カ月連続の悪化、新規求人倍率は2カ月連続の悪化であった。
    ・6月の関西2府4県の現金給与総額は名目で11カ月連続の前年比減少。就業時間調整やテレワークの推進で所定外労働時間は減少傾向にある。実質賃金は16カ月連続の同減少。所得環境は悪化が続いている。
    ・7月の大型小売店販売額は10カ月連続の前年比減少。新型コロナウイルスの感染再拡大による外出自粛、長雨の天候不順などの影響によって、消費の回復は足踏みしている。
    ・7月の新設住宅着工戸数は小幅増加し、2カ月ぶりの前月比増加。うち貸家と分譲マンションの寄与が大きい。
    ・7月の建設工事出来高は2カ月ぶりの前年比減少となった。8月の公共工事請負金額は3カ月連続の増加となった。
    ・8月の景気ウォッチャー現状判断DIは4カ月連続で前月比改善。新型コロナウイルス感染再拡大のペースが鈍化したことが影響したようである。
    ・8月の貿易収支は7カ月連続の黒字となったが、輸出入いずれも前年比減少したため、貿易総額は11カ月連続の減少。なお、輸出では鉱物性燃料が減少し、輸入では原粗油が減少した。
    ・8月の関空への外国人入国者数は在留資格をもつ外国人に対する再入国の条件が一部緩和されたこともあり、前月から幾分増加したものの、低水準が続いている。
    ・8月の中国経済は回復が続いている。消費や輸出は改善している。一方、投資は依然として前年比マイナスが続いている。早期にCOVID-19の感染拡大を封じ込めたものの、世界的に再拡大が懸念されており、先行きは引き続き注意を要する。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.88- 景気は足下悪化・先行きは底打ちの兆し –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・6月の生産は5カ月ぶりの増産となったが、水準は依然低い。結果、4-6月期は前期比-15.3%と2四半期ぶりの大幅減少。
    ・6月の完全失業率は2カ月ぶりの前月比悪化。経済活動再開を受け、職探しを再開する動きが見られるが、雇用情勢は厳しい状況が続く。また、同月の有効求人倍率は6カ月連続の悪化、新規求人倍率は2カ月ぶりの悪化となった。
    ・5月の関西2府4県の現金給与総額は名目で10カ月連続の前年比減少。営業時間短縮や休業で労働時間が大幅に減少したため。実質賃金は15カ月連続の同減少。下落幅も前月から拡大しており、所得環境の悪化が加速している。
    ・6月の大型小売店販売額は9カ月連続の前年比減少だが、緊急事態宣言解除の影響もあり、減少幅は前月より更に縮小。4-6月期の大型小売店販売額は3四半期連続の前年比減少となった。
    ・6月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比減少。分譲マンションの減少による影響が大きい。結果、4-6月期の新設住宅着工戸数は2四半期連続の前期比減少となった。
    ・6月の建設工事出来高は2カ月ぶりの増加となった。結果、4-6月期は9四半期連続の前年比増加。7月の公共工事請負金額は2カ月連続の増加となった。
    ・7月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続で前月比改善だが、依然として低水準である。先行きは新型コロナウイルスの感染再拡大の影響により景況悪化が懸念されている。
    ・7月の輸出入はいずれも前年比減少したが貿易収支は6カ月連続の黒字となった。このため貿易総額は10カ月連続で減少した。輸出では鉄鋼が減少し、輸入では原油及び粗油が減少した。
    ・7月の関空への外国人入国者数は834人と前月から幾分増加したものの低水準が続いており、依然として厳しい状況である。
    ・中国7月の工業生産と投資は継続的に回復しているが、消費の回復は依然力強さを欠いている。このため国内の需給ギャップの改善は見込めず、加えて米中貿易摩擦の再燃等もあり、景気回復の持続可能性について注視する必要がある。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.87- 景気は足下悪化・先行き大幅な悪化を見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・5月の生産は4カ月連続で減産が続いた結果、80.7(2015年=100)に低下した。1993年以降で最も低い値。業種別では生産用機械工業、汎用・業務用機械工業等が大幅減産となった。
    ・6月の貿易収支は5カ月連続の黒字だが、輸出入ともに前年比減少。コロナ禍の影響もあり、輸出では欧米向けの建設用・鉱山用機械の減少が大きい。輸入では医薬品や在宅勤務の需要から事務用機器が増加した。
