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「2009年度」の研究・論文一覧 [ 2/3 ]

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    全国5地域経済モデルの開発

    ディスカッションペーパー

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  • 熊坂 侑三

    今月のトピックス(2009年12月)

    インサイト

    インサイト » コメンタリー

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    熊坂 侑三

    ABSTRACT

    <GDP統計にもっと資金と人材を投入すべし>

    12月9日発表の日本のGDP2次速報値によれば、7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.3%となり、1次速報値(同+4.8%)から3.5%ポイントの大幅下方修正となった。
    実質GDP成長率下方修正の主な要因は、実質民間企業設備が1次速報値の同+6.6%から同-10.6%に大幅下方修正されたことにある。これは、民間 企業設備の2次速報値推計の基礎データである法人企業統計調査(需要統計)の低調な結果を反映したものである。一方、1次速報値推計の基礎データ(供給統 計)である資本財出荷指数が7-9月期に前期比+8.1%と7四半期ぶりのプラスとなったことからすれば、企業設備投資の大幅下方修正はネガティブサプラ イズであった。
    2次速報値は、供給統計と需要統計の加重平均で決まる。異なる変化の方向を示すデータを平均したため、大幅な下方修正となったといえよう。7-9月期の 民間企業設備の供給側の動きが需要側に反映されなかったため、これが10-12月期の需要データに後ずれして現れる可能性が高い。いずれにせよ、これを契 機にGDP統計の信頼性をめぐる議論が再び高まっている。

    GDP統計の信頼性をめぐる議論を高めたもう一つのポイントは、速報値が過去にさかのぼって大幅に改定されたことである。実質GDP成長率の四半期パ ターンを過去に遡及し比較してみれば、2008年4-6月期は-5.2%ポイント(前期比年率-2.9%→同-8.1%)の下方修正となった。一方、 2008年1-3月期は1.6%ポイント(同+4.0%→同+5.6%)、7-9月期は2.5%ポイント(同-6.5%→同-4.0%)、10-12月期 は1.3%ポイント(同-11.5%→同-10.2%)、2009年1-3月期は0.3%ポイント(同-12.2%→同-11.9%)と、いずれも1次速 報値から上方修正された。2008年1-3月期が上方修正されたことから、2008年度から2009年度にかけての成長率のゲタは1次速報値の-4.2% から-3.8%に引き上げられた。
    ちなみに、12月2日に公表された2008年度国民経済計算確報値では同年度の実質GDPが速報値の-3.2%から-3.5%に改定されて、戦後最大の 落ち込みとなったことが判明した。悪いことには、12月7日に内閣府は確報値に間違いがあることを報告し、さらに-3.7%へと下方修正した。

    このように推計ミスやこれまでにない速報値の大幅下方修正が目立っており、GDP統計に対する信頼が今回大きく揺らいでしまった。根本的な原因ははっき りしている。GDP統計推計のために資源があまり投入されていないからである。適切な経済政策のためには正確な景気診断が必要条件である。このために政府 はもっと資金と人材を投入すべきであろう。GDP統計に対する不信感は、投資家の”Japan Passing”を加速するであろう。(稲田義久)

    日本
    <10-12月期は高めの成長を予測、悲観的な見方のマーケットコンセンサスとは対照的>

    12月14日の予測では、10月の大部分の月次統計と7-9月期のGDP2次速報値が更新された(GDPの改定については今月のトピックスを参照)。支 出サイドモデルは、10-12月期の実質GDP成長率を、内需が反転拡大し純輸出も引き続き拡大するため、前期比+1.6%、同年率+6.6%とマーケッ トコンセンサスとは異なり高く予測する。ちなみに、マーケットコンセンサスは、ドバイショックによる株価の下落や円高を反映して、年率+1.27%と前月 の+1.50%から下方修正されている(12月ESPフォーキャスト調査)。
    1-3月期は、純輸出は引き続き拡大するが、内需、純輸出とも拡大のペースが減速するため、前期比+0.4%、同年率+1.7%と予測している。この結 果、2009暦年及び年度の実質GDP成長率はそれぞれ-5.0%と-2.0%となろう。GDPデータの大幅改定により、2008年度から2009年度に かけての成長率のゲタは1次速報値の-4.2%から-3.8%に引き上げられたものの、2009年7-9月期が3.5%ポイント引き下げられた。データ改 定を反映した超短期予測は2009年度の成長率については前回より0.1%ポイント下方修正している(-1.9%→-2.0%)。
    10-12月期の国内需要を見れば、実質民間最終消費支出は前期比+0.7%となる。実質民間住宅は同+5.7%となるが、実質民間企業設備は同 -0.4%減少する。実質政府最終消費支出は同+0.5%、実質公的固定資本形成は同+2.6%となる。このため、国内需要の実質GDP成長率(前期 比+1.6%)に対する寄与度は+0.6%ポイントとなる。
    財貨・サービスの実質輸出は同+6.1%増加し、実質輸入は同-2.2%減少する。このため、実質純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度は+1.0%ポイントとなる。
    主成分分析モデルも、10-12月期の成長率を前期比年率+8.0%と予測している。また1-3月期を同+3.7%とみている。この結果、支出サイド・ 主成分分析モデルの実質GDP平均成長率(前期比年率)は、10-12月期が+7.3%、1-3月期が+2.8%となる。
    マーケットでは日本経済に対する悲観的な見方が強まっている。しかし、超短期予測は、これとは異なり、日本経済は年度末にかけては減速するものの、世界 経済回復の影響を受け、純輸出に牽引されて比較的堅調な成長パスを辿るものと予測している。ただ、政策効果が剥落する2010年度前半の経済政策が極めて 重要となるという点ではマーケットと同じである。

    [[稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学]]

    米国

    12月11日の超短期予測では10月の貿易収支、11月の小売販売、輸出入物価指数までを更新している。その結果、実質GDP成長率は需要サイドでは純 輸出の改善、個人消費支出の上方修正から、所得サイドでは企業収益の上方修正から、それぞれ前期比年率+3.1%、同+0.9%へと大幅に上方修正され た。しかし、超短期モデルによる2009年の実質最終需要の伸び率は+0.5%程度と予測されている。更に、懸念されるのは実質国内需要、実質最終需要 (GDP?在庫)が過去4週間の超短期予測では下降トレンドを形成していることである。
    バーナンキFRB議長が12月7日、ワシントンD.C.において”Frequently Asked Questions”という講演を行い、そのうちの一つのトピックスが”今後の米経済の行方”であった。彼の講演要旨は次のようなものであった。
    ・これまでの在庫調整によって生産が拡大する様子が見えてきたが、持続的な景気回復には最終需要の復活が不可避である。
    ・企業の新しい設備・ソフトウエアへの支出が一時的にも安定してきた。
    ・ 住宅市場、個人消費支出、設備投資、グローバル経済において改善傾向が見られる。
    ・しかし、米経済は今もって低調な労働市場、慎重な消費支出、厳しい資金市場など“手に負えない逆風”をうけて  いる。
    ・インフレに関してはかなりの需給ギャップから賃金・物価トレンドの上昇が抑えられており、長期のインフレ期待  は安定している。
    超短期予測はバーナンキFRB議長の景気の見方とほぼ一致する。超短期予測は現在の実質GDP成長率(需要サイドと所得サイドの平均)を+2.0%、イ ンフレ率を2%?3%とみている。実際に今の景気回復が持続的であると宣言するには早すぎるし、インフレに楽観的すぎるのも良くない。バーナンキFRB議 長の言うように、最終需要の復活が景気回復の鍵をにぎっていることは確かである。

    [ [熊坂侑三 ITエコノミー]]

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    第80回 景気分析と予測(2009年11月26日)

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    ABSTRACT

    「日本経済のマクロ経済分析」研究成果報告
    (主査: 稲田義久・甲南大学経済学部教授
    高林喜久生・関西学院大学経済学部教授)

    当研究所のマクロ経済分析プロジェクトチームでは、在阪の大手企業・団体の若手スタッフの参加の下で研究会を組織し、予測に必要な景気の現状分析、外生変数の想定について共同で作業を行っている。
    「景気分析と予測」については、四半期ごとに年4回(2003年度までは年2回)発表している。
    2005年度より四半期予測作業において、日本経済超短期予測モデル(CQM)による、直近2四半期のより正確な予測値を取り入れている。
    11月16日の政府四半期別GDP一次速報の発表を受け、2009-2011年度の改訂経済見通しとなっている。
    ポイントは以下の通り。

    * 2009年度7-9月期実績の評価‥‥実質GDP成長率(一次速報)は、前期比+1.2%、同年率+4.8%と、2四半期連続のプラス成長となり、07年1-3月期以来の高い成長となった。堅固な成長の背景には景気対策効果と海外市場の回復がある。

    * 2009年度の改訂見通し‥‥民需のマイナス寄与度は拡大するが、大型補正予算の効果による公的需要が成長引き上げ要因となる。また、世界経済の持ち直し により純輸出のマイナス寄与度が縮小する。この結果、実質GDP成長率は、2008年度の▲3.2%から2009年度は▲2.3%となるが、2年連続のマ イナス成長である(前回予測▲2.6%からは上方修正)。

    * 2010年度の改訂見通しおよび2011年度の予測‥‥大型補正予算の効果が剥落するため、公的需要の貢献は縮小し、民間消費は緩やかな伸びになる。その 一方で、民間企業設備が底打ちし、世界経済の回復により純輸出の寄与がプラスに転じる。2010年度の実質GDP成長率は+1.4%(前回予測0.6%か ら上方修正)となり、3年ぶりにプラスに反転する。また、2011年度も+2.0%と2年連続のプラス成長となるであろう。

    * 今回予測では、旧政権下で決定された2009年度補正予算の一部執行停止および2010年度以降本格的に影響の表れる鳩山新政権のマニフェストをベースと する新政策のシミュレーション結果を盛り込んだ。補正予算一部執行停止は、2009年度実質GDPを0.24%ポイント引き下げる。マニフェストの新政策 効果は、2010年度にはほとんどないが、2年目の2011年には実質GDPを0.22%ポイント拡大する。

  • 熊坂 侑三

    今月のトピックス(2009年11月)

