研究成果

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研究成果一覧

研究プロジェクト

「アジア太平洋経済展望」と「地域発展戦略」を主軸に、アジア太平洋地域(関西を含む)の社会・経済動向や政策等に関する研究を行っています。

  • 木村 福成

    アジアをめぐる経済統合の展望と課題

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » アジア太平洋地域軸

    AUTHOR : 
    木村 福成

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    上席研究員 木村福成 慶應義塾大学経済学部教授

     

    研究目的

    アジア諸国は、Brexitと米トランプ政権の登場に象徴される保護主義的風潮の高まりに危機感を抱きつつも、日EU EPAの大枠合意、TPP11の署名、RCEP交渉の継続などを受け、新たな段階にはいりつつある。アジアは自由貿易に対する向かい風に抗していけるのか、デジタルエコノミーの波はこれまでの製造業ベースのグローバル・ヴァリュー・チェーンを中心に据えた開発戦略をどう変えていくのか、高いレベルの自由化と新たな国際ルール作りは進むのかなど、最新の情報を踏まえつつ検討すべき課題は多い。本プロジェクトでは、国際経済学のみならず、国際法学、企業研究などさまざまな知見を得ながら、アジアの経済統合について研究を進めていく。

    2018年度はデジタルエコノミーの到来と国際分業・貿易の大変革を踏まえ、アジアの経済統合がどのような方向に向かっていくべきなのかにつき、有用な示唆を得るに至った。

     

    研究内容

    2019年度は昨年度に引き、刻々と変化する国際貿易体制の状況を踏まえながら、マクロ的には自由貿易体制の行方、ミクロ的には自由化と国際ルール作りの要点につき、学際的な視点を固めていくことに力を傾けたい。ルールに基づく国際貿易体制の揺らぎをも踏まえつつ「アジアにおける経済のダイナミズムとグローバリゼーションの展望(仮)」をテーマに講演会形式のオープン研究会にて適宜、外部講師を招聘し、最新情勢の把握と認識の共有を促進したい。

    研究会は、オープン形式の講演会とし、会員企業の方々等との情報共有を進め、また同時に多方面の方々からのフィードバックも受ける。喫緊の課題についての研究実施となるため、事態の新展開を常に追っていく必要がある。それら最新の情勢に関して専門性をもって解釈し、将来を見据えた議論を展開していくところに、本プロジェクトの独自性が存在する。

     

    研究体制

    研究統括

    本多佑三  APIR研究統括

    リサーチリーダー

    木村福成  APIR上席研究員、慶應義塾大学経済学部教授

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    会員企業向けの年次報告書は、2020年3月末に取りまとめる。

    アジアをめぐる情勢は時々刻々と変化しており、日本、関西経済への影響も流動的であるため、研究活動をオープン研究会として開催する事を想定している。講演会形式のオープン研究会において、多方面からの理論・実証・政策研究の成果を提供し、企業の方々に還元する。

    アジア太平洋地域における事業展開戦略の策定に資する。

  • 後藤 健太

    アジアビジネスにおけるSDGs実装化

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » アジア太平洋地域軸

    AUTHOR : 
    後藤 健太

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    主席研究員 後藤健太 関西大学経済学部教授

     

    研究の背景

    アジアにおけるビジネス戦略を考えるうえで、SDGs(Sustainable Development Goals)の達成、持続可能なサプライチェーンの構築はかかせない視点である。

    当研究所においては、設立当社おからASEAN諸国の研究機関等との連携を通じて、アジア太平洋地域の持続的な発展をサポートしていく調査研究を進めていくことを一つの使命としている。

     

     

    研究概要

    2019年度は、ILO、EUが秋口に予定している会議をターゲットに、日本におけるSDGsの取り組みなどを整理するとともに、シンポジウムを開催する。関西SDGsプラットフォームも積極的に活用する。

    2020年度以降は、国内外のSDGsへの貢献事例調査を通じて、SDGsの社会実装化に向けた課題整理、提案を検討し、さらにアジアにおけるビジネス展開におけるSDGsの社会実装化に向けた提案を作成し、国内外でアウトリーチする。

     

    研究体制

    研究統括

    猪木 武徳 APIR研究顧問

     

  • 梶谷 懐

    中国経済の現状と動向

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » アジア太平洋地域軸

    AUTHOR : 
    梶谷 懐

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    主席研究員 梶谷 懐 神戸大学大学院経済学研究科教授

     

    研究目的

    ビジネスの観点から中国を捉えようとすると、「習近平第2期政権」「一帯一路」「AIIB」「深圳を中心とするイノベーション」等、さまざまな論点があり、相互の関連性や重み付け、注視すべき変化点等を俯瞰した判断が必要だが、俯瞰した情報がなかなか得られないのが実情である。そこで、梶谷教授を中心とした中国の専門研究者とともに、企業側の問題意識も反映させつつ俯瞰的に中国を捉える為、会員企業も参加した「オープン研究会」を開催する。

     

    研究内容

    研究会を5回開催しテーマに従い専門の研究者からのプレゼン後、APIR研究員、会員企業も参画して、リサーチリーダーの進行によるゼミ形式を想定。

    研究会はAPIR会員企業担当者、所内研究員、出向者が参加するゼミ形式とし、中国研究第一人者のリサーチリーダー、リサーチャーより直接学ぶと共に企業側の問題意識等も共有の上、議論し、参加者がインタラクティブに学び理解を深める場とする。

