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「動向調査」の検索結果

  • 稲田 義久

    『訪日外国人消費動向調査』個票データを用いた インバウンド需要の計量分析

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一

    ABSTRACT

    本稿では観光庁『訪日外国人消費動向調査』の個票データを用いて、インバウンド需要の決定要因について定量的に考察する。具体的には11の国、地域からの訪日外国人の消費額の決定要因を、2015年第1四半期から17年第4四半期までの各期のクロスセクションデータを用いて分析する。分析結果より、為替レートや世帯収入などインバウンド需要の基本的決定要因は有意にプラスの影響を与えていることが明らかとなった。為替レートの変動は訪日外国人の収入の多寡よりも強く作用しており、その影響は自国通貨が円に対して割安であるほど大きくなっていることが確認できた。またビザ緩和は発動当初には強く影響しており、徐々にその効果が低下していく点も明らかとなった。

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  • 稲田 義久

    「訪日外国人消費動向調査」個票データ分析から得られる関西インバウンド戦略へのインプリケーション(2)-訪日外国人の移動パターン-

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    本稿では、『訪日外国人消費動向調査』の個票データの観察に基づき、訪日外国人の移動パターンについて得られる特徴を整理、検討し、関西インバウンド戦略に向けての含意(インプリケーション)を導出する。今回の報告では、特に訪日外国人の滞在日数と移動パターンについて詳細(国籍別)に検討する。

    観察結果より、(1)アジア地域からの観光・レジャー目的での滞在日数は概ね1週間以内である一方で、欧米からの観光客は滞在日数が10日以上の長期型となっている。(2)ビジネス目的での訪日外国人の滞在日数はアジア、欧米にかかわらず、長期研修目的を除けば概ね4泊5日以下の短期滞在型が主流である。(3)注目すべきはインバウンド需要が本格化する2015年から足元の移動パターンは、観光・レジャー目的のみならずビジネス目的においても広域化しており、入国先が関西であったとしても、その後の移動先はほぼ全国に広がっていることが確認できた。

    インバウンド需要が関西経済を拓く新たな原動力と捉えるならば、こうした現象・傾向はインバウンド産業戦略を考える上での重要な点であり、検討すべき課題と言える。この分析をもとに、今後は関西から入国した後の訪日外国人の移動パターンを、個別地域に特化してより詳細に観察することが可能となろう。また、ミクロデータを用いてインバウンド需要の決定要因について定量的に分析することが可能である。

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  • 稲田 義久

    「訪日外国人消費動向調査」個票データ分析から得られる関西インバウンド戦略へのインプリケーション(1)

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 木下 祐輔

    ABSTRACT

    国土交通省近畿運輸局との共同研究により『訪日外国人消費動向調査』の個票データの観察に基づき、関西インバウンド戦略に向けての含意を導出する。今後シリーズで紹介する予定であるが、初回となる本報告では、特に入出港の視点から詳細に検討する。観察結果より以下の点が明らかになった。(1)アジア地域からの観光・レジャー目的での訪日に関しては、関西国際空港を利用するケースは依然として多い。(2)また欧州からの同目的の関西国際空港の利用者数はアジア地域に比すれば数は多くはないが安定している。(3)なお近年は九州圏の利用が無視できない動きとなりつつある。(4)ビジネス目的では成田と羽田を利用した関東圏への集中が圧倒的であり、関西にとっても挑戦すべき課題である。観光・レジャー目的におけるアジア地域からの需要の着実な取り込みが関西圏において不可欠であるといえる。

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    2009年版関西のプロジェクト動向調査

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2009年度

    ABSTRACT

    この度、文献調査とアンケート調査をもとに、2009年(2009年1?12月)における関西(2府5県)のプロジェクトの実態を調査し、結果をとりまとめました。

    (1)プロジェクトの件数・事業費の推移
    ○2009年12月末時点のプロジェクトの件数は475件であった。
    前年よりトータルで20件の減少となり、1996年1月の917件をピークに減少を続けている

    (2)新規プロジェクトの件数、事業費の推移
    ○2009年の新規プロジェクトは71件となっており、2008年をやや下回った。
    うち、事業費判明件数は47件、総事業費は4,397億円、平均事業費は94億円で、平均事業費は低い水準となったが、総事業費では、1998年1月以降で4番目の額となった。

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    2008年版関西のプロジェクト動向調査

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2008年度

    ABSTRACT

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    2007年版関西のプロジェクト動向調査

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2007年度

    ABSTRACT

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    2006年版関西のプロジェクト動向調査

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2006年度

    ABSTRACT

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    2005年版関西のプロジェクト動向調査

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2005年度

    ABSTRACT

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    2004年版 関西のプロジェクト動向調査

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2004年度

    ABSTRACT

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    関西のプロジェクト動向調査 2003年版

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2003年度

    ABSTRACT

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    関西のプロジェクト動向調査

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2002年度

    ABSTRACT

    「関西のプロジェクト動向調査」は、関西の産業活性化推進への基礎資料として、当研究所において、1989年以来約21年にわたり継続実施している調査であり、関西(福井県を含む2府5県)のプロジェクトを一覧できる資料として各方面から高い評価を受けている。
    ここでいう「プロジェクト」の対象は、敷地面積1ha以上、総事業費が判明している場合には10億円以上の地域開発事業である。新聞、雑誌などの文献調 査を基にプロジェクトを抽出し、動向を把握するとともに、その内容や進捗状況を把握するためヒアリングやアンケート調査を行う。
    2009年の調査結果は、2010年6月7日に大阪経済記者クラブにて公表、「2010年版関西経済白書」の資料編に掲載した。

