研究成果

research

人流データを用いた消費動向の予測

新型コロナウイルスの感染拡大後、人の位置や動きに関する情報を示す「人流データ」は、ロックダウンなどの政策効果の検証、今後の感染状況の予測などに利用され、注目を集めている。本稿は商業施設への人出と消費の関係性に焦点を当てて、更新頻度の高い日次ベースの人流データを用いて、ほぼリアルタイムで月次の消費データの予測を行った。
具体的に、Google社の「コミュニティ モビリティ レポート」に含まれた商業施設への人出増減のデータと商業動態統計調査の各種販売額データを結合したパネルデータにより固定効果推定を行った。また構築した予測モデルを用いて、足元の人流データで関西2府4県における2020年12月と21年1月の小売業販売額を予測した。得られた結論は以下の3点に要約できる。
(1) 人流データと消費動向との間に統計的に有意な相関があることが確認された。百貨店販売額を被説明変数とした推定では、小売店・娯楽施設への人出増減は統計的に有意ではなかったが、自宅での滞在時間増減は緊急事態宣言下で販売額と有意で負の相関を持つ。また、飲食料品及びドラッグストア販売額を被説明変数とした場合、食料品・薬局への人出増減と住居での滞在時間増減は、いずれも統計的に有意な正の相関を持つことがわかった。
(2) 消費動向を表す経済指標は通常足元より1カ月以上の遅れが生じるのに対して、人流データは数日の遅れしか生じない。人出と消費動向との間にある統計的に有意な関係を確立し予測モデルを構築することで、人流データを用いて足元の消費動向をほぼリアルタイムで予測できる。
(3) 新型コロナウイルス感染再拡大の影響が懸念される。本モデルを用いた予測結果によると、百貨店販売額は、12月は京都府、大阪府、兵庫県でいずれも伸びは前月とほぼ横ばいだが、1月には大幅に減少することが予測される。また、飲食料品及びドラッグストア販売額は、関西2府4県いずれも12月は前月より上昇するが、1月に大幅に減少することが予測される。
なお、予測精度については概ね高いといえる。しかし、説明変数の選択も含めて予測精度改善の余地もあることから、今後の課題としたい。