    インサイト

    インサイト » コメンタリー

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    熊坂 侑三

    ABSTRACT

    11月12日発表のESPフォーキャスト調査(7-9月期実質GDP1次速報値は反映されていない)によれば、今後の四半期成長パターンとして、 10-12月期前期比年率+1.5%から2010年1-3月期同+0.89%、4-6月期同+0.71%へと緩やかに減速するというのがマーケットではコ ンセンサスとなっている。
    また、マーケットの一部では、日本経済は2010年前半にマイナス成長に陥り、08年10-12月期と09年1-3月期の2期連続の二桁マイナス成長と併せて考えれば、W字型、ダブルディップ型不況に陥る可能性が高いとみている。
    一方、11月17日の超短期予測(支出サイドモデル)は、10-12月期の実質GDP成長率を、内需と純輸出は引き続き拡大するため、前期比年 率+4.2%と予測する。また1-3月期の実質GDP成長率を、純輸出は引き続き拡大するが内需が息切れするため、同+0.3%と予測している。
    超短期予測もマーケットコンセンサスも、景気のパターンとしては2010年前半にかけて経済は減速するという点では一致している。その理由は、内需が再び縮小する可能性が高いとみているためである。特に、民間最終消費支出と公的需要の動向がポイントとなる。
    民間最終消費支出の先行きついては、所得環境が悪化しており、加えて財政政策の効果が年度越しには剥落するため、追加的な政策なしには減速ないしはマイナス成長が避けられない。
    7-9月期の雇用者報酬は前期比年率-0.7%と6期連続のマイナスとなり、前年同期比では-3.7%と5期連続のマイナスを記録した。加えて冬のボー ナスもマイナスが必至で、先行き所得環境は厳しい状況が続こう。2期連続の二桁のマイナス成長により急拡大した需給ギャップはなかなか縮小せずデフレ圧力 が強まっている。デフレスパイラルに陥るリスク確率も上昇してきており、民間消費の先行きは明るくない。

    もう一つのポイントは公的需要である。人口高齢化に伴う政府最終消費支出の増加トレンドは避けられないが、「コンクリート」から「人」へという現政権の 政策スタンスで、公共投資の削減は必至である。現状では先行き公的需要の経済成長への貢献は期待できないということになる。
    とすれば、ダブルディップ不況を避けるためには、さらに外需依存を強めるか新たな内需の創出が必要となる。外需の今後の動向については、海外欧米市場の 回復に大きな期待は持てない。活発なアジア市場はこれまで景気回復の一翼を担ってきたが、欧米市場の回復なくして外需の持続可能性に問題がある。とすれ ば、新たな内需創出がカギとなる。民主党政権は、「コンクリート」から「人」へというスローガンで公共投資を削減するが、その努力を環境投資拡大促進に向 けるべきであろう。実際その方向に進んでいるが、それを加速させる必要がある。日本経済がダブルリセッションに陥らないためにもタイミングの良い政策発動 が重要である。(稲田義久)

    日本
    <政策効果大きく7-9月期は高成長となったが、年度末にかけては減速か?>

    11月16日(月)発表のGDP1次速報値によれば、7-9月期の実質GDP成長率は前期比+1.2%、同年率+4.8%となり、2四半期連続のプラス となった。景気対策効果と輸出の増加がその背景にある。7-9月期の実績は4-6月期の同+2.7%を上回り、2007年1-3月期(同+5.7%)以来 の高い成長率となった。
    実績は超短期予測の平均値(+3.9%)や市場コンセンサス(ESPフォーキャスト:+2.5%)を上回った。超短期予測最終週での予測では、支出サイ ドモデルが同+2.9%、主成分分析モデルが同+5.0%を予測していていた。主成分分析モデルの予測は実績により近いものとなった。超短期モデルの予測 動態からわかるように、7-9月期の月次データが利用可能となる8月後半から2%台後半、9月に入り3%台後半の成長率を予測していた。

    7-9月期の実質GDP成長率(前期比年率)への寄与度を見ると、内需は3.4%ポイント成長率を引き上げた。内需が成長率引き上げに貢献したのは1年半ぶりである。また純輸出も成長率を+1.5%ポイント引き上げたことがわかる。
    実質民間最終消費支出は同+2.8%と2期連続のプラスとなり、実質GDP成長率を1.7%ポイント引き上げた。所得環境が悪い中、民間最終消費支出が 伸びたのは、政策効果(エコポイント制度、自動車取得促進税制、補助金)による影響が大きい。実際、耐久消費財は同+31.4%と大幅に伸びた。
    実質民間企業設備は同+6.6%と6四半期ぶりのプラスとなり、実質GDP成長率を0.9%ポイント引き上げた。実質民間企業在庫品増加は実質GDP成長率に+1.6%ポイント貢献した。3期ぶりのプラス貢献で在庫調整に一段落がついたと思われる。
    アジアからの輸出需要の高まりで、財貨・サービスの実質輸出は同+28.0%増加し、2期連続のプラス(寄与度+3.5%ポイント)となった。一方、同実質輸入は同+14.1%(寄与度+3.3%)増加した。3期ぶりのプラス成長である。
    実質民間住宅は同-27.5%と3期連続のマイナスである。マンションを中心に大幅なストック調整が起きている。民間住宅は実質GDP成長率を0.9%ポイント引き下げた。
    公的需要は同+0.3%の増加にとどまり、実質GDP成長率にはほとんど貢献しなかった。うち、実質公的固定資本形成は同-4.9%減少し、実質GDP成 長率を0.1%ポイント引き下げた。一方、実質政府最終消費支出は同+1.5%増加し、寄与度は+0.1%ポイントとなった。
    所得環境は悪化しており、雇用者報酬は同-0.7%と6期連続のマイナスとなった。前年同期比では-3.7%と、5期連続のマイナスを記録した。冬のボーナスもマイナスとなり、先行き厳しい状況が続こう。
    デフレータを見ると、GDPデフレータは前期比-1.2%と2期連続の下落となった。急激に拡大した需給ギャップはなかなか縮小せずデフレ圧力が強い。 前年同期比では+0.2%と4期連続のプラスとなったがプラス幅は縮小している。一方で、国内需要デフレータは同-2.6%と3期連続のマイナスで下落幅 が拡大している。日本経済はしばらくデフレから抜け出せないようである。
    11月17日の支出サイドモデル予測は、10-12月期の実質GDP成長率を、内需と純輸出は引き続き拡大するため、前期比+1.0%、同年 率+4.2%と予測する。1-3月期は、純輸出は引き続き拡大するが内需が息切れするため、前期比+0.1%、同年率+0.3%と予測している。この結 果、2009暦年及び年度の実質GDP成長率はそれぞれ-5.0%と-2.2%となろう。
    超短期予測は2009年度末にかけて景気減速を示唆しており、マーケットの一部ではダブルディップ不況を懸念している。持続的な成長に向けて新政権の政策舵取りに注目が集まっている。

    [[稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学]]

    米国

    11月13日の超短期予測は10月の雇用統計や9月の貿易統計までを更新した予測である。グラフ1に見るように今期(2009年10-12月期)の実質 GDP伸び率を支出・所得サイドからそれぞれ-0.4%、+1.5%と予測している。これはウォールストリート紙による48人のエコノミストへの10月調 査の平均値(2.5%)よりかなり低い。超短期予測は米経済が7-9月期の+3.5%(前期比年率)成長の後、1%程度の成長率にまでスローダウンしてい るとみている。主な理由は景気刺激策による自動車購入等が終わり、企業も簡単に生産増加、在庫積み増しをしないと考えられるためである。
    しかし、市場には前期の実質GDP成長率が市場の予想(3.2%)を上回ったことから景気への楽観的な見方が広がっている。最も良い例は10月の雇用統計 に対する株価の反応である。10月の失業率は1983年6月以来26年振りに始めて10%を超えた。また、非農業雇用者数も9月の219,000人減から 190,000人減へと改善したものの、市場の予想(175,000人減)をかなり下回った。しかし、ダウ株価はその日も上昇し、結局その週のダウは3% 上昇し1万ドル台を確保した。
    通常ならば、市場の予想通りに改善していない労働市場に対して投資家はネガティブに反応するが、経済回復に楽観的になりつつある投資家は10月の雇用統計 が好ましくなかったことから、連邦準備理事会(FRB)がこれまでの低金利政策をかなりの間維持せざるをえないと考えるようになった。実際、11月3日 ‐4日に行われたFOMCミーティングのステートメントの中で、FRBは政策金利を0%?0.25%の間に据え置く期間を延長、また、量的金融緩和策も継 続するとしている。
    今週の超短期予測は10-12月期のインフレ率を1.5%程度と予測している。FRBの金融緩和政策の継続に疑問はないが、はたしてそれにより投資家が予 想しているような経済成長率が達成されるかは疑問であり、超短期予測は今のところ、投資家の景気への楽観的な見方がいずれは下方修正されるとみている。

    [ [熊坂侑三 ITエコノミー]]

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    消費税における益税の推計

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     / DATE : 

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  • 熊坂 侑三

    今月のトピックス(2009年10月)

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    インサイト » コメンタリー

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    熊坂 侑三

    ABSTRACT

    鳩山新政権は、世界に向けて2020年までに二酸化炭素(CO2)排出量を1990年比25%削減することを宣言した。もちろん、日本単独の努力ではな く、世界が協調・努力してとの条件付きであるが。この宣言のインパクトは大きく、特に大きな影響を受けることが予想される産業界からは大きな反対が表明さ れている。今月のトピックスでは、この宣言の実現可能性を議論するのではなく、議論に向けての新たな見方を提供したい。
    前政権のこの問題をめぐる議論のスタンスは、CO2削減率に応じて、そのコストを明示するというものであった。ところが今回は、まず25%削減という目標を設定し、それを実現するためにあらゆる政策を総動員し、日本を環境立国へ導くというスタンスに変わったのである。
    さて2007年度のCO2排出量は12億1,270万トンであり、1990年度=100とすると115.5となり、基準年から15%も高い水準である。 図1は日本のCO2排出量の部門別シェアの推移をみたものである。直近の2007年度では、最大の排出部門は産業部門であり、排出量全体の40.3%を占 める。次に、運輸部門(20.6%)、家計部門(15.6%)、業務部門(13.6%)、発電部門(10.0%)の順になる。

