研究・論文

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「2022年度」の研究・論文一覧

  • 稲田 義久

    都道府県別訪日外客数と訪問率:12月レポート No.43

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    【ポイント】

    ・JNTO訪日外客統計によれば、12月の訪日外客総数(推計値)は137万人と前月から大幅増加し、20年2月以来、単月で100万人超の水準まで回復。2022年通年では年後半の水際対策の大幅緩和も影響し383万1,897人と、過去最少となった前年から大幅増加した。

    ・目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば10月は49万8,646人。うち、観光客は32万6,699人と前月(4万2,108人)から大幅増加し、2020年3月以来の値となった

    ・今後のインバウンドの見通しについては、訪日中国人客の動向が重要となる。中国政府は2月6日以降、団体旅行を一部の国・地域に限って認めると発表したが、日本は今のところ含まれていない。このため、訪日外客の回復については依然不確実性が高い。

     

    【トピックス1】

    ・関西12月の輸出は22カ月連続の前年比増加だが、伸びは前月から減速。また、輸入は23カ月連続で同増加したが、エネルギー価格の落ち着きもあり伸びは前月から減速した。輸出入の伸びが前月からいずれも減速したが、後者の下落幅が前者の下落幅を上回ったため、関西の貿易収支は4カ月連続の黒字となった。

    ・12月の関西国際空港への訪日外客数は33万1,249人と前月(24万7,090人)から増加。2022年通年では、88万5,472人(19年比-89.4%)となった。

    ・11月のサービス業の活動は感染再拡大の影響もあり小幅悪化。第3次産業活動指数は2カ月ぶりの前月比低下。また、観光関連指数も飲食店、飲食サービス業の大幅低下もあり、4カ月ぶりの同低下となった。

     

    【トピックス2】

    ・10月の関西2府8県の延べ宿泊者数は8,708.3千人泊、2019年同月比では-16.0%となった。全国旅行支援事業の開始と水際対策の大幅緩和もあり、減少幅は前月から縮小した。

    ・うち、日本人延べ宿泊者数は8,152.4千人泊、2019年同月比+10.8%とコロナ禍前を上回った。また、外国人延べ宿泊者数は555.9千人泊となり、2019年同月比-81.5%と減少幅は大幅縮小。水際対策の大幅緩和により、大阪府、京都府を中心に外国人宿泊者数が回復している。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.117-景気は足下、先行きともに改善を見込む:不確実性上昇に伴う景気下押しリスクに注意-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 盧 昭穎 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 山守 信博

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに改善を見込む。足下、生産は2カ月連続の減産で、弱い動きが続く。雇用環境は持ち直しの動きに一服感がみられる一方で、消費・景況感は持ち直しが続く。先行きは物価や海外経済の見通し不確実性上昇に伴う景気下押しリスクに注意が必要である。
    ・COVID-19の新規陽性者数は1月11日をピークに減少に転じた。また政府は感染症法上の分類を今春に変更する意向を示した。
    ・11月の生産は2カ月連続の前月比低下。特に電子部品・デバイスは3カ月連続で減産しており、全国と比して弱い動きとなっている。
    ・11月は失業者数が増加するとともに、労働力人口と就業者数はいずれも減少した。また、就業率も2カ月連続で低下し、コロナ禍前の水準を下回っている。雇用の回復は停滞している。
    ・10月の関西2府4県の現金給与総額は、名目で20カ月連続の前年比増加。しかし、消費者物価指数の上昇傾向が続き、実質では8カ月連続の減少となった。
    ・11月の大型小売店販売額は14カ月連続の前年比増加。うち、百貨店は高額品の好調とインバウンド回復により9カ月連続の増加。スーパーは食料品の値上げもあり2カ月連続の増加となった。
    ・11月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりに前月比減少。建設費高騰と円安の影響もあり、分譲と持家が低調だった。
    ・11月の建設工事出来高は11カ月連続の前年比増加で全国に比して高い伸びが続いているが、公共工事・民間工事ともに前月から減速となった。また、12月の公共工事請負金額は2カ月連続で同減少となっている。
    ・12月の景気ウォッチャー現状判断DIは5カ月連続で前月比改善した。また先行き判断DIも2カ月連続で改善。国内旅行需要やインバウンド需要が回復しつつあることから、関連するサービス業が改善した。
    ・12月の貿易収支は4カ月連続の黒字。エネルギー価格の落ち着きや円安修正の影響で、輸入額の伸びは前月から大幅に減少した。このため黒字幅は前月から拡大した。
    ・12月の関空への外国人入国者数は33.1万人とコロナ禍前の5割程度まで回復。22年通年では水際対策の大幅緩和もあったが、年前半の低調により88.5万人にとどまった。
    ・中国の10-12月期実質GDPは前年同期比+2.9%と前期から減速した。その結果、22年通年の経済成長率は+3.0%にとどまり、政府の目標成長率(5.5%)を大幅に下回った。1月に4年ぶりに行動制限のない春節休暇を控え、消費の回復が期待されている一方、更なる感染拡大による混乱が懸念されている。

