研究成果

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アベノミクスで関西経済は浮揚するか? ‐関西経済予測モデルによるシミュレーション‐

関連論文

  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.49 – 弱含みの関西経済にCOVID-19が追い打ち:民需・外需が軒並み急落 –

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    1.  20年1-3月期実質GDPは前期比年率-3.4%(前期比-0.9%)で、2四半期連続のマイナス成長となった。COVID-19の感染拡大の影響(経済活動の自粛)により、民間最終消費支出を中心に民間需要が減少し、加えて二つの輸出(財とサービス)が大幅に減少した。4-6月期はマイナス幅がさらに拡大することが予想されている。
    2.  2020年1-3月期の関西経済は、民需と外需が急激に悪化した。前期の消費税率引き上げと中国経済の減速に加えて、COVID-19感染拡大による外出自粛と外国人観光客の入国規制が追い打ちとなった。景況感やインバウンド関連の指標では統計開始以来最低となった指標もある。
    3.  関西の実質GRP成長率を2020年度-5.1%、21年度+2.6%と予測する。日本経済と同様に20年度は記録的な大幅マイナスとなる。21年度には回復に転じると見込むが、以前の水準に戻るのは22年度以降となる。
    4.  前回予測(3月16日公表)に比べて、20年度は-4.6%ポイントの下方修正、21年度は+1.5%ポイントの上方修正である。20年度の下方修正は、COVID-19感染拡大による世界経済および国内経済の失速を反映した。一方21年度は民間需要を中心に、公的需要・域外需要いずれも上方修正とした。
    5.  実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ていく。2020年度は、民間需要が-4.7%ポイントと成長を大きく押し下げる。域外需要も-0.7%ポイントとマイナスの寄与である。公的需要は経済対策の効果から+0.3%ポイントと成長に貢献するが、民間需要のマイナスを補うには至らない。21年度は、民間需要が+1.8%ポイントと回復する。また公的需要+0.3%ポイント、域外需要+0.5%ポイントといずれも成長に寄与する。
    6.  緊急事態宣言に伴う経済活動の抑制ならびにその後の経済社会活動の変化による影響について、前回予測の時点では織り込んでいなかったが、今回の標準予測では織り込んでいる。前回と今回の予測結果の差をみると、緊急事態宣言等が2020年度の関西経済に与えた影響は、民間最終消費支出2兆1,543億円、民間企業設備8,252億円、輸出3兆2,118億円、GRP3兆7,537億円の損失であり、追加的な失業者は157,966人にのぼると見られる

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.48 -民需の大幅失速で19-20年度は 2年連続のマイナス成長: 新型肺炎の影響とGDP2次速報を織り込み予測を改定-

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰

    ABSTRACT

    1. 3月9日発表のGDP2次速報によれば、10-12月期実質GDPは前期比年率-7.1%と1次速報(同-6.3%)からさらに下方修正された。前回増税時(14年4-6月期:同-7.4%)以来の下げ幅となった。

    2. 関西経済は、昨年10月の消費税率引き上げと新型コロナウイルス感染拡大の影響のダブルショックにより、特に民間部門が急速かつ大幅に冷え込んでいる。またこれまで関西経済を支えてきた2つの輸出、対中輸出とインバウンド需要も失速している。コロナウイルスは欧米でも感染拡大し、世界経済全体の景況感が悪化しており、金融市場で乱高下が見られるなど、リスクが高まっている。

    3. 足下の経済指標やGDP2次速報の改定を反映して、関西の実質GRP成長率を2019年度-0.2%、20年度-0.5%、21年度+1.1%と予測する。19年度20年度と2年連続のマイナス成長となる。新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛活動の広範化の影響を反映し、19年度は-0.3%ポイント、20年度は-0.7%の大幅下方修正とした。21年度は+0.1%の上方修正である。

    4. 2019年度は、成長を下支えるのは公的需要のみとなる。民間需要は-0.3%ポイントと成長を引き下げる。公的需要は消費税対策から+0.5%ポイントと成長に貢献する。域外需要は-0.3%ポイントと成長抑制要因となる。20年度は、民間需要が-1.2%ポイントと2年連続で成長に寄与せず、むしろ抑制要因となる。公的需要は+0.3%ポイントと成長を押し上げる。域外需要は輸入の減少から+0.4%ポイントとプラスに転じる。21年度は、民間需要が+0.5%ポイントと回復に転じ、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.3%ポイントといずれも成長に寄与する。景気の急回復は期待できない。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.47 – 民需外需の失速が鮮明、正念場迎える関西経済 –

