研究・論文

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「2022年度」の研究・論文一覧

  • 稲田 義久

    138回景気分析と予測<日本経済回復の先行きリスクは、ゼロコロナ政策、原油高、為替安の行方 – 実質GDP成長率予測:22年度+1.9%、23年度+1.7% ->

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1. 5月18日発表のGDP1次速報によれば、1-3月期の実質GDPは前期比年率-1.0%(前期比-0.2%)減少し、2四半期ぶりのマイナス成長となった。2021年度は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令と解除で、経済成長率はマイナスとプラスを繰り返した。結果、21年度の実質GDPは前年度比+2.1%と3年ぶりのプラス成長となったが、20年度の同-4.5%の落ち込みに比すれば、回復力は弱いといえよう。
    2. 1-3月期はまん延防止等重点措置によりほぼ全期間にわたり経済活動が抑制され、民間最終消費支出はサービス支出を中心に低調なパフォーマンスとなった。実質GDP成長率への寄与度を見ると、国内需要は前期比+0.2%ポイントと2四半期連続のプラスだが前期から減速した。一方、純輸出は同-0.4%ポイントと3四半期ぶりのマイナス寄与となった。交易条件の悪化から国内総所得(GDI)成長率は同+0.7%にとどまり、4四半期連続で実質GDPの伸びを下回った。
    3. 1-3月期GDP1次速報と新たな外生変数の想定を織り込み、22-23年度の日本経済の見通しを改定した。今回、実質GDP成長率を、22年度+1.9%、23年度+1.7%と予測。前回(第137回)予測に比して、22年度を-0.4%ポイント下方修正し、23年度は横ばいとなった。今回予測における海外外生変数想定の特徴は、前回に比して、原油価格の高止まり、世界貿易の停滞、円安の加速である。これらが22年度の下方修正につながっている。この背景にはロシアのウクライナ侵攻とその長期化による世界経済の減速やインフレの昂進、金融引き締め政策への転換がある。
    4. 四半期ベースでみれば、22年1-3月期の実質GDPは2四半期ぶりのマイナス成長となり、コロナ禍からの回復が遅れている。COVID-19陽性者数は過去のピークに比して依然高水準だが、人流は大幅に改善している。このため4-6月期はサービス消費の拡大による比較的高めの成長が見込めるであろう。7-9月期以降も、潜在成長率を上回るペースが持続するため、コロナ禍前(19年10-12月期)の水準を超えるのは22年4-6月期、コロナ禍前のピーク(19年7-9月期)を超えるのは23年10-12月期となる。
    5. 消費者物価指数の先行きについて、エネルギー価格高騰と円安で22年度は前年比プラス幅が2%程度に拡大する。23年度はエネルギー価格が低下し、サービス価格が下押し圧力となるため、消費者物価指数の基調は低調となる。結果、消費者物価コア指数のインフレ率を、22年度+1.8%、23年度+0.8%と予測する。
    6. ベースライン予測に対して、円安加速のシミュレーションを行った。シミュレーションによれば、円安は総じて日本経済に押し上げ効果をもたらすことがわかる。問題は円安と資源価格(原油価格)の上昇が同時に伴うケース(悪い円安)である。円安と原油価格上昇とでは、実質GDPに与える影響は逆方向となるため、両者の想定次第では実質GDPに下押し圧力が働くことに注意が必要である。

     

    ※本レポートの詳細版については5/31(水)に公表予定

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.109-景気は足下局面変化、先行きは改善を示唆: 消費回復期待も中国経済減速による景気下振れに注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 山守 信博