    担当: 関西活性化チーム

  • 稲田 義久

    インバウンド先進地域としての関西 持続可能な観光戦略を目指して

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » 日本・関西経済軸

    AUTHOR : 
    稲田 義久

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    研究統括兼数量経済分析センター長 稲田義久 甲南大学経済学部教授

     

    研究目的

    ・世界に通用する観光圏「関西」形成のための、関西におけるインバウンド戦略の必要性

    日本経済が人口減少化の下で、将来に亘って持続的な経済成長を実現するためには、新たな成長戦略が必要となる。特に関西経済においては、インバウンド・ツーリズムの戦略的価値が高い。本テーマでは、関西におけるインバウンド戦略を検討するための関西基礎統計の整理、マイクロデータによる分析に取り組んできた。これらを引き続き深化させる。

    ・持続可能な戦略策定のために考慮すべき課題

    インバウンド需要を持続的に拡大するうえで課題となるオーバーツーリズムの解消に加え、最近の課題として、今後数年の間に動向変化が見込まれるIR/MICEの観点、関西三空港の観点も研究に含める必要がある。

     

    研究内容

    2018年度に引き続き、以下4つの軸でバランスよく進めるが、特に②に重点をおく。

    ①関西基礎統計の整理

    インバウンド関係基礎データ(観光庁の公開データ、RESAS等)の整理に加え、18年度に開発した府県別外客数の月次推計手法を用いて動態を分析する 。

    ②マイクロデータによる実証分析

    近畿運輸局等の協力のもと、エビデンスにもとづいた戦略が議論できるための実証分析を行う。具体的には、観光庁が訪日外国人客の消費実態等を把握し、観光行政の基礎資料とする目的で実施してきた訪日外国人消費動向調査(個票をもとに、訪日外国人の多面的な移動パターンの分析)・宿泊旅行統計調査(同じく、府県別宿泊者数の動態分析)等の分析を行う。

    ③観光戦略の在り方成長戦略立案のための課題の認識と共有

    政策担当官庁、推進組織、民間団体と、持続可能なマーケティング戦略をめぐる課題を議論できる「場」を提供し、分析を通じて得られた解決策を発信する。

    ④IR/MICEに関する調査分析

    動向調査による現状把握をもとに、課題抽出と提言の検討を行う。

     

    研究体制

    リサーチャー

    松林洋一  APIR主席研究員、神戸大学大学院教授

    森本 裕  甲南大学経済学部 准教授

    研究協力者

    柴谷淳一  国土交通省・近畿運輸局観光部 計画調整官

    村上良明  国土交通省・近畿運輸局観光部 観光企画課 課長

    野口礼子  関西観光本部 事務局長

    都留敦徳  日本旅行業協会 事務局長

    筒井千恵  関西エアポート株式会社 グループリーダー

    ※必要に応じてDMOや民間企業、IR/MICE関係者 等にも参画いただく。

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    関西の各自治体・観光団体・経済界に対して

    基礎的な観光指標を公表する

    昨年に続いてインバウンド関係基礎データを整理し、関西観光本部と協力して公表する。

    インバウンド戦略策定に向けた実績推計値とマーケティング情報を提供する

    観光庁データのより詳細な分析により、関西におけるインバウンド需要の特性を分析し、観光戦略を検討するために必要となる実績推計を行う 。これらは、新たなツーリズム施策の効果検証を可能にする。

    また個票データ等の分析による関西と他地域の比較から、関西の強みを活かしたマーケティングの立案に貢献することができる情報を提供する。インバウンド消費需要の数量的分析(需要関数の推定)もここで行う。

    観光戦略の在り方と課題を共有するための、情報と「場」を提供する

    関西三空港の動向も踏まえ、四半期毎の研究会を想定する。

    IR/MICEについて、現状分析と新たな提言を行う

    最近の動向を含む分析から、新たな提言を行う。

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2019年 7月31日   第1回研究会開催

    ・2019年11月21日   シンポジウム開催(予定)

  • 松林 洋一

    テキストデータを利用した新しい景況感指標の開発と応用

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2019年度 » 経済予測・分析軸

    AUTHOR : 
    松林 洋一

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    主席研究員 松林洋一 神戸大学大学院経済学研究科教授

     

    研究目的

    従来、マクロ経済の動向を把握するには、集計データを用いることが一般的である。しかし、集計データは、リアルアイム性に欠けており、ミクロの経済要因を知るには不十分という課題がある。一方、昨今の情報技術の急速な進展により、国内外の経済活動において生成される大規模なデータ(ビッグデータ)が様々な形で利用可能になり始めている。きわめて豊富な情報を内包しているビッグデータの活用は、マクロ経済のより精緻な情勢判断と予測において、有効であると考えられる。このため、本研究ではビッグデータの一つであるテキストデータに着目して、経済の動向を析出することを試みる。

     

    研究内容

    2018年度から引き続き、人工知能の一種である深層学習(ニューラルネットワークという人間の脳神経回路を模したモデルを構築し、コンピュータに機械学習させること)を、テキストマイニングに用いる。本年度も、深層学習における推定モデルの一つである、リカレント・ニューラル・ネットワーク(Recurrent Neural Network,以下RNN)を、基本の分析枠組みとする。

     