     

    研究体制

    研究統括

    本多佑三  APIR研究統括、大阪学院大学教授、大阪大学名誉教授

    リサーチリーダー

    梶谷 懐  APIR主席研究員、神戸大学大学院経済学研究科教授

    リサーチャー

    川島富士雄 神戸大学大学院法学研究科教授

    陳 光輝  神戸大学大学院国際協力研究科教授

    伊藤亜聖  東京大学大学院社会科学研究所准教授

    加茂具樹  慶應義塾大学総合政策学部教授

    劉 亜静  広島修道大学経済科学部准教授

    三竝康平  帝京大学経済学部経営学科講師

    藤井大輔  大阪経済大学経済学部講師

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    会員企業等向けに研究会での議論概要を年次報告書にとりまとめる。

    研究会でのプレゼンテーション並びに議論の概要を期末に報告書にまとめAPIRホームページに掲載する。

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2019年 7月 8日   第1回研究会開催

    ・2019年 9月12日   第2回研究会開催

     

  • 稲田 義久

    インバウンド先進地域としての関西 持続可能な観光戦略を目指して

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » 日本・関西経済軸

    AUTHOR : 
    稲田 義久

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    研究統括兼数量経済分析センター長 稲田義久 甲南大学経済学部教授

     

    研究目的

    ・世界に通用する観光圏「関西」形成のための、関西におけるインバウンド戦略の必要性

    日本経済が人口減少化の下で、将来に亘って持続的な経済成長を実現するためには、新たな成長戦略が必要となる。特に関西経済においては、インバウンド・ツーリズムの戦略的価値が高い。本テーマでは、関西におけるインバウンド戦略を検討するための関西基礎統計の整理、マイクロデータによる分析に取り組んできた。これらを引き続き深化させる。

    ・持続可能な戦略策定のために考慮すべき課題

    インバウンド需要を持続的に拡大するうえで課題となるオーバーツーリズムの解消に加え、最近の課題として、今後数年の間に動向変化が見込まれるIR/MICEの観点、関西三空港の観点も研究に含める必要がある。

     

    研究内容

    2018年度に引き続き、以下4つの軸でバランスよく進めるが、特に②に重点をおく。

    ①関西基礎統計の整理

    インバウンド関係基礎データ(観光庁の公開データ、RESAS等)の整理に加え、18年度に開発した府県別外客数の月次推計手法を用いて動態を分析する 。

    ②マイクロデータによる実証分析

    近畿運輸局等の協力のもと、エビデンスにもとづいた戦略が議論できるための実証分析を行う。具体的には、観光庁が訪日外国人客の消費実態等を把握し、観光行政の基礎資料とする目的で実施してきた訪日外国人消費動向調査(個票をもとに、訪日外国人の多面的な移動パターンの分析)・宿泊旅行統計調査(同じく、府県別宿泊者数の動態分析)等の分析を行う。

    ③観光戦略の在り方成長戦略立案のための課題の認識と共有

    政策担当官庁、推進組織、民間団体と、持続可能なマーケティング戦略をめぐる課題を議論できる「場」を提供し、分析を通じて得られた解決策を発信する。

    ④IR/MICEに関する調査分析

    動向調査による現状把握をもとに、課題抽出と提言の検討を行う。

     

    研究体制

    リサーチャー

    松林洋一  APIR主席研究員、神戸大学大学院教授

    森本 裕  甲南大学経済学部 准教授

    研究協力者

    柴谷淳一  国土交通省・近畿運輸局観光部 計画調整官

    村上良明  国土交通省・近畿運輸局観光部 観光企画課 課長

    野口礼子  関西観光本部 事務局長

    都留敦徳  日本旅行業協会 事務局長

    筒井千恵  関西エアポート株式会社 グループリーダー

    ※必要に応じてDMOや民間企業、IR/MICE関係者 等にも参画いただく。

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    関西の各自治体・観光団体・経済界に対して

    基礎的な観光指標を公表する

    昨年に続いてインバウンド関係基礎データを整理し、関西観光本部と協力して公表する。

    インバウンド戦略策定に向けた実績推計値とマーケティング情報を提供する

    観光庁データのより詳細な分析により、関西におけるインバウンド需要の特性を分析し、観光戦略を検討するために必要となる実績推計を行う 。これらは、新たなツーリズム施策の効果検証を可能にする。

    また個票データ等の分析による関西と他地域の比較から、関西の強みを活かしたマーケティングの立案に貢献することができる情報を提供する。インバウンド消費需要の数量的分析(需要関数の推定)もここで行う。

    観光戦略の在り方と課題を共有するための、情報と「場」を提供する

    関西三空港の動向も踏まえ、四半期毎の研究会を想定する。

    IR/MICEについて、現状分析と新たな提言を行う

    最近の動向を含む分析から、新たな提言を行う。

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2019年 7月31日   第1回研究会開催

    ・2019年11月21日   シンポジウム開催(予定)

