研究成果

research

日本経済(月次)予測(2020年5月)<民間消費関連以外の4月データを更新した結果、4-6月期の実質GDP成長率予測は前期比年率-14.6%>

関連論文

  • 稲田 義久

    134回景気分析と予測<岐路に立つ回復シナリオ:景気回復は後ずれ-実質GDP成長率予測:21年度+3.3%、22年度+2.3%->

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    一般財団法人アジア太平洋研究所では、日本ならびに関西経済について、四半期ごとに景気分析と予測を行っています。8月31日、最新の「日本経済予測」と「関西経済予測」を発表しました。経済見通しの説明動画を以下の通り配信しています。

     

    1.  8月16日発表のGDP1次速報によれば、4-6月期の実質GDPは前期比年率+1.3%(前期比+0.3%)増加した。2四半期ぶりのプラス成長だが、1-3月期の落ち込み(同-3.7%)を回復できておらず、前期の反動とみてよい。21年前半は世界主要国が着実に回復するのに比して、日本経済は停滞していたといえよう。4-6月期の実績は、市場コンセンサス(ESPフォーキャスト8月調査)の最終予測(同+0.66%)から上振れた。なお、CQM最終予測の支出サイドは同+0.9%であった。
    2.  4-6月期は3回目の緊急事態宣言期を含むため、マーケットは低調なパフォーマンスを見込んでいた。しかし、緊急事態宣言の人流抑制効果、特に消費抑制効果は小さかった。一方、期待されていた公的固定資本形成は2四半期連続のマイナス。実質GDP成長率(前期比+0.3%)への寄与度を見ると、国内需要は同+0.6%ポイントと2四半期ぶりのプラス。うち、民間需要は同+0.6%ポイント、公的需要は同+0.0%ポイントと、いずれも2四半期ぶりのプラス。一方、輸入の回復もあり純輸出は同-0.3%ポイントと2四半期連続のマイナスとなった。
    3. 新たに、4-6月期GDP1次速報を追加し、外生変数の想定を織り込み、21-22年度の日本経済の見通しを改定した。今回、実質GDP成長率を、21年度+3.3%、22年度+2.3%と予測。暦年ベースでは、21年+2.3%、22年+2.5%と予測した。前回(第133回)予測に比して、21年度は-0.1%ポイント下方修正したが、22年度は変化なし。足下、ワクチン接種は遅ればせながら加速しているが、コロナ変異株のまん延が7-9月期の人流を抑制し、成長の加速を後ずれさせるとみる
    4.  実質GDP成長率への寄与度をみれば21年度は、民間需要(+2.3%ポイント)、純輸出(+0.7%ポイント)、公的需要(+0.3%ポイント)、すべての項目が景気を押し上げるが、民間需要は前年度の落ち込みに比すれば回復力に欠ける22年度も、民間需要(+1.8%ポイント)、公的需要(+0.3%ポイント)、純輸出(+0.2%ポイント)と、いずれも景気を押し上げるが、民間需要、純輸出の寄与度が前年から低下する
    5.  四半期パターンをみれば、21年7-9月期はCOVID-19感染再拡大(第5波)と4度目の緊急事態宣言の影響で民間消費の急回復は後ずれる。感染力が強いコロナ変異株のまん延と感染者数の急増から、センチメントの急回復は期待できない。22年以降、潜在成長率を上回るペースが持続するため、コロナ禍前の水準を超えるのは21年10-12月期、コロナ禍前のピークを超えるのは22年10-12月期となる。
    6.  消費者物価指数の基準年が2020年に移行した。先行きについて、宿泊料と通信料は基調に対するかく乱要因となろう。年後半以降前年同月比プラスに転じるが、サービス価格が下押し圧力となるため、消費者物価指数の基調は低調である。結果、消費者物価コア指数のインフレ率を、21年度-0.1%、22年度+0.7%と予測する

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.55 -総じて持ち直しているが本格回復の道険し:変異株拡大で翻弄される回復パターン-

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    一般財団法人アジア太平洋研究所では、日本ならびに関西経済について、四半期ごとに景気分析と予測を行っています。8月31日、最新の「日本経済予測」と「関西経済予測」を発表しました。経済見通しの説明動画を以下の通り配信しています。