    ・6月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で前月比改善。緊急事態宣言が全面解除されたことで、特に百貨店やコンビニ、家電量販店などで比較的堅調な回復がみられる。
    ・4月の関西2府4県の現金給与総額は名目で9カ月連続の前年比減少。営業時間短縮や休業で所定外労働時間が大幅に減少したため。実質賃金は14カ月連続の同減少。所得環境は悪化が続く。
    ・5月の大型小売店販売額は8カ月連続の前年比減少だが、減少幅は前月より縮小し、下げ止まった。スーパーは飲食料品の好調が続き、食堂・喫茶以外の品目に回復が見られた。百貨店は4月の状況から国内市場に改善がみられ減少幅が縮小した。
    ・5月の新設住宅着工戸数は前月比+16.1%と大幅に増加し、2カ月ぶりのプラス。うち分譲マンションの寄与が大きい。
    ・5月の有効求人倍率は5カ月連続で前月比悪化し、下落幅も拡大した。緊急事態宣言解除を受け、求職者は増加したが、サービス業を中心に求人数の減少が続いている。
    ・5月の建設工事出来高は17カ月ぶりのマイナスとなった。一方、6月の公共工事請負金額は2カ月ぶりの増加となった。
    ・6月の関空への外国人入国者数は577人と前月の過去最低値から幾分増加したものの、依然低水準が続いている。
    ・中国4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+3.2%で、前期の大幅マイナス成長から10%ポイント改善した。政府の政策により生産は回復してきたが、依然消費と投資の改善は遅れている。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.86- 景気は足下悪化・先行き大幅な悪化を見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・4月の生産は3カ月連続の前月比マイナス。2009年8月以来の低水準となった。近畿経済産業局は基調判断を「生産は急速に低下している」と前月から下方修正した。
    ・5月は輸出入ともに前年比大幅減少した。特に輸入の減少が大きく、前月に引き続き織物用糸及び繊維製品(主に中国から)は増加したものの、原油及び粗油の大幅減が影響した。結果、貿易収支は4カ月連続の黒字だが、黒字幅は縮小した。
    ・5月の景気ウォッチャー現状判断DIは過去最低値だった前月から4カ月ぶりの改善。緊急事態宣言が解除されたことで、スーパーや家電量販店などの一部の業種では幾分改善がみられる。
    ・3月の関西2府4県の現金給与総額は名目で8カ月連続、実質では13カ月連続で前年比減少。所得環境は悪化が続く。
    ・4月の大型小売店販売額は7カ月連続の前年比減少。マイナス幅は前月から拡大した。巣ごもり需要の増加でスーパーの売上は好調だが、百貨店はインバウンド需要の蒸発に加え、国内客の外出自粛と各社の営業自粛で過去最大のマイナス幅となった。
    ・4月の新設住宅着工戸数は前月比-20.6%大幅減少し、3カ月ぶりのマイナス。全ての住居形態で大幅に減少している。
    ・4月の有効求人倍率は4カ月連続で前月比悪化し下落幅は全国を上回った。対面型の産業を中心に新規求人数の減少が大きい。完全失業率も5カ月連続の上昇。雇用環境は悪化が続いている。
    ・4月の建設工事出来高は16カ月連続の前年比プラスだが、小幅な伸びが続いている。一方、5月の公共工事請負金額は3カ月ぶりの大幅減少となった。
    ・5月の関空への外国人入国者数は181人と前月の過去最低値を更新した(前年比-100.0%)。外国人の上陸拒否の措置が続いており、訪日外客の急速な回復はしばらく期待しづらい。
    ・中国5月の経済指標の多くは改善したが、投資と消費は前年の水準を下回っている。延期されていた全人代では、成長率目標の公表が見送られた。また、6月上旬に北京を襲った新型コロナウイルスは第2波につながる可能性もあり、注視すべきである。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.85- 景気は足下悪化・先行きも悪化を見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・3月の生産は2カ月連続の前月比マイナス。足下の生産に弱さがみられることから近畿経済産業局は同月の基調判断を、「生産は緩やかな低下傾向」と前月から下方修正した。
    ・4月は輸出入ともに前年比減少したが、輸入の減少幅が前月よりも縮小した。この背景には、対中輸入の7カ月ぶりの増加がある。中でもマスクと携帯が大きく寄与した。