関連論文

  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.101-景気は足下、先行きともに改善:陽性者数減少も感染対策による消費下押し圧力に注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、8月28日にピークを打ち、足下ではピーク時の3分の1以下となった。一方、飲食店への時短要請や入場制限などの感染対策が継続されており、消費の下押し圧力が懸念される。
    ・7月の鉱工業生産は2カ月ぶりの前月比低下。電気・情報通信機械、金属製品、汎用・業務用機械などの減産が影響した。
    ・7月の完全失業率は3カ月連続の小幅改善だが、感染対策の影響から就業者が減少した。また、7月の有効求人倍率は3カ月ぶりの小幅下落。雇用情勢は厳しい状況が続いている。
    ・6月の関西2府4県の現金給与総額は名目で4カ月連続、実質で6カ月連続の前年比増加だが、コロナ禍の影響がない前々年比はいずれも減少。賃金は依然低調である。
    ・7月の大型小売店販売額は3カ月ぶりの前年比増加。前々年比でみても、2カ月連続で前月よりマイナス幅が縮小しており、回復している。
    ・7月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前月比増加。分譲マンションの大幅増加が全体の増加に寄与した。持ち直しの基調が続いているが、ウッドショックや感染再拡大等の要因による下押し圧力が今後も懸念される。
    ・7月の建設工事出来高は40カ月連続の前年比増加。うち、公共工事出来高は22カ月連続の同増加。8月の公共工事請負金額は4カ月連続の前年比増加となった。
    ・8月の景気ウォッチャー現状判断DIは緊急事態宣言発令や天候不順の影響もあり4カ月ぶりの前月比悪化。先行きは感染拡大による緊急事態宣言延長の見方もあり、2カ月連続で悪化した。
    ・8月の輸出は6カ月連続、輸入は7カ月連続の前年比増加。輸出は前月に引き続き、アジア向けの半導体等電子部品やプラスチックが好調。輸入は原油及び粗油、医薬品の増加が寄与した。
    ・8月の関空への外国人入国者数は2,476人となり、前月から減少し、21年前半の月平均(3,772人)を下回る状況が続いている。
    ・8月の中国経済は、多くの指標に減速傾向がみられる。COVID-19の再拡大によって、非製造業PMIは昨年2月以来の低水準。また、外需の軟調により生産も頭打ちとなっている。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.100-景気は足下、先行きともに改善:変異株拡大と緊急事態宣言による消費下押し圧力の高まり-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、7月1日に増加に転じ、8月以降急増した(感染第5波)。足下では第4波のピークを大幅に上回った。感染拡大を受けた商業施設の入場制限などにより、消費への下押し圧力が強まろう。
    ・6月の鉱工業生産は化学工業(除.医薬品)や汎用・業務用機械工業の増産で、2カ月ぶりの前月比上昇。4-6月期は4四半期連続で上昇し、コロナ禍の影響が表れ始めた頃の水準を上回った。
    ・6月の完全失業率は2カ月連続の小幅改善。4月の大幅悪化の影響もあり4-6月期は2四半期ぶりの悪化。6月の有効求人倍率は2カ月連続の改善、四半期ベースでも2四半期連続の改善。ただし、業種別では製造業と対面サービス業で回復に差が見られる。
    ・5月の関西2府4県の現金給与総額は名目で3カ月連続、実質で5カ月連続の前年比増加。しかし、コロナ禍の影響がない前々年比ではいずれもマイナスであり、依然低調である。
    ・6月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比減少。前々年比でみると、緊急事態宣言解除により、6月は前月からマイナス幅は縮小した。また、4-6月期は、感染拡大と緊急事態宣言発令により、1-3月期に比してマイナス幅は拡大した。
    ・6月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比増加。結果、4-6月期は2四半期ぶりに大幅増加した。貸家の好調が全体の回復を牽引したが、ウッドショックや感染再拡大等の下押し要因もあり、今後回復ペースが鈍化すると予想される。
    ・6月の建設工事出来高は39カ月連続の前年比増加。うち、公共工事出来高は21カ月連続の同増加であった。7月の公共工事請負金額は3カ月連続の前年比増加となった。
    ・7月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続の前月比改善だが、小幅上昇にとどまった。一方、先行きは感染拡大(第5波)の影響で3カ月ぶりに悪化した。
    ・7月の輸出は5カ月連続、輸入は6カ月連続の前年比増加。輸出入ともに増加幅は前月からやや縮小したものの、高い伸びが続いている。なお、半導体等電子部品の輸出は前月に引き続き単月過去最高額を更新した。
    ・7月の関空への外国人入国者数は東京オリンピックの選手や関係者の一部が入国したこともあり2,776人となった。前月から幾分増加したものの、依然底這い圏で推移している。
    ・7月の中国経済は、COVID-19感染拡大による移動制限と洪水被害に伴う経済活動の停滞で、減速傾向が見られる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.99-景気は足下、先行きともに改善:ワクチン接種進捗の一方で懸念される変異株拡大のリスク-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 野村 亮輔 / 郭 秋薇 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    景気は足下、先行きともに改善:ワクチン接種進捗の一方で懸念される変異株拡大のリスク

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数(7日移動平均)は、7月1日を底として再び増加に転じ、足下では緊急事態宣言中であった5月下旬を上回った。こうした中、各府県ではワクチン接種が進捗しているが、変異株拡大が大きなリスクとなっている。
    ・5月の鉱工業生産は汎用・業務用機械や化学工業(除.医薬品)などの減産により、2カ月ぶりの前月比低下。4-5月平均比は1-3月平均と比べると小幅上昇にとどまった。
    ・5月の完全失業率は2カ月ぶり、有効求人倍率は4カ月ぶりの前月比小幅改善。4-5月の増減を均してみると、雇用環境は依然厳しい状態が続いている。
    ・4月の関西2府4県の現金給与総額は名目で2カ月連続、実質で4カ月連続の前年比増加。しかし、コロナ禍の影響がない前々年同月比では、いずれもマイナスと低調である。
    ・5月の大型小売店販売額は前年比ほぼ横ばいだが、前々年と比べると、3度目の緊急事態宣言により、前月からマイナス幅は拡大している。
    ・5月の新設住宅着工戸数は4カ月ぶりの前月比減少。貸家の大幅減少が全体の低下に寄与した。輸入木材価格の急騰による影響が現れ始めており、今後の動向を注視する必要がある。
    ・5月の建設工事出来高は38カ月連続の前年比増加。手持ち工事高から判断して、先行きも増加が予想される。6月の公共工事請負金額は2カ月連続の前年比増加となった。
    ・6月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続の前月比改善。緊急事態宣言の解除が改善に影響した。先行きはワクチン接種加速の期待から2カ月連続の改善となった。
    ・6月の輸出は4カ月連続、輸入は5カ月連続の前年比増加。前者の伸びが後者の伸びを上回った結果、貿易収支は17カ月連続の黒字となった。なお、6月は半導体等電子部品の輸出が単月で過去最高となった。
    ・6月の関空への外国人入国者数は前月から幾分増加したが、入国制限の継続もあり、2,361人にとどまった。
    ・中国4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.9%と、1-3月期に比して半減したものの、前期比で見れば加速している。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.98–景気は足下、先行きともに改善:先行きの個人消費回復のカギを握るワクチン接種の進捗–