  • 下條 真司

    都市におけるIoTの活用

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » 日本・関西経済軸

    AUTHOR : 
    下條 真司

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    上席研究員 下條真司 大阪大学サイバーメディアセンター教授・センター長

     

    研究目的

    本研究では2016年度以降、今後の都市における具体的なIoT(Internet of Things)の在り方の模索と共有を目指して、実例を通じて官民の関係者と議論してきた結果、将来の都市(スマートシティ)では街・人・行政・環境などからデータを取得し、省エネ・安全安心・快適・健康へとサービスを繋いで「人々の幸せ」と「効率的な都市マネジメント」を実現するとした。

    一方、この議論を通じて提案された、マルチデータソース、マルチサービスに対応するプラットフォーム「都市OS」を用いた実証実験を2018年度にグランフロントで行い、IoTが社会に受容されるための具体的な知見と課題を抽出できた。

    今後は実証実験で得られた知見をもとに、IoT実装の対象を空間から都市全体に広げた際のモビリティ等の環境条件も踏まえた、IoTの在り方に関する新しい知見を得たい。

     

    研究内容

    上記の目的を達成するために、実証実験の成果確認後は、研究者、企業関係者、行政機関等による研究会を定期開催する。

    1)スマートシティ実証実験:「都市OS」の実装・シミュレーション検証

    2018年度より、都市におけるIoT活用プラットフォームである「都市OS」の実装・シミュレーション検証を目的とする「スマートシティ実証実験」を継続し、「都市OS」の効果と今後の課題を抽出・発信する。

    2)都市活動におけるIoT活用先進事例調査

    2018年度までの活動に引き続き、研究会に講師を招聘しての先進事例紹介、及び最新技術の展示会や活用事例の現地調査により得た情報を最新動向として共有し、都市におけるIoT活用の方向性を議論する。活動の概要は報告書として取りまとめる。

     

    研究体制

    研究統括

    宮原秀夫 APIR所長

    リサーチャー

    野上康子 APIR研究員・総括調査役

    大島久典 APIR研究員・総括調査役

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    本研究で行った準公共空間でのIoT実証実験は、実装した空間規模の大きさ、参画したステークホルダーの幅広さ、個人情報の取り扱いなど、従来困難だった実証実験の課題をクリアした。この実験から得られた具体的な成果は、今後実証実験やIoTの実装を予定する官民に対するAPIRの有力な先行事例として広く発信できる。

    この具体的な成果を踏まえて研究会で情報提供と知見の共有をすることで、IoTが都市全体に広がったときに想定される社会やシステムを、抽象論ではなく、関係者の実態に基づいて、より具体的に議論することができる。

    • 期中の「スマートシティ実証実験」成果フォーラムの開催、および報告書の公表による、実証結果と今後の課題の共有。
    • 研究会を通じた、最新動向・情報、及び関係者との議論による知見の獲得。
    • 期末の報告書の公表による、研究会で得られた知見の共有。
    • 各企業・団体がIoT関連の取り組みを進めるにあたって、研究で取り上げた参考事例から得られた知見を活用すること。

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2019年 8月 2日         第1回研究会・IoT実証実験成果フォーラム開催

    ・2019年10月21日         第2回研究会開催(予定)

  • 藤原 幸則

    災害リスク管理の視点からの社会システムのあり方

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » 日本・関西経済軸

    AUTHOR : 
    藤原 幸則

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    主席研究員 藤原幸則

     

    研究目的

    近年、全国各地で自然災害が相次いでいる。特に、昨年の豪雨、台風、地震は、広範な地域で甚大な被害をもたらすとともに、空港閉鎖やブラックアウト、サプライチェーンを通じて、経済や生活面において大きな影響を与えた。関西においても、昨年9月の台風21号による暴風、高波、高潮の影響で、関西国際空港が大規模な浸水被害に見舞われ、タンカー船の衝突による空港連絡橋の損傷も重なり、空港機能が一時停止するに至った。

    インフラの民営化やPPP導入が進んでいるが、所有と管理が分離され、民間が運営主体となることについて、災害リスク管理の視点から、初動対応、迅速な回復、今後の対策に至るまで、課題を抽出し、事前に手当すべきことなど、適切な対応策を考えることが必要である。災害リスク管理の視点からは、インフラ以外にも、人口や経済機能の東京への一極集中、情報ネットワーク化、都市計画・土地利用計画といった日本の社会システムについて、潜在的な課題を浮き彫りにし、適切な対応策を探ることが必要である。

    また、災害からの復旧、復興にはファイナンスが必要であるが、巨大災害には事後的なファイナンスは極めて困難となり、国家の財政対応能力を超えることにもなりかねない。公的部門における資本市場へのリスク移転など、持続的なリスクファイナンスの制度化の検討が必要である。

    研究内容

    研究会を開催し、法学、経済学、ファイナンス、防災の専門家や研究者から、検討テーマについて講演をいただくとともに、その質疑応答や意見交換を通じて、課題と対応方向を探る。あわせて、海外事例の調査、必要に応じて関係機関へのヒアリング調査も行い、研究の深耕を行う。

    災害や防災に関する研究は、減災・防災や避難などのハード・ソフトの対策に関して、いろいろなところで行われているので、当研究所は社会科学分析に強い特性を活かし、社会システムの在り方やリスクファイナンスについての研究を行うことで差別化する。