     

    1. 2021年4-6月期の関西経済は、総じて持ち直しているが、コロナ禍の影響が続いていることから、本格回復にはまだ至っていない。部門や業種によって回復のパターンは不均一となっている。
    2.コロナ禍は依然として収束の見通しが立たない。ワクチン接種の進展は好材料であるが、変異株の拡大もあり関西でも新規陽性者が急増している。8月にはまず大阪府、次いで京都府と兵庫県、さらに滋賀県に緊急事態宣言が発令されるなど、関西における社会・経済活動は依然制約されたままであり、関西経済の回復に向けて重い足枷となっている。
    3. 家計部門は、前年に比べると社会・経済活動が幾分正常化していることから、緩やかながら持ち直しの動きが見られる。前年の反動もあるが総じて改善しており、センチメントなどコロナ禍前の水準を回復した指標もある。ただし回復パターンはコロナ禍の感染拡大状況によって一進一退の動きとなっており、本格的な回復とはまだ言いがたい。
    4. 企業部門は、総じて持ち直している。製造業は、生産や景況感などコロナ禍前の水準をおおむね回復している。非製造業も総じて持ち直しているが、製造業に比べるとやや力強さを欠いている。設備投資計画は、製造業・非製造業とも増勢が見込まれている。ただし製造業・非製造業とも、コロナ禍の影響が続く業種も散見され、回復パターンは不均一となっている。
    5. 対外部門は、財の輸出の持ち直しの動きが続いている。また輸入も持ち直している。一方、インバウンド需要などのサービス輸出は、全面的な入国制限解除がなされていないことから、回復の見込みが立っていない。
    6. 関西の実質GRP成長率を2021年度+3.2%、22年度+2.5%と予測。2020年度の大幅マイナスから反転して、21年度以降は回復に向かうが、ペースは緩やかである。GRPがコロナ禍前の水準を回復するのは実質・名目とも22年度以降となる。
    7. 前回予測に比べて、2021年度は-0.4%ポイントの下方修正、22年度は+0.4%ポイントの上方修正。21年度の修正は、民間需要の下方修正が主因である。前回予測以降に発現した変異株の拡大等により、民間需要、なかでも民間最終消費支出の回復が後ずれする。
    8. 成長に対する寄与度を見ると、2021年度は、民間需要が+1.6%ポイントと4年ぶりに成長押し上げ要因となる。ただし前年度の大幅マイナスを回復するには至らない。また公的需要+0.3%ポイント、域外需要+1.2%ポイントとそれぞれ底堅く成長を下支える。22年度も民間需要+1.9%ポイント、公的需要+0.3%ポイント、域外需要+0.3%ポイントと3項目すべてが景気を押し上げる。
    9. トピックスでは、第3次産業活動指数の変化による府県別・産業別への経済波及効果を産業連関表により試算した。コロナ禍での第3次産業減産により、生産額で約4.2兆円、粗付加価値額ベースでは2.4兆円、率にして約3%程度の影響があった。

     

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  • 稲田 義久

    都道府県別訪日外客数と訪問率:7月レポート No.26

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔 / 古山 健大

    ABSTRACT

    【ポイント】

    ・JNTO訪日外客統計によれば、東京オリンピック・パラリンピック開催により7月の訪日外客総数(推計値ベース)は51,100人となった。前月(9,300人)から大幅増加し、7カ月ぶりに5万人を上回る水準。

    ・JNTO訪日外客統計を目的別にみれば、5月の総数(暫定値ベース)は10,035人であった。うち、観光客は1,057人、商用客は1,323人、その他客は7,655人であった。

     

    【トピックス1】

    ・関西7月の輸出は5カ月連続で前年比増加し、輸入は6カ月連続の同増加となった。品目別にみれば、旺盛なスマートフォンなどの製造需要を受け、前月に引き続き半導体等電子部品の輸出額が単月として過去最高を記録。また、米国、欧州の景気回復に伴い対米、対EU向けの建設用・鉱山用機械が好調であった。

