研究成果

research

東南アジアにおける電力市場の発展と日本企業

Abstract

研究成果概要

東南アジアにおける電力市場の発展と日本企業研究会は、2013年度タイの電力需給見通しを調査しました。その目的の一つはタイに進出する日本企業の現地工場に将来も安価で安定的な電力供給が可能かどうかを見極めることにありました。また、タイ国内の電力供給のかなりの部分を、国内の太陽光、バイオガス発電などの再生可能エネルギーが担う一方、隣国ミャンマーとラオスも将来水力、火力発電から供給を行うことになると見られています。既に中国企業が両国では水力発電所建設に乗り出しているが、日本企業も発電設備納入を含め発電所建設に携わるチャンスがあるように思われます。本レポートは、タイに進出する日本企業の方に電力インフラの基本的な問題を理解いただく資料として活用いただけるものと思います。詳細はこちら

目的

日本企業は競争力の高い製造拠点を求めて、中国に加え東南アジア諸国に進出している。現地生産には「電力供給」というインフラが欠かせない。さらに現地生産を支える電力供給は生活水準の向上にも欠かせない。生活水準が上がり電力供給が潤沢になると、家電を中心に電気製品の販売も上向くと予想される。 東南アジアの主要国、特にベトナムとフィリピンを中心に今後の電力供給力の増加を調査し、①企業進出を支えるインフラの有無 ②日本企業の発電設備、工事への関与の可能性、を探る。

内容

現地調査と現地官公庁、企業からのヒアリングを中心にレポートをまとめ、将来の発電設備導入計画を明らかにする。また、発電設備に加え、地球温暖化問題に関する専門家も加えることにより温暖化問題を考慮した設備導入の見通し、また日本企業との協力による地球温暖化問題への取り組みの可能性も探ることになる。

期待される成果と社会還元のイメージ

・企業の現地生産検討でのインフラに関するデータとして活用可能

・将来の日本製発電設備売り込みの可能性

・日本製家電製品売り込みの可能性
地球温暖化防止事業に関する現地企業との共同取組の可能性

既にベトナムについては、前年度に調査を終えている。25年度はベトナムと対比できる国を対象にさらに調査を実施し、上述の3点を中心にレポートを作成する。東南アジアで現地生産を検討している企業、発電設備を製造する重電メーカー、ダム工事などに関与可能な建設会社、家電メーカーの現地でのマーケティングの参考になるレポートを想定している。

 

関連論文

  • 澤 昭裕

    エネルギーインフラ研究会

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    RESEARCH LEADER : 
    山本 隆三

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    アジア太平洋研究所 副所長 澤 昭裕

    常葉大学 教授       山本 隆三

    研究目的

    東日本大震災は多くの教訓を残したが、その一つは防災に強い国土建設の必要性であった。特に、電気、ガス、石油のエネルギー関係のインフラを強靭にすることと、同時に他地域での震災に備えバックアップ機能を持たせることの重要性は広く認識された。関西地区での、エネルギーインフラの防災機能の現状を調査し、強靭化する方策を検討する。

    研究内容

    1.関西地区のエネルギーインフラの現状能力を把握する。具体的には次の点を調査する。

    ・供給能力(製造設備、供給設備の能力)

    ・製造、供給設備の配置

    ・海外からの燃料受け入れ

    ・関西以外の地域との連携状況

     

    2.阪神大震災、東日本大震災の経験を踏まえて、南海トラフ地震に備え、工学的な見地からの設備の具体的な強靭化策と、政策面の検討を行う。

    リサーチャー

    能島暢呂 岐阜大学工学部社会基盤工学科教授

    鍬田泰子 神戸大学大学院工学研究科准教授

    橋爪吉博 石油連盟総務部

     

    オブザーバー

    大阪ガス

    関西電力

    期待される成果と社会還元のイメージ

    エネルギーインフラ強靭化の提言を示し、官公庁、企業関係者及び研究者を対象に広く発信する。

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    山本 隆三

    ABSTRACT

    リサーチリーダー
    山本 隆三 富士常葉大学教授

    研究成果概要
    アジア諸国の経済は拡大を続けています。1人当たりの電力需要をみると、例えば、ミャンマーは日本の60分の1ですが、ベトナムは6分の1まで拡大しました。今後、さらに需要は伸びます。需要が拡大することにより、日本企業にはビジネスチャンスが生じます。発送電設備の導入、それに伴う工事、家電製品の販売増が見込めます。温暖化問題に対応するための原子力発電、省エネ設備等の導入でも日本の技術力が期待されています。日本政府も二国間の協定を通しこの動きを後押ししています。一方、将来の安定的な電力供給は、日本企業の進出をも左右する大きな要素でもあります。日本企業のビジネスに多くの影響を与えるベトナムの電力問題を現地調査も交えて分析し、結論として、温暖化対策での二国間協力の推進、発電設備売り込みのポイントなどを提言しました。詳細はこちら

    研究目的
    東南アジア各国の電力需要の伸びを調査し、温暖化問題も考慮したうえでの最適な発電設備の組み合わせを研究。さらに再生可能エネルギー導入の可能性、送電網整備も研究。結果として、日本の関連企業のビジネスチャンス形成につなげる。

    研究内容
    ○東南アジア諸国での現地調査
    ○各国の発電設備建設計画の調査と最適な発電設備の導入の検討、送電線網の建設の検討
    ○再生可能エネルギー導入の具体化に向けた調査、有力案件の具体的なプロジェクト推進方策の検討

    メンバー
    秋元圭吾 (RITE(地球環境産業技術研究機構))
    飯沼芳樹 (海外電力調査会)
    上野貴弘 (電力中央研究所)
    竹内純子 (国際環境経済研究所)
    渡里直広 (海外電力調査会)

    期待される研究成果
    ・東南アジア諸国の発電設備の最適化、送電技術の向上、電力供給安定化による国民生活向上・産業・観光振興などへの貢献
    ・日本企業が持つ発送電関連技術移転への貢献

    研究成果
    1月31日に第4回研究会を開催しました。
    10月16日に第3回研究会を開催しました。
    7月10日に第2回研究会を開催しました。
    4月17日に第1回研究会を開催しました。