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  • 稲田 義久

    都道府県別訪日外客数と訪問率:11月レポート No.42

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    【ポイント】

    ・JNTO訪日外客統計によれば、11月の訪日外客総数(推計値)は93万4,500人と、前月(49万8,600人)から大幅増加し、100万人に迫る水準まで回復。うち、国・地域別では、韓国が31万5,400人とトップであり、2020年1月以来、単月で30万超の水準となった

    ・目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば9月は20万6,641人。うち、観光客は4万2,108人、商用客は5万3,265人、その他客は11万1,268人であった。観光客については前月東京オリンピックが開催された2021年7月以来の水準となった。

    ・12月以降もインバウンド需要は回復傾向が続くと予想されるが、依然として訪日中国人客の回復が課題である。中国政府はゼロコロナ政策の大幅な緩和を発表し、これまで制限されていた中国人の海外旅行についても認可した。一方で日本政府は中国国内の感染拡大を受け、中国からの入国者に対する水際対策の強化を発表した。このため、訪日中国人客の戻りについては依然不透明性が高い。

     

    【トピックス1】

    ・関西11月の輸出は米国向けの建設用・鉱山用機械や医薬品の好調もあり21カ月連続の前年比増加。一方、輸入は22カ月連続の同増加だが、エネルギー価格の落ち着きや鉱工業生産の停滞により伸びは前月から減速。輸入の伸びが前月から減速し、輸出が加速した結果、関西の貿易収支は3カ月連続の黒字だが、黒字幅は縮小した。

    ・11月の関西国際空港への訪日外客数は24万7,090人と、前月から倍増しコロナ禍の影響が出始めた2020年2月の水準を上回った。空港別に訪日外客数の戻りをみてみると、羽田や成田はコロナ禍前の5割程度回復しているが、関空は4割程度の回復にとどまっている。

    ・10月のサービス業の活動は観光需要の増加で対面型サービス業を中心に持ち直している。第3次産業活動指数、対面型サービス業指数はいずれも2カ月連続の前月比上昇。また、観光関連指数は全国旅行支援事業の開始や水際対策の緩和もあり、3カ月連続で同上昇した。

     

    【トピックス2】

    ・9月の関西2府8県の延べ宿泊者数は7,436.5千人泊。2019年同月比では-24.2%と前月から減少幅は縮小。COVID-19感染拡大が落ち着き、外出機会が増加したことが影響した。

    ・うち、日本人延べ宿泊者数は7,278.4千人泊。2019年同月比では-0.8%と減少幅は前月(同-13.0%)から大幅縮小し、コロナ禍前の水準を回復しつつある。また、外国人延べ宿泊者数は158.0千人泊となり、2019年同月比では-93.6%と減少幅は3カ月連続で縮小。これまで低水準が続いていた外国人宿泊者数は水際対策の緩和が進むにつれ、徐々に持ち直しの動きがみられる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.116-景気は足下、先行きともに改善を見込む:物価の高止まりと海外経済減速がリスク要因-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 盧 昭穎 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 山守 信博