    研究会は毎回、関心ある会員企業・団体の参加を可能とするオープン研究会で開催し、企業等の現場の課題認識も聴取できるものとする。

     

    研究体制

    研究統括

    稲田義久 APIR研究統括兼数量経済分析センターセンター長、甲南大学教授

    研究協力者

    服部和哉 AIG総合研究所 主任研究員

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    災害リスク管理の視点から、日本の社会システムの潜在的な課題を浮き彫りにし、必要な法律・制度・政策などの提案、巨大災害に備えた持続的なリスクファイナンスの制度化の提案を報告書にまとめる。報告書はHPにて公開する。研究成果の政策提言に関する内容は、Policy Brief として発信し、政府、自治体、経済界、マスコミ、学界の関係者に広くアピールする。

    行政の法律・制度・政策への反映、企業や社会の課題認識と世論形成につなげたい。

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2019年7月25日 第1回研究会開催

    ・2019年9月2日  第2回研究会開催

    ・2019年9月30日 第3回研究会開催

     

  • 稲田 義久

    地方創生 関西の人口動態と地域経済に与える影響

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » 日本・関西経済軸

    AUTHOR : 
    稲田 義久

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    研究統括兼数量経済分析センターセンター長 稲田義久 甲南大学教授

     

    研究目的

    我が国の総人口は少子化・高齢化、人口減少が継続して進んでおり、2010年に1億2,805万人でピークを迎え、2017年の段階で7年連続の減少となった。国立社会保障・人口問題研究所の2017年時点の推計によると、2045年の日本の総人口は約1億人、高齢化率は約37%、生産年齢人口は約5,600万人になるとされている。また、東京一極集中の傾向は継続・拡大しており、2018年の東京圏(1都3県)への人口移動は、約14万人の転入超過となった。

    関西は、人口の減り方が全国や東京圏より厳しい。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2010年~45年の減少率で、東京圏17%減に対し、関西は19%減となる。関西の人口減少の大きな要因は自然増減よりも社会増減である。関西から人口の転出を促している最大の要因は、関西から企業の本社機能が東京へ流出している点である。経済社会のグローバル化の流れにより、東京移転が加速された点もある。本社機能の東京集中は税収の偏在をもたらし、地域創生に取り組む関西の自治体が必要な財源を十分に確保できない状態になっている。

    人口動態の足元の動向からは、東京集中だけでない、新たな兆候もみられる。2018年に大阪圏からの転出超過人数は7,907人と4年連続で縮小した。インバウンド産業が活性化している関西が人口流入を惹き付けている点もあるだろうとみられる。関西で働く外国人も増えている。

    そこで、関西の人口動態を中心に、企業移転や産業構造、税収も含めて、基礎データを整理することにより、政策提案になりうる特徴やポイントを見出だすことが必要である。また、地域創生に必要な雇用所得創生について、その方策を探るうえで実証分析を行う必要がある。あわせて、地域創生、地方分権に寄与する法制度(税制等)の提案を検討していくことも有意義と考える。

    研究内容

    リサーチリーダーの指導の下、APIR所内研究員、近畿経済産業局、日本政策投資銀行関西支店の実務メンバーからなるワーキンググループにて、基礎データ整理と検討、実証分析、法制度の提案検討を行う。研究成果のTrend Watchでの発信の機会に、自治体・経済団体・会員企業団体・大学の関係者を集めたオープン研究会を開催し、その質疑応答や意見交換を通じ、さらなる課題の深掘りや研究の深耕を図る。

    RESASをはじめとする基礎データの整理、関西地域間産業連関表を活用した実証分析は、APIRの独自性を生かしたものとなる。また、近畿経済産業局、日本政策投資銀行関西支店の協力を得ることで、オープンデータだけでは容易に得難い産業・金融関係のデータ把握や知見の共有は、本研究の質を上げることになる。

    研究体制

    研究統括

    稲田義久  APIR研究統括兼数量経済分析センターセンター長、甲南大学教授

    リサーチャー

    下田 充  日本アプライドリサーチ研究所主任研究員

    藤原幸則  APIR主席研究員

    中山健悟  APIR調査役・研究員

    野村亮輔  APIR研究推進部員

    研究協力者

    山本敏明  近畿経済産業局 総務企画部企画調査課長

    有馬貴博  近畿経済産業局 総務企画部企画調査課総括課長補佐

    坂倉孝雄  近畿経済産業局 総務企画部企画調査課総括係長

    田口 学  日本政策投資銀行 関西支店企画調査課長

    柏山稜介  日本政策投資銀行関西支店企画調査課副調査役

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    関西の人口動態と地域経済に与える影響について、基礎データ整理からの政策的インプリケーション、経済分析ツールによる実証分析、法制度の提案の3点から、政策提案になる研究成果をまとめる。研究成果は、Trend Watch として発信するとともに、景気討論会等での議論・報告にも活用することを検討し、政府、自治体、経済界、マスコミ、学界の関係者に広くアピールする。詳しい基礎データも含めた全体報告書は年度末までにまとめ、HPにて公開する。