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下局面変化、先行きは改善を示唆。足下、感染状況が落ち着きセンチメントは改善した。先行きについては、中国の「ゼロコロナ政策」堅持による景気の下振れリスクには注意が必要である。
    ・COVID-19の新規陽性者数はGW後の再拡大も懸念されたが、5月18日現在6,168人となっている。3回目のワクチン接種については、若年層の接種率の低さが課題である。
    ・3月の鉱工業生産は電子部品・デバイスや電気・情報通信機械などの減産が影響し3カ月ぶりの前月比低下。1-3月期は1-2月の増産が影響し、3四半期ぶりの前期比上昇となった。
    ・3月の完全失業率は2カ月連続で前月から改善。また、有効求人倍率は前月から横ばい。1-3月期は、完全失業率と有効求人倍率ともに2四半期ぶりに改善した。雇用情勢は総じて回復が見られるが、力強さを欠く。労働力人口と就業者数はともにコロナ禍前の水準に及ばず、休業率も高止まりしている。
    ・2月の関西2府4県の現金給与総額は、名目で12カ月連続の前年比増加でコロナ禍前とほぼ同水準となった。一方、消費者物価指数の上昇により、実質での増加幅は前月より縮小し小幅にとどまった。
    ・3月の大型小売店販売額はまん延防止等重点措置の解除もあり、6カ月連続の増加となった。うち、スーパーは内食需要が依然堅調で2カ月連続の増加。百貨店は衣料品や身の回り品が好調で2カ月ぶりの増加となった。
    ・3月の新設住宅着工戸数は8カ月ぶりの前月比大幅増加で、コロナ禍前の19年12月以来の水準。ただし、1-3月期では2四半期連続で前期比減少した。
    ・3月の建設工事出来高は2カ月連続の前年比増加。公共工事出来高は30カ月連続の同増加と堅調である。4月の公共工事請負金額も2カ月連続で増加しており、出来高、請負金額ともに減少傾向が続く全国に比して好調が続いている。
    ・4月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で前月比改善。人流の回復もあり飲食業や旅行業などが改善した。先行き判断DIは3カ月連続の改善だが、ロシアのウクライナ侵攻や原材料高の影響が懸念されている。
    ・4月の貿易収支は3カ月連続の黒字だが、輸出入ともに伸びは前月から減速していることに注意。地域別にみれば、対中貿易は上海市をはじめとする各地のロックダウンの影響を受け、輸出入ともに前年比大幅減少している。
    ・4月の関空への外国人入国者数は2万1,616人。1日当たり入国者数の上限が緩和された影響もあり、2020年3月以来の水準となった。
    ・4月の中国経済は、「ゼロコロナ政策」に伴う厳格な行動制限により、多くの経済指標は武漢のロックダウン以来の冷え込みとなっている。中国政府は同政策を堅持しており、このため4-6月期の中国経済への下押し圧力となろう。

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  • 稲田 義久

    都道府県別訪日外客数と訪問率:3月レポート No.34

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    【ポイント】

    ・JNTO訪日外客統計によれば、3月の訪日外客総数(推計値)は入国者数上限引き上げの緩和策もあり6万6,100人となった。

    ・目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば、1月は1万7,766人。うち、観光客は649人(同-100.0%)、商用客は1,455人(同-98.9%)、その他客は1万5,662人(同-92.4%)であった。

    ・4月に入り1日当たりの入国者数の上限が1万人へと引き上げられる等、日本の水際対策が更に緩和された。観光目的での入国は依然認められていないが、今後も留学生や技能実習生などを中心に訪日外客数は増加すると予想される。

     

    【トピックス1】

    ・関西3月の輸出は13カ月連続の前年比増加だが伸びは減速。一方、輸入はエネルギー関連財の価格高騰の影響が続き、14カ月連続の同増加。結果、関西の貿易収支は2カ月連続の黒字だが、伸びは縮小した。

    ・3月の関西国際空港への訪日外客数は入国緩和策が影響し、1万284人と前月から増加。また、日本人出国者数も6,197人と前月から増加した。

    ・2月のサービス業はまん延防止等重点措置の影響により活動指数は悪化した。第3次産業活動指数は3カ月連続の前月比マイナス。2月中にまん延防止等重点措置の対象が最大36都道府県まで拡大された影響で、対面型サービス業や観光関連業の悪化が影響した。