    ・4月の景気ウォッチャー現状判断DIは過去最低値を2カ月連続で更新した。これまで関西は全国を上回っていたが、この4カ月は全国よりも下回っており、景況感の急激な悪化が確認できる。
    ・2月の関西2府4県の現金給与総額は名目で7カ月連続、実質では12カ月連続で前年比減少。所得環境は悪化が続いている。
    ・3月の大型小売店販売額は6カ月連続の前年比減少。前月に続き、スーパーの売上は好調だったが、百貨店は訪日外客数の激減や、国内客の外出自粛と時短営業・臨時休業の実施によって過去最大の減少幅となった。
    ・3月の新設住宅着工戸数は2カ月連続で前月比増加だが、小幅な伸びにとどまった。持家と貸家の増加が分譲マンションの減少と相殺され、全体では前月からほぼ横ばいとなった。
    ・3月の有効求人倍率は3カ月連続で前月比悪化。新型コロナウイルス感染拡大の影響で対面型産業を中心に新規求人数が減少した。完全失業率も4カ月連続の上昇。雇用環境は悪化している。
    ・3月の建設工事出来高は25カ月連続の前年比プラスだが、小幅な伸びが続いている。一方、4月の公共工事請負金額は2カ月連続の同増加となった。
    ・4月の関空への外国人入国者数は401人と過去最低値となった(前年比-99.9%)。5月に入り、外国人の上陸拒否対象地域は100地域に拡大しており、今後も急速な制限の見直しは期待できない。そのため訪日外客の戻りはさらに後ずれする可能性が高い。
    ・中国4月のPMIは製造業と非製造業ともに景気分岐点を上回ったものの、新規輸出受注指数は低迷している。生産活動は回復しつつある一方、消費と投資の伸びは未だにマイナスである。欧米経済の急減速により輸出市場の停滞が中国経済の下振れリスクを高めている。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.84- 景気は足下悪化・先行きも悪化を見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・2月の生産は3カ月ぶりの前月比マイナス。生産は依然低調で推移している。このため、近経局は基調判断を「生産は弱含み傾向」と前月から下方修正した。
    ・3月の貿易収支は2カ月連続の黒字だが、前月と比べて黒字幅は縮小している。輸出が減少に転じ、輸入の減少幅が縮小したためである。
    ・3月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で前月比大幅低下し、過去最低の水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大により業種を問わず落ち込みが目立った。
    ・1月の関西2府4県の現金給与総額は名目で6カ月連続、実質では11カ月連続で前年比減少。所得環境は依然悪化している。
    ・2月の大型小売店販売額は5カ月連続で前年比減少した。新型コロナウイルス感染拡大による買いだめと巣ごもり消費でスーパーは増加したが、百貨店は訪日外客数の急減で大幅減少した。
    ・2月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前年比減少。分譲マンションは増加したが、持家と貸家の減少が大きく影響した。
    ・2月の有効求人倍率は2カ月連続で前月から悪化。求人票の記載項目の増加と新型コロナウイルス感染拡大の影響で求人数が減少したため。完全失業率も3カ月連続で悪化した。
    ・2月の建設工事出来高は24カ月連続の前年比プラスだが、伸びは減速している。一方、3月の公共工事請負金額は2カ月ぶりの同増加となった。
    ・新型コロナウイルス感染拡大により、3月の関空への外国人入国者数は前年比-95.1%と2カ月連続の大幅マイナス。世界的な移動制限により渡航に対しては高水準の警戒が続こう。
    ・1-3月期中国のGDPは四半期統計が利用可能な1992年以降で初めてのマイナス(前年同期比-6.8%)となった。足下、生産停止による供給不足は徐々に解消しているが、世界経済の後退による外需の縮小は今後一層中国経済下押し要因となろう。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.83- 景気は足下悪化・先行きも悪化を見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / KARAVASILEV, Yani / 野村 亮輔 / 車 競飛 / 吉田 茂一 / CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    – 景気は足下悪化・先行きも悪化を見込む –