    地域創生にかかわる基礎データからの緻密な整理と分析をもとにした政策提案・制度提案は、関西の自治体関係者の政策立案を行う上での有益な参考資料・情報として活用されることが期待できる。また、政府の「まち・ひと・しごと創生本部」事務局にも報告を行い、2020年度からの第2期「まち・ひと・しごと総合戦略」への反映もめざす。

     

     

  • 勇上 和史

    これからの日本型雇用システムを考える

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » 日本・関西経済軸

    AUTHOR : 
    勇上 和史

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    主席研究員 勇上和史 神戸大学大学院経済学研究科准教授

     

    研究目的

    経済活動のグローバル化、IoT、AI等の技術進歩、人口減少と外国人労働者の増加等、日本の労働市場を取り巻く環境が大きく変化するなか、それに対応した人的資源の開発や労働力の最適配分のあり方を展望する必要がある。さらに、労働者の内的変化の観点からは、多様でストレスフリーな働き方を実現する仕組みが求められている。

     

    研究内容

    様々な労働力タイプから人的資源の開発・管理において生じている変化を実証的に検証、評価したうえで、今後20年程度を視野に入れ、日本の特徴を踏まえた雇用制度、それを実現する政策を提案する。2020年度以降は、研究成果を企業が試行し、実証していくことをめざす。

    変化に関するデータ整理および、リサーチャー(企業除く)等から変化に関する見解をヒアリングし、意見交換を実施する。

    働き方改革を2つの視点(経済政策と社会政策の観点)から比較して課題を整理する。

     

    研究体制

    リサーチャー

    藤本 真 労働政策研究・研修機構主任研究員:産業社会学・人的資源管理論/高齢者雇用

    大内章子 関西学院大学経営戦略研究科准教授:人的資源管理論/女性雇用

    守屋貴司 立命館大学経営学部教授:人的資源管理/外国人労働

    野崎治子 堀場製作所理事管理本部HORIBA COLLAGE学長兼CSR担当

    渡邊弘子 富士電子工業社長

    須東朋広 組織内サイレントマイノリティ代表理事、多摩大学大学院経営情報学研究科客員教授

    中山 明 APIR研究員・総括調査役

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    主に中堅・中小企業の労使を対象として、時代の環境変化に対応した働き方について、個人と企業、社会の関係性も踏まえて、自律したキャリアデザインを構築するための指針(人と仕事の幸せな関係)を提案。

    企業にとっての事業継続(新たな事業展開を含む)に向けた働かせ方、労働者にとってのストレスフリーな働き方、自律したキャリアデザインの構築という、労使双方がwin-winになる仕組みを探るひとつのツールとして活用してもらう

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2019年5月28日   第1回研究会開催

    ・2019年7月5日    第2回研究会開催

    ・2019年7月25日   第3回研究会開催

    ・2019年8月22日   第4回研究会開催

    ・2019年9月24日   第5回研究会開催

    ・2019年10月8日    第6回研究会開催

    ・2019年11月19日   第7回研究会開催(予定)

    ・2019年12月19日    第8回研究会開催(予定)

  • 古沢 昌之

    関西の大学・大学院で学ぶ留学生の就職に関する研究

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » 日本・関西経済軸

    AUTHOR : 
    古沢 昌之

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    上席研究員 古沢昌之 近畿大学経営学部教授

     

    研究目的

    経営のグローバル化が進展する中、企業の人的資源管理においては、多様な人材の活用が求められている。その1つが日本の大学(含む大学院)で学ぶ外国人留学生の活用である。しかしながら、先行研究や我々が2018年度に実施した予備的調査によると、日本での就職を希望する外国人留学生の就職決定率は日本人学生のそれよりも遥かに低く、就職後の定着率に関する問題も指摘されている。かような状況下、本研究プロジェクトでは、上記ミスマッチに対して学術的な視点からアプローチし、その解決に向けた提言を行う。

     

    研究内容

    当該問題の解決を図るべく、日本企業、日本の大学、外国人留学生、行政機関といった多様なアクターを研究対象とすると同時に、定量(アンケート)と定性(ヒアリング)の両面から調査を実施するなどして問題に多角的にアプローチする。初年度である2019年度は大学及び外国人留学生本人に対するアンケート調査を行い、その結果を踏まえて2020年度は企業への調査を実施し、研究の深耕を図る。調査結果については科学的な手法を用いて分析し、学術と実務両面に対する貢献を果たしたい。

    また、関西経済連合会が主催する「グローバル人材活用運営協議会」とも連携を取り、協力し合いながら研究を進めていく。

     

    研究体制

    研究統括

    稲田義久 研究統括兼数量経済分析センターセンター長、  甲南大学教授

    リサーチャー

    松川佳洋  広島経済大学経営学部教授

    カオ・ティ・キャン・グェット  関西学院大学経済学部講師

    オブザーバー

    梅村その子 関西経済連合会労働政策部担当部長

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    外国人留学生の日本企業(在外日系企業も含む)への就職を巡る現状と課題について考察するとともに、企業、大学、留学生、社会(行政機関等)の各々に対し、如何なる変革が求められるかを明らかにすることで、各アクターのwin-win-win-winの関係構築に資する。またそれらの研究内容を、各アクター向けに分かりやすく報告書にまとめる。

