都道府県別訪日外客数と訪問率:10月レポート
【ポイント】
・JNTO訪日外客数(推計値)によれば、10月総数は27,400人(前年同月比-98.9%)で、13カ月連続のマイナス。10月から一定条件の下、ビジネス等に限って全ての国・地域からの新規入国が可能となったため、2カ月連続で1万人を超える水準となった。
・JNTO訪日外客数(暫定値)を目的別にみれば、8月総数は8,658人(前年同月比-99.7%)となった。うち目的別にみれば、観光客は482人(同-100.0%)、商用客は702人(同-99.4%)、その他客は7,474人(同-96.3%)であった。8月から再入国許可保持者の再入国を一部認めたこともあり、商用客(241人)や留学目的などのその他客(3,123人)が前月から増加した。
【トピックス】
・10月の関空への訪日外客数は前年同月比-99.2%大幅減少し、9カ月連続のマイナス。新たに2府8県ベースで推計(APIR)された2019年の関西での外国人消費額は1兆2,127億円(確報ベース)であるため、20年10月の損失額は1,002億円(= 12,127/12 ×関空への訪日外客数の減少率)と推計される。結果、2-10月期インバウンド需要の損失合計は8,685億円となる。
・10月はビジネスや留学目的の外国人を対象に限定的ではあるが、日本への新規入国が全面緩和された。政府は11月以降、更なる入国緩和を検討しているが、観光目的の入国は依然として厳しく規制されているため、訪日外客の急回復は期待しづらい。
・関西10月の輸出総額の伸びは好調な対中輸出の影響もあり、8カ月ぶりのプラス(前年同月比+2.3%)に転じた。
・8月の関西2府8県の延べ宿泊者数(全体)は7カ月連続の前年同月比マイナス(同-63.3%)。COVID-19の感染再拡大の影響もあり、マイナス幅は前月(同-64.7%)より小幅縮小にとどまった。
・うち日本人延べ宿泊者数をみれば、4,628.7千人泊となり8カ月連続の前年同月比マイナス。外国人延べ宿泊者数をみれば、41.8千人泊となり7カ月連続の前年同月比マイナスとなった。
・8月の延べ宿泊者数(関西2府8県ベース)の減少幅から(関西の)国内旅行消費額の損失額を推計すると、約1,830億円となる(=4.1兆円/12 ×関西の延べ宿泊者数の当月の減少率)。結果、3-8月期の損失額は約1.3兆円となる。
・9月速報値を考慮した延べ宿泊者数(全国ベース)の減少幅から(全国の)国内旅行消費額の損失額を計算すると、約6,840億円となる(=21.9兆円/12 ×全国の延べ宿泊者数の当月の減少率)。結果、3-9月期の損失額合計は約7.3兆円となる。
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