研究成果

research

関西独自の景気指標の開発と応用

リサーチリーダー

主席研究員 豊原法彦 関西学院大学経済学部教授

 

研究目的

関西地域では、大阪府、兵庫県、和歌山県などが公表している景気動向指数(先行指数、一致指数、遅行指数)に基づき、景気の山と谷を決定している。その目的は景気の動向を判断することで現状を把握し、さらに将来を予測することで経済的ショックの緩和することにある。 同様の目的にために用いられる指標の1つにOECDが開発しているCLI(Composite Leading Indicators)があり、その特徴は景気に先行して変動するという点にあり、OECD各国や地域で用いられている。

利用するデータは基本的には月次データであり、各府県や機関が公表しているものを用いるので、担当部局のヒアリングを行うことで、各府県で利用可能なCLIの試算値を企業はじめ各公共機関などに提供したい。

 

研究内容

実際の景気変動よりも数か月先に変化する指標を作成することで、景気の予測が可能となる。とくに公表されたデータを用いることから、再現性も高く景気動向指数を公表していない地域においても同じ枠組みで対応することが可能となる。

いったん、ソフトウエアが開発でき、採用系列が確定できれば、あとは毎月データの更新のみで指数が計算できるようにシステムを運用することができる。

2015年度分析では関西地区を対象に段ボール生産などを用いて景気に先行して変化する指標を作成し、経済状況を予想できることが明らかとなった。それを踏まえて各府県で公表される月次データのうち、鉱工業生産指数(大阪府は工業生産指数)や雇用関係の指標、段ボールの近畿地区生産高などの項目を組み合わせることでCLIを試算する。

そして、何カ月数先行したCLI試算値とCI一致指数間における相関係数やその試算値から景気の転換点を求め、大阪府、兵庫県などが設定している景気基準日付と比較して、両者間で景気の拡大または後退局面の一致度合い(concordance指数)を計算することで採用系列を決める。

 

統括

稲田義久 APIR数量経済分析センター センター長

リサーチャー

根岸 紳 関西学院大学経済学部教授

高林喜久生 関西学院大学経済学部教授

入江啓彰 近畿大学短期大学部准教授

オブザーバー

芦谷恒憲 兵庫県企画県民部統計課参事

 

期待される成果と社会還元のイメージ

ある程度データがたまった段階で、試作CLIを公開する

試作であることを明記したうえで、関学内またはAPIRのサーバで公開することにより、情報提供するとともに、そこからのフィードバックを受けて改善したい。

研究成果

  • 2016年度報告書が完成しました。 [ 2017-04-28 ]

関連論文

  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.111-景気は足下、先行きともに改善を引き続き見込む:消費は緩やかに持ち直すも、物価上昇による下押し圧力に注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 山守 信博