    研究体制

    研究統括

    稲田義久  APIR研究統括兼数量経済分析センター長、甲南大学教授

    リサーチャー

    関 和広  甲南大学知能情報学部准教授

    生田祐介  大阪産業大学経営学部講師

    岡野光洋  大阪学院大学経済学部准教授

    期待される成果と社会還元のイメージ

    テキストデータから景況感を推定するモデルを構築する。政府による既存の景況感指数と比較することで、我々のモデルが有する特徴を明らかにする。その成果として「テキスト版景況感指数」を公表する。

    「テキスト版景況感指数」を見ることで、消費者にとっての景況感を、より深く知ることができるようになる。まずは、企業の経営判断を行う際の議論に使えるようにする。そして、国や自治体に対しても、政策決定に活用して頂くことを検討する。

  • 稲田 義久

    持続可能なインバウンド戦略を目指して: オープンデータを利用した北陸地域の分析

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    2018年関西国際空港(関空)入港の訪日外客数(インバウンド需要)は765万2,130人を記録し、前年比+6.8%と7年連続のプラスとなったが、これまでの6年連続2桁の伸びが1桁に減速した。その理由としては自然災害の一時的な影響が考えられるが、今後インバウンド需要が持続可能となるためには様々な課題が考えられる。その一つがオーバーツーリズムであり、訪日外客の大阪・京都府への偏在が考えられる。この課題に答えるために、偏在の対極にある広域関西の周辺県である福井県とその近隣県に焦点を当てた。本分析で得られたインバウンドビジネス戦略への含意は以下のようである。

    1)ビッグデータ(モバイル空間統計やクレジットカードデータ)は、訪日外客数の推移や消費行動を高頻度で把握できる。またこれらのデータは国籍別にも把握できることから、インバウンドビジネス戦略を考えるうえで、重要なインフラとなる。

    2)訪日外客数を見れば、福井県は近隣県から大きな格差をつけられている。国籍別の分析から、自治体の海外プロモーションの重要性が示唆される。

    3)海外プロモーションは重要であるが、問題は投資の効率性であろう。各県が独自のプロモーションをかけることも重要だが、広域DMOなどの組織を通じたプロモーションが重要となろう。

    4)クレジットカードデータ分析から、周遊プログラムの充実、またキャッシュレス決済システムのインフラ整備を充実させることが重要である。

    5)訪日外国人の移動パターン分析から見られるように、福井県は前後に岐阜・石川県を控えており、通過県となっている。このため、北陸広域を周遊するプログラムが必要となろう。周遊プログラムの開発ないしはストーリー性のあるプログラム作りが重要である。

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  • 稲田 義久

    インバウンド先進地域としての関西+MICE

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2018年度 » 日本・関西経済軸

    AUTHOR : 
    稲田 義久

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    数量経済分析センター長 稲田義久 甲南大学教授

     

    研究目的

    日本経済が人口減少化の下で、将来に亘って持続的な経済成長を実現するためには、新たな成長戦略が必要となる。特に関西経済においては、インバウンド・ツーリズムの戦略的価値が高い。昨年度は、関西におけるインバウンド戦略を検討するための関西基礎統計の整理、マイクロデータによる分析に取り組んだ。

    研究の3つの方向:2017年度に引き続き、関西におけるインバウンド戦略を検討するために、以下の4つの軸を中心にバランスよく研究を進める。

    ①関西基礎統計の整理

    ②マイクロデータによる分析

    ③観光戦略の在り方

    ④MICEに関する調査分析

    特に研究の中心は、②である。具体的には、観光庁が訪日外国人客の消費実態等を把握し、観光行政の基礎資料とする目的で実施してきた訪日外国人消費動向調査個票・宿泊旅行統計調査個票(今年度データ取得予定)を用いたマイクロデータの分析である。

     

    研究内容

    <成長戦略立案のための実証分析>

    産業としての「インバウンド・ツーリズム」を確立するために、近畿運輸局などの協力のもと、エビデンスにもとづいた戦略が議論できるための実証分析を行う。

    具体的には「訪日外国人消費動向調査」等の個票データを用いて、消費品目別の需要関数を推定し、「爆買い」以降のインバウド需要決定の構造的要因を定量的に考察していく。

    <成長戦略立案のための課題の認識>

    政策担当官庁、推進組織、民間団体が認識する「爆買い」以降のマーケティング戦略をめぐる課題を議論できる場を提供し、その解決策を発信する。

    <関西のインバウンド需要の定量分析と他地域との比較分析>

    今年度の個票データを活用した分析により、観光エリアとしての調査分析が可能となり、より詳細な成長戦略立案への具体的な資料提供が可能となる。

    <観光施策についてより実現性のある研究>

    本研究により観光DMOや観光庁、民間の事業方針とマーケティング分析や効果検証が実現できる。

    リサーチャー

    大井達雄 和歌山大学観光学部 教授

    松林洋一 APIR主席研究員、神戸大学教授

    研究協力者

    柴谷淳一 国土交通省・近畿運輸局観光部計画調整官

    森 健夫 関西観光本部 事務局長

    濱田浩一 関西観光本部 事務局次長

    角倉洋介 日本旅行業協会 事務局長

    筒井千恵 関西エアポート㈱ グループリーダー

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    ・関西インバウンド基礎統計の整備

    ・マイクロデータによる分析成果

    ・関西観光戦略の課題の共有化

    ・関西の観光産業の成長戦略の立案

    ・観光ハードとソフトのインフラ整備の選択・集中

    ・DMOのKPIとその検証

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2018年9月   第1回研究会開催(予定)

    ・2018年11月   第2回研究会開催(予定)

    ・2019年1月   第3回研究会開催(予定)

    ・2019年2月   第4回研究会開催(予定)

    ・2019年3月   第5回研究会開催(予定)