    ・1月の生産は2カ月連続の前月比プラスだが、10-11月の減産からの戻りが遅い。このため、近経局は基調判断を「生産はこのところ弱含み」と前月から据え置いた。
    ・2月の貿易収支は2カ月ぶりに黒字に転じたが、内容は良くない。新型コロナウイルスの影響で対中輸入が急減しており、貿易総額は昨年9月を除けば、2018年12月から縮小している。
    ・2月の景気ウォッチャー現状判断DIは、新型コロナウイルスの感染拡大により、2011年4月以来の低水準となった。特に、インバウンド関連産業を中心に悪化が目立っている。
    ・12月の関西2府4県の現金給与総額は名目で5カ月連続、実質では10カ月連続で前年比減少した。結果、2019年通年では実質賃金は2年連続で減少した。
    ・1月の大型小売店販売額は4カ月連続で前年を下回った。増税後の回復は前回よりも遅れ、百貨店は外商部門、スーパーは季節商品が低迷した。なお、2月の関西百貨店免税売上高は前年比-71.9%と大幅な減少となった。
    ・1月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前年比減少。消費増税以後、12月を除きマイナスが続いている。
    ・1月は求人数が減少し、求職者数が増加したため、有効求人倍率(1.50倍)は2カ月ぶりに前月から悪化。完全失業率(2.6%)も3カ月ぶりに悪化した。
    ・1月の建設工事出来高は23カ月連続の前年比増加だが、伸びは減速。2月の公共工事請負金額は7カ月ぶりに同減少した。
    ・新型コロナウイルス感染拡大により、2月の関空への外国人入国者数は前年比-66.0%と大幅なマイナス。2011年4月以来の落ち込みとなった。
    ・新型コロナウイルスの感染拡大により2月の中国の製造業PMIは35.7と大幅悪化し、リーマンショック期の水準を下回った。現在、中国本土では収束傾向が見られるが、その他の国・地域では感染が拡大している。経済活動の低迷が世界的に広がることで、景気の先行き不透明感が急速に強まっている。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.82- 景気は足下悪化・先行きも悪化を見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / KARAVASILEV, Yani / CAO THI KHANH NGUYET / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    – 景気は足下悪化・先行きも悪化を見込む –
    ・12月の生産は3カ月ぶりの前月比プラスだが、10-12月期は前期比-6.6%と2四半期ぶりの大幅マイナスとなり、リーマンショック期以来の落ち込みとなった。
    ・1月の貿易収支は8カ月ぶりの赤字に転じた。また、貿易総額は昨年9月を除けば、2018年12月以降縮小が続いている。対中貿易における新型肺炎の影響はこれからである。
    ・1月の景気ウォッチャー現状判断DIは、駆け込み需要が発生した9月以来4カ月ぶりの前月比改善。関西、全国ともに消費増税の影響がやや緩和されてきたものの、先行きはインバウンド市場を中心に新型肺炎感染拡大の影響に警戒感が強まっている。
    ・11月の関西2府4県の現金給与総額は4カ月連続で前年比減少、実質賃金も9カ月連続で同減少した。所得環境は悪化している。
    ・12月の大型小売店販売額は3カ月連続で前年を下回った。増税後の消費の回復は前回よりも遅れている。百貨店、スーパーとも暖冬で季節商品が低調であった。
    ・12月の新設住宅着工戸数は5カ月ぶりに前年比増加。持家と貸家は減少したが、分譲は大幅に増加したため。結果、2019年通年では2年ぶりの減少であった。
    ・12月の有効求人倍率は8カ月ぶりの前月比改善だが、完全失業率は2カ月ぶりの悪化。2019年通年は、有効求人倍率は10年連続、完全失業率は7年連続で改善した。
    ・12月の建設工事出来高は22カ月連続の前年比増加。結果、2019年通年では4年連続で増加した。1月の公共工事請負金額は6カ月連続で前年比増加し、また全ての府県で同増加した。
    ・1月の関空への外国人入国者数は2カ月ぶりの前年比プラス。新型肺炎の影響は統計にはまだ出てきていないが、今後の動向には注視する必要がある。
    ・新型肺炎の影響で中国の統計の発表が遅れている。更なる拡大を防遏するため、外出や移動が制限されている。湖北省以外では2月10日から出社と生産再開が徐々に進んでいるが、景気の先行きについては警戒感が高まっている。

     

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