    図1から、産業部門のシェアはこの間20%ポイント程度低下しているが、依然としてCO2排出の最大のセクターとなっていることがわかる。一方、運輸、 家計、業務部門はそのシェアを拡大させているが、産業部門には及ばないことがわかる。当然この図からすれば、産業部門には最大の削減努力が求められる。た だし、図1は発電部門で発生するCO2を電力の使用量で各部門に按分したものであって、電力部門は登場しないことに注意が必要である。

    図2は、エネルギー供給部門と最終消費部門に分けてCO2排出量のシェアを見たものである。この図ではCO2排出の最大の貢献者は発電部門であることが わかる。1990-2007年度のCO2の年平均伸び率は0.9%である。発電部門の伸び率は2.2%であり、全体の伸びへの寄与度は0.8%ポイントと なっている。すなわち、CO2排出の最大の寄与は発電部門ということになる。実は図2による説明がグローバルスタンダードであり、図1による説明は日本独 自のものである。図1による説明では、発電部門の寄与(責任といってもよい)を見えにくくしているといえる。
    今後、CO2排出量25%削減を国民的課題として議論する場合は、まず発電部門の役割に十分な注意が向けられなければならない。例えば、再生可能エネル ギーやLNG火力発電のシェアを高める一方で、石炭火力のシェアを低下させることは重要な課題となる。当然、原子力発電のシェアも問題となろう。図2は、 エネルギー供給部門と同時に最終消費部門の役割の議論することの重要性を意味している。すなわち、25%削減の国民的課題はあらゆる政策の動員で解決され ねばならない。 (稲田義久)

    日本
    <7-9月期は2%台のプラス成長だが、持続性には公的需要の動向が鍵>

    10月19日の予測では、7-9月期経済を説明する月次データの約2/3、すなわち、8月のデータがほぼ更新された。支出サイドモデルは、7-9月期の 実質GDP成長率は、純輸出が引き続き拡大し、内需も小幅拡大するため、前期比+0.6%、同年率+2.5%と予測する。10-12月期の実質GDP成長 率は、純輸出が引き続き拡大するが、内需が横ばいとなるため、前期比+0.3%、同年率+1.1%と予測している。この結果、2009暦年の実質GDP成 長率は-5.7%となろう。新政権移行後の日本経済の先行きについて注目が集まっているところであるが、超短期予測は経済成長率は年内緩やかに減速すると みている。ちなみに、実質GDP成長率の市場コンセンサス(ESPフォーキャスト10月調査)は、7-9月期は前期比年率+2.3%、10-12月期は 同+1.3%となっている。超短期予測の見方とほぼ一致している。
    7-9月期の国内需要を見れば、実質民間最終消費支出は前期比+0.5%となる。実質民間住宅は同-2.2%、実質民間企業設備も同-2.8%と、民間 投資関連指標はいずれもマイナスながら減少幅は縮小してきている。実質政府最終消費支出は同+0.7%、実質公的固定資本形成は同-2.1%となる。この ため、国内需要の実質GDP成長率(前期比+0.6%)に対する寄与度は+0.2%ポイントとなる。久方ぶりに内需が景気を引き上げる。
    気になるのは、これまで景気を下支えしていた公共投資の勢いに陰りが見られることである。建設総合統計によれば、8月の公共工事は前年同月比4.1%増 加し9ヵ月連続のプラスとなったが、伸び率は3ヵ月連続で縮小した。先行指標である公共工事請負金額も7-9月期に前年同期比+11.2%となったが、伸 び率は前期(同+13.0%)からペースが落ちている。新政権での公共工事の縮小は必至であるから、2010年初にかけて景気の二番底の可能性は否定でき ない。
    財貨・サービスの実質輸出は同+4.8%増加するが、実質輸入は同+2.1%にとどまる。このため、実質純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度は+0.4%ポイントとなる。
    主成分分析モデルは、7-9月期の実質GDP成長率を前期比年率+4.5%と支出サイドモデルより高めに予測している。また10-12月期を同+3.7%とみている。
    この結果、支出サイド・主成分分析モデルの実質GDP平均成長率(前期比年率)は、7-9月期が+3.5%、10-12月期が+2.4%となり、減速傾向に変化はない。

    [[稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学]]

    米国

    米国の景気回復に対してかなり楽観的な見方をするエコノミストがでてきた。例えば、エンジェル元FRB理事は2009年7-9月期の実質GDP成長率が 前期比年率4%を超える可能性も示唆している。一方、超短期モデルはグラフに見るように支出・所得両サイドから2%程度の成長率を予想している。
    両者の見方の差異は在庫にある。在庫調整が同年4-6月期で完了し、7-9月期の在庫増は実質GDP成長率を1%以上押し上げていると市場は予想してい るようである。一方、超短期予測は、8月までの製造業、卸売業、自動車の在庫統計を更新したが、大幅な在庫調整が7-9月期も行われたと予測している。 7-9月期(4-6月期)の製造業、卸売業、小売業の実質在庫を、それぞれ、-270億ドル(-400億ドル)、-890億ドル(-730億ドル)、 -810億ドル(-510億ドル)と予測している。ただし、超短期モデルは7-9月期の名目財輸入の伸び率を40%超と予測している。しかしこれは、石油 の在庫増にもかかわらず卸売業の在庫減をかなり大きく予想しているというリスクもある。一方、Cash-for-Clunkersプログラムによる自動車 在庫の減少を考えると、小売業における大幅な在庫調整(7-9月期)の可能性は十分にある。
    7-9月期の予測を強気にする2つの要因は、実質個人消費支出が前期比年率4%程度伸び、実質住宅投資が同10%程度伸びたことである。一方、4-6月 期においてそれぞれ下落した実質輸出、輸入も7-9月期にはそれぞれ同20%程度の大幅な伸び率となったと思われる。このように、在庫、輸出入の予測に関 して大きな不確実性が残るとき、景気判断にはその他の集計指標を同時にみるのがよい。
    10月9日の超短期モデルによる7-9月期の(10-12月期)の経済成長率は以下の通りである。実質GDP:前期比年率+2.0%(同+1.7%)、 実質総需要:同+4.3%(同+1.3%)、実質国内需要:同+2.9%(同+1.6%)、最終需要タイプ1(=GDP-在庫):同+2.5% (同+2.1%)、最終需要タイプ2(GDP-在庫-純輸出):同+3.4%(同+1.9%)。このように、複数の集計指標から景気を判断すれば、 2009年7-9月期、10-12月期の実質GDP成長率をそれぞれ3%、2%程度と想定するのが適切と思われる。

    [ [熊坂侑三 ITエコノミー]]

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    新型インフルエンザの関西経済への影響調査(2009年10月)

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2009年度

    ABSTRACT

    「新型インフルエンザの関西経済への影響調査」報告
    ((社)関西経済連合会委託調査)

    監修:
    跡田直澄  嘉悦大学経営経済学部 副学長・教授
    高林喜久生 関西学院大学経済学部 教授

    本年5月以降の新型インフルエンザの感染拡大により、関西では休校、イベントや旅行のキャンセル等により、観光分野を中心に風評被害ともあいまって大幅な影響が生じた。
    そこで、(社)関西経済連合会が、新型インフルエンザが再び感染拡大した場合、あるいはさらに事態が深刻化した場合の対応について政府への提言活動等を行っていくための基礎調査(委託調査)として、今般の感染拡大による関西経済への影響を調査した。

    1.調査概要
    2.新型インフルエンザ感染状況
    3.関西経済への影響
    4.行政の対応に関する意見
    <資料>新型インフルエンザ感染拡大の影響に関する消費者アンケート調査結果

  • 熊坂 侑三

    今月のトピックス(2009年9月)

    インサイト

    インサイト » コメンタリー

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    熊坂 侑三

    ABSTRACT

    8月30日に行われた衆議院総選挙で、民主党を中心とする野党勢力が議席の3分の2を確保した。この結果、今後の経済に対する政策アプローチが大きく変 わることになる。今後の民主党の政策運営については、同党のマニフェストを除いて具体的な金額などを盛り込んだ形での発表はまだ行われていない。ここで は、民主党マニフェストの「工程表」から政策運営が経済にもたらす影響を推計しよう。
    表1は、民主党のマニュフェストの工程表をベースに、景気対策支出額を見たものである。マニフェストでは2009年度に対して最終(2013)年度にな るほど支出金額は明確になるが、それ以外の年では一部支出金額の支出状況は不明確である。そのため、2010年度から12年度の金額については、工程表を ベースに実現可能性を考慮して推計した。
    主な項目は、①子ども手当・出産支援 (同1.3(2013年度時点の所要額5.5兆円)、②暫定税率の廃止(同2.5兆円)、③医療・介護の再生(同1.6兆円)、④高速道路の無料化兆 円)、⑤農業の戸別所得補償(同1.0兆円)などである。要するに家計に対する所得補償型政策が中心となっていることがわかる。

    一方、これらの財政支出の財源は、①予算の組み替えによる無駄な歳出の削減(2013年度時点で9.1兆円)、②「埋蔵金」や資産の活用(同5.0兆 円)、③税制見直し(同2.7兆円)によってファイナンスされることになっている(表2参照)。しかし、2010年度からの早急な実施が困難なものもあ る。特に、公共事業のスリム化や税制改革などである。支出財源が確保できない場合は国債発行によって賄われることになる。
    以上のような支出と財源の見通しから財政バランスの見通しをまとめると、2010年度、2011年度は支出が拡大する一方で、財源の手当てが間に合わないため、財政赤字が拡大することになる(表3上段)。
    GDPに与える影響では、純支出額に着目する必要がある。純支出額の計算には、支出である「埋蔵金」や資産の活用はコストがかからないから考慮しない。 したがって、純支出額は支出措置額から歳出削減額(予算の効率化)・増税額(税制改革)を減じた額となる(表3中段)。またGDP成長率には、この純支出 額の年度間増減幅が影響する(表3下段)。この増減幅が拡大する2010年度、2011年度にはGDP成長率が押し上げられることになる。2012年度、 2013年度には、増税や歳出削減が進み、増減幅が縮小するため、GDP成長率を押し下げることになる。