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに引き続き改善を見込む。足下、雇用環境・消費は緩やかに持ち直している。一方、センチメントは食料品などの価格上昇が悪影響し現状判断は悪化。先行きは物価上昇による消費への下押し圧力に注意が必要である。
    ・COVID-19の新規陽性者数は6月21日を底に増加に転じる。7月に入り増加のペースが拡大し、第7波は第6波のピークを超えた。
    ・5月の鉱工業生産は2カ月ぶりの前月比低下した。輸送機械や電気・情報通信機械が大幅減産したこともあり、2020年5月以来の大幅落ち込みとなった。
    ・5月は失業率が改善したものの、就業者数と労働力人口は減少に転じた。ただし、就業者数と労働力人口の4‐5月平均は、1-3月平均に比して増加傾向を維持している。また、有効求人倍率は2カ月連続で改善した。総じて、雇用情勢は改善傾向にある。
    ・4月の関西2府4県の現金給与総額は、名目で14カ月連続の前年比増加となり、4カ月連続でコロナ禍前の水準を超えた。一方実質では、消費者物価指数の上昇により、2カ月連続の減少となった。物価高は当面続くと見込まれるため、実質賃金はマイナスで推移していくだろう。
    ・5月の大型小売店販売額は8カ月連続で前年比増加した。うち、スーパーは内食需要の鈍化と食品価格の上昇から2カ月連続の減少。百貨店は3年ぶりの行動制限のないGWによる来客増などにより3カ月連続で増加した。
    ・5月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前月比減少。持家、貸家、分譲のすべてにおいて減少。特にマンションは2カ月連続で大幅減少した。
    ・5月の建設工事出来高は3カ月連続の前年比増加。公共工事出来高は4カ月ぶりの小幅減少となった。4-6月期の公共工事請負金額は前期比大幅拡大した。公共工事には反転の兆しがみられる。
    ・6月の景気ウォッチャー現状判断DIは4カ月ぶりに前月比悪化。先行き判断DIも5カ月ぶりの悪化。現状、先行きとも物価上昇による消費マインドの低下や企業収益悪化の懸念が影響した。
    ・6月の貿易収支は2カ月ぶりの黒字となったが、4-6月期でみれば3四半期連続で前年比縮小し、マイナス幅は2四半期連続で拡大した。輸入の増加幅が輸出の増加幅を上回る状況が続く。
    ・6月の関空への外国人入国者数は3カ月連続で2万人超となった。段階的な入国緩和の影響で、4-6月期は7万人超と1-3月期の1万人超から大幅増加した。
    ・中国の4-6月期実質GDPは前年同期比+0.4%と、辛うじてプラス成長を維持したが、前期比年率では-10.4%と失速した。雇用と内需の回復が鈍いことに加えて、オミクロン株派生型の感染拡大によるゼロコロナ政策のリスクもあるため、7-9月期の景気については大幅な改善は見込めない。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.110-景気は足下、先行きともに改善を見込む: 中国経済の減速リスクもサービス支出中心の回復に期待-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 山守 信博

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに改善を見込む。足下、行動制限がない大型連休(GW)で人流が回復し、センチメントは改善。先行きは、中国のゼロコロナ政策による経済減速と原材料高等は海外からのリスク要因だが、国内的にはサービス支出中心の回復が期待される。
    ・COVID-19の新規陽性者数はGW後減少傾向で推移してきた。しかし6月中旬以降、減少の推移に鈍化がみられる。
    ・4月の鉱工業生産は2カ月ぶりの前月比上昇。生産用機械や輸送用機械などの増産が影響した。
    ・4月は経済活動の正常化を受け、労働需給双方が拡大した。ただし、労働力人口の増加に比して、就業者数の回復が小幅にとどまったため、完全失業率は3カ月ぶりに前月から上昇。また、有効求人倍率は2カ月ぶりに改善した。
    ・3月の関西2府4県の現金給与総額は、名目で13カ月連続の前年比増加し、3カ月連続でコロナ禍前の水準を超えた。一方実質では、消費者物価指数の上昇により、3カ月ぶりの減少となった。
    ・4月の大型小売店販売額は7カ月連続の前年比増加となったが、全国に比して消費の回復は弱い。うち、スーパーは内食需要が鈍化し3カ月ぶりの減少。百貨店は前年の営業時間短縮や休業の反動で2カ月連続の増加となった。
    ・4月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比減少。貸家は増加したが持家、分譲が減少に寄与。うちマンションは前月の反動で大幅減少した。
    ・4月の建設工事出来高は2カ月連続の前年比増加。公共工事出来高は3カ月連続の増加となった。5月の公共工事請負金額も3カ月連続で増加しており、減少傾向が続く全国に比して好調が続いている。
    ・5月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続で前月比改善。行動制限のないGWによる人流の大幅増加で景況感は改善した。先行き判断DIも4カ月連続改善だが、中国のゼロコロナ政策による悪影響には注視が必要である。
    ・5月の貿易収支は4カ月ぶりの赤字。燃料価格の高騰により輸入が過去最高額を更新したことによる。地域別にみれば、中国の物流停滞解消により対中輸入が増加したことで、対中貿易赤字は拡大した。
    ・5月の関空への外国人入国者数は入国者数上限引き上げの影響もあり、2万7,161人と2カ月連続で2万人超の水準となった。
    ・5月の中国経済は、上海市で経済活動が段階的に再開されたため、生産再開の動きが見られ、工業生産は前月からプラスに転じ、輸出も拡大した。一方、雇用に改善は見られず、内需が低迷している。6月にもゼロコロナ政策の影響が続くと見られるため、4-6月期の中国経済には下押し圧力となろう。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.109-景気は足下局面変化、先行きは改善を示唆: 消費回復期待も中国経済減速による景気下振れに注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 山守 信博