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  • 稲田 義久

    インバウンド先進地域としての関西

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2017年度 » 日本・関西経済軸

    AUTHOR : 
    稲田 義久

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    数量経済分析センター長 稲田義久 甲南大学教授

     

    研究目的

    世界に通用する観光圏「関西」形成の必要性:日本経済が人口減少化の下で、将来に亘って持続的な経済成長を実現するためには、新たな成長戦略が必要となる。特に関西経済においては、インバウンド・ツーリズムの戦略的価値が高い。今や、その戦略のステージは、第1フェーズから「インバウンド先進地域としての関西社会をいかに設計していくのか」の第2フェーズにある。昨年度は、持続的経済成長を支える第2フェーズのテーマである「産業化」実現のキラーコンテンツとなり得る「健康」と「観光」を掛け合わせたウェルネス・ツーリズムの可能性について研究した。。

    研究の3つの方向:関西における第2フェーズのインバウンド戦略を検討するにおいて、本年度は以下の3つの軸を中心にバランスよく研究を進める。

    ① 関西基礎統計の整理

    ②マイクロデータによる分析

    ③観光戦略の在り方

    特に研究の中心は、②である。具体的には、観光庁が訪日外国人客の消費実態等を把握し、観光行政の基礎資料とする目的で実施してきた訪日外国人消費動向調査個票を用いたマイクロデータの分析である。

     

    研究内容

    <成長戦略立案のための実証分析>

    産業としての「インバウンド・ツーリズム」を確立するために、近畿運輸局などの協力のもと、エビデンスにもとづいた戦略が議論できるための実証分析を行う。

    具体的には「訪日外国人消費動向調査」の個票データを用いて、消費品目別の需要関数を推定し、「爆買い」以降のインバウド需要決定の構造的要因を定量的に考察していく。

    <成長戦略立案のための課題の認識>

    政策担当官庁、推進組織、民間団体が認識する「爆買い」以降のマーケティング戦略をめぐる課題を議論できる場を提供し、その解決策を発信する。

     

    リサーチャー

    大井達雄 和歌山大学観光学部 教授

    松林洋一 アジア太平洋研究所主席研究員、神戸大学教授

    研究協力者

    角谷敬二郎 国土交通省 近畿運輸局観光部 計画調整官

    森 健夫 関西観光本部 事務局長

    濱田浩一 関西観光本部 事務局次長

    角倉洋介 日本旅行業協会 事務局長

    筒井千恵 関西エアポート㈱ グループリーダー

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    ・関西インバウンド基礎統計の整備

    ・マイクロデータによる分析成果

    ・関西観光戦略の課題の共有化

    ・関西の観光産業の成長戦略の立案

    ・観光ハードとソフトのインフラ整備の選択・集中

    ・DMOのKPIとその検証

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2017年6月13日   キックオフミーティング開催

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  • 松林 洋一

    ビッグデータを利用した新しい景気指標の開発と応用

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2017年度 » 経済予測・分析軸

    AUTHOR : 
    松林 洋一

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    主席研究員 松林洋一 神戸大学大学院経済学研究科教授

     

    研究目的

    昨今の情報技術(Information Technology)の急速な進展により、国内外の経済活動において生成される大規模なデータ(ビッグデータ)が様々な形で利用可能となり始めている。きわめて豊富な情報を内包しているビッグデータの活用は、マクロ経済のより精緻な情勢判断と予測において、必要不可欠であると考えられる。

    研究内容

    本研究プロジェクトでは、ビッグデータの分析手法の一つであるテキストマイニングに注目し、2つの研究成果が得られることを予定している。第1は、日本銀行による「景気動向調査」のデータ・マイニングの手法の高度化と改善である。第2は、関西の特徴を出せるようなデータ・マイニング手法の開発である。

    上記2つの分析視点をもとに以下の分析を試みていくことにする。「1.データ・マイニングの手法の高度化と改善」では、他の(日銀以外の)データ・マイニング手法の調査により、現在の日銀分析手法の評価、および、改善を行うことにする。さらにネットワーク分析手法の高度化(ネットワーク構造の通時的な構造変化の探索)を試みることにする。「2.関西独自のテキストマイニング開発」では、現在の日銀手法で関西の特性が出せるかの有効性を確認するとともに、関西の特徴を出せるようなデータ・マイニング手法の開発を行っていくことにする。

    第1のポイントは、データ・マイニング手法において核ともいえる「ネットワーク分析」(言語間の相互連関の構造)に関する手法の高度化である。テキストマイニングでは、ある時期の経済活動を規定する諸要因の関係(例えば原油価格と景気など)が、頻出する語彙(テキスト)の相互連関構造=ネットワークとして描写される。このネットワークの構造は通時的に変化するはずであり、構造変化を解析的にしていくことは極めて興味深い試みである。第2のポイントは、関西独自のテキストマイニングの開発である。関西経済の特徴をテキストマイニングによって析出していくためには、データソースの探索が不可欠である。日本銀行では内閣府の「景気ウォッチャー」をベースとして分析が行われているが、本研究プロジェクトではより広範な情報ソース(業界紙など)にもとづいて、関西経済の特徴を浮き彫りにしていくことにする。

    統括

    稲田義久 APIR数量経済分析センター センター長

     

    リサーチャー

    青山秀明 APIR上席研究員、京都大学教授

    池田雄一 京都大学教授

    生田祐介 APIR研究員

    木下裕輔 APIR研究員兼調査役

     