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    1.  2019年10-12月期実質GDPは前期比年率-6.3%(前期比-1.6%)と5四半期ぶりのマイナス成長だった。寄与度を見ると、純輸出は前期比+1.9ポイントと3四半期ぶりのプラスとなったが、国内需要は同-8.3%ポイントと5四半期ぶりのマイナスで、成長を大きく押し下げた。
    2.  2019年10-12月期の関西経済は、民需と外需の失速が鮮明となった。10月の消費税率引き上げ、中国経済の減速を受けて、家計部門、企業部門、対外部門と多くの指標が失速の様相を呈している。これまで堅調だった雇用環境やインバウンド需要も軟調となりつつある。20年1-3月期以降については、さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響が現れてくるため、関西経済は正念場を迎える。
    3.  関西の実質GRP成長率を2019年度+0.1%、20年度+0.2%、21年度+1.0%と予測。消費税率引き上げによる民間消費の停滞、中国経済の減速、新型肺炎による経済活動の縮小といった要因から、19年度20年度は低成長を免れられず、本格的な回復は21年度となる見通しである。
    4.  前回予測に比べて、2019年度は-0.6%ポイントの下方修正、20年度も-0.2%ポイントの下方修正である。下方修正の背景として、19年7-9月期のGDP実績値の大幅下方改定、消費税率引き上げによる影響とそれに伴う足下の景気減速、新型肺炎の影響の織り込みがある。一方21年度は+0.3%ポイントの上方修正とした。
    5.  2019年度については、成長を下支えるのは公的需要のみとなる。民間需要は+0.0%ポイントと成長に貢献しない。公的需要は消費税対策から+0.5%ポイントと成長に貢献する。域外需要は-0.3%ポイントと成長抑制要因となる。20年度は、民間需要が-0.4%ポイントと19年度に続いて成長に寄与せず、むしろ抑制要因となる。公的需要は+0.3%ポイントと成長を押し上げ、域外需要も+0.2%ポイントとプラスに転じる。21年度は、民間需要が+0.3%ポイントと回復に転じ、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.3%ポイントといずれも成長に寄与する。
    6.  新型コロナウイルスの感染拡大が関西経済に与える影響について、2つの輸出に限定して試算した。回復期間の長短にもよるが、経済損失額は1,782億~5,345億円、名目GRP比では0.2~0.6%に相当する。ただしこの試算にはイベントの中止・延期、レジャー施設の休業などの影響など家計消費への影響は含まれていないため、影響はさらに拡大すると見込まれる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.46 – 確固たる成長牽引役が先行き不在となる関西 GDP2次速報を反映し予測を改定 –

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰

    ABSTRACT

    1.  2019年12月8日発表のGDP2次速報によれば、7-9月期実質GDPは前期比年率+1.8%(前期比+0.4%)と1次速報(前期比+0.1%、同年率+0.2%)から大幅上方修正された。過去に遡って基礎データが改訂された結果、2018年はすべての四半期の成長率が1次速報から下方修正され、19年の3四半期はすべて上方修正された。このため、18年度の実質GDP成長率は前年比+0.7%から同+0.3%へと大幅下方修正された。18年度は公的固定資本形成が大幅上方修正(-4.0%→+0.6%)されたものの、民間最終消費支出(+0.4%→+0.1%)と民間企業設備(+3.5%→+1.7%)が下方修正されためである。
    2.  足下の経済指標やGDP2次速報の改定を反映して、関西の実質GRP成長率を2019年度+0.7%、20年度+0.4%、21年度+0.7%と予測する。19年度は+0.1%ポイントの上方修正とした。20年度、21年度について修正はない。また実績見通しは17年度+1.9%、18年度+1.0%とした。前回予測と比較して、ともに-0.2%ポイントの下方修正である。
    3.  実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2019年度は民間需要+0.6%ポイント、公的需要+0.4%ポイントと内需は成長に貢献する。域外需要は-0.3%ポイントと成長抑制要因となる。20年度は、成長を下支えるのは主に公的需要(+0.3%ポイント)で、民間需要・域外需要はそれぞれ+0.0%ポイント、+0.1%ポイントにとどまる。21年度は、民間需要+0.4%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.1%ポイントといずれも成長に寄与するが小幅で、成長を力強く牽引することはできない。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.45 – 内外需ともに弱さが目立ち、停滞懸念が顕在化確固たる成長の牽引役が先行き不在となるおそれ –