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数(7日移動平均)は、4月末にピークアウトし、5月以降減少。足下では「感染第4波」は収束に向かっている。
    ・4月の鉱工業生産は生産用機械や汎用・業務用機械などの増産もあり、2カ月ぶりに前月比上昇したものの、4-6月期の最初の月としては低調である。
    ・4月の完全失業率は4カ月ぶり、有効求人倍率(受理地別)は2カ月連続の前月比悪化。3度目の緊急事態宣言発令で経済活動が抑制されており、雇用への下押し圧力が見られる。
    ・3月の関西2府4県の現金給与総額は名目で20カ月ぶり、実質で3カ月連続の前年比増加。パートタイム労働者比率が4カ月連続で低下したために、1人当たり賃金が押し上げられたと見られる。所得環境の本格的な回復は道半ばである。
    ・4月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比増加。ただし、コロナ禍の影響がない前々年と比較すると、販売額は依然低水準である。今月は感染拡大と緊急事態宣言再発令により、百貨店を中心に前月より販売額が縮小した。
    ・4月の新設住宅着工戸数は3カ月連続の前月比増加。持家の回復と貸家の大幅な増加は全体の上昇に寄与した。
    ・4月の建設工事出来高は関東が15カ月連続で前年比減少する一方、関西は37カ月連続で増加した。5月の公共工事請負金額は2カ月ぶりの前年比増加となった
    ・5月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月ぶりの前月比改善。新規感染者数の減少や休業要請の一部緩和が影響した。先行きはワクチン接種普及等の期待から3カ月ぶりに改善した。
    ・5月の輸出は3カ月連続、輸入は4カ月連続の前年比増加。堅調な回復を見せるものの、前々年同月比では輸入は減少となっている。ただし、欧米からの医薬品輸入の増加が続く。
    ・5月の関空への外国人入国者数は2,001人と前月(2,341人)から減少。入国制限が続いているため、入国者数は底這いでの推移が続こう。
    ・5月の中国の貿易収支は15カ月連続の黒字となったが、輸入の増大もあり4カ月連続で前年比縮小。また、企業のセンチメント、工業生産指数などは前月から幾分回復したが、社会消費品小売総額は前月から減速した。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.97–景気は足下、先行きともに改善:懸念される緊急事態宣言発令の影響–