    期待される成果と社会還元のイメージ

    「1.データ・マイニングの手法の高度化と改善」では、経済構造の変化をテキストマイニングの枠組みにおいて的確に抽出することができるネットワーク分析の開発を進めていき、その手法の適用可能性を探っていくことにする。「2.関西独自のテキストマイニング開発」では、主要日刊紙の関西欄に記載されている記事、関西圏の業界紙に掲載されている記事をもとにテキストマイニングの手法を用いて、関西経済の特徴を定量的、定性的に把握することにする。

    テキストマイニングの手法を用いて関西経済の情勢判断(現状)と足元予測(先行き)を、これまでの手法とは異なる形で定期的に公表していくことができる。こうした成果は、企業の経営戦略(関西経済の現状把握やマーケティング戦略)において有力な情報源となりえるはずである。また関西の政策当局においても、従来の数量ベースの経済変数だけではなく、テキストマニングによる新たな指標に基づいてより柔軟かつ精緻な情勢判を行うことができるはずである。

     

    <研究会の活動>

    研究会

    ・2017年4月7日  キックオフミーティング開催

    ・2017年6月30日  第1回研究会開催

  • 熊坂 侑三

    今月のトピックス(2011年4月)

    インサイト

    インサイト » コメンタリー

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    熊坂 侑三

    ABSTRACT

    【被害推計について】
    3月11日に東日本を襲った大震災被害の本格的な評価にはまだまだ不確実性が伴う。過去の経験によれば、大きな天災が発生した後、1-2四半期は経済にマ イナスの効果が出てくるが、復興が始まれば成長率は加速し、むしろプラスの効果をもたらす。これが過去の経験が教える平均的なパターンである。しかし、今 回のケースとは過去とは異なる側面が多々ある。マグニチュード9を超える大地震のみならず、大津波が東日本を襲い、その影響で原子力発電所が破損し、大幅 な電力供給不足を引き起こしたことだ。いわば複合的な天災(triple disaster)といえよう。
    関西社会経済研究所では、被害推計を含めこれら一連の震災被害のマクロ経済的影響を順次評価していく予定であるが、まず東日本大震災被害の直接被害と間接 被害にわけて一次的な評価を行った。前月のトピックスでは間接的な被害推計の概要を報告したが、その後直接的な被害をも推計した。
    改めて推計結果を要約すると以下のようになる。(1)ストック(住宅、社会インフラ、企業設備、自動車・船舶、流通在庫)に対する直接被害額は17.78 兆円となる。また(2)GDPに対する間接被害額は6.02兆円(GDP比1.2%)となる。関西GRPは2,698億円(関西GRPの0.3%)の損失 となる。震災の影響が半年としても日本経済(GDP)に与える影響は、0.6%?0.8%程度と推計できる。ただし現時点では、原子力発電の被害の収束に 明確な見通しが得られないため、過去の経験が役に立たない。経済の回復パターンは後ずれする可能性が高い。
    今後、被害の出方のポイントは、(1)電力供給削減による生産の減少がいつまで続くかである。それと、(2)原子力発電の安全管理の信頼喪失に伴う消費者 センチメントの低下が民間消費を大幅に長期にわたって減少させる可能性である。これは国内に限らない。風評被害ともいえる海外消費者の訪日旅行忌避や日本 製品輸入に対する過剰な反応がいつ終息するかは現時点では見極めづらい。また(3)生産の減少と風評被害は輸出に大きく影響する。

    【復旧・復興の考え方は如何にあるべきか】
    復興のビジョンについて菅総理は、自らの諮問機関である復興構想会議の五百旗頭議長に対して「元に戻す復旧ではなく、改めて作り出す創造的な復興策」を要求した。
    復興に際しての基本理念は、(1)震災以前から人口減と産業の衰退に直面していた東北地方の単なる復旧ではなく新たな再生を目指すべきと思われる。そのた めにも、東北地方の復興ビジョンをまず明確にすべきである。今回の震災が第3次石油危機の性格を持つことから、エネルギー供給の安定化のみならず企業の弾 力的な生産編成を目指すべきであろう。(2)その際、東北地方の再生構想は東北の人びとに委ねるべきであるが、阪神淡路大震災では十分な実現を見なかった 分権型復興モデルを目指すべきである。(3)また分権型・広域型復興を実現するための先行モデルにすべきと思われる。今回の復旧に当たっては関西広域連合 が非常に有効な機能を果たしていることに注目すべきである。(4)そのためにも、関東大震災後に時限で設けられた復興院のようなものが必要であるが、歴史 的にうまく機能しなかった反省から総合行政機関とする必要があり、国のたて割型地域再生を復興に持ち込むことは避けるべきであろう。最後に、復旧・復興に 向けての基本的な考え方として、阪神淡路大震災の復興の過程で実現されなかった教訓を今回は活かされなければならないことを最も強調したい。