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2019年4月10日  第1回研究会開催

    ・2019年7月17日  第1回アンケート調査分科会

    ・2019年8月27日  第2回アンケート調査分科会

    ・2019年9月18日  第2回研究会開催

    ・2019年10月9日  第3回アンケート調査分科会

     

  • 家森 信善

    関西における地域金融面からの事業継承支援の課題

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » 日本・関西経済軸

    AUTHOR : 
    家森 信善

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    上席研究員 家森 信善 神戸大学経済経営研究所教授

     

    研究目的

    中小企業の事業承継は喫緊の課題とされている。多くの事業承継者にとって、事業承継は「初めて」の体験であり、事業面はもちろん、借入への対処など様々な問題にぶつかる。そのために、高い技術やノウハウを持つ中小企業まで廃業してしまっている実態がある。そこで、政府は事業承継税制の改正を実施するなど、事業承継をしやすい環境を創ろうとして取り組んでいる。金融面においても、民間金融機関、政府系金融機関や信用保証協会などによる事業承継支援の強化が求められている。

    そこで本研究会では、兵庫県信用保証協会と連携して実施した兵庫県の中小企業約8,500社(最近事業承継を済ませたと思われる約2250社と近いうちに事業承継が必要だと思われる高齢の経営者の企業約6250社)に対する事業承継に関するアンケート調査(2019年2月実施)を活用し、その調査結果を利用した分析をまとめて、関西における地域金融面からの事業承継支援の課題を明らかにして、政策的な提言を行いたい。

     

    研究内容

    中小企業の事業承継について、以下のようなテーマを理論的かつ実証的に解明する。

    ・現在、わが国で行われている事業承継支援の現状について把握する。このために、行政当局、金融機関、支援機関等の実務家に対するヒアリングを実施する。

    ・兵庫県の中小企業を具体的な対象にして、実際の事業承継がどのように行われているか、また、どのような点が障害になっているかを把握する。このために、兵庫県信用保証協会と連携して実施したアンケート調査の個票を入手できるので、クロス集計や回帰分析によって回答結果の詳細な分析を行う。

    ・得られた分析結果およびそれに基づく我々の解釈を、外部の研究者や実務家に対して提示し、そのフィードバックを活用して、精緻な提言としていく。

    研究会では、アンケート結果の分析についてメンバー間やゲストスピーカーとの間で議論を行い、報告書の執筆に役立てる。

    研究体制

    研究統括

    本多佑三 APIR研究統括、大阪学院大学教授、大阪大学名誉教授

    リサーチャー

    岩坪加紋  摂南大学教授

    尾島雅夫  神戸大学経済経営研究所研究員 (姫路獨協大学・非常勤講師)

    小塚匡文  摂南大学教授

    柴本昌彦  神戸大学経済経営研究所准教授

    内木栄莉子 愛知学院大学助教

    播磨谷浩三 立命館大学教授

    中山健悟  APIR研究員・調査役

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    ・事業承継が必要だが、未実施企業の状況や特徴、事業承継に直面して感じる課題を明らかにして、地域金融機関が効果的な事業承継提案をできるようにどうすれば良いかを提言する。

    ・事業承継に成功した企業がどういった点で金融機関の支援を評価し、どういった点で不満を感 じているかを明らかにし、地域金融機関のこれまでの取り組みを評価することで、金融行政当局や中小企業政策当局に対する監督および政策立案のための参考資料を提供する。

    ・事業承継を課題として考えている関西の企業に対して、事業承継に成功した企業の事例を紹 介することで、自らの準備のヒントを提供する。

    また、研究内容に厚みをつけるために、当該分野の実務家や研究者などを招いた研究会や意見交換会を開催する。

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2019年5月8日  第1回研究会開催

    ・2019年7月31日   第2回研究会開催

    ・2019年9月11日   第3回研究会開催

    ・2019年10月4日   第4回研究会開催

     

  • 松林 洋一

    テキストデータを利用した新しい景況感指標の開発と応用

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » 経済予測・分析軸

    AUTHOR : 
    松林 洋一

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    主席研究員 松林洋一 神戸大学大学院経済学研究科教授

     

    研究目的

    従来、マクロ経済の動向を把握するには、集計データを用いることが一般的である。しかし、集計データは、リアルアイム性に欠けており、ミクロの経済要因を知るには不十分という課題がある。一方、昨今の情報技術の急速な進展により、国内外の経済活動において生成される大規模なデータ(ビッグデータ)が様々な形で利用可能になり始めている。きわめて豊富な情報を内包しているビッグデータの活用は、マクロ経済のより精緻な情勢判断と予測において、有効であると考えられる。このため、本研究ではビッグデータの一つであるテキストデータに着目して、経済の動向を析出することを試みる。

     

    研究内容

    2018年度から引き続き、人工知能の一種である深層学習(ニューラルネットワークという人間の脳神経回路を模したモデルを構築し、コンピュータに機械学習させること)を、テキストマイニングに用いる。本年度も、深層学習における推定モデルの一つである、リカレント・ニューラル・ネットワーク(Recurrent Neural Network,以下RNN)を、基本の分析枠組みとする。

     