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数(7日移動平均)は、4月以降急増し28日に過去最高を更新し、ピークを打った。5月以降は減少に転じたが、依然高水準が続いている。
    ・3月の鉱工業生産は生産用機械や汎用・業務用機械などの減産により、3カ月ぶりに前月比低下。1-3月期では3四半期連続の上昇となり、コロナ禍の影響が出始めた時期まで回復した。
    ・3月の完全失業率は2カ月連続の前月比改善。有効求人倍率(受理地別)は3カ月ぶりの小幅悪化。1-3月期は、完全失業率は小幅だが6四半期ぶり、有効求人倍率は7四半期ぶりの改善。雇用情勢は総じて回復が見られるが、回復のペースは緩やかである。
    ・2月の関西2府4県の現金給与総額は名目で19カ月連続の前年比減少だが、マイナス幅は前月から縮小。実質では24カ月ぶりに同増加に転じた。
    ・3月の大型小売店販売額は18カ月ぶりの前年比増加。ただし、前年同月はインバウンド消費の激減や巣ごもり需要の増加による影響もあり、それらの影響がない前々年と比較すると、販売額は依然コロナ前の水準を下回っている。
    ・3月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前月比増加。全てのカテゴリーで増加がみられ、特に分譲マンションの増加が全体の上昇に大きく寄与した。
    ・3月の建設工事出来高は関東が15カ月連続で前年比減少する一方、関西は8カ月連続で増加した。4月の公共工事請負金額は3カ月ぶりの前年比減少となった
    ・4月の景気ウォッチャー現状判断DIは4カ月ぶりの前月比悪化。3度目の緊急事態宣言の発令で対面型サービス業が大きく影響を受けた。また、先行きも2カ月連続で悪化した。
    ・4月の輸出は2カ月連続、輸入は3カ月連続の前年比増加。輸出増には中国向け半導体等製造装置や米国向け建設用・鉱山用機械が寄与し、輸入増には欧米からの医薬品が引き続き寄与した。
    ・4月の関空への外国人入国者数は2,341人と前月(3,129人)から減少し、依然インバウンド需要は消失した状況が続く。
    ・4月の中国経済は、多くの経済指標で堅調な伸びを示したが、前年同月の裏が出たため、伸び率は前月からやや縮小した。2020年の「人口普査(センサス)」が発表されたが、結果は今後の中国経済の課題を示唆するものとなっている。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.96–景気は足下先行きともに改善:感染拡大防止策によるサービス消費の下押し圧力に注意–

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数(7日移動平均)は、緊急事態宣言が解除された3月1日以降、増加に転じた。4月19日には過去最多を更新し、感染拡大が続いている。
    ・2月の鉱工業生産は汎用・業務用機械や輸送機械などの増産もあり、2カ月連続の前月比上昇。水準は消費増税前の2019年9月以来の値となり、生産は回復傾向が続いている。
    ・2月の完全失業率は5カ月ぶり、有効求人倍率(受理地別)は2カ月連続でいずれも前月比改善だが、回復のテンポは緩やかである。
    ・1月の関西2府4県の現金給与総額は名目で18カ月連続の前年比減少だが、実質賃金はほぼ横ばい。来月以降、所得環境が回復基調に転じるかどうか、注視が必要である。
    ・2月の大型小売店販売額は17カ月連続の前年比減少。減少幅は前月から縮小し、回復が見られた。ただし、前年2月はうるう年や衛生用品の買い占めの影響もあり、影響がない前々年同月と比較すると、依然厳しい状況が続いている。
    ・2月の新設住宅着工戸数は3カ月ぶりの前月比増加。中でも貸家が大幅な増加となり、全体の押し上げに寄与した。
    ・2月の建設工事出来高は関東が14カ月連続で前年比減少する一方、関西は7カ月連続で増加した。3月の公共工事請負金額は2カ月連続の前年比増加となったが、1-3月期は2四半期連続で前年比減少した。
    ・3月の景気ウォッチャー現状判断DIは緊急事態宣言が全国的に解除されたことで、2カ月連続の前月比改善。一方、先行きは感染再拡大の悪影響が懸念されており、4カ月ぶりに悪化した。
    ・3月の輸出は2カ月ぶり、輸入は2カ月連続の前年比増加。輸出増には中国向けプラスチックや米国向け建設用・鉱山用機械が寄与。一方、輸入増には欧米の医薬品や中国のPC等が寄与した。
    ・3月の関空への外国人入国者数は前月から増加したものの、厳格な水際対策が依然続いており、入国者は低迷している。
    ・1-3月期の中国の実質GDPは前年同期の低水準により+18.3%と11年4-6月期以来の2桁増加。一方、中国政府は世界経済の先行きリスクや、海外の感染拡大状況などの不確実性を警戒し、21年の経済成長率を6%以上とする控えめな目標を設定した。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.95– 足下景気は局面変化を迎え、先行きは改善:感染再拡大による景気下振れリスクに注意 –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数は、1月中旬にピークを打ち、2月に入ってからも減少傾向で推移した。しかし、3月2日を底として徐々に増加し、3月中旬には感染第3波が広がり始めた11月上旬の水準まで再び増加した。
    ・1月の鉱工業生産は2カ月ぶりの前月比上昇。電気・情報通信機械工業や生産用機械工業などの増産の影響もあり、新型コロナウイルスの影響が出始めた2020年2月以来の水準となった。
    ・1月の完全失業率は前月から横ばい。有効求人倍率は2019年6月以来、1年7カ月ぶりの改善。新規求人倍率は3カ月連続で改善だが、対面サービス業を中心に先行きには注意を要する。
    ・12月の関西2府4県の現金給与総額は名目で17カ月連続の前年比減少。実質賃金は22カ月連続の同減少。結果、2020年通年では実質賃金は3年連続で減少した。伸びも3年連続で全国を下回っており、所得環境を巡る状況は一層厳しさを増している。
    ・1月の大型小売店販売額は16カ月連続の前年比減少。緊急事態宣言再発令に伴う外出自粛の影響で、百貨店の減少幅は前月から大幅拡大。一方、スーパーは巣ごもり需要で小幅改善した。
    ・1月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前月比減少。持家に持ち直しの傾向がみられる一方、貸家では低下傾向が続く。
    ・1月の建設工事出来高は6カ月連続の前年比増加。2月の公共工事請負金額は2カ月ぶりの前年比増加となった。
    ・2月の景気ウォッチャー現状判断DIは緊急事態宣言解除の影響もあり4カ月ぶりの前月比改善。先行きは3カ月連続の改善で、ワクチン接種開始による感染収束への期待が大きく影響した。
    ・2月の輸出は中国の春節時期が2月にずれたため、3カ月ぶりの前年比減少。一方輸入は生産活動停止による大幅減少の反動で対中輸入が大幅増加したため、17カ月ぶりの同増加であった。
    ・2月の関空への外国人入国者数は1,819人と前月から大幅減少した。緊急事態宣言の期間延長に伴い、外国人の入国制限が継続された影響が大きい。
    ・1-2月の中国経済は、比較対象となる前年の水準が低いため、主要経済指標は前年比2桁の大幅増となった。しかし、景気の持続性については依然注意が必要である。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.94- 景気足下は下げ止まり、先行きは改善を見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