    日本
    <1-3月期の日本経済は震災の影響もあるがプラス成長を維持>

    徐々に3月のハードデータ(景気ウォッチャー調査、消費動向調査、貿易統計)が発表されている。今週の予測では、3月の貿易統計が更新された。この結果、 支出サイドモデルは、1-3月期の実質GDP成長率を、内需は停滞し外需が小幅反転拡大にとどまるため前期比+0.3%、同年率+1.4%と予測してい る。前月の予測(+5.1%)から大幅に下方修正されており、このことは、1-2月期の経済が非常に強かったことを意味している。
    また4-6月期の実質GDP成長率を、内需及び純輸出がともに縮小するため、前期比-0.5%、同年率-1.9%と予測している。今回はじめてマイナス成長に転じている。
    超短期モデルではGDP項目を説明する月次データを時系列モデルで予測している。その予測月次データを四半期変換し、過去のGDP項目との関係を推計した ブリッジ方程式に代入することにより、先行き予測を行っている。時系列モデルの予測パフォーマンスは非常に優れているが、地震のような出来事は予測できな い。そこで3月データについては、消費総合指数と鉱工業生産指数についてのみ、以下のような方法で仮置きした。消費総合指数については、阪神淡路大震災の 起こった1995年1月の下落率を2011年3月の下落率とした。また鉱工業生産指数を電力供給量と就業者数で説明し、電力供給量の弾力性を推計した。こ れを用いて3月の予想電力供給量削減から鉱工業生産指数の下落幅を事前に予測した。
    その結果、1-3月期の実質民間最終消費支出は前期比-0.5%となる。実質民間住宅は同+0.1%増加し、実質民間企業設備は同+0.3%増加にとどま る。実質政府最終消費支出は同+0.7%、実質公的固定資本形成は同-2.5%となる。このため、国内需要の実質GDP成長率(前期比+0.3%)に対す る寄与度は+0.0%ポイントとなる。
    財貨・サービスの実質輸出は同+0.7%増加し、実質輸入は同-1.8%減少する。このため、実質純輸出の実質GDP成長率に対する貢献度は+0.3%ポイントとなる。
    一方、主成分分析モデルは、1-3月期の実質GDP成長率を前期比年率+3.4%と予測している。また4-6月期を同-2.5%とみている。この結果、支 出サイド・主成分分析モデルの実質GDP平均成長率(前期比年率)は、1-3月期が+2.4%、4-6月期が-2.2%となる。
    1-3月期については、マーケットコンセンサスは小幅のマイナス成長(-0.22%:4月ESPフォーキャスト調査)を予測している。しかし超短期モデル は、同期の日本経済を震災の影響もあるが小幅のプラス成長にとどまるとみている。本格的な震災の負の影響は4-6月期に出てくるものと思われる。

    [[稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学]]

    米国
    <いつまで続く連銀の超緩和金融政策>

    4月7日に欧州中央銀行(ECB)は2008年の金融危機以降初めて政策金利を引き上げた。今後インフレが加速する傾向がみられれば、金融を引き締めてい くことを示唆したともいえる。しかし、3月15日のFOMCミーティングの議事録は政策担当者の間において意見の相違があることを示しているが、連銀は依 然としてこれまでの超緩和金融政策を転換する様子を示していない。
    ダラス連銀のRichard Fisher総裁は“金融緩和政策をこれ以上長引かせれば、一時的に終わったかもしれないインフレ圧力を増幅するかもしれない”と言っている。リッチモン ド連銀のJeffrey Lacker総裁は“米経済は順調に回復しており、インフレ圧力が高まってきており、年末前に連銀が政策金利を引き上げる可能性もある”と言っている。し かし、Ben Bernanke連銀議長をはじめ多くの連銀エコノミストは“長期の期待インフレは安定しているし、今のコモディティー価格の高騰も安定化に向かうであろ う。それ故、今の(超)金融緩和政策は適切である”と考えている。更に彼らは“今の景気回復は脆弱であり、まだ今の金融政策を方向転換するわけには行かな い”と言う。クリーブランド連銀のSandra Pianalto総裁は4月7日のパリでの講演で、“今の米景気、インフレ状況をみれば、QE2を予定通り完了し、異常に低いフェデラルファンド・レート の目標値を長期間維持することが望ましい”と全く出口戦略などは考えていない。
    連銀のハト派エコノミストはいたってインフレに対して楽観的であるが、ミシガン大学の消費者センチメント調査にみるように多くの消費者は物価上昇を日常生活の中で感じている。
    グラフから、米景気回復のモメンタムが3月半ばから弱まっていることが分かる。4月28日には1-3月期のGDP1次速報値が発表されるが、同期の経済成 長率を超短期モデルは前期比年率2%?3%と予測している。これは、1月、2月の悪天候によるソフトパッチ(景気の一次的な低迷)の状況かもしれないが、 連銀ハト派エコノミストにとって、超金融緩和策を継続させる都合のよい理由にはなる。4月末のFOMCミーティングで出口戦略が導入される可能性はまずな いだろう。しかし、連銀は将来のインフレ抑制に対してあまりに遅い行動から、インフレリスクが着実に高まっていることを意識すべきである 。この先、連銀とECBの相違がみられるであろう。

    [[熊坂有三 ITエコノミー]]

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    経済危機対策(2009年度1次補正予算)に関する1000人アンケート結果 (2009年5月)

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2009年度

    ABSTRACT

    財団法人関西社会経済研究所(所長:本間正明)では、麻生内閣による経済危機対策(2009年度補正予算案:エ コカー購入への補助、グリーン家電普及促進、太陽光発電システム購入への補助、住宅などの購入にかかわる贈与税の減免など)についてインターネット調査を 実施した。
    今回の対策は、乗用車や家電の買い替えといった具体的な商品の購入意欲を高める振興策が中心となっているが、全国の一般消費者を対象とした1000人を抽出して実施したアンケート調査からは、全ての施策で大きな需要創出効果があるという結果となった。

    <アンケートの実施方法>
    ・調査方法:    ウェブアンケート形式
    ・実施日:    2009年4月28日?4月30日
    ・調査サンプル:・層化抽出法(年齢区分を全国平均に近づける調整)により抽出した1000名。

    【質問と回答(抜粋)】
    設問1.エコカーへの普及促進策(車齢13年超車からの買換えは、普通車で25万円の補助等)について、あなたの考えは下記のうちどれに一番近いですか。