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下局面変化、先行きは改善を示唆。足下、感染状況が落ち着きセンチメントは改善した。先行きについては、中国の「ゼロコロナ政策」堅持による景気の下振れリスクには注意が必要である。
    ・COVID-19の新規陽性者数はGW後の再拡大も懸念されたが、5月18日現在6,168人となっている。3回目のワクチン接種については、若年層の接種率の低さが課題である。
    ・3月の鉱工業生産は電子部品・デバイスや電気・情報通信機械などの減産が影響し3カ月ぶりの前月比低下。1-3月期は1-2月の増産が影響し、3四半期ぶりの前期比上昇となった。
    ・3月の完全失業率は2カ月連続で前月から改善。また、有効求人倍率は前月から横ばい。1-3月期は、完全失業率と有効求人倍率ともに2四半期ぶりに改善した。雇用情勢は総じて回復が見られるが、力強さを欠く。労働力人口と就業者数はともにコロナ禍前の水準に及ばず、休業率も高止まりしている。
    ・2月の関西2府4県の現金給与総額は、名目で12カ月連続の前年比増加でコロナ禍前とほぼ同水準となった。一方、消費者物価指数の上昇により、実質での増加幅は前月より縮小し小幅にとどまった。
    ・3月の大型小売店販売額はまん延防止等重点措置の解除もあり、6カ月連続の増加となった。うち、スーパーは内食需要が依然堅調で2カ月連続の増加。百貨店は衣料品や身の回り品が好調で2カ月ぶりの増加となった。
    ・3月の新設住宅着工戸数は8カ月ぶりの前月比大幅増加で、コロナ禍前の19年12月以来の水準。ただし、1-3月期では2四半期連続で前期比減少した。
    ・3月の建設工事出来高は2カ月連続の前年比増加。公共工事出来高は30カ月連続の同増加と堅調である。4月の公共工事請負金額も2カ月連続で増加しており、出来高、請負金額ともに減少傾向が続く全国に比して好調が続いている。
    ・4月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で前月比改善。人流の回復もあり飲食業や旅行業などが改善した。先行き判断DIは3カ月連続の改善だが、ロシアのウクライナ侵攻や原材料高の影響が懸念されている。
    ・4月の貿易収支は3カ月連続の黒字だが、輸出入ともに伸びは前月から減速していることに注意。地域別にみれば、対中貿易は上海市をはじめとする各地のロックダウンの影響を受け、輸出入ともに前年比大幅減少している。
    ・4月の関空への外国人入国者数は2万1,616人。1日当たり入国者数の上限が緩和された影響もあり、2020年3月以来の水準となった。
    ・4月の中国経済は、「ゼロコロナ政策」に伴う厳格な行動制限により、多くの経済指標は武漢のロックダウン以来の冷え込みとなっている。中国政府は同政策を堅持しており、このため4-6月期の中国経済への下押し圧力となろう。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.108-景気は足下、先行きともに局面変化へ: 国際情勢一層の悪化による景気下振れリスクに注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに局面変化を見込む。足下では雇用・所得環境は幾分改善だが、消費は小幅増加にとどまった。先行きはウクライナ情勢影響長期化や中国の都市封鎖等、景気の下振れリスクに注意が必要である。
    ・COVID-19の新規陽性者数は、2月中旬をピークに減少が続いた。しかし新たな変異株の発現で、3月26日を底に拡大傾向へと転じた。足下は再び減少傾向を示しているものの、第5波のピークを依然上回っている。
    ・2月の鉱工業生産は2カ月連続の前月比上昇。主に電気・情報通信機械、輸送機械、電子部品・デバイスなどが上昇に寄与した。
    ・2月の完全失業率は失業者数の減少により2カ月ぶりに前月から改善。ただ、休業率は依然高止まっており、厳しい雇用情勢が続いていると言えよう。有効求人倍率は、求職者数の減少により、2カ月連続の小幅上昇となった。
    ・1月の関西2府4県の現金給与総額は名目及び実質ともに前年比大幅増加した。ただし、消費者物価の上昇基調は続いており、今後の実質賃金の先行きには注意が必要である。