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 小川 亮 / 野村 亮輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    1.  2019年7-9月期実質GDPは前期比年率+0.2%(前期比+0.1%)と4四半期連続のプラス成長だが小幅にとどまった。寄与度を見ると、純輸出は前期比-0.2ポイントと成長を抑制し、国内需要は同+0.2%ポイントと4四半期連続のプラスだが民間需要も公的需要のいずれも同+0.1%ポイントと低調だった。
    2.  2019年7-9月期の関西経済は、内需外需とも弱い動きが見られる。インバウンド需要や設備投資計画、公共投資など堅調な部分も随所に見られるが、センチメントや景況感は大幅悪化している。また、これまで比較的堅調だった所得・雇用環境でも改善ペースが緩慢となり、弱含みとなっている。
    3.  関西の実質GRP成長率を2019年度+0.6%、20年度+0.4%、21年度+0.7%と予測する。19年度は修正なし、20年度は-0.1%ポイントの下方修正である。19年度は民間需要を下方修正とした一方で、公的需要を上方修正した。域外需要は輸出・輸入とも下方修正しており、全体では相殺して修正なしとなった。20年度も民需を小幅下方修正した。21年度は今回から新たに予測を追加した。
    4.  実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2019年度は民間需要+0.6%ポイント、公的需要+0.5%ポイントと内需は成長に貢献する。域外需要は-0.5%ポイントと成長抑制要因となる。20年度は、成長を下支えるのは公的需要(+0.3%ポイント)のみで、民間需要・域外需要はそれぞれ+0.1%ポイントにとどまる。21年度は、民間需要+0.3%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.1%ポイントといずれも成長に寄与するが小幅で、成長を力強く牽引することはできない。
    5.  関西2府4県GRPの過年度の未公表分の実績見通しについて早期推計した。17年度は大阪府と兵庫県をはじめとした各府県のプラス寄与により+1.5%の成長を達成した。18年度は、大阪府のマイナス成長があったが他府県のゼロまたはプラスの寄与度により、関西全体としてはほぼ横ばいの動きとなったと予測される。
    6.  関西における消費税率引き上げ前後の動態を過去の事例と比較した。今回は種々の対策により、関西でも前回に比して駆け込み需要が小幅であることを確認した。なお足下9月の指標は、前年の特殊要因からの反動増を含むことに注意。

     

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  • 稲田 義久

    日韓関係の悪化と関西経済:2つの輸出とそのリスク

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 下田 充

    ABSTRACT

    本稿では最近の日韓関係の悪化が関西経済にどのような影響を及ぼすかを「2つの輸出」の視点から分析した。分析から以下の結論が得られた。

    1. 財貨の交易についてみれば、韓国のシェアは関西・全国ともに輸出が約7%、輸入が約4%である。中国のシェアと比較すれば、輸出で約4分の1、輸入で約8分の1である。今後、韓国との交易が停滞したとしても、関西の輸出や景気全体への影響は限定的となろう。足下、関西の輸出では韓国向けと中国向けの下落率が大きい。米中貿易摩擦の昂進とグローバル・バリュー・チェーンを通じた中国経済と韓国経済の連動性に起因していると考えられる。

    2. 2018年関西への訪日外客による消費総額は1兆1,338億円である。関西産品で9,965億円、その他地域で1,373億円が賄われている。これらによる関西経済への波及効果(付加価値ベース)は約9,213億円なり、関西の域内総生産の1.08%を創出したことになる。

    3. 仮に、訪日韓国人客が前年比30%大幅減少したとしても、訪日外客が関西で生み出す付加価値はベースケースより376億円、-4.1%の減少にとどまる。この背景には韓国人の消費単価の低さがある。府県別では、大阪府の影響が大きく269億円減少し、関西の減少幅の72%を説明する。GRPに対する寄与度でみれば、ベースの1.08%から0.044%ポイント低下する。

    最近の日韓関係の悪化が関西経済に及ぼす影響は限定的と見るが、特にインバウンドの観点から、この結論に至るうえで、重要なのは中国の役割である。関西はアジアからの訪日客が圧倒的に多く、中国人客が堅調に伸びる中、日韓関係の悪化からくるインバウンドへの影響は限定的となろう。勿論、訪問率からわかるように、韓国人の訪問率は中国人に比して比較的地方に分散しているため、関西以外ではその影響は厳しめに出る可能性がある。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.44 – 足下底堅く推移しているが不透明感の強まりから先行き弱含み –

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 野村 亮輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰