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに改善を見込む。足下、生産は減産で、回復のペースは遅い。雇用環境・消費・景況感は持ち直しが続く。先行きは物価の高止まりに加え、海外経済減速がリスク要因となろう。
    ・COVID-19の新規陽性者数は12月中旬より再度増加傾向に転じた。また6都県においてインフルエンザ流行期入り。ツインデミック(同時流行)が現実となりつつある。
    ・10月の生産はプラスチック製品や電子部品・デバイスなどの減産もあり、3カ月ぶりの前月比低下。7-9月平均比小幅上昇だが、回復のペースは遅い。
    ・10月は失業者数が増加するとともに、労働力人口と就業者数はいずれも減少に転じた。また、就業率も前月より微減した。雇用の回復は一服したとみられる。なお、新規求人数が大幅に増加したことから、今後も人手不足感が続こう。
    ・9月の関西2府4県の現金給与総額は、名目で19カ月連続の前年比増加。一方、消費者物価指数の上昇により、実質では7カ月連続の減少となった。物価高は当面続くと見込まれるため、実質賃金はマイナスで推移し続けるだろう。
    ・10月の大型小売店販売額は13カ月連続の前年比増加。うち、百貨店は高額品と秋冬衣料品の販売が好調で8カ月連続の増加。スーパーは食料品の値上げもあり3カ月ぶりの増加となった。
    ・10月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりに前月比増加。一方、建設資材の高騰による価格転嫁が進んでおり、先行きは住宅購入意欲の低下が懸念される。
    ・10月の建設工事出来高は10カ月連続の前年比増加と全国と比して堅調。公共工事・民間工事ともに増加基調が続いている。一方、11月の公共工事請負金額は2カ月ぶりに同減少している。
    ・11月の景気ウォッチャー現状判断DIは4カ月連続で前月比改善した。また先行き判断DIも2カ月ぶりの改善。国内旅行需要やインバウンド需要の増加もあり、サービス関連を中心に回復した。
    ・11月の貿易収支は3カ月連続の黒字。輸出の伸びが前月より加速し、輸入の伸びが減速したため。1月からの累計をみれば、輸出入額ともに19兆円を超えており、年別過去最高額を更新している。
    ・11月の関空への外国人入国者数は24万7,090人と前月から倍増。水際対策の大幅緩和が継続されていることもあり外国人入国者数は着実に回復が進む。
    ・11月の中国経済は、感染急拡大に応じて多くの地域で行動制限が強化された影響もあり、生産回復の減速と個人消費の大幅な減少が見られた。12月にゼロコロナ政策の大幅な緩和など明るい動きもあるが、先行き不透明感は依然として強いため、10-12月期の景気は悪化するだろう。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.62 -GDP2次速報を反映し関西経済予測を改定 :22年度+1.5%、23年度+1.2%、24年度+1.5%-

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 郭 秋薇 / 盧 昭穎 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    1. 2022年7-9月期の実質GDP成長率(2次速報値)は、前期比-0.2%(同年率-0.8%)となり、1次速報の前期比-0.3%(同年率-1.2%)から上方修正された。民間在庫変動・政府消費・輸出が上方修正、個人消費・住宅投資・公共投資が下方修正となった。なお過去値が遡及改定されたことにより、コロナ前のピークは2019年7-9月期となった。22年7-9月期の実質GDPは、3年前のコロナ前ピーク時の水準を約10兆円下回っている。
    2. GDP2次速報を反映し関西経済予測を改定。関西の実質GRP成長率を2022年度+1.5%、23年度+1.2%、24年度+1.5%と予測する。19年度・20年度の2年連続のマイナス成長から、21年度以降は1%台のプラス成長が続く。回復の勢いは弱く、コロナ禍前のGRP水準を回復するのは23年度までかかる。前回予測(11月29日公表)に比べて、22年度は-0.3%ポイントと下方修正、23年度・24年度はそれぞれ+0.1%ポイント上方修正とした。
    3. 実質GRP成長率に対する寄与度を見ると、民間需要が2022年度+1.7%ポイント、23年度+0.9%ポイント、24年度+1.2%と成長の牽引役となる。また公的需要も22年度から24年度にかけていずれも+0.2%ポイントと成長を下支える。域外需要は、22年度は-0.4%ポイントと成長を押し下げ、23年度・24年度もそれぞれ+0.1%ポイントと成長に対する貢献は大きくない。

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  • 稲田 義久

    141回景気分析と予測<7-9月期GDP2次速報を更新し、日本経済見通しを改定 - 実質GDP成長率予測:22年度+1.5%、23年度+1.1%、24年度+1.4% ->