    ・2月の大型小売店販売額は5カ月連続の前年比増加だが小幅にとどまった。感染拡大による外出自粛が影響した。うち、スーパーは内食需要によるまとめ買い等で4カ月ぶりの増加となったが、百貨店の売上は低調であった。
    ・2月の新設住宅着工戸数は7カ月連続の前月比減少。主に持家の減少が寄与し2カ月連続での1万戸割れとなった。ウクライナ情勢の緊迫化による原材料の流通停滞等で価格の上昇が懸念され、先行きは下押し圧力となろう。
    ・2月の建設工事出来高は前年比横ばいとなったが、公共工事出来高は29カ月連続の同増加と堅調。3月の公共工事請負金額も2カ月連続の増加となった。減少傾向の続く全国に比して関西は好調であった。
    ・3月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月ぶりの前月比改善。まん延防止等重点措置解除が飲食業や宿泊業などに好影響した。先行き判断DIは2カ月連続の改善だが、ウクライナ情勢の緊迫化による原材料価格急騰が懸念される。
    ・3月の貿易収支は2カ月連続の黒字だが、輸入の伸びは高水準で推移し、輸出は減速傾向のため、黒字幅は縮小が続く。なお、中国上海市などのロックダウンの影響により、先行き対中輸出の停滞が懸念される。
    ・3月の関空への外国人入国者数は水際対策の緩和が影響し、前月から大幅増加。2021年1月以来の1万人超となった。
    ・中国の1-3月期実質GDPは前年同期比+4.8%と4四半期ぶりに前期から加速した。しかし前期比では減速しており、全人代の目標成長率を下回った。「ゼロコロナ」政策により、物流停滞や工場停止等が懸念され、4-6月期の景気は減速すると予想される。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.107-景気は足下、先行きともに局面変化へ: 国際情勢や原油高による下押し圧力が懸念材料-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに局面変化を見込む。足下の所得環境は弱く、消費も人流抑制で減少。センチメントも悪化した。先行きはロシアのウクライナ侵攻で国際商品市況が急騰し、景気の下押し圧力が高まっている。
    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数は、2月中旬にピークを打ち、足下では第6波のピーク時の3割程度まで減少した。まん延防止等重点措置の解除を受け、今後緩やかではあるがサービス消費の回復が見込まれる。
    ・1月の鉱工業生産は2カ月ぶりの前月比上昇。主に生産用機械、化学工業(除.医薬品)、電子部品・デバイスなどの増産が好影響した。
    ・1月の完全失業率は2カ月ぶりの前月差悪化。感染拡大に伴い非労働力人口が増加し就業者数が減少。雇用環境は悪化している。有効求人倍率は7カ月ぶりの上昇だが小幅にとどまり、緩やかに回復する全国と比べ差が広がっている。
    ・12月の関西2府4県の現金給与総額は名目で10カ月連続の前年比増加だが、伸びは小幅にとどまった。実質では4カ月連続の同減少で、マイナス幅も前月から拡大。通年では名目で3年ぶり、実質で4年ぶりの増加だが、コロナ禍の大幅落ち込みからの回復としては弱い。
    ・1月の大型小売店販売額は4カ月連続の前年比増加だが、2019年同月と比べて前月からマイナス幅は拡大。感染拡大でスーパーは内食需要の増加でマイナス幅は縮小。一方、百貨店は来店客数が急速に減少し、売上が悪化した。
    ・1月の新設住宅着工戸数は6カ月連続の前月比減少。主に貸家の大幅な減少が寄与した。足下は弱含みとなり、減少傾向が続いている。先行きはオミクロン株の感染拡大による住宅展示場への客足の減少、マンションの平米単価の高騰による需要減少等の下押し圧力が強まっている。
    ・1月の建設工事出来高は関西、全国ともに前年比減少が続いている。公共工事出来高は関西では増勢基調が続くが、全国は低調。2月の公共工事請負金額は関西、全国ともに減少が続いている。
    ・2月の景気ウォッチャー現状判断DIは、まん延防止等重点措置の延長により飲食や宿泊などの業種が悪影響を受け、2カ月連続の前月比悪化。先行き判断DIは5カ月ぶりに改善したものの、原材料価格高騰の懸念もみられる。