    ABSTRACT

    1. 2019年4-6月期実質GDPは前期比年率+1.8%と3四半期連続のプラス成長となった。民間最終消費支出、民間住宅、民間企業設備、公的需要が成長率を押し上げる一方で、民間在庫変動や純輸出は押し下げた。
    2. 2019年4-6月期の関西経済は、基調としては底堅く推移しているが、不透明感の強まりから先行きに関しては弱含みである。米中貿易戦争の行方に代表される国際情勢や、消費増税の影響といった先行きの不透明感は、消費者センチメントや企業の景況感などマインドに関する指標を下押ししている。一方で、インバウンド需要など堅調な部分も見られ、総じて見れば底堅く推移した。
    3. 関西の実質GRP成長率を2019年度+0.6%、20年度+0.5%と予測する。19年度は-0.1%ポイントの下方修正、20年度は+0.1%ポイントの上方修正とした。19年度は年前半の堅調ぶりから民間需要を上方修正としたが、輸出の伸び悩みから域外需要の寄与を大きく下方修正しており、全体では小幅下方修正となる。一方、20年度には外需の回復を幾分見込み、上方修正とした。
    4. 実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2019年度は民間需要が+0.8%ポイントと景気を下支えする。また公的需要も消費税対策の影響から+0.4%ポイントと成長に貢献する。一方域外需要は-0.5%ポイントと成長抑制要因となる。20年度は民間需要+0.3%ポイント、公的需要+0.2%ポイントと前年に引き続いて成長を押し上げるが、小幅である。域外需要は-0.0%ポイントと成長にほとんど寄与しない。
    5. 関西と韓国の交易状況について整理した。関西からの輸出総額に占める韓国のシェアは7%程度で、仮に韓国との交易が停滞が続いたとしても、輸出全体あるいは景気全体への影響は限定的とみられる。なお対中貿易について見られるような関西と全国でのシェアの差異は、対韓貿易については見られない。また関西から韓国への輸出品目は、韓国の製造業の中でウェイトの高い半導体やディスプレイパネル等の製造に関連した品目が多い。

    なお、韓国のトピックについては別添資料参照。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.43 <一部底堅さも見られるが、先行き不安で弱含み>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    一部底堅さも見られるが、先行き不安で弱含み-米中対立の行方や消費増税の影響など不透明要素が重荷-

    1.2019年1-3月期実質GDP成長率は前期比+0.5%(年率換算+2.1%)と2四半期連続のプラス成長となった。内需で成長率を押し上げたのは民間在庫変動と公的固定資本形成で、民間最終消費支出や民間企業設備はともにマイナスとなった。純輸出(外需)はGDP成長率に対してプラスに寄与した。対中国取引が停滞して輸出が減少したが、輸入が輸出を上回るマイナスとなったためである。

    2.2019年1-3月期の関西経済は、一部にはまだ底堅さも見られるが、景気後退懸念が高まってきている。中国経済の減速から、対中輸出や生産は停滞している。また消費者センチメントや企業の景況感などマインドに関する指標の悪化も目立つ。この背景には、米中対立の行方や消費増税の影響など景気の先行きに対するリスクの高まりがある。

    3.関西の実質GRP成長率を2019年度+0.7%、20年度+0.4%と予測する。前回の予測結果と比べて、19・20年度とも下方修正とした(それぞれ-0.1%ポイント、-0.2%ポイント)。域外需要、特に輸出を見直したためである。なお標準予測に対するリスクとして、米中対立に伴う中国経済の鈍化および影響の長期化、消費増税の影響が考えられる。

    4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2019年度は民間需要が+0.5%ポイントと、前年度に比べると幾分小幅となるが、景気を下支えする。また公的需要も政府の消費税対策の影響から+0.3%ポイントと成長に貢献する。一方域外需要は-0.1%ポイントと成長抑制要因となる。20年度は民間需要+0.3%ポイント、公的需要+0.3%ポイント、域外需要-0.1%ポイントとなる。前年度と似た傾向の成長パターンとなるが、民需の貢献はやや小さくなる。

    5.地域経済統計の確報値公表について、時期の遅れや頻度がしばしば課題となる。APIRでは、足下の経済のタイムリーな状況把握を目的として、確報値発表に先行する経済データの作成に取り組んでいる。今回は都道府県別訪日外客数と県内総生産の早期推計を紹介する。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.42 <先行きの減速リスク高まる関西経済>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 / 馬 騰