    最後に、この純支出増減幅を基に、関西経済に対する影響を試算しよう(表4)。試算では、GRP成長率に直接寄与する政策として、子ども手当・医療介護 の再生・農業の戸別所得補償・暫定税率の廃止の4つの政策を取り上げて計算した。また工程表の支出額は日本全国を対象とした額であるため、これに関西の世 帯数割合17.1%を乗じて、関西への影響額としている。さらに、関西経済予測モデルの消費関数の長期消費性向0.464を乗じて追加的消費支出金額を計 算している。これを関西のGRP(89.4兆円、2010年度の予測値)と比較する。この結果、2010年度には0.4%程度、2011年度には0.3% 程度のGRP押し上げ効果となる。しかし、2012年度、2013年度には-0.3%、-0.5%とGRPにマイナス効果をもたらすことになる。

    以上、経済効果を示した。より詳細な分析のためには、家計調査報告に基づいた所得階層別の分析が必要となろう。民主党政権が考える内需、特に、家計消費 の刺激を起点とする経済成長シナリオにより、どのような成長パスが実現されるのか、今後の政策運営動向に注視しなければならない。  (稲田義久・入江啓彰)

    日本
    <7-9月期、内需は久方ぶりにプラス成長に転じるも、持続性に疑問>

    9月11日発表のGDP2次速報値によれば、4-6月期の実質GDP成長率は前期年率+2.3%となり、1次速報値(同+3.7%)から下方修正となった。
    実質GDP成長率下方修正の主要因は、民間企業在庫品増加である。実質民間企業在庫品増加は1次速報値の前期比-2.0%ポイント(寄与度年率ベース) から同-3.1%ポイントへと下方修正された。在庫調整が想像以上に進展していることを確認した。今後は在庫投資の積み上げが期待され、先行きにとっては 悪くない結果である。
    9月14日の予測では、8月の一部のデータと7月のデータがほぼ更新され、また4-6月期のGDP統計2次速報値が追加されている。支出サイドモデル は、7-9月期の実質GDP成長率を、純輸出は引き続き拡大し、内需も小幅拡大するため、前期比+0.9%、同年率+3.6%と予測する。
    10-12月期の実質GDP成長率を、純輸出は引き続き拡大するが、内需が横ばいとなるため、前期比+0.5%、同年率+1.9%と予測している。この結果、2009暦年の実質GDP成長率は-5.5%となろう。
    7-9月期の国内需要を見れば、実質民間最終消費支出は前期比+0.5%となる。実質民間住宅は同-0.8%、実質民間企業設備も同-2.1%といずれも マイナスながら小幅の減少にとどまる。7月の工事費予定額(居住用)と資本財出荷指数は前月比ともにプラスになっており、7-9月期の民間住宅や企業設備 が前期比で安定化する可能性が出てきた。実質政府最終消費支出は同+0.5%、実質公的固定資本形成は同-1.0%となる。このため、国内需要の実質 GDP成長率(前期比+0.9%)に対する寄与度は+0.3%ポイントとなり、久方ぶりに内需が景気を引き上げる。
    財貨・サービスの実質輸出は同+5.7%と増加するが、実質輸入は同+1.9%にとどまる。このため、実質純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度は+0.5%ポイントとなる。
    一方、主成分分析モデルは、7-9月期の実質GDP成長率を前期比年率+3.6%と予測しており、支出サイドからの予測と一致している。また10-12月期を同+3.4%とみている。
    この結果、支出サイド・主成分分析モデルの実質GDP平均成長率(前期比年率)は、7-9月期が+3.6%、10-12月期が+2.6%となる。
    日本経済は4-6月期以降、内需が小幅ながら緩やかなプラス成長に転じている。しかし、今後は、民主党による補正予算の見直しも含め補正予算の政策効果 が剥落してくるため、経済のプラス成長の持続性には疑問が出ている。2010年度の民主党の消費拡大効果が出る前に一時的にマイナス成長に陥る可能性があ ることを指摘しておく。

    [[稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学]]

    米国

    グラフに見るように、8月の雇用統計を更新した時点で超短期モデルは2009年7-9月期の実質GDP成長率を+1.3%と予測している。これは2008年4-6月期以来1年振りのプラス成長である。
    支出サイドから実質GDP成長率が急速に上昇した主な理由の一つには”Cash-For-Clunkers Program” (エコカー購入促進システム)により、自動車購入が増え実質個人消費支出が増えたことが上げられる。超短期モデルは実質耐久財の個人消費支出が2009年 7-9月期に11.9%(前期比年率)伸びると予測し、個人消費支出全体の伸び率を同+2.0%と予測している。エコカー購入促進システムによる購入が自 動車の在庫減になればその分GDP成長率の増加は相殺されるが、新車の生産につながればGDP成長率は高まる。支出サイドからの経済成長率上昇のもう一つ の大きな理由は実質住宅投資が7-9月期に同9.1%伸びると予想されていることによる。これは7月の民間住宅建設支出が2.3%(前月比)と大幅に上昇 したことによる。実質住宅投資の伸び率がプラスに転じるのは2005年10-12月期以来14四半期振りのことである。
    一方、所得サイドからの実質GDP成長率プラス転換の主な理由は2009年4-6月期の統計上の誤差が2,250億ドルと大きくなり、その結果7-9月 期の統計上の誤差も2,280億ドルになると超短期モデルが予測していることである。この統計上の誤差はGDP比率でみると1.6%に相当する。もう一つ の理由は、1-3月期、4-6月期とそれぞれ前期比-14%、同-5%と大きく落ち込んだ賃金・俸給が7-9月期には0%にまで持ち直すと予想されている ことが挙げられる。
    しかし、7-9月期経済のプラス成長の持続性には問題が残る。エコカー購入促進システムが8月24日で終了し、今後の個人消費支出の落ち込みが予想され る。また、住宅市場に回復の兆しが見えたものの今度は商業用不動産市場が悪化していることがある。所得サイドにおいても失業率が8月には9.7%と 1983年以来の高い水準になり、遅行指数とはいいながら労働市場の回復にはまだかなりの時間がかかるとみられ、個人消費支出の鍵をにぎる賃金・俸給の堅 調な伸びが今もって期待できない。このように、米国経済は7-9月期に一旦プラス成長に戻るものの、その持続性には多くの懸念が残る。

    [ [熊坂侑三 ITエコノミー]]

  • 入江 啓彰

    第2号 関西エコノミックインサイト

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    入江 啓彰 / 武者 加苗

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    第1号 第45回衆議院総選挙を終えて (2009.9.10)

    インサイト

    インサイト » 分析レポート

     / DATE : 

    ABSTRACT

    財団法人 関西社会経済研究所
    1.「新しい国のかたち」の模索  文責(浜藤豊)
    今や、日本は外にあっても内にあっても大変な時期である。我々は安心と自信を回復するために政治を鍛え直さなければいけない。この国の統治の立て直しを 誰に託すかを判断し、「新しい国のかたち」の建設を始めるのがまさに8月30日であった。その建設を進めていくに当たって克服すべき課題は多いが、大きく 分けてみるならば次の3つに集約できる。
    (1)経済構造の脆弱さ
    (2)政治、行政に対する不信感
    (3)巨額の財政赤字
    これらが複雑に絡み合って内外の環境激変に対応しきれなくなり、持続的な成長イメージが描けない状況に陥っている。

    <3課題に対する対策>
    第一に、構造的に弱い日本経済の足腰を強くするには、民間の活力を最大限に引き出す経済社会の確立を目指さなければならない。
    そのためには、日本国内の成長力を強化するとともに、海外の成長力を取り込むことが肝要である。国内面では、
    ①雇用機会の拡大や女性・高齢者の労働参加の促進
    ②省エネ設備・製品の開発・普及に向けた対策
    ③成長戦略のための技術開発促進による産業強化策
    (例)新たなサービス産業(医療、介護分野等で)の創出 など

    一方、海外成長力取り込みでは
    ①グローバル化に対応した法人税減税などの税制改革
    ②WTO中心型とEPA,FTA締結促進型との併用による自由貿易体制の確立
    ③競争力強化対策の拡充
    (例)日本への直接投資の促進(秩序ある資本の流出入を実現する市場の形成) など

    第二に、政治や行政に対する不信感を取り除いて国民が安心できる制度を構築するにはどうすればいいのかの問題である。行政の失敗が政治への不信につながっていることから
    ①無駄が生み出す財政赤字の排除の仕組みを取り入れた予算制度・公務員制度の改革
    (例)民間経営手法(PDCAサイクルなど)の採用

    ②住民選択を尊重する地域重視型社会の実現及び国・地方の役割分担を明確にした上での権限委譲
    (例)地方税財源確保のための補助金、交付税、税源配分見直し。道州制導入 など

    ③グローバル化・高齢化にも対応可能な社会保障制度の再構築
    (例)高齢者が安心して受けられる医療制度の再確立、派遣労働者へのセイフティーネット強化 など

    第三に、財政の健全化の問題が重くのしかかっている。このまま赤字が膨らみ続けると、現下の景気悪化に伴う赤字財政の拡大も加わって、将来世代が受ける 公共サービスレベルの低下も心配される。しかも、2015年には団塊世代が65歳の年金受給年齢に達し、本格的な高齢社会に突入することになる。その時期 までに財政再建への道筋をつけておかなければならない。具体的には、
    ①歳出削減と成長による、基礎的財政収支の赤字幅の削減、及び黒字化の時期
    ②成長・増税・歳出削減による、国・地方の債務残高の対GDP比のピークアウトを図る目標時期
    を明確化しておく必要がある。
    今、日本に求められていることは、現実を正しく認識し、先に述べた3つの課題に対する構造改革を推し進め、国内外の変化に柔軟に対応できる「新し い国のかたち」を構築していくことである。そこで、以下では、現在示されている各党のマニフェストがこの国の将来を示し得るものになっているのかを検討し てみたい。