     

    【トピックス2】

    ・1月の関西2府8県の延べ宿泊者数は5,210.5千人泊となった。三重県、京都府、大阪府、兵庫県にまん延防止等重点措置が実施された影響もあり、2019年同月比は-38.0%と前月から減少幅が拡大した。

    ・うち日本人延べ宿泊者数は5,171.6千人泊で、2019年同月比-14.1%と前月から再びマイナスに転じた。一方、外国人延べ宿泊者数は38.9千人泊と、同-98.4%減少した。

    ・延べ宿泊者を居住地別でみると、県内の延べ宿泊者数は1,451.0千人泊(2019年同月比+32.2%)、県外は3,578.2千人泊(同-48.1%)。まん延防止等重点措置が実施され、自府県民を対象とした旅行需要喚起策が一時停止されたこともあり、県内のプラス幅は前月から縮小した

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.108-景気は足下、先行きともに局面変化へ: 国際情勢一層の悪化による景気下振れリスクに注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに局面変化を見込む。足下では雇用・所得環境は幾分改善だが、消費は小幅増加にとどまった。先行きはウクライナ情勢影響長期化や中国の都市封鎖等、景気の下振れリスクに注意が必要である。
    ・COVID-19の新規陽性者数は、2月中旬をピークに減少が続いた。しかし新たな変異株の発現で、3月26日を底に拡大傾向へと転じた。足下は再び減少傾向を示しているものの、第5波のピークを依然上回っている。
    ・2月の鉱工業生産は2カ月連続の前月比上昇。主に電気・情報通信機械、輸送機械、電子部品・デバイスなどが上昇に寄与した。
    ・2月の完全失業率は失業者数の減少により2カ月ぶりに前月から改善。ただ、休業率は依然高止まっており、厳しい雇用情勢が続いていると言えよう。有効求人倍率は、求職者数の減少により、2カ月連続の小幅上昇となった。
    ・1月の関西2府4県の現金給与総額は名目及び実質ともに前年比大幅増加した。ただし、消費者物価の上昇基調は続いており、今後の実質賃金の先行きには注意が必要である。
    ・2月の大型小売店販売額は5カ月連続の前年比増加だが小幅にとどまった。感染拡大による外出自粛が影響した。うち、スーパーは内食需要によるまとめ買い等で4カ月ぶりの増加となったが、百貨店の売上は低調であった。
    ・2月の新設住宅着工戸数は7カ月連続の前月比減少。主に持家の減少が寄与し2カ月連続での1万戸割れとなった。ウクライナ情勢の緊迫化による原材料の流通停滞等で価格の上昇が懸念され、先行きは下押し圧力となろう。
    ・2月の建設工事出来高は前年比横ばいとなったが、公共工事出来高は29カ月連続の同増加と堅調。3月の公共工事請負金額も2カ月連続の増加となった。減少傾向の続く全国に比して関西は好調であった。
    ・3月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月ぶりの前月比改善。まん延防止等重点措置解除が飲食業や宿泊業などに好影響した。先行き判断DIは2カ月連続の改善だが、ウクライナ情勢の緊迫化による原材料価格急騰が懸念される。
    ・3月の貿易収支は2カ月連続の黒字だが、輸入の伸びは高水準で推移し、輸出は減速傾向のため、黒字幅は縮小が続く。なお、中国上海市などのロックダウンの影響により、先行き対中輸出の停滞が懸念される。
    ・3月の関空への外国人入国者数は水際対策の緩和が影響し、前月から大幅増加。2021年1月以来の1万人超となった。
    ・中国の1-3月期実質GDPは前年同期比+4.8%と4四半期ぶりに前期から加速した。しかし前期比では減速しており、全人代の目標成長率を下回った。「ゼロコロナ」政策により、物流停滞や工場停止等が懸念され、4-6月期の景気は減速すると予想される。

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