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    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数は、緊急事態宣言再発令の直前の1月12日に1,030人とピークを打ち、以降減少に転じている。
    ・12月の鉱工業生産は汎用・業務用機械工業や電子部品・デバイス工業などの減産もあり4カ月ぶりの前月比低下。4-6月期の大幅減産の影響もあり2020年は、09年以来の低水準を記録した。
    ・12月の完全失業率、有効求人倍率はいずれも2カ月ぶりの悪化。Go Toトラベル事業の一時停止や飲食店への時短要請が雇用情勢の悪化に影響した。通年では、完全失業率は8年ぶり、有効求人倍率は11年ぶりに、いずれも悪化した。
    ・11月の関西2府4県の現金給与総額は16カ月連続の前年比減少。また、実質賃金は21カ月連続の同減少。所得環境は悪化が続くが、経済活動正常化に伴い、マイナス幅は縮小傾向にある。
    ・12月の大型小売店販売額は15カ月連続の前年比減少。新型コロナウイルスの全国的な感染再拡大による外出自粛が影響した。結果、10-12月期は5四半期連続の前年比減少、2020年通年は3年連続の同減少となった。
    ・12月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比減少。分譲マンションの大幅減少が全体の低下に大きく寄与した。2020年通年では2年連続で前年比減少した。
    ・12月の建設工事出来高は5カ月連続の前年比増加。2020年通年では5年連続の増加。1月の公共工事請負金額は2カ月ぶりの前年比減少となった。
    ・1月の景気ウォッチャー現状判断DIは前月比横ばいだが、低水準が続く。緊急事態宣言の再発令で、旅行関連や飲食関連を中心に幅広い業種で悪影響が表れている。
    ・1月の輸出は2カ月連続の前年比プラス、一方輸入は16カ月連続の同マイナス。対中輸出の好調もあり、貿易収支は12カ月連続の黒字となった。
    ・1月の関空の外国人入国者数は12カ月連続の前年比マイナス。これまで例外的に認められていたビジネス関係の往来が新たに停止されたこともあり、マイナス幅は前月から拡大した。
    ・中国1月のPMIは製造業と非製造業ともに2カ月連続で前月から悪化した。また、国際商品価格の上昇により、PPIは1年ぶりに前年比プラスに転じた。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.93- 景気足下は下げ止まり、先行きは持ち直しを見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