    ・7月の関西国際空港への訪日外客数は東京オリンピックの参加選手や関係者が入国したこともあり2,776人となった。前月から増加したが、低水準が続く

    ・COVID-19の新規感染者数の増加が落ち着いたこともあり、6月のサービス業は改善した。6月の第3次産業活動指数は3カ月ぶりの前月比プラス。3度目の緊急事態宣言が6月20日に解除されたことが改善に影響した。

    ・第3次産業活動指数のうち、観光関連指数は3カ月ぶりの前月比プラスに転じた。緊急事態宣言の解除を受け、5月の大型連休で落ち込んだ生活娯楽サービス業や宿泊業などが改善した。

     

    【トピックス2】

    ・5月の関西2府8県の延べ宿泊者数は3,056.4千人泊で、伸びはコロナ禍の影響がない前々年同月(2019年5月)比で-72.2%となった。京都府、大阪府、兵庫県に発令された3度目の緊急事態宣言の影響で減少幅は前月から拡大した。

    ・うち日本人延べ宿泊者数は3,015.7千人泊で伸びは前々年同月比-62.6%と前月から減少幅は拡大。外国人延べ宿泊者数は、40.7千人泊で伸びは同-98.6%となった。

    ・関西の延べ宿泊者数を宿泊者の居住地別でみると、県内の延べ宿泊者数は911.8千人泊、県外は2,015.8千人泊であった。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.100-景気は足下、先行きともに改善:変異株拡大と緊急事態宣言による消費下押し圧力の高まり-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、7月1日に増加に転じ、8月以降急増した(感染第5波)。足下では第4波のピークを大幅に上回った。感染拡大を受けた商業施設の入場制限などにより、消費への下押し圧力が強まろう。
    ・6月の鉱工業生産は化学工業(除.医薬品)や汎用・業務用機械工業の増産で、2カ月ぶりの前月比上昇。4-6月期は4四半期連続で上昇し、コロナ禍の影響が表れ始めた頃の水準を上回った。
    ・6月の完全失業率は2カ月連続の小幅改善。4月の大幅悪化の影響もあり4-6月期は2四半期ぶりの悪化。6月の有効求人倍率は2カ月連続の改善、四半期ベースでも2四半期連続の改善。ただし、業種別では製造業と対面サービス業で回復に差が見られる。
    ・5月の関西2府4県の現金給与総額は名目で3カ月連続、実質で5カ月連続の前年比増加。しかし、コロナ禍の影響がない前々年比ではいずれもマイナスであり、依然低調である。
    ・6月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比減少。前々年比でみると、緊急事態宣言解除により、6月は前月からマイナス幅は縮小した。また、4-6月期は、感染拡大と緊急事態宣言発令により、1-3月期に比してマイナス幅は拡大した。
    ・6月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比増加。結果、4-6月期は2四半期ぶりに大幅増加した。貸家の好調が全体の回復を牽引したが、ウッドショックや感染再拡大等の下押し要因もあり、今後回復ペースが鈍化すると予想される。
    ・6月の建設工事出来高は39カ月連続の前年比増加。うち、公共工事出来高は21カ月連続の同増加であった。7月の公共工事請負金額は3カ月連続の前年比増加となった。
    ・7月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続の前月比改善だが、小幅上昇にとどまった。一方、先行きは感染拡大(第5波)の影響で3カ月ぶりに悪化した。
    ・7月の輸出は5カ月連続、輸入は6カ月連続の前年比増加。輸出入ともに増加幅は前月からやや縮小したものの、高い伸びが続いている。なお、半導体等電子部品の輸出は前月に引き続き単月過去最高額を更新した。
    ・7月の関空への外国人入国者数は東京オリンピックの選手や関係者の一部が入国したこともあり2,776人となった。前月から幾分増加したものの、依然底這い圏で推移している。
    ・7月の中国経済は、COVID-19感染拡大による移動制限と洪水被害に伴う経済活動の停滞で、減速傾向が見られる。