    ABSTRACT

    先行きの減速リスク高まる関西経済-個人消費は弱含み、「2つの輸出」も減速懸念-

    1.2018年10-12月期実質GDP成長率は前期比+0.3%(年率換算+1.4%)と2四半期ぶりのプラス成長となった。実質GDP成長率に対する寄与度を見ると、国内需要は2四半期ぶりのプラスとなった。前期の自然災害による供給制約の影響が剥落し、個人消費や設備投資は持ち直した。他方、輸出の伸びが小幅にとどまったことから、純輸出(外需)は3四半期連続のマイナスとなった。

    2.2018年10-12月期の関西経済は、弱い動きが見られる。家計部門は、弱い動きを示している。所得環境は改善が続いているが、センチメントは悪化している。雇用についても、やや一服感が見られる。企業部門では、景況感や設備投資計画は前向きであり、生産も緩やかに持ち直した。対外部門は、輸出・輸入とも減速しており、インバウンドについても勢いは鈍化している。公的部門は、一進一退であるが総じて弱い動きとなっている。

    3.関西の実質GRP成長率を2018年度+1.4%、19年度+0.8%、20年度+0.6%と予測する。前回予測(41回)と比べて、大幅な変更はない。全国の成長率と比較すると、18年度は、全国以上となる所得の高い伸びや年度前半の堅調なインバウンド需要に支えられ、全国を上回る成長率で推移する。19年度以降は「2つの輸出」が減速し、全国並みの成長率となる。20年度には、内需の貢献がより小幅となり、日本予測の成長率が関西を若干上回る。

    4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2018年度は民間需要+1.0%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、域外需要+0.4%ポイントと主に民間需要が中心となり成長を押し上げる。19年度は民間需要+0.5%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.1%ポイントで、民間需要と域外需要の寄与が小幅となる。20年度は民間需要+0.3%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.0%ポイントとなる。消費増税の影響がより顕在化し、民間需要の寄与はさらに縮小する一方で、公的需要が成長を下支える。

    5.インバウンド需要について、個票データおよびオープンデータを用いて訪日外国人の移動パターン等の特徴を整理・検討した。関西におけるインバウンド需要はここへ来て変調の兆しが見えつつあり、国・地域別に傾向が異なっている。データに基づく分析結果を踏まえた持続可能な発展戦略の形成が求められる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.41 <足下の景気は堅調だが先行き下降局面を迎える-18年7-9月期GDP2次速報値反映>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰

    ABSTRACT
    1. 12月10日発表のGDP2次速報値によれば、7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率-2.5%と1次速報値(同-1.2%)から大幅下方修正された。最大の要因は民間企業設備の下方修正である。また17年度の第一次年次推計値、16年度の第二次年次推計値が公表された。結果、16年度の実質GDP成長率は下方修正(+1.2%→+0.9%)されたが、17年度は上方修正(+1.6%→+1.9%)された。
    2. 日本経済の先行きについては、7-9月期GDP2次速報を織り込み、実質GDP成長率を2018年度+0.7%、19年度+0.6%、20年度+0.8%と予測 (APIR『第120回 景気分析と予測』)。緩やかな回復を維持するが、低い成長率にとどまろう。
    3. 関西の実質GRP成長率を2018年度+1.4%、19年度+0.7%、20年度+0.5%と予測する。前回予測と比較すると、2018年度は7-9月期GDP2次速報値の結果と日本経済予測の下方修正を織り込み、18年度は-0.4%ポイントの下方修正とした。19年度・20年度は、民間需要を上方修正、外需を下方修正した結果、成長率全体では修正なしとなった。
    4. 実質GRP成長率に対する寄与度を見ると、2018年度は民間需要+1.0%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.3%ポイントと民需が成長を牽引する。19年度は民間需要+0.5%ポイントで、前年度と同様に景気を下支えするが、年度央の消費増税の影響もあり、寄与は小幅となる。公的需要は+0.1%ポイント、外需は+0.1%ポイントと成長への貢献は小さい。また20年度は民間需要+0.3%ポイントと消費増税の影響が顕在化し、民需の寄与はさらに小さくなる。公的需要は+0.2%ポイント、外需は+0.1%ポイントとなる。

    全国の成長率と比較すると、18年度は、所得環境での全国を上回る改善やインバウンド需要の加速により、全国より高い成長率で推移する。19年度以降は、消費増税の影響から日本経済予測と同様に関西でも成長率は減速し、全国並みの成長率となる。2020年度には、全国に比して関西では内需の貢献が小幅となり、日本予測の成長率が関西を若干上回る。

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