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    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西のCOVID-19の1日当たり新規感染者数は1月に入り急増し、12日に過去最多の1,030人となり依然高水準が続いている。
    ・11月の生産は汎用・業務用機械工業や電子部品・デバイス工業の増加もあり3カ月連続の前月比上昇。結果、近畿経済産業局は基調判断を「持ち直している」へと4カ月ぶりに上方修正した。
    ・11月の完全失業率は2カ月ぶりの改善。有効求人倍率(受理地別)は11カ月ぶりの改善。しかし、いずれも改善幅は小幅にとどまっており、依然としてコロナ禍による影響は大きい。
    ・10月の関西2府4県の現金給与総額は15カ月連続の前年比減少。また、実質賃金は20カ月連続の同減少。所得環境は悪化が続くが、下落幅は縮小傾向にある。
    ・11月の大型小売店販売額は14カ月連続の前年比減少。新型コロナウイルスの感染再拡大による外出自粛に加え、気温上昇による冬物需要の減退などが影響した。
    ・11月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりに前月から増加した。分譲マンションの大幅増加が全体の上昇に大きく寄与した。
    ・11月の建設工事出来高は4カ月連続で前年比増加した。12月の公共工事請負金額は3カ月ぶりの同増加となった。
    ・12月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で前月比大幅悪化。感染再拡大を受け、Go Toキャンペーン事業の一時停止や営業時間の短縮要請により、サービス業や飲食業を中心に悪影響が出ている。
    ・12月の輸出は2カ月ぶりの前年比プラス、一方輸入は15カ月連続の同マイナス。結果、貿易収支は11カ月連続の黒字だが、貿易総額は縮小が続いている。
    ・12月の関空の外国人入国者数は1万3,552人と2カ月連続で1万人を超えた。2020年通年では101万1,184人と、1996年以来の低水準であった。
    ・中国の10-12月期実質GDP成長率は前年同期比+6.5%と前期から+1.6%ポイント上昇。3四半期連続のプラス。20年通年では前年比+2.3%となり、主要国では唯一プラス成長の見込み。

    ※英語版はこちら

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.92- 足下の景気は下げ止まり、先行きは持ち直しを見込む –

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 車 競飛

    ABSTRACT

    ・関西におけるCOVID-19の新規感染者数は10月下旬以降急増しており、感染第3波が到来している。また、11月下旬以降、500人を超える高水準が続く。
    ・10月の生産は2カ月連続の前月比上昇だが、コロナ禍前の1月の水準と比べて依然低調であることに注意。
    ・10月の完全失業率は3カ月ぶりの悪化。有効求人倍率(受理地別)は12カ月連続の悪化。就業地別では0.97倍と3カ月連続で1倍を割り込んだ。雇用情勢は総じて厳しい状況が続いている。
    ・9月の関西2府4県の現金給与総額は14カ月連続の前年比減少。また、実質賃金は19カ月連続の同減少。所得環境は悪化が続くが、下落幅は縮小傾向にある。
    ・10月の大型小売店販売額は13カ月連続の前年比減少だが、減少幅が前月より大幅縮小。昨年の水準は、消費増税反動減により低かったことに加え、新型コロナウイルス感染拡大が10月前半は一定程度落ち着いていたことなど、が影響した。
    ・10月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりに前月から減少した。持家と貸家の減少が全体の引き下げに寄与した。
    ・10月の建設工事出来高は3カ月連続で前年比増加した。11月の公共工事請負金額は2カ月連続の前年比減少。
    ・11月の消費者態度指数は前月比小幅悪化にとどまったが、同月の景気ウォッチャー現状判断DIは大幅悪化した。新型コロナウイルス第3波によりセンチメントは悪化しつつある。
    ・11月の輸出は中国向けが減速した影響もあり2カ月ぶりの前年比マイナス、輸入は14カ月連続の同マイナスであった。結果、貿易収支は10カ月連続の黒字だが、貿易総額は縮小が続く。
    ・11月の関空の外国人入国者数は1万1,945人と2020年3月以来の1万人を超える水準となったが依然低水準が続く。
    ・中国は新型コロナウイルスの収束とともに経済活動の正常化が進んでいる。足下の中国経済は回復の動きが確認されたものの、国内外需要の回復は前期の停滞からのリバウンドの側面が強く、先行きについては引き続き注意が必要である。

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