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  • 稲田 義久

    都道府県別訪日外客数と訪問率:6月レポート No.25

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔 / 古山 健大

    ABSTRACT

    【ポイント】

    ・JNTO訪日外客統計によれば、入国制限強化の影響もあり6月の訪日外客総数(推計値ベース)は9,300人と前月から減少し、4カ月ぶりに1万人を下回った。

    ・JNTO訪日外客統計を目的別にみれば、4月の総数(暫定値ベース)は10,853人であった。うち、観光客は740人、商用客は1,368人、その他客は8,745人であった。

     

    【トピックス1】

    ・対アジア向けに加え対米、対EU向けの輸出の好調もあり、関西6月の輸出は4カ月連続で増加。また、輸入も5カ月連続で増加した。対中貿易動向をみると、輸出の伸びは13カ月連続で増加し、輸入は3カ月ぶりに増加した。

    ・財貨の輸出入は回復を続けているが、サービスの輸出入は依然低調。6月の関西国際空港への訪日外客数は2,361人で前月から増加したものの低水準が続いている。日本人出国者数は2,518人で前月から減少し、底這いで推移している。

    ・3度目の緊急事態宣言により、サービス業の悪化が続いている。

    5月の第3次産業活動指数は2カ月連続の前月比マイナス。緊急事態宣言の影響で、対面型サービス業指数も2カ月連続の同マイナスと厳しい状況が続く。

    ・第3次産業活動指数のうち、観光関連指数は2カ月連続の前月比マイナスで前月からマイナス幅は拡大。5月の大型連休の旅行需要は低調となり、旅行業や宿泊業を中心に悪影響が表れた。

     

    【トピックス2】

    ・4月の関西2府8県の延べ宿泊者数は3,752.7千人泊で、伸びはコロナ禍の影響がない前々年同月(2019年4月)比で-66.4%となった。

    ・うち日本人延べ宿泊者数は3,719.3千人泊で伸びは前々年同月比-51.3%と前月からマイナス幅は拡大。外国人延べ宿泊者数は、33.4千人泊で伸びは同-99.1%となり、前月から減少幅は拡大した。

    ・関西の延べ宿泊者数を宿泊者の居住地別でみると、県内の延べ宿泊者数は993.0千人泊、県外は2,597.0千人泊であった。夏休みシーズンに向け、各府県で自府県民を対象とした旅行補助事業が予算化されており、今後、県内宿泊者のシェアは高まっていくことが予想される。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.99-景気は足下、先行きともに改善:ワクチン接種進捗の一方で懸念される変異株拡大のリスク-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔 / 郭 秋薇 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    景気は足下、先行きともに改善:ワクチン接種進捗の一方で懸念される変異株拡大のリスク

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数(7日移動平均)は、7月1日を底として再び増加に転じ、足下では緊急事態宣言中であった5月下旬を上回った。こうした中、各府県ではワクチン接種が進捗しているが、変異株拡大が大きなリスクとなっている。
    ・5月の鉱工業生産は汎用・業務用機械や化学工業(除.医薬品)などの減産により、2カ月ぶりの前月比低下。4-5月平均比は1-3月平均と比べると小幅上昇にとどまった。
    ・5月の完全失業率は2カ月ぶり、有効求人倍率は4カ月ぶりの前月比小幅改善。4-5月の増減を均してみると、雇用環境は依然厳しい状態が続いている。
    ・4月の関西2府4県の現金給与総額は名目で2カ月連続、実質で4カ月連続の前年比増加。しかし、コロナ禍の影響がない前々年同月比では、いずれもマイナスと低調である。
    ・5月の大型小売店販売額は前年比ほぼ横ばいだが、前々年と比べると、3度目の緊急事態宣言により、前月からマイナス幅は拡大している。
    ・5月の新設住宅着工戸数は4カ月ぶりの前月比減少。貸家の大幅減少が全体の低下に寄与した。輸入木材価格の急騰による影響が現れ始めており、今後の動向を注視する必要がある。
    ・5月の建設工事出来高は38カ月連続の前年比増加。手持ち工事高から判断して、先行きも増加が予想される。6月の公共工事請負金額は2カ月連続の前年比増加となった。
    ・6月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続の前月比改善。緊急事態宣言の解除が改善に影響した。先行きはワクチン接種加速の期待から2カ月連続の改善となった。
    ・6月の輸出は4カ月連続、輸入は5カ月連続の前年比増加。前者の伸びが後者の伸びを上回った結果、貿易収支は17カ月連続の黒字となった。なお、6月は半導体等電子部品の輸出が単月で過去最高となった。
    ・6月の関空への外国人入国者数は前月から幾分増加したが、入国制限の継続もあり、2,361人にとどまった。
    ・中国4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.9%と、1-3月期に比して半減したものの、前期比で見れば加速している。