    2.マニフェストに求めること  文責(島章弘)
    8月30日に実施された総選挙の結果、民主党が衆議院の過半数以上の議席を占めた。総選挙では多くの事が議論されたが、当然、政策議論が主体であり、その中心に各党のマニフェストが存在したといえる。
    近年、国政選挙におけるマニフェストの存在意義が高まっている。各党は従来以上にマニフェスト作成に努力し、国民そして各界も高い関心を払うようになって きた。マニフェストは各党の国民へのコミットメントであり、その内容を豊かにすることは日本の将来にインパクトがあると考える。
    ここでは、各党の2009年衆議院選挙に向けたマニフェストを概観し、これまでの議論や各界からの期待を踏まえ、さらに求めたいことを列挙してみた。マニフェスト評価を出発点として、政策議論の一層の活発化を期待したい。

    ■各党ともに多くの行政サービスの具体策を示しているが、その源泉となる国富の創出に関する記述が少ない。
    厳しい国際競争下、各党のマクロ経済政策や産業振興施策には一層の充実が求められる。今、求められるものはいかに内需を喚起するか、いかに国際競争力を 有する産業を発展させるかである。この結果、過度に外需に依存しない持続可能な経済発展が可能となり、国の税収を増加させ、政策が豊かなものになる。
    1990年代、米国経済は長期にわたる好況を謳歌し、「もはや景気循環はなくなった」とする「ニューエコノミー」論が活発に語られるほどであった。これ によって、巨額の財政赤字は解消され、クリントン政権を引き継いだ直後のブッシュ政権が実施した10年間で1.3兆ドルを超える減税プログラムが実現され た。

    ■不況下のマニフェストであり、セイフティーネット充実の必要性から全体として政策が増加している感が否めない。
    各党ともに行政の無駄排除を掲げているが、新政策の増加から結果として政府が関与する領域が広くなり大きな政府となる可能性がある。政府が関与する領域が広い社会経済システムを選択するのか、政府関与が少ないシステムを関与するのかの問題提起が欲しいところである。

    ■金融危機そのものに対する政策が少ない。
    現在の経済不況の発端となったのが金融危機である。株価は世界的に回復基調にあるが、根本的な問題は継続しており、国や地方の財政問題などこれから影響 が本格化する領域もある。こういったマイナス影響への対応策及び危機の再発防止への対応といった政策の提示が求められる。

    ■環境問題目標の達成手段についての国の関与に関する記述が少ない。
    原子力利用の充実を唱えている政党もあるが、これまでの原子力利用の実績を見ると、安全問題など克服すべき課題が大きく具体策に欠ける。また、日本の1 人当たり一次エネルギー消費は世界的にみて高いものであるが、個別産業のエネルギー効率でみると多くの産業で世界のトップ級になっている。技術開発の芽も 少ない状況では、削減目標数値先にありきでは、製造業の海外移転を促すだけになりかねない。さらに、排出権取引市場の設置も真の意味での環境問題進展への 寄与は期待できない。
    エネルギー分野で信頼度が高いBP統計によれば、2008年の日本の人口1人当り一次エネルギー消費量は中国の2倍以上である。しかし、鉄鋼業でみると 中国の製鉄所のエネルギー原単位は日本に比べ10%から20%悪いなど、ほぼ全ての産業で日本は優れた効率を達成している。日本の産業界が今のレベルから 飛躍的にエネルギー効率を向上させるのは相当困難である。こうした情勢下で、より厳しい目標を設定するには、より具体的な政策が求められる。

    ■税制改正に関する体系立った提案がない。
    抜本的改革との表現を使っているところもあるが、メッセージはそれだけであり中身が不透明である。暫定税率など一部の税廃止と税控除措置見直しを提唱しているところもあるが、税体系全体に関するメッセージが欠けている。
    逆進性がある消費税と累進性がある所得税とを中核として税負担をしている国民にとっては、負担構造のあり方についてむしろ受益と負担の関係から議論が行われて然るべきである。
    また、多くの党は中小企業の法人税率引き下げを提唱しているが、これは緊急経済対策的な色彩が濃いものであり、法人税全体に関する議論こそが、グローバル経済下では重要である。

    ■地方分権推進の考えは鮮明であるが、内容が説明不足。
    道州制導入を明確にしている政党は三層型地方分権制度であるのに対し、現状より広域化させた基礎自治体をベースとする政党は二層型地方分権制度といえよう。 それぞれの違いが国民生活にいかなる違いをもたらすかのメッセージが伝えられていない。

    個別分野ごとにマニフェストを概観し、これまでの議論や各界からの期待を踏まえ、求めることを列挙してみた。
    更に、個別分野ごとの議論ではなく、マニフェスト全体にかかわるポイントを指摘してみたい。マニフェストは数値や時期が明示された政策目標と合理的に選 択された明確な手段が提示されるべきである。今回、多くの政党のマニフェストは政策目標は提示されているが、具体的で明確な政策手段が示されているとの評 価をするのは難しいといえる。
    「政策形成能力」には、まだまだ問題があることを強く指摘しておきたい。また、この政策を実現・実行するのが「実現力」・「実行能力」といわれている が、前者は議院内閣制であれば政権をとるかとらないかの問題であり、後者は行政組織に対する管理能力の問題である。したがって、実現・実行の問題はマニ フェスト上の問題ではない。各党には、むしろ「政策形成能力」の向上を強く求めたい。

    3.日本の未来を示し得る政策への期待を込めて          文責(浜藤豊)
    前節では、現在までに公表されたマニフェストを前提に不充分な点を指摘してきた。日本は今、2つの大きなうねりに翻弄されている。すなわち、外にあって はグローバル化が急速に進むなかでの昨年来の経済危機、内にあっては高齢化・少子化の2つである。経済のグローバル化のうねりの象徴と対策としては、
    ①背後から迫りくる中国(GDPで追い抜かれる) → 実効性のある産業育成戦略の立案
    ②外国資金による国内金融資本市場の撹乱 → 新しい市場監視ルールの確立(投機資金の規正)
    などがあり、高齢化・少子化のうねりの象徴と対策としては
    ①人口減少の始まり → 外国人労働力・移民の受入体制の整備
    ②出生率の長期的低迷 → 結婚・出産阻害要因の除去(高校編入制度の未整備、婚外子対応など)
    などが挙げられる。
    グローバル化、高齢化・少子化が進展するなかでも持続的成長を図るためには、政府による体系的な実効性のある成長戦略が必要であると同時に、『民間企業 も成長していかなければ!』という覚悟をもって民間でも自らの成長戦略を構築することも重要である。官民共同による成長があってこそ社会は安定するので あって、子育てや雇用への安心もその延長線上に見えてくる。
    直面している危機を一刻も早く脱出し、これからの「新しい国のかたち」を構築していかなければならない。各党のマニフェストは政策内容としてはまだまだ不 十分な部分もあり、我々国民も充分にその内容を理解できているとは言い難いが、民主党に政権がバトンタッチされることになった今、マニフェスト通り誠実に 政策実現されるかをよくウォッチしていくことが肝要である。

    4.有権者意識調査                      文責(長尾正博)
    (財)関西社会経済研究所では、8月8日、9日の両日にわたって、楽天リサーチの全国サンプル1000人を対象に、インターネットを通じて、各党政策に対する有権者の意識調査を実施した。その3週間後(8月30日)衆議院選挙の投開票が行われ、獲得議席数が、多い順に、民主党308、自民党119、公明党21、共産党9、社民党7、みんなの党5、国民新党3、その他8議席という結果になった。前述の調査によれば、比例区の投票先政党については、民主党32.4%、自民党9.8%、公明党2.0%、共産党4.3%、社民党1.1%、国民新党0.5%であった(その時点で、まだ決めていない又は投票しないという方の合計は49.4%であった。)ので、実際の獲得議席数と同様の傾向を示していたことになる。例外は共産党であったが、同党に投票した有権者は比例区で7.0%であり、獲得票という意味では、これも、調査結果が反映されたと言える。
    調査結果の詳細については、「No5 各党政策に対する有権者の意識」というタイトルで、(財)関西社会経済研究所ホームページのリサーチペーパー欄に掲載しているが、その一部は下記の通りである。

    (1)支持の理由
    自民党の場合、支持する政党だから(56.1%、複数回答、以下同様)と政権を委ねるのに信頼できるから(35.7%)が突出しており、具体的な政策を評価していることにはなっていない。一方、民主党の場合、国の無駄遣いを解消し(55.2%)、官僚主導体制を打破し(45.1%)、国の構造改革を積極的にすすめてくれそう(26.5%)だからというのが支持の理由である。

    (2)個別のマニフェスト評価
    個別政策(特に民主党)について、それぞれ賛成か反対かについて聞いた結果を、賛成比率の高いものから並べると下記のグラフの通りとなった。また、比例区投票先別(民主党と自民党)にもクロス分析したところ、「子ども手当て」と「高速道路無料化」では、意見が分かれた。とくに子ども手当てについて、中学生以下のこどもがいない家庭では、賛否が互角であった。

    (3)経済・財政運営方針に対する有権者の賛否
    経済並びに財政に関する運営方針についても、その支持度合を計測した。
    この質問は難易度が高くなる為、「どちらともいえない。わからない。」という方が、経済運営で53%、財政運営で38%と多くなる。残りの明確に賛否を示された方の中で、どちらを支持するかについて聞いたところ下記の通りとなった。

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    関西エコノミックインサイト 第2号(2009年9月10日)

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    ABSTRACT

    「日本経済のマクロ経済分析?関西経済の現況と予測?」研究成果報告
    (主査: 稲田義久・甲南大学経済学部教授
    高林喜久生・関西学院大学経済学部教授)

    「関西エコノミックインサイト」は、関西経済の現況の解説と、計量モデルによる将来予測を行ったレポートです。関西社会経済研究所が公表する日本経済予測と連動しており、原則として四半期ごとに公表いたします。

    第2号(2009年9月)の概要は以下の通りです。

    1. 2009年4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+3.7%(1次速報値)となり、5四半期ぶりのプラスに転じた。当研究所では日本経済の成長率を09年度-2.6%、10年度+0.6%と予測した。

    2. 関西経済の経済指標をみると、回復と悪化を示すシグナルが相半ばしている。生産は回復の兆しを見せているとはいえ、ピーク時と比較すると水準はまだ低い。また雇用環境は悪化傾向が続いている。

    3. 日本経済の最新予測を織り込み、関西実質GRP成長率は09年度-2.5%、10年度同+0.8%と予測した。前回から09年度を0.7%ポイント下方修正、10年度を1.1%ポイント上方修正した。足下経済の回復と政策効果の見直しを反映した結果である。