    ・2月の貿易収支は2カ月ぶりの黒字となった。医薬品やエネルギー関連の輸入増加が続くものの、アジア向け半導体等電子部品の輸出が好調であったため。
    ・2月の関空への外国人入国者数は3,499人と前月とほぼ同水準。外国人の新規入国停止継続が影響し、低水準が続く。
    ・1-2月期の中国経済は、生産の加速や、春節と冬期オリンピックの影響で消費が好調と安定基調が続いている。一方で国際商品市況の高騰で生産者物価が依然高水準であり、今後の国際情勢次第では、その加速が懸念されている。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.106-景気は足下、先行きともに足踏み: 原油高とオミクロン株拡大によるリスクが高まる-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに足踏みを見込む。生産や消費は足下で幾分改善したが所得環境は弱く、センチメントも感染拡大で悪化が見込まれる。
    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日間移動平均)は、12月下旬以降急増していたが2月中旬にピークを打った。足下では新規陽性者数は減少傾向が見られるが、確保病床使用率は高水準で医療提供体制の逼迫が続く。
    ・12月の鉱工業生産は2カ月連続の前月比上昇だが、上昇幅は小幅にとどまった。2021年平均は3年ぶりのプラスだが、コロナ禍前の水準を下回った。
    ・12月の完全失業率は3カ月ぶりの小幅改善、有効求人倍率は4カ月連続の横ばい。緊急事態宣言解除後も雇用の改善は遅れている。10-12月期では、完全失業率は前期差横ばい、有効求人倍率は4四半期ぶりの小幅悪化。結果、通年ではいずれも2年連続で悪化しており、回復は遅れている。
    ・11月の関西2府4県の現金給与総額は名目で9カ月連続の前年比増加だが、伸びは小幅にとどまった。消費者物価の上昇基調が続いており、実質賃金は3カ月連続の同減少でマイナス幅も前月から拡大した。所得環境は悪化が続く。
    ・12月の大型小売店販売額は3カ月連続の前年比増加。新規陽性者数が低水準であることを背景に、外出機運の高まりや年末商戦の活況により、百貨店を中心に回復が続いた。結果、10-12月期は2四半期ぶり、通年は4年ぶりの前年比増加となった。
    ・12月の新設住宅着工戸数は3カ月連続の前月比減少。持家と分譲の減少が寄与した。これまで回復基調にあったものの、足下では減速傾向が目立つ。結果、10-12月期は3四半期ぶりのマイナスとなった。通年では2018年以降低迷していた貸家の大幅な回復により、3年ぶりの増加となった。
    ・12月の公共工事出来高は27カ月連続の前年比増加と、全国(6カ月連続の同減少)に比して好調。公共工事請負金額は関西、全国共に減少が続いている。1月は全国でマイナス幅が拡大したが、関西は縮小した。
    ・1月の景気ウォッチャー現状判断DIは、オミクロン株による感染急拡大で飲食やサービス関連が悪影響を受け、5カ月ぶりの前月比大幅悪化。先行き判断DIも感染状況の改善が依然不透明なこともあり、3カ月連続で悪化した。
    ・1月の貿易収支は24カ月ぶりの赤字となった。輸入が12カ月連続の増加に加え過去最高額となったため。品目別では、医薬品輸入が月別過去最高額となったことと、エネルギー関連の輸入増加が影響した。また、地域別では、春節の影響で中国からの輸入が増加した。
    ・1月の関空への外国人入国者数は3,496人と、外国人新規入国停止が継続されている影響もあり、低水準が続いている。
    ・中国1月のPMIは製造業では3カ月ぶり、非製造業では2カ月ぶりに、ともに前月から悪化した。また、石炭や鋼材などの価格低下の影響から、生産者物価指数は3カ月連続で減速し、5カ月ぶりに1桁の伸びとなった。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.105-景気は足下、先行きともに足踏み: 半導体不足は緩和だが、オミクロン株拡大リスクが懸念-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに足踏みを見込む。半導体不足が幾分緩和されたが、オミクロン株拡大リスクの懸念で先行きのセンチメントは悪化した。