    研究体制

    研究統括

    稲田義久  APIR研究統括兼数量経済分析センター長、甲南大学教授

    リサーチャー

    関 和広  甲南大学知能情報学部准教授

    生田祐介  大阪産業大学経営学部講師

    岡野光洋  大阪学院大学経済学部准教授

    期待される成果と社会還元のイメージ

    テキストデータから景況感を推定するモデルを構築する。政府による既存の景況感指数と比較することで、我々のモデルが有する特徴を明らかにする。その成果として「テキスト版景況感指数」を公表する。

    「テキスト版景況感指数」を見ることで、消費者にとっての景況感を、より深く知ることができるようになる。まずは、企業の経営判断を行う際の議論に使えるようにする。そして、国や自治体に対しても、政策決定に活用して頂くことを検討する。

  • 高林 喜久生

    関西地域間産業連関表の利活用と2015年表に向けての検討

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » 経済予測・分析軸

    AUTHOR : 
    高林 喜久生

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    上席研究員 高林喜久生 関西学院大学経済学部教授

     

    研究目的

    APIRでは,前身の関西社会経済研究所の時代から,関西における地域間産業連関表の作成に取り組んでいる.昨年度の自主研究プロジェクト(2011年版・APIR関西地域間産業連関表の作成と活用)では,2011年度に2005年表作成後,7年ぶりに同連関表の改訂作業を実施した。

    「2011年版APIR関西地域間産業連関表(以下2011年表)」は現在暫定版が完成している。2011年表は対象地域の拡大,産業部門数の拡大,交易マトリクスの作成を通じた域外取引の精緻化など,地域の取引実態を正確に反映させるための様々な工夫を行った。その結果,自治体やシンクタンクにおける経済波及効果推計だけでなく、アカデミックな研究としても耐えられる質の高いものとなっている.そこで,今年度は暫定版を確定版へと修正するとともに,産業連関表自体の利活用に重点を置いて取り組む。

     

    研究内容

    1)「2011年版APIR関西地域間産業連関表」確定版への更新

    昨年度の研究成果である2011年表は現在暫定版である.これを自治体の統計担当者へのヒアリングや,各部門の推計に利用した既存統計を再度見直すことで,暫定版を確定版へと修正する.

    2)関西が会場となる大規模イベントの経済波及効果の推計

    2019年度はG20やラグビーワールドカップの開催が予定されている.また,翌年以降もワールドマスターズゲームズ(2021年)やIR開業(2024年)、大阪・関西万博(2025年)など,関西地域が会場となる大規模イベント開催が多数予定されており,これらのイベントがもたらす経済波及効果の推計を行う.

    3)対外的な成果報告

    夏頃を目途に,2011年表(確定版)を基に関西地域における取引構造について報告する成果報告会を実施する.また,各々の立場で2011年表を活用した分析結果を報告することを通じて,積極的な対外発信に努める。

    4)2015年産業連関表作成に向けた交易マトリックスの更新に向けての準備作業

    次の産業連関表のベンチマークイヤーは2015年である.2011年から15年にかけては,2013年以降のアベノミクス,14年以降の外国人観光客急増によるインバウンド需要の高まりなど,関西経済にとって重要な出来事が多く起こった重要な期間でもある.よって,交易マトリックスの更新を行うことで,2015年の関西地域間産業連関表作成の準備作業を行う。

     

    研究体制

    研究統括

    稲田義久  APIR研究統括兼数量経済分析センター長、 甲南大学教授

    リサーチャー

    下田 充  日本アプライドリサーチ研究所主任研究員

    下山 朗  奈良県立大学地域創造学部教授

    入江啓彰  近畿大学短期大学部准教授

    藤原幸則  APIR主席研究員

    木下祐輔  APIR調査役・研究員

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    関西全体を一地域として捉えた近畿経済産業局の「近畿地域産業連関表」は2005年表を最後に作成中止となっており,本表が関西地域を対象とする唯一の本格的な2011年表となる.そのため,2011年表を活用した分析結果や対外発表等は非常に価値が高い.

    また,2011年表は政策評価を行う上での基礎資料でもあることから,所内の他の自主研究(インバウンドや地域創生等)とクロスオーバーが期待できる。

    2011年表を確定版へと修正作業を行うとともに,関西経済の構造分析を行い、また今後関西地域で開催が予定されている大規模イベントの経済波及効果の推計についても検討する予定である。こうした作業の過程で蓄積された知見は,トレンドウォッチ,コメンタリーの形で適宜報告を行うとともに,学会などでも対外発表も行いたい。

     

    <研究会の活動>

    研究会・分科会

    ・2019年4月26日  第1回研究会開催

    ・2019年5月17日  第1回分科会開催

    ・2019年6月7日   第2回分科会開催

    ・2019年6月25日  第3回分科会開催

    ・2019年7月30日  第4回分科会開催

    ・2019年10月28日  第5回分科会開催(予定)

政策提言

APIR研究成果を、一層具体的な政策提言に集約し、適時性と重要課題との関連性を研ぎ澄ました形で発表。1回に1テーマを取り上げ、一歩踏み込んだ形の提言とすることで、直接的あるいは間接的に、経済界・行政など様々な政策決定過程へのインプットとして役立てられることを目的としています。執筆は研究統括以下、研究員が担当。