    4. 民主党新政権の経済対策案は、短期的には家計消費を底上げするが、公共事業の見直しや増税は経済成長の抑制要因となる。

    5. 民主党政権の政策実施が関西経済に及ぼす影響を試算すると、2010,11年度は実質GRPをそれぞれ+0.4%ポイント、+0.3%ポイント押し上げるが、12,13年度にはそれぞれ-0.3%ポイント、-0.5%ポイントの押し下げとなる。

    PDF
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    2009年版関西経済白書「関西新時代への可能性」(2009年9月)

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2009年度

    ABSTRACT

    財団法人 関西社会経済研究所

    財団法人関西社会経済研究所(会長 下妻博、所長 本間正明)はこの度、「2009年版 関西経済白書?関西新時代の可能性?」を発行しました。2009年版白書では、先ず、金融危機の構造的要因に迫るとともに、世界同時不況下での日本経済、 関西経済の動向、並びに至近の見通しを示すことに努めました。その上で関西が自らの手で新時代へと向かうために①新時代の成長戦略の要となる「グリーン・ グロース(緑の経済成長戦略)」、②独自の高度な技術を有する中小企業、③地域の生活と産業を支えるインフラ環境整備を担う公的部門の姿、の3つのポイン トに注目し、編集しました。

    概要

    第1章 金融危機・世界同時不況と日本 
    米国発金融危機が発生した構造とその影響を解説しています。金融危機の背景として、重層的に仕組み債が組成され、リスク分散により高リスク商品への投資が 膨らんだこと、BIS規制の対象外である投資ファンドや投資銀行が「シャドー・バンク」としてレバレッジ(他人資本で利益をあげる)を高め信用バブルを発 生させたことなどをあげています。結果バブル崩壊により、分散していたリスクの大量同時破産に見舞われ、それが世界同時不況につながりました。

    第2章 日本経済・関西経済の危機と回復のゆくえ
    日本経済がまさに「フリーフォール」となった要因として外需依存経済を明らかにし、関西経済への影響、さらに回復へ向けてのシミュレーションをしていま す。また関西の府県別の構造分析も試みており、関西の02年?06年度の経済成長のうち、大部分が京都、大阪、兵庫の寄与(関西全体5.66%成長のうち 3府県の寄与は4.97%(約9割弱))にあることを視覚的に明らかにし、中でも大阪府の寄与が約4割弱となり、大阪府経済の動向が関西経済全体の浮沈に 大きく影響することがわかりました。

    第3章 関西復権のチャンス
    関西が自らの手で新時代へと向かうために注目される動きとして、新たな産業集積としての「パネル・ベイ」から「グリーン・ベイ」、技術力ある関西の中小企業、そして産業を支えるインフラ投資について最近の動向を示しています。

    第4章 関西発のグリーン・グロース?緑の経済成長戦略?
    「脱化石エネルギー」にむけての産業革命を「負担」ではなく「新たなビジネスチャンス」と捉え、発想の転換と新技術で経済成長をねらう「グリーン・グロー ス(緑の経済成長)戦略」を取り上げています。中でも新エネルギー産業(太陽光発電、風力発電、水力発電)、電気自動車産業、サービサイジング事業、再利 用事業(再資源化事業)などの有望産業について、現状と関西におけるポテンシャルを示しています。特に関西では太陽電池で国内の8割を生産しているほか、 電気自動車に使用されるリチウムイオン電池についても大きなポテンシャルを有しています。また関西では小型風車やマイクロ水力発電などユニークな発想と既 存の技術力を応用した中小ベンチャー企業の動きも注目されています。

    第5章 関西中小企業の実像?その強みと弱み?
    関西の中小企業をできるかぎり定量的に分析し、強み弱みを整理しています。関東や中部と比較して製造業の付加価値における中小企業比率が61.2%と最も 高いこと、また下請け比率が60.1%と最も低いこと、さらに部品から産業用最終製品、食品・生活用品まで多様な製造業がバランスよく存在していることな どから、関西中小企業の「独自性」「独立性」「多様性」を強みとして整理しています。一方、企業間信用が発達していることで、関西の中小企業は運転資金が 大きく資金繰りが厳しい状況にあり、売上に対する借入金や金融費用の比率も高く、財務体質が脆弱であることなどを弱みとして整理しています。

    第6章 関西自治体の行政改革への取組
    国の財政からの自立が求められる今日では、自治体も効率的な財政運営が求められます。本章では、自治体の経常収支から財政運営の健全性を、また労働コストから、生産性を分析しています。

    [ ご参考 ]
    *「2009年版 関西経済白書 発表会・シンポジウム」を開催いたしました(9/9)。

    大手書店で発売中。定価1,500円(税込み)。

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    消費税の逆進性と複数税率化

    ディスカッションペーパー

    ディスカッションペーパー

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    第79回 景気分析と予測(2009年8月25日)

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

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    ABSTRACT

    「日本経済のマクロ経済分析」研究成果報告
    (主査: 稲田義久・甲南大学経済学部教授
    高林喜久生・関西学院大学経済学部教授)

    当研究所のマクロ経済分析プロジェクトチームでは、在阪の大手企業・団体の若手スタッフの参加の下で研究会を組織し、予測に必要な景気の現状分析、外生変数の想定について共同で作業を行っている。
    「景気分析と予測」については、四半期ごとに年4回(2003年度までは年2回)発表している。
    2005年度より四半期予測作業において、日本経済超短期予測モデル(CQM)による、直近2四半期のより正確な予測値を取り入れている。
    8月17日の政府四半期別GDP一次速報の発表を受け、2009-2010年度の改訂経済見通しとなっている。
    ポイントは以下の通り。

    * 2009年度4-6月期実績の評価‥‥実質GDP成長率(一次速報)は、前期比+0.9%、同年率+3.7%と、5四半期ぶりのプラス成長となり、1-3月期が景気の谷となった。今回の景気回復の主な要因は、経済危機対策の効果と純輸出の悪化幅の縮小である。

    * 2009年度の改訂見通し‥‥民間需要の寄与度は大幅に悪化するが、大型補正予算の影響で公的需要が+1.2%の寄与となり、外需(純輸出)の寄与度もマ イナス幅が若干縮小されるため、実質GDP成長率は、2008年度の▲3.2%から2009年度は▲2.6%とマイナス幅が縮小する(前回予測▲2.2% からは下方修正)。

    * 2010年度の改訂見通し‥‥大型補正予算の効果が剥落するため公的需要の貢献は縮小するものの、民間需要の悪化幅は大きく縮小、世界経済の緩やかな回復 により純輸出の寄与がプラスに転じる。2010年度の実質GDP成長率は+0.6%(前回予測▲1.1%から上方修正)となり、3年連続のマイナス成長は 回避できるであろう。

    * 前回予測では、当研究所「経済危機対策」に関するアンケート調査結果(5月13日に記者発表実施)に基づきその効果を検討したが、今回予測では、政策効果 が一部表われた4-6月期の実績を踏まえ、再検討した。低炭素革命関連政策は、所得制約等により、民間消費を+0.60%、実質GDPを+0.38%引き 上げる効果にとどまる(前回予測の民間消費+1.3%、実質GDP+0.7%から下方修正)。

  • 熊坂 侑三

    今月のトピックス(2009年8月)

    インサイト

    インサイト » コメンタリー

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    熊坂 侑三

    ABSTRACT

    関西社会経済研究所は7月30日、岩田一政氏(内閣府経済社会総合研究所所長)と櫨浩一氏(ニッセイ基礎研究所経済調査部部長)をパネリストとして招 き、「世界同時不況からの回復?夜明けは見えたか?」というテーマで景気討論会を行った。政権交代の可能性が高まる中、短期的には政策や景気の見通しにつ いて不確実性が高まるという状況での討論会であった。
    各パネリストの議論は、それぞれが得意とする中期、短期、超短期をカバーした非常に内容の充実したものとなった。以下、景気討論会での重要と思われる議 論を紹介する。8月30日には総選挙結果の如何を問わず、今後の景気見通しや経済運営の議論にとって重要と考えられるからである。

    内閣府の中期経済見通し
    岩田氏は、内閣府試算の最新の中期経済の見通しから3つのシナリオを提示された。3つのシナリオとは、2011年度から毎年消費税率を1%ポイント、累 計で3%、5%、7%の引上げを行った場合の、それぞれの経済成長率と財政の基礎収支(プライマリーバランス)のパスを示したものである。プライマリーバ ランスは、成長戦略と景気回復で2007年度に-1%台まで改善したが、2008年度の大不況と大規模な財政出動で大幅に悪化し、2009年度には -8.1%まで低下すると見込まれるため、2011年度黒字化の目標はすでに放棄された。
    今後この3つのシナリオが実現された場合、プライマリーバランスが黒字化する時期は、消費税率引き上げが7%ポイントのケースは2018年度、5%ポイ ント引き上げのケースは2021年度となる。それ以外のケース(3%ないしはゼロ%)では2023年度までに黒字は実現できないようである。図からわかる ように、今回の大不況は、日本のプライマリーバランスの改善を10年程度先送りにしたことになる。

    内閣府の試算では、日本経済の成長率のパスは2008-09年度に2年連続の-3%台のマイナス成長の後、2010年度は+0.6%となり、2012年度までは大幅な需給ギャップを埋めるため3%程度の比較的高い成長を経たのち、以降潜在成長率に戻るというものである。
    最終目的としての政府債務/名目GDP比が2010年代半ばに安定化し、2020年代に低下するためにも、長期実質金利が低位安定的でなければならな い。岩田氏の指摘によれば、長期金利は生産年齢人口の変化と関係しており、日米とも生産年齢人口がピークアウトする時期にバブルが発生したことから、今後 の日本の生産年齢人口比率が低下することは長期金利安定化の一助となるが、逆に、中国は生産年齢人口が上昇することから、今後バブル発生の可能性は高くな るという。これは、重要なポイントと考えられる。