    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、12月下旬に増加に転じた後、急激に増加し、足下では第5波のピークを2.5倍上回り過去最高を更新した。確保病床使用率も上昇し、医療提供体制の逼迫が懸念される。
    ・11月は半導体不足等の影響が幾分緩和されこともあり、輸送機械が増産した結果、鉱工業生産は5カ月ぶりに前月比上昇した。
    ・11月の完全失業率は2カ月連続の悪化。感染状況が落ち着いた9-11月の変化を均すと労働力人口と就業者数が減少しており、労働市場改善の足取りは鈍い。11月の有効求人倍率は3カ月連続の前月差横ばい。
    ・10月の関西2府4県の現金給与総額は名目で8カ月連続の前年比改善だが、伸びは小幅にとどまった。消費者物価が上昇に転じたため、実質賃金は2カ月ぶりの同減少。所得環境は悪化している。
    ・11月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比増加。新規陽性者数が低水準で推移したことで人流の増加傾向が続き、百貨店を中心に回復が見られた。ただし、前々年同月比では依然低水準となっている。
    ・11月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前月比減少。持家と貸家の減少が寄与した。回復は鈍化したが、低迷していたアパートローンにも底打ちが見られることから、今後も持ち直しの基調が続こう。
    ・11月の公共工事出来高は26カ月連続の前年比増加と、全国に比して好調。一方、12月の公共工事請負金額は関西、全国共に大幅減少が続いている。
    ・12月の景気ウォッチャー現状判断DIは、クリスマスや年末商戦などの好調もあり、4カ月連続の前月比改善だが、オミクロン株の感染拡大懸念もあり小幅にとどまった。一方、先行きは感染拡大や原材料価格上昇の懸念の高まりから2カ月連続で悪化した。
    ・12月の輸出は10カ月連続、輸入は11カ月連続の前年比増加。貿易収支は23カ月連続の黒字。輸出は半導体等電子部品が、輸入はエネルギー関連が引き続き増加に寄与。通年では輸出は半導体等電子部品、建設用・鉱山用機械の好調で過去最高額を更新した。輸入は医薬品に加え、エネルギー関連の増加により、2014年に次ぐ大きさとなった。
    ・12月の関空への外国人入国者数は、外国人新規入国停止の影響もあり2,737人と前月(3,678人)から減少。通年では4万1,119人と、1994年の開港以来、過去最低となった。
    ・中国10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比+4.0%と7四半期連続のプラスだが、前期から-0.9%ポイント減速した。20年は、COVID-19の影響もあり前年比+2.2%の低成長だったが、21年は同+8.1%と回復し11年以来の高成長となった。また、「政府工作報告」の目標値(6.0%)を上回った。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.104-景気は足下、先行きともに足踏み: 半導体不足による減産に加え、新変異株拡大リスクに注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・ 関西の足下の景気は足踏みしており、先行きも足踏みを見込む。半導体不足で関連産業の大幅減産が続く。また、新変異株による感染拡大リスクなどの懸念から先行きのセンチメントは悪化した。
    ・ 関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、8月下旬以降減少し、足下低水準が続く。先行きは新変異株拡大により国内旅行需要やサービス消費の回復に水を差す可能性が懸念されている。
    ・ 10月は半導体不足等の影響もあり、電気情報通信機械や電子部品・デバイスが減産した結果、鉱工業生産は4カ月連続で前月比低下した。