ディスカッションペーパー

当研究所の研究会での議論や自主研究等に基づく、分析的・実証的な学術研究の成果です。広く皆様からご意見を頂戴し、今後さらに研究や議論を深めていくことを目的としています。
各レポートは、執筆者の見解に基づき作成されたものであり、当研究所の見解を示すものではありません。

インサイト

コメンタリーでは最新の社会経済や政策動向等についての考察を行い、特定のトピックスに注目したトレンド・ウォッチを月一回程度発行。ディスカッションペーパーでは分析的・実証的に学術研究を行い、時事テーマに焦点を当てた分析レポートも発行します。

経済予測

日本と米国の景気の現況と先行きについて、週間・月間ごとに予測します。特に日本と関西については、四半期ごとに景気分析と予測を行っています。

その他の活動・出版物紹介

プロジェクトの枠にとらわれず、アジア太平洋の経済・社会・政策に関する研究や活動について発表しています。当研究所や、所属する研究院の出版物についてもご紹介いたします。

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ピックアップ

  • 稲田 義久

    G20大阪サミットと関西経済 -その経済効果と意義-

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 藤原 幸則 / 下山 朗 / 川本 剣悟 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    2019年6月28・29日、大阪で開催されるG20サミットは、日本で初の開催となり、世界的な課題解決に向けてその存在感を世界に示す重要な機会であるのみならず、開催地大阪・関西にとっては25年の万博開催を見据えたうえでの大きな意義がある。本稿は、経済的効果に限定してその評価を行ったものであり、分析ツールとしては産業連関表を用いている。産業連関表はイベント実施が経済全体にどのように波及して所得や雇用に影響を与えるかを分析できる。分析結果を要約すれば、以下のようになる。

     

    1. G20大阪サミット関連最終需要として支出される金額は428億4,200万円と推計される。
    2. 2016年伊勢志摩サミットと支出内訳を比較すれば、今回はインフラ関係の整備事業額が少ないのが特徴で、既存インフラを活用して経費を抑えたコンパクトな開催となっている。
    3. APIR関西地域間産業連関表(2011年版)を用いた試算によれば、G20大阪サミットの総合効果として生産誘発額は621億4,800万円、粗付加価値誘発額は390億3,600万円、雇用者所得誘発額は234億6,300万円と推計される。いずれも直接効果と間接2次効果を含んでいる。
    4. G20大阪サミットは関西経済に365億6,360万円の付加価値を誘発する。0.04%程度の押し上げ効果となり、減速が予測される関西経済に一定程度の下支え効果を発揮する(ここでの関西経済は、APIR関西経済予測モデルと比較可能となるように2府4県ベースでみている)。なお日本全体の下支え効果は0.01%である。
    5. 単年度の効果としては大きくはないが、関西経済にとっては、2025年大阪・関西万博開催を控え、G20サミット開催の意義は深い。今後一連の経済イベントによる需要拡大が投資を誘発し関西経済の供給力を引き上げるという好循環が期待できる。結果、関西経済の潜在成長率引き上げにつながる意義を持つキックオフイベントとなろう。
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    稲田 義久

    G20大阪サミットと関西経済 -その経済効果と意義-

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    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 藤原 幸則 / 下山 朗 / 川本 剣悟 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    2019年6月28・29日、大阪で開催されるG20サミットは、日本で初の開催となり、世界的な課題解決に向けてその存在感を世界に示す重要な機会であるのみならず、開催地大阪・関西にとっては25年の万博開催を見据えたうえでの大きな意義がある。本稿は、経済的効果に限定してその評価を行ったものであり、分析ツールとしては産業連関表を用いている。産業連関表はイベント実施が経済全体にどのように波及して所得や雇用に影響を与えるかを分析できる。分析結果を要約すれば、以下のようになる。

     

    1. G20大阪サミット関連最終需要として支出される金額は428億4,200万円と推計される。
    2. 2016年伊勢志摩サミットと支出内訳を比較すれば、今回はインフラ関係の整備事業額が少ないのが特徴で、既存インフラを活用して経費を抑えたコンパクトな開催となっている。
    3. APIR関西地域間産業連関表(2011年版)を用いた試算によれば、G20大阪サミットの総合効果として生産誘発額は621億4,800万円、粗付加価値誘発額は390億3,600万円、雇用者所得誘発額は234億6,300万円と推計される。いずれも直接効果と間接2次効果を含んでいる。
    4. G20大阪サミットは関西経済に365億6,360万円の付加価値を誘発する。0.04%程度の押し上げ効果となり、減速が予測される関西経済に一定程度の下支え効果を発揮する(ここでの関西経済は、APIR関西経済予測モデルと比較可能となるように2府4県ベースでみている)。なお日本全体の下支え効果は0.01%である。
    5. 単年度の効果としては大きくはないが、関西経済にとっては、2025年大阪・関西万博開催を控え、G20サミット開催の意義は深い。今後一連の経済イベントによる需要拡大が投資を誘発し関西経済の供給力を引き上げるという好循環が期待できる。結果、関西経済の潜在成長率引き上げにつながる意義を持つキックオフイベントとなろう。
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