    (1)車齢13年以上の車を保有している回答者(90名)の内、「新車購入の予 定はなかったが、この政策により新車を購入することにする」と回答したのは16名(17.8%)、「この政策が発表されたので当初考えていた車より高価な 車を選ぶ」と回答したのは6名(6.7%)、「H21年4月10日以降で新車を購入したので補助を受けたい」と回答したのは5名(5.6%)であり、今回 の補助政策で購入行動を変えたものは27名に上る。これは車歴13年以上の車を保有している回答者の30%にあたる。旧式の燃費の悪い車をエコカーに転換 するという今回の政策が有効であることを示している。

    (2)国土交通省「初年度登録年別自動車保有車両数」によると平成20年3月末現在、乗用車の登録車両数は4147万台であり、うち車歴13年以上は817万台と19.7%を占める。
    今回のアンケート結果に基づく購入行動が開始されれば、817万台×17.8%=145万台(1年間)の追加的需要創出効果が可能となる。1台平均単価を200万円とすれば、145万台×200万円=2兆9000億円となる。

    設問2.グリーン家電(テレビ、エアコン、冷蔵庫のうち省エネラベル4つ星以上の製品)の普及促進策について、あなたの考えは下記のうちどれに一番近いですか。

    <テレビ>
    (1)2009年度の補正予算の普及促進策によって、グリーン家電(テレビ)を購入と回答したのは、153名であり、15.3%の追加的需要創造が可能となる。
    (2)これを全国世帯数3600万世帯(二人以上世帯)に引き伸ばせば、3600万世帯×15.3%=551万台(1年間)に相当する。1台平均単価を13万円とすれば、551万台×13万円=7163億円となる。
    (3)ジーエフケーマーケティングサービスジャパン㈱の「2008年度家電およびIT市場の販売動向調査」によれば、テレビの販売台数は1007万台である。これは、この政策が、総需要を50%以上引き上げることが可能であることを示している。

    <冷蔵庫>
    (1)今回のグリーン家電促進策で冷蔵庫を購入すると答えたのは90名(9.0%)である。
    (2)テレビと同様に、グリーン家電(冷蔵庫)の追加的需要を試算すると、3600万世帯×9.0%=324万世帯(1年間)となる。1台平均単価を9万円とすれば、324万台×9万円=2916億円となる。
    (3)ジーエフケーマーケティングサービスジャパン㈱の「2008年度家電およびIT市場の販売動向調査」によれば、冷蔵庫の販売台数は460万台である従ってこの政策により需要を70%引き上げることが可能となる。

    <エアコン>
    (1)今回のグリーン家電促進策でエアコンを購入すると答えたのは89名(8.9%)である。
    (2)テレビ、冷蔵庫と同様に、グリーン家電(エアコン)の追加的需要を試算すると、3600万世帯×8.9%=320万世帯(1年間)となる。1台平均単価を8万円とすれば、320万台×8万円=2500億円となる。
    (3)(社)日本冷凍空調工業会「2008年 国内出荷実績」によれば、エアコンの販売台数は775万台である。従ってこの政策によって需要を40%引き上げることが可能となる。

    ※以下詳細については別紙資料を参照願います。

     

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  • 熊坂 侑三

    今月のトピックス(2008年12月)

    インサイト

    インサイト » コメンタリー

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    熊坂 侑三

    ABSTRACT

    <不況の深化とセンチメントの悪化>

    9月のリーマンブラザースの破綻を契機とする世界金融危機の深化は、世界の実物経済に大きな影響をもたらしている。また、その影響が及ぶスピードはかつて ないほど急速である。日本経済にとって、主要な輸出市場である米国やEUの経済がマイナス成長に陥り、もう一つの柱である新興市場諸国の経済成長率も減速 傾向が目立ってきている。
    今月の日本経済の見通しで述べているように、最近の経済動向を要約すれば、生産の大幅減少、純輸出の収縮と特徴付けられる。今回の不況は海外発の要因が大 きく影響している。世界経済はこの間急速に悪化し、同時不況となっている。これに抗するために、主要諸国は先進国も新興国も金融緩和と財政拡大にむけて協 調しているが、これが明確な効果を生み出し、世界経済が底打ち反転することが、日本経済の回復に決定的に重要である。
    このような性格を持つ今回の不況に対して、政府の打つ経済政策はおのずと限定されてこよう。重要なのは景気の底割れを防ぐことであり、生産の大幅削減や雇 用の調整が家計の本格的な消費削減につながらないような工夫が必要となる。そこで最近の消費者や景気ウォッチャーたちのセンチメントの動向を見てみよう。
    11月の消費動向調査によれば、一般世帯の消費者態度指数は28.4となり、2ヵ月連続で過去最低を更新した。前年同月比では11.4ポイント下落して 24ヵ月連続の悪化を記録した。11月は世界経済の急激な落ち込みと輸出の収縮を背景に、国内の雇用の先行きや所得減への懸念が強く表れた結果となった。 指数を構成する4項目の意識指標はすべて前年から悪化したが、インフレ期待の低下から暮らし向きや耐久消費財の買い時判断に関する意識指標では底打ちや改 善の傾向が見られた。しかし、雇用環境に関する意識指標は21.1(前年同月比-22.0ポイント)で、悪化幅の拡大が目立った。
    また同月の景気ウォッチャー調査によれば、現状判断DIも過去最低を更新した。前年比では17.8ポイント低下し25ヵ月連続の悪化となった。指数構成指 標の1つである雇用関連DIは同26.2ポイント低下し、27ヵ月連続で悪化している。2001年10月の悪化幅40.7ポイントまで至っていないが、今 後急速な悪化幅の拡大が予想される。
    このように消費者や景気ウォッチャーたちの雇用のセンチメントは夏以降急速に悪化している。年度末にかけては生産の大幅削減の確率が非常に高くなってい る。実際、15日に発表された日銀12月短観では大企業の業況判断DIは前回調査から21ポイント悪化した。これは1974年9月調査以来の悪化幅 (-26ポイント)となっている。これから生産削減、雇用削減は避けられないであろうが、この動きが消費減退に繋がる負の連鎖を断ち切らねばならない。す なわち、消費者のセンチメントの大幅悪化を防ぐ工夫が必要である。消費者には、今回は前回のように本格的なリストラにはならないという安心感を与えるよう な政策を準備し、また、生活の安心を取り戻すため一定の生活防衛のためのセーフティーネットを充実しなければならない。11月の「今月のトッピクス」で追 加経済対策(10月30日決定)の効果をあまり評価しなかったが、今回新たに出てきた政府の経済対策のうちで、職を失った人に対する住宅支援などは評価で きる。要は消費者のセンチメントの悪化を防ぎ、生産・雇用の削減から消費の本格的削減という負の連鎖を断ち切ることがもっとも重要で、世界景気が底打ちす るまでの政策課題となる。