    ・ 10月の完全失業率は6カ月ぶりの小幅悪化。緊急事態宣言は解除されたものの、労働力人口と就業者数は減少し、労働市場の改善は遅れている。10月の有効求人倍率は2カ月連続の前月差横ばいであった。
    ・ 9月の関西2府4県の現金給与総額は名目で7カ月連続の前年比改善だが、伸びは前月から縮小した。実質賃金は9カ月ぶりの同減少。一昨年と比較すれば、依然として所得環境は厳しい状況が続いている。
    ・ 10月の大型小売店販売額は3カ月ぶりの前年比増加。新規陽性者数が低水準で推移し、緊急事態宣言が解除されたことで、人流が大幅に増加し、百貨店を中心に売上の回復が見られた。
    ・ 10月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比減少。貸家と分譲マンションの減少が寄与した。合板など建設資材価格の高騰等の下押し要因は強いため、今後回復は鈍化しよう。
    ・ 10月の公共工事出来高は25カ月連続の前年比増加と、全国(4カ月連続の減少)に比して好調。一方、11月の公共工事請負金額は関西(3カ月連続)、全国(5カ月連続)共に大幅減少が続いている。
    ・ 11月の景気ウォッチャー現状判断DIは、飲食やサービス関連の回復もあり3カ月連続の前月比改善。一方、先行きは新変異株の感染拡大や原材料価格高騰による値上げへの懸念から3カ月ぶりに悪化した。
    ・ 11月の輸出は9カ月連続、輸入は10カ月連続の前年比増加。貿易収支は22カ月連続の黒字だが、黒字幅は前月から大幅縮小した。輸出は原動機や半導体等電子部品が引き続き好調だが、輸入は原油高によるエネルギー関連輸入増が全体を押し上げたためである。
    ・ 11月の関空への外国人入国者数は、3,678人と入国緩和の影響は小さく前月(3,743人)とほぼ同水準となった。
    ・ 11月の中国経済は、COVID-19の感染再拡大によって多くの経済指標は減速傾向になっている。外出を控える一方で、インターネット経由の消費は堅調な動きを示している。オミクロン株の市中感染の懸念もあり、先行きの景気については減速の可能性が高まっている。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.103-景気は足下足踏み、先行きの改善に陰り: 供給制約が懸念されるがサービス消費の回復に期待-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西の景気は、足下は足踏み、先行きは改善を見込む。半導体不足により関連産業で大幅減産がみられる一方、行動制限の緩和によりセンチメントが改善し、サービス消費の回復が期待される。
    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、8月下旬にピークを打ち低水準が続く。感染対策の解除や観光キャンペーン拡大の動きもあり、低迷していたサービス消費の回復が期待される。
    ・9月の鉱工業生産は、半導体不足による輸送機械の大幅減産が主因となり、3カ月連続の前月比低下。結果、7-9月期は5四半期ぶりに前期比低下した。
    ・9月の完全失業率は5カ月連続の小幅改善。7-9月期も3四半期連続の改善だが、就業者数が減少しており内容は良くない。9月の有効求人倍率は前月から横ばい。四半期ベースでも横ばいであった。
    ・8月の関西2府4県の現金給与総額は名目で6カ月連続、実質で8カ月連続の前年比増加だが伸びは小幅であった。コロナ禍の影響がない前々年比はいずれも減少しており、依然所得環境は厳しい状況が続く。
    ・9月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比減少。新規陽性者数の急速な減少と緊急事態宣言の解除が検討され始めたことにより、百貨店を中心に回復が見られた。7-9月期は2四半期ぶりの前期比減少。感染拡大(第5波)と4度目の緊急事態宣言が響いた。
    ・9月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比増加。分譲マンションの大幅増加が寄与した。7-9月期は持家と貸家の回復ペースが鈍化したが、持ち直しの基調が続いており、小幅な前期比増加となった。