    中国は米国市場に替わる役割を完全に担うことはできない
    短期的な視点に戻せば、2009年4-6月期の日本経済の実質成長率は純輸出のリバウンドで前期比プラス成長に転じ、景気の底打ちは確認できそうだが、 年後半は加速ではなく緩やかな回復にとどまる可能性が高い。米国の超短期予測が示すように、マーケットが期待するような回復には所得サイドから疑問が投げ かけられている。日本経済にとって重要な貿易パートナーである米国経済の急回復が期待できないとすれば、年後半の日本経済の回復は緩やかなものにとどまろ う。一方、新興諸国の代表である中国は、足下政策効果があらわれ経済成長率を加速させており、日本の中国向け輸出も前期比で増加している。しかし、公共投 資を中心とする財政政策では民間消費をけん引役とする内需拡大型成長は実現できない。結局、輸出の回復が戻らなければ、中国の高成長は持続可能でないであ ろう。その意味で、日本にとって、中国は米国市場に替わる役割を完全に担うことはできない。
    日本経済が、内閣府試算が示す3つのシナリオないしはそれ以外のシナリオをとろうとも、中期成長パスの初期条件として、2010年度の経済パフォーマン スないし景気回復の中身は今後にとって非常に重要な鍵となろう。その意味で、2010年度に効果が剥落する政策の存否については、その効果についての十分 な精査が必要である。(稲田義久)

    日本
    <4-6月期は5期ぶりのプラス成長に転じるも、年後半は勢いに欠ける>

    4-6月期の実質GDP成長率(1次速報値)は前期比年率+3.7%となり、5期ぶりのプラスに転じた。成長率への寄与度(年率)を見ると、国内需要は-2.8%ポイントと成長率を引き下げ、純輸出は+6.5%ポイント引き上げた。
    今回の回復の特徴は、景気対策効果と純輸出の大きな寄与である。実質民間最終消費支出は前期比年率+3.1%と3期ぶりのプラスとなり、実質GDP成長 率を1.9%ポイント引き上げた。もっとも所得環境は悪く、実質雇用者報酬は同-6.7%と2期連続のマイナス。にもかかわらず民間最終消費支出が伸びた のは、政策効果(エコポイント制度、自動車取得促進税制や補助金)による消費性向の一時的な高まりが影響している。
    一方、投資は住宅、企業設備ともに不調である。実質民間住宅は同-33.0%と2期連続のマイナスである。実質民間企業設備も同-16.1%と5期連続 で減少した。この結果、民間住宅と民間企業設備で実質GDP成長率を3.7%ポイント引き下げたことになる。また、実質民間在庫品増加は-2.1%ポイン ト成長率を押し下げた。大幅に在庫調整が進んだといえよう。
    公的需要は同4.7%増加し、実質GDP成長率を1.1%ポイント引き上げた。うち、実質公的固定資本形成は同36.3%増加し、寄与度は+1.4%ポイントである。
    外需をみると、実質純輸出は大きく経済成長率に貢献した。財貨・サービスの実質輸出は同+27.9%増加する(寄与度+3.2%ポイント)一方で、同実質輸入は同-18.9%(寄与度+3.3%)減少したためである。
    デフレータをみると、GDPデフレータは前期比-1.1%と3期ぶりの下落となった。需給ギャップの急激な拡大を背景にデフレ圧力が強まっている。
    今週の支出サイドモデル予測は、7-9月期の実質GDP成長率を、純輸出は拡大するが、民需(特に、民間住宅、民間企業設備)が不調となるため、前期比 年率+1.6%と予測している。10-12月期の実質GDP成長率も、純輸出は引き続き拡大するが、内需が引き続き悪化するため、同+0.6%と予測して いる。このように2009年後半の経済は、4-6月期のプラス転換にもかかわらず、勢いに欠ける。この結果、2009暦年の実質GDP成長率は-5.4% となろう。
    7-9月期の国内需要を見れば、実質民間最終消費支出は前期比+0.3%となる。実質民間住宅は同-3.7%と3期連続のマイナスとなる。実質民間企業 設備も同-5.3%と6期連続のマイナスとなる。実質政府最終消費支出は同+0.5%、実質公的固定資本形成は同+0.2%となる。このため、国内需要の 実質GDP成長率(前期比+0.4%)に対する寄与度は-0.3%ポイントとなる。
    財貨・サービスの実質輸出は同5.4%増加するが、実質輸入は同横ばいとなる。このため、実質純輸出の実質GDP成長率に対する貢献度は+0.7%ポイントとなる。

    [[稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学]]

    米国
    <所得サイドから懸念される米国経済への楽観的見方 >

    6月の始め頃から米国景気の減速が緩やかになってきたことがわかってきた。このため、超短期予測は、6月から7月の始めにかけて米国景気に対して楽観的 な見方をするようになった。しかし、その後、超短期予測の改善は進まず、支出・所得サイドから4-6月期の実質GDP経済成長率を最終的には前期比年率 -1.1%と予測した。7月31日に発表された4-6月期の実質GDP速報値によれば、成長率は同-1.0%となった。実績は、超短期予測に近かったもの の、市場コンセンサスの同-1.5%よりマイナス幅が小さかった。このため、市場・エコノミスト達の間ではリセッションが2009年1-3月期に底を打 ち、これから景気が回復に向かうであろうという楽観的な見方が広まった。実際、多くのエコノミスト達は2009年7-9月期の経済成長率を+2%近くに上 方修正をしている。
    発表された経済統計が良くなくとも、それが市場のコンセンサスより良かった場合、市場・エコノミストにある種の楽観的な見方が生まれることがある。今 回、このことが雇用統計においても生じた。市場は7月の失業率が前月より0.1%ポイント上昇し9.6%になると予想していたが、結果は前月より0.1% ポイント低い9.4%となった。7月の雇用減も市場のコンセンサスをかなり下回る数字となった。このため、株価の高騰にみるように、市場、エコノミストの 間に景気回復に対する楽観的な見方が急速に広まってきた。更に、消費者が政府の補助を得てエネルギー効率のよい自動車に買い換え る”Cash?for?Clunkers Program(エコカー購入促進システム)” が予想以上に好調なこともエコノミスト達の楽観論を支えることになっている。
    8月10日の超短期予測では7月の自動車の小売販売統計が更新されていない。すなわち、”Cash?for?Clunkers Program”の経済への影響を考慮できていないことから、7-9月期の成長率予測は過小推計の可能性があるが、問題はグラフに見るように、所得サイド からのGDP予測が下降トレンドを示していることにある。所得サイドから景気回復がみられなければ、持続的・堅調な米景気の回復・拡大は難しい。その結 果、今の景気回復への楽観的な見方は期待はずれに終わることになるであろう。

    [[熊坂侑三 ITエコノミー]]

  • 熊坂 侑三

    今月のトピックス(2009年7月)

    インサイト

    インサイト » コメンタリー

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    熊坂 侑三

    ABSTRACT

    <続:本当に1-3月期が景気の底か?>

    【センチメントは回復したが・・・】
    7月1日発表の日銀6月短観によると、最も注目される業況判断指数(DI)は、大企業製造業で-48となり、前回調査から10ポイント改善した。前期比 での改善は2006年12月調査以来2年半ぶりである。6月短観の業況判断DIは景気の底打ちを示唆するものであるが、その水準が極めて低く、大幅な需給 ギャップが存在しており、自律的な回復に疑問を抱かせる結果といえよう。
    6月調査の年度計画を見ると、2009年度の売上高計画は全規模・全産業ベースで前年比-9.5%と3月調査(-5.7%)から下方修正された。一方、2009年度経常利益計画は前年比-16.4%の減益が見込まれており、前回調査(-9%)から大幅下方修正された。
    生産設備の過剰感の拡大と企業業績の悪化で、設備投資計画は大きく下方修正された。2009年度の投資計画(全規模・全産業、ソフトウェアを除き土地投 資額を含む)では、前年比-17.1%と3月調査から4.2%ポイント下方修正された。2009年度前期は前年比-15.7%、後期は同-18.4%と後 半に減少幅の改善は見られない。
    また、6月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断DIは42.2となり、前月より5.5ポイント上昇した。6ヵ月連続の改善。前年比では12.7ポイント上昇し、2ヵ月連続の改善となった。
    景気ウォッチャー調査では、景気は、「良くなっている」から「悪くなっている」の5段階で評価される。また判断DIは5つの評価点と評価区分のウェイトの加重平均で計算される。
    6月は、「やや良くなっている(15.5%)」と「変わらない(49.4%)」と答えた割合は、前月からそれぞれ3.3%ポイント、7.9%ポイント上 昇しており、一方、「やや悪くなっている(20.9%)」と「悪くなっている(13.5%)」と答えた割合は、それぞれ3.6%ポイント、7.7%ポイン ト低下している。「やや悪くなっている」と「悪くなっている」の合計が前月から11.3%ポイント低下しており、その大部分は「変わらない」に流れてお り、景気ウォッチャー達は景気が最悪期を脱したが大きく改善したわけではないとみている。

    【4-6月期成長率予測、支出サイドモデルと生産サイドモデルのギャップは鉱工業生産の好調が原因】
    今月の日本経済見通しで述べているように、支出サイドモデルによれば、4-6月期の実質GDP成長率は、純輸出は拡大するが、民需(特に、民間住宅、民 間企業設備)が不調となるため、前期比年率-4.2%と予測される。一方、主成分分析(生産サイド)モデルは、4-6月期の実質GDP成長率を 同+2.0%と予測している。なぜ両モデルの予測が乖離するのであろうか。
    支出サイドモデルでは、GDP支出各項目を予測し、それを積み上げて成長率を予測する。そこで、4-6月期のGDP項目の予測を詳細に見てみよう。
    まず民間需要。実質民間最終消費支出は前期比+0.9%と、1-3月期の-1.1%から大きく回復する。5月の消費総合指数は、前月比0.6%上昇し 3ヵ月連続のプラス。補正予算による民間消費の底上げ効果が徐々に出てきているようである。家計調査報告によれば、勤労者世帯のうち定額給付金を受け取っ た割合は、4-5月累計で32.5%となっており、実収入を一時的に押し上げていることがわかる。もっとも、先行きについては家計の所得制約が強まるた め、民間消費の持続的拡大は期待できないであろう。実質民間住宅は同-8.7%と2期連続のマイナスとなる。実質民間企業設備も同-8.5%と5期連続の マイナスとなる。このように、民需では民間家計消費支出は好調であるが、民間投資が極めて弱いため、実質GDP成長率(前期比-1.1%)に対する寄与度 は-1.4%ポイントとなる。
    一方、公的需要は成長に貢献している。実質政府最終消費支出は同+0.4%、実質公的固定資本形成は同+5.3%となるため、成長率への寄与度は+0.3%となる。
    純輸出は景気回復に貢献している。財貨・サービスの実質輸出は同1.3%減少するが、実質輸入も同2.1%減少する。このため、実質純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度は+0.1%ポイントとなる。
    生産サイドモデルでは、15の変数からなる主成分を用いて実質GDP成長率を予測する。すなわち、鉱工業生産指数、家計消費支出、小売業売上高、工事費 予定額(居住専用)、民間機械受注、公共工事請負金額、給与総額、交易条件、イールドカーブ、国内企業物価指数、消費者物価指数等である。このうち、5月 の鉱工業生産指数(前月比+5.9%)は3ヵ月連続のプラスと好調で、これが大きく成長率予測を引き上げている。支出サイドモデルで使用される資本財出荷 指数は5月に前月比7.5%下落し、8ヵ月連続のマイナスとなったのとは好対照である。
    以上が、両モデルの予測値が乖離する主たる理由である。今後支出サイドモデルがプラス成長に転じるきっかけは、6月の貿易統計と公共投資の結果となろう。(稲田義久)