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  • 稲田 義久

    インバウンド先進地域としての関西 ―持続可能な観光戦略を目指して―

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2021年度 » 日本・関西経済軸

    AUTHOR : 
    稲田 義久

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    APIR研究統括兼数量経済分析センター長 稲田 義久

     

    研究目的

    ・持続可能なインバウンド産業にむけての戦略転換の指針の導出
    コロナ前のインバウンド産業では訪日外客の量的拡大を志向する傾向が強く、供給制約に直面した場合、持続可能な発展が望めない状況にあった。こういった量的拡大志向から、コロナ後を見据えて1人当たりの付加価値を高める戦略への転換が必要であり、コロナ禍によって訪日外客が途絶えている現在は戦略を再考する好機といえる。
    2020年度、本研究PJではインバウンド消費を分析する視点として「ブランド力」「広域・周遊化」「イノベーション」「安全・安心・安堵」を提示した。2021年度は特に「ブランド力」の向上のために、日本人が気づきにくい観光資源の魅力や課題を抽出する施策を検討し、戦略転換の指針を導きたい。

    ・ポストコロナのインバウンド戦略策定を意識した、基礎的分析の継続
    本テーマでは、マーケティングの指標となるインバウンド関係基礎データの整理・推計や、戦略策定に参考となるマイクロデータ分析といった基礎的な分析を継続的に行い、得られた知見をトレンド・ウォッチ等の形で都度発表してきた。2021年度はコロナ禍の影響も取り入れた分析を継続し、コロナ後のインバウンド戦略の策定に資する情報として成果を発信したい。コロナ禍により訪日外客のデータが公表されない期間については、対象を拡大して国内旅行について同様の分析を行う。

     

    研究内容

    2020年度に引き続き、以下の5つの軸でバランスよく進める。

    ①関西基礎統計の整理

    ②マイクロデータによる実証分析

    ③ブランド力指標の開発のための基礎調査、アンケート調査の実施

    ④観光戦略の在り方や、成長戦略立案の課題検討

    ⑤成果の発信、課題共有の「場」作り

     

    <研究体制>

    研究統括・リサーチリーダー

    稲田 義久  APIR研究統括兼数量経済分析センター長、甲南大学名誉教授

    リサーチャー

    松林 洋一  APIR上席研究員、神戸大学大学院経済学研究科長・教授
    KARAVASILEV Yani  APIR研究員、京都文教大学総合社会学部講師
    郭 秋薇   APIR研究員
    野村 亮輔  APIR研究員

    研究協力者

    道久 聡   国土交通省 近畿運輸局観光部 計画調整官
    岩﨑 靖彦  国土交通省 近畿運輸局観光部 観光企画課 課長
    濱田 浩一  関西観光本部 事務局次長
    中野 裕行  日本旅行業協会 関西事務局長
    筒井 千恵  関西エアポート株式会社 航空営業部 グループリーダー
    TIRTARA Alin  APIRインターン

    オブザーバー

    森本 裕   甲南大学経済学部準教授

    ※必要に応じてDMO、自治体や民間企業等関係者にも参画いただく。

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    研究成果としては、関西インバウンド基礎統計の整備(月次レポート、トレンドウォッチ)、マイクロデータの分析成果(研究報告書)、関西観光戦略の課題の共有化(研究会、シンポジウム等での情報提供と議論)を予定している。
    また、上記研究成果を「ポストコロナ禍における観光政策の立案」、「観光ハード面とソフト面のインフラ整備」、「推計値を用いた観光DMOのプロモーション施策の検証」等に活用できるであろう。