    ・9月の公共工事出来高は24カ月連続の前年比増加と、全国に比して好調。一方、10月の公共工事請負金額は2カ月連続の同減少となった。
    ・10月の景気ウォッチャー現状判断DIは、新規陽性者数が低水準で推移していたことや、飲食店などへの時短要請解除決定もあり、2カ月連続の前月比改善。先行きも小幅ながら2カ月連続で改善した。
    ・10月の輸出は8カ月連続、輸入は9カ月連続の前年比増加。前者の伸びが後者を上回った結果、貿易収支は21カ月連続の黒字、黒字幅は前月から拡大。輸出はアジア向けの半導体等製造装置を中心に好調で、単月過去最高額を更新した。一方、輸入は原粗油の増加が寄与した。
    ・10月の関空への外国人入国者数は、1日当たりの入国者数の上限が緩和された影響もあり、3,743人と前月(3,079人)から増加した。
    ・10月の中国経済は、「ゼロ・コロナ」方針による経済活動抑制の影響が見られた。外需は堅調であるが、生産活動と雇用の停滞が続いている一方で、消費は拡大。財政金融政策の引き締めにより、国有資産投資の鈍化、不動産業の資金調達難など、景気減速が懸念される。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.102-景気は足下、先行きともに改善:今後センチメント改善によりサービス消費持ち直しに期待-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西の景気は、足下、先行きともに改善傾向が続いている。緊急事態宣言解除の決定もあり今後センチメントは改善が予想されるため、サービス消費の持ち直しが期待される。一方、中国の内需減速により対中輸出の不透明感が高まっている。
    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、8月28日にピークを打ち、足下では低水準が続いている。時短要請など感染対策の解除により、今後は緩やかではあるものの、サービス消費の回復が見込まれよう。
    ・8月の鉱工業生産は2カ月連続の前月比低下。世界的な半導体不足による電気・情報通信機械や輸送機械の大幅減産が影響した。
    ・8月の完全失業率は4カ月連続の小幅改善だが、感染対策の影響で就業者の減少が続く。8月の有効求人倍率は2カ月連続の下落。雇用情勢は依然厳しい状況が続いている。
    ・7月の関西2府4県の現金給与総額は名目で5カ月連続、実質で7カ月連続の前年比増加だが伸びは小幅にとどまった。コロナ禍の影響がない前々年比はいずれも減少。賃金は依然低調である。
    ・8月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比減少。急激な感染拡大と緊急事態宣言発令による外出自粛や長雨が影響し、百貨店とスーパーの販売額はいずれも前月より悪化した。
    ・8月の新設住宅着工戸数は3カ月ぶりの前月比減少。分譲マンションの大幅減少が寄与。ただし、ウッドショックの緩和とアパートローンの底打ちの兆しが出ており、今後持ち直しの基調が続くと予想される。
    ・8月の建設工事出来高は13カ月連続の前年比増加。うち、公共工事出来高は23カ月連続の同増加。9月の公共工事請負金額は5カ月ぶりの前年比減少となった。
    ・9月の景気ウォッチャー現状判断DIは緊急事態宣言解除の決定もあり2カ月ぶりの前月比改善。先行きはワクチン接種の進展や宣言解除による規制緩和の期待から3カ月ぶりに改善した。
    ・9月の貿易収支は20カ月連続の黒字だが、黒字幅は前月から縮小した。輸出は7カ月連続、輸入は8カ月連続の前年比増加。輸出はアジア向けの半導体等電子部品が好調で、輸入は中国からの通信機、EUからの医薬品の増加が寄与した。
    ・9月の関空への外国人入国者数は3,079人となり、前月から幾分増加した。7-9月期は前期から増加したが、コロナ禍前の水準と比べれば、依然低水準の状況が続く。
    ・7-9月期、中国の実質GDP成長率は前年同期比+4.9%と、前期に比して大幅下落した。自然災害の頻発や、一部地域における電力供給制限が製造業を中心に大きな影響を与えた。

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