都道府県別訪日外客数と訪問率:1月レポート No.20
【ポイント】
・JNTO訪日外客統計によれば、1月の訪日外客総数(推計値)は16カ月連続のマイナス。12月下旬以降、入国制限が厳格化されたため、水準は前月から減少した。
・JNTO訪日外客統計を目的別にみれば、11月の総数(暫定値)は56,673人(前年同月比-97.7%)となった。うち、観光客は1,030人(同-100.0%)、商用客は4,793人(同-97.2%)、その他客は50,850人(同-59.0%)であった。11月にベトナムや中国との間でビジネスや留学目的などでの入国条件が緩和されたこともあり、その他客は前月から大幅増加している。
・11カ国・地域の間で例外的に認可されていたビジネス目的などでの往来が1月14日から一時停止となった。また2月2日に緊急事態宣言再発令の期間が3月7日まで延長されたことで、入国制限の措置も継続となった。このため訪日外客数の動向については厳しい状況が続こう。
【トピックス】
・1月の関西国際空港への訪日外客数は10,919人で(前年同月比-98.5%)、伸びは12カ月連続のマイナス。マイナス幅は前月から幾分拡大した。
・関空への訪日外客数減少による12月のインバウンド需要の損失額は、2019年の関西での外国人消費額は1兆2,127億円(確報ベース)であるため、995億円(= 12,127/12 ×関空への訪日外客数の減少率)と推計される。結果、20年2月から21年1月までのインバウンド需要の損失合計は1兆1,662億円で、19年の外国人消費額の96%と推計される。
・関西1月の輸出総額は対中輸出の伸びの拡大もあり、前年同月比+13.3%で2カ月連続のプラス。対中輸出は昨年の春節が1月であったこともあり同+40.0%と前月から大幅上昇し、8カ月連続のプラスとなった。
11月の関西2府8県の延べ宿泊者数は10カ月連続の前年比マイナスだが、Go To トラベルキャンペーンの影響もあり、マイナス幅は前月から縮小。ただし、12月14日にGo To トラベルキャンペーンが全国的に停止されたため、来月以降、マイナス幅が拡大する可能性が高い。
・うち日本人延べ宿泊者数は6,835.9千人泊で伸びは11カ月連続の前年比マイナスだが、前月からマイナス幅は縮小。外国人延べ宿泊者数は、112.6千人泊で9カ月連続の同マイナスとなり、依然底這いの状況が続く。
・11月の延べ宿泊者数(関西2府8県ベース)の減少幅から(関西の)国内旅行消費額の損失額を推計すると、約508億円となる(=4.1兆円/12 ×関西の延べ宿泊者数の当月の減少率)。結果、3-11月期の損失額は約1.6兆円となる。
・12月速報値を考慮した延べ宿泊者数(全国ベース)の減少幅から(全国の)国内旅行消費額の損失額を計算すると、約4,459億円となる(=21.9兆円/12 ×全国の延べ宿泊者数の当月の減少率)。結果、3-12月期の損失額合計は約8.4兆円となる。