    日本
    <不況感が強まる10-12月期経済>

    今回の予測では一部の11月データと10月のほぼすべてのデータが更新されている。これらの動向を要約すれば、生産の大幅減産、純輸出の収縮と特徴付けられる。
    今週の超短期モデル(支出サイド)は、10-12月期の実質GDP成長率を、内需は小幅拡大にとどまり純輸出が大幅に縮小するため、前期比-1.1%、同 年率-4.3%と予測している。予測は6週連続で下方修正が続いている。この結果、2008年暦年の成長率は+0.1%にとどまろう。
    10-12月期の国内需要を見れば、実質民間最終消費支出は前期比+0.1%となる。実質民間住宅は同-4.4%と2期ぶりのマイナス、実質民間企業設備 は同+1.2%となる。実質政府最終消費支出は同+0.4%、実質公的固定資本形成は同2.0%減少する。このため、国内需要の実質GDP成長率(前期比 -1.3%)に対する寄与度は+0.2%ポイントとなる。
    財貨・サービスの実質輸出は前期比2.3%増加し、実質輸入は同15.3%増加する。不況下の経済で実質輸入が大幅増加するのは不思議な気がするが、理由 は以下のとおりである。まず名目ベースの輸出入は輸出が同-6.2%、輸入が-5.7%と同程度の減少にとどまっている。一方、デフレータは急激な円高と 国際商品市況の大幅下落により異なった動きを見せている。輸出デフレータが同-8.3%下落するが、輸入デフレータは円高に加え国際商品市況の急下落によ り同-18.2%と輸出デフレータの下落幅を大きく上回っている。このため、実質純輸出は前期から大幅に縮小し、実質GDP成長率に対する寄与度は -1.3%ポイントと大きなマイナスの貢献となる。
    2009年1-3月期の実質GDP成長率については、内需拡大は小幅にとどまり、純輸出は引き続き縮小するため、前期比-0.7%、同年率-2.9%と予測している。この結果、2008年度の実質GDP成長率は-1.1%となろう。
    このように、2008年度の経済成長率は4-6月期の前期比年率-3.7%、7-9月期同-1.8%に続き、年度後半もマイナス成長が持続し、当面は回復の展望が描けない厳しい状況となっている。

    [[稲田義久 KISERマクロ経済分析プロジェクト主査 甲南大学]]

    米国
    <NBERの苦しいリセッション宣言‐significant な落込みが a few months 続くこと‐>

    12月1日に全米経済研究所(NBER)の景気基準日付け決定委員会は2001年3月から始まった今回の景気拡大が2007年12月に終わり、リセッショ ンに入ったことを宣言した。通常のリセッションの定義は2四半期連続しての実質GDPのマイナス成長であるが、NBERはリセッションを「経済全体におけ る景気活動のsignificant(?) な落ち込みが、a few months (2,3ヵ月?)以上続くこと」と定義し、それらは生産、雇用、実質所得、その他の経済指標に表れると付け加えている。リセッションを定義するときは、 significantなどと言う恣意的な言葉は使わないほうがいい。超短期モデル予測は2007年12月から2008年4月まで景気がスローダウンして きたことは認めるが、景気は2008年4月-6月に急速に拡大していたことを示している。実際に2008年4-6月期の経済成長率は超短期モデル予測とほ とんど同じ+2.8%と高いものであった。
    また超短期モデルは2008年6月以降再び景気がスローダウンしていることをはっきりと認めている。特に2008年10-12月期において、9月12日以 降、支出サイドからの実質GDP成長率は-5%を下回っている。まさに、現在は大不況(グレート・リセッション)とも呼べる状況である。
    NBERがリセッションの公式宣言を行った日に株価のダウ平均が700ドル近く下落したように、NBERの決定は市場に大きな影響を与える。もしも、リ セッションをNBERの定義に従うならば、米経済は2007年12月-2008年4月、2008年6月-現在 とダブル・ディップ・リセッションにあることをNBERは認めることである。むしろ、従来のリセッションの定義に矛盾することなく、リセッション入りを宣 言するならば2008年6月をリセッションの開始年月とすべきである。

    [[熊坂侑三 ITエコノミー]]