    日本
    <回復力が弱い日本経済:鉱工業生産は3ヵ月連続プラスだが、見方は依然慎重>

    7月13日の予測では6月の一部と、5月のほぼすべてのデータが更新された。4-6月期のGDPを説明する3分の2の月次指標が出揃ったことになる。
    支出サイドモデルは、4-6月期の実質GDP成長率を、純輸出は拡大するが、民需(特に、民間住宅、民間企業設備)が不調となるため、前期比 -1.1%、同年率-4.2%と予測している。7-9月期の実質GDP成長率は、内需の減少幅が縮小するが、純輸出が悪化するため、前期比-1.6%、同 年率-6.1%と予測している。
    一方、主成分分析(生産サイド)モデルは、4-6月期の実質GDP成長率を前期比年率+2.0%、7-9月期を同-2.6%と予測している。
    この結果、支出サイド・主成分分析モデルの実質GDP成長率(前期比年率)の平均は、4-6月期が-1.1%、7-9月期が-4.3%となる。1-3月 期の-14.2%の大幅マイナスから、4-6月期はマイナス幅が大きく縮小するが、7-9月期に再び拡大するというパターンである。この2四半期いずれも 回復力が弱いのが我々の予測の特徴である。
    前月の予測と異なる点は、支出サイド、生産サイドいずれも実質GDP成長率が上方に修正されたことである。特に、生産サイドからの成長率予測 は+2.0%と前月からプラスに転じた。主成分分析モデルでは15の変数が使用されているが、うち鉱工業生産指数の好調がその要因となっている。実際、5 月の鉱工業生産指数は前月比5.9%上昇し、3ヵ月連続のプラスとなった。輸送機械工業、電子部品・デバイス工業等が上昇し、経済対策の効果が表れてきた ようである。たしかに経済は大幅なマイナス成長からのリバウンドで最悪期を脱したといえよう。しかし、問題は回復の持続力である。
    7月9日に発表されたESPフォーキャスト調査によると、4-6月期のコンセンサス予測は前期比年率+1.98%となっている。これは主成分分析モデル と同じ予測結果である。いずれも、好調な鉱工業生産指数の影響を受けているようである。しかし、経済全体で見た場合、景気回復にはまだまだ時間がかかり、 その判断には慎重にならざるを得ない。

    [[稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学]]

    米国

    7月3日の超短期予測は、6月の雇用統計までを更新した結果、グラフに見るように6月に入り緩やかではあるが上昇トレンドを形成し始めた実質GDP経済 成長率を僅かに下方に修正した。成長率だけでなく、実質総需要、実質国内需要、実質最終需要のようなアグリゲート指標においても同じようにわずかながら下 方修正となった。しかし、グラフに見るように4-6月期の経済成長率は2008年10-12月期、2009年1-3月期の前期比年率-5%を下回る大きな マイナス成長から同-1%程度にまで回復していることが分かる。アグリゲート指標で2009年4-6月期の経済成長率をみても-2%?0%となっており、 前2四半期のような大きな落ち込みにはなっていない。
    成長率はいまだマイナスであるが、改善の様子は、製造業により明確に現れている。フィラデルフィア、リッチモンド、カンザス・シティー、ダラス、シカゴ の各連銀はそれぞれの地域の製造業のデフュージョンインデックスを毎月発表するが、それらの全てが2008年末までに底をうち、その後改善の傾向を示して いる。6月の時点で製造業の活動が拡大を示しているのはリッチモンド、カンザス・シティーの両連銀地域だけであるが、他の連銀地域では製造業活動のこれま での大きな縮小が急速に小さくなっている。シカゴ連銀の全米活動指数、ISM製造業指数をみても、2009年に入り製造業活動の縮小が急速に改善している ことがわかる。このように、米国経済においては製造業が最悪期から改善し始めた状況にあるといえる。
    しかし、6月の雇用統計で懸念されるのは景気先行指標としての平均週労働時間が0.3%減少したことである。この指数は3月に-0.6%と大きく下落し た後、4月、5月は横ばいとなったが、その後の景気回復により上昇することが予想されていた。7月3日の超短期予測では7-9月期のアグリゲート指標を含 む成長率を-2%?0%と4-6月期と同じ範囲に予想しており、米景気の回復(プラス成長)にはまだまだ時間がかかると思われる。

    [[熊坂侑三 ITエコノミー]]

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    『関西メガ・リージョン活性化構想』シンポジウム(2009.07.09)

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2009年度

    ABSTRACT

    【目的】
    関西は、多様な製造業や学術・研究機関、産業インフラ、さらには文化・歴史などさまざまな集積を有する一方、それらのポテンシャルの活用や中枢機能の発 揮といった面で課題がある。そこで、グローバル競争の激化、アジアをはじめ新興市場の発展、低炭素社会の構築、少子高齢化の進展など、関西経済をめぐる大 きな環境変化のなかで、関西が課題を解決し世界・アジアをリードする地域となるための産業振興方策、都市機能強化方策の立案に向け専門の研究会を設置し取 組む。
    現在、関西が抱える問題点を解消し将来に繋がる成長戦略をたて新たな産業創出 のモデル拠点となることを目指すためには今、国、自治体、民間が連携してクリヤすべき課題を明らかにしなければいけません。その要望に応えたものが近畿経 済産業局が3月に発表した『経済再生拠点化計画?関西メガ・リージョン活性化構想?』であり本構想を読み解くことこそ、足を踏み出す第一歩であります。活 性化グループの研究会を立ち上げる第一弾として、今回、構想に参画の方々にご出席願い、構想に携われた熱い思いを語って頂くことにより、産・官・学が構想 に理解を深めて頂くことを目的にシンポジウムを開催しました。

    ・日時
    2009年7月9日(木) 14時?17時

    ・場所
    リーガロイヤルNCB「淀の間」

    ・シンポジウム名
    未来に開く!アジアの扉、世界の扉。エネルギッシュ関西ここにあり
    『関西メガ・リージョン活性化構想』シンポジウム

    ・主催
    (財)関西社会経済研究所

    ・共催
    近畿経済産業局、(社)関西経済連合会、大阪商工会議所

    ・内容
    1.活性化の概要
    (1)構想の背景と論点      稲田義久氏 甲南大学経済学部教授
    (2)構想の意義と成長戦略   平工奉文氏 経済産業省近畿経済産業局局長
    2.パネルディスカッション
    パネリスト
    木村慎作氏     大阪府副知事
    手代木功氏     大阪医薬品協会会長(塩野義製薬(株)社長)
    畑野吉雄氏     (株)中央電機計器製作所代表取締役
    平工奉文氏     経済産業省近畿経済産業局局長
    町田勝彦氏     大阪商工会議所副会頭(シャープ(株)会長)
    コーディネータ
    稲田義久氏     甲南大学経済学部教授

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    関西マクロ計量モデルの構造とその活用 2008年版

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2009年度

    ABSTRACT

    主査:福重元嗣氏(大阪大学大学院経済学研究科 教授)
    委員:高林喜久生氏(関西学院大学経済学部 教授)
    研究協力者:下田充氏(日本アプライドリサーチ研究所)

    各地域が独自の発展戦略をもつことが求められる「地方分権の時代」にあって、経済分析モデルを利用したシミュ レーションや将来予測は、戦略の立案や各種施策の評価、外生的なショックの影響測定に有効な情報を与えてくれる。関西に拠点をおく企業や個人にとっても経 済分析モデルは有力な武器となろう。
    当研究所は2003年5月から学界、官界、関連研究機関の専門家と連携・協力しつつ、「関西マクロ経済分析モデル」の開発に取り組んでいる。2006年 には、関西マクロ計量モデル(中間報告)を公表している。このたび、関西7府県(大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、福井)を対象とし、関西地域間産 業連関表と連結した関西マクロ計量モデル2008年版を完成させた。
    また、完成したモデルを活用して、公共投資のテストシミュレーションおよび、大阪湾岸大型設備投資の経済波及効果を試算し、関西地域間産業連関表単独で行った場合の結果と比較している。
    報告書の報告会は2008年11月に開催したが、その後修正を行い2009年6月に公開した。

    なお、関西地域間産業連関表による同種のシミュレーションは以下のとおり公表されている。

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    抜本的税財政改革研究会2008年度報告書(2009年7月)

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2009年度

    ABSTRACT

    ◇抜本的税財政改革研究会◇
    本研究会では国と地方の構造改革に資する政策提言を目指して研究を行ってきた。
    2008年度は次のテーマで研究を行い報告書にとりまとめた。
    ・小泉改革の検証
    ・消費税率の引き上げについて
    ・法人税課税と設備投資
    ・定額給付金の経済分析
    ・租税支出の推計と経済的意義
    ・たばこ税増税について
    残された課題については、2009年度において引き続き検討を行うこととする。

    2008年度抜本的税財政研究会報告書

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    関西経済予測モデルの開発と応用

    ディスカッションペーパー

    ディスカッションペーパー

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