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1. 2022年7-9月期GDP2次速報によれば、実質GDP成長率は前期比年率-0.8%となり、1次速報(同-1.2%)から幾分上方修正された。季節調整の掛け直しや基礎統計の改定により、過去値が遡及改定された。実質GDP成長率を1次速報と比較すると、22年1-3月期は-2.0%ポイント(同+0.2%→同-1.8%)と大幅に下方修正された。このため、2次速報では7-9月期は4四半期ぶりから2四半期ぶりのマイナスとなった。また22年度の成長率の下駄が1次速報から0.2%ポイント下方修正されたことに注意。
    2. 2次速報と同時に2020年度の第二次年次推計値と21年度の第一次年次推計値が発表された結果、20年度実質GDP成長率は1次速報から+0.4%ポイント(-4.6%→-4.1%)、21年度は+0.2%ポイント(+2.3%→+2.5%)、それぞれ上方修正された。また2次速報ではコロナ禍前の実質GDPのピークは2019年7-9月期となった。
    3. 7-9月期GDP2次速報と新たな外生変数の想定を織り込み、2022-24年度の日本経済の見通しを改定した。今回、実質GDP成長率を、22年度+1.5%、23年度+1.1%、24年度+1.4%と予測。前回(第140回予測)から、22年度-0.2%ポイント、23年度-0.1%ポイント下方修正し、24年度+0.1%ポイント上方修正した。22年度の下方修正については、成長率の下駄の低下が影響している。
    4. 2022年7-9月期実質GDPはコロナ禍前のピークから依然1.9%低い。この主要因は、民間最終消費支出(-3.2%)、民間資本形成(-3.3%)、及びサービス輸出(-15.1%)がピークより低水準にとどまっているためである。予測期間において家計に新たな行動制約が課されない場合、22年度後半は累積した強制貯蓄が取り崩され、サービス支出を中心に民間最終消費支出主導の回復が期待できる。10-12月期以降、海外経済が低迷することからしばらく純輸出の押し上げは期待できないうえに、23年度は民間需要の寄与度が減速するため、同年の成長率は前年から低下すると予測。このため、実質GDPがコロナ禍前のピークを超えるのは24年1-3月期以降となろう。なお、2次速報で過去値が上方修正されたため、コロナ禍前のピークを超えるのが前回予測から2四半期早くなった。
    5. エネルギー価格の高騰、円安と輸入品価格上昇による食料品価格高騰の影響で、22年度後半の消費者物価コア指数は前年比3%台後半を上回る勢いで推移する。23年度はエネルギー価格高騰の影響が剥落するため、消費者物価指数の基調はサービス価格の動向が決める。その意味で23年度の賃上げの中身が重要である。結果、消費者物価コア指数のインフレ率を、22年度+3.0%、23年度+1.9%、24年度+1.2%と予測する。前回予測から、足下の状況を反映し22年度を+0.3%ポイント上方修正した。また24年度を-0.1%ポイント下方修正した。

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  • 稲田 義久

    ゼロコロナ政策による中国経済減速と関西経済への影響

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    1. 2022年に入り中国におけるCOVID-19陽性者数が急増している。1-3月期では吉林省が全陽性者数の約6割を、4-6月期では上海市が約7割強を占めるなど、陽性者数の増加が顕著な省及び直轄市で、厳格なロックダウンが行われた。7-9月期は一旦感染状況が落ち着いたが、10-11月期では広東省、北京市、重慶市で感染が拡大しており景気への悪影響が懸念される。
    2. ゼロコロナ政策によるロックダウンの影響は非常に大きい。特に制限が厳しかった上海市や吉林省では、いずれも実質GDP成長率がマイナスとなった(2022年1-9月期、それぞれ前年同期比-1.4%、同-1.6%)。また、広東省(同+2.3%)、江蘇省(同+2.3%)など経済規模が最大の2省(対GDPシェア21.1%)は、中国全体のGDP成長率(同+3.0%)を下回っている。
    3. 中国ゼロコロナ政策による経済的影響を考える上で関西および日本経済の対中貿易シェアは重要である。2021年における対中輸出をみれば、関西(26.2%)の方が全国(21.6%)より全体に占めるシェアは高い。すなわち、関西は全国に比べ対中輸出シェアが高いがゆえに、中国経済の減速は貿易を通して大きな影響を受ける。
    4. 中国経済の減速が関西の輸出を通じて関西経済全体にどのような影響をもたらすかについて、輸出関数を推定した。結果は中国の実質GDPが1%下落すると、関西の実質輸出は0.46%程度下落すると試算される。
    5. シミュレーションでは、標準予測における関西の実質輸出が2022-24年度にわたって0.462%減少する結果、関西の実質GRPは2022年度-0.12%、23年度-0.13%、24年度-0.13%減少する。金額ベースでは年度当たり943億円~1,082億円程度減少する。

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  • 稲田 義久

    都道府県別訪日外客数と訪問率:10月レポート No.41

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    【ポイント】

    ・JNTO訪日外客統計によれば、10月の訪日外客総数(推計値)は49万8,600人と、前月(20万6,500人)から大幅増加し、50万人に迫る水準まで回復。1日当たりの入国者数の上限撤廃、外国人観光客の個人旅行解禁など、これまでの厳格な水際対策が大幅緩和された影響があらわれた。

    ・目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば8月は16万9,902人。うち、観光客は3万1,441人、商用客は3万7,349人、その他客は10万1,112人となった。

    ・11月以降も水際対策の緩和が継続されることもあり、訪日外客数は持ち直しの傾向が続こう。ただし、コロナ禍前の訪日外客数の30%近くを占めていた中国はゼロコロナ政策の影響で回復が遅れることもあり、訪日外客数全体の戻りは緩慢となろう。

     

    【トピックス1】

    ・関西10月の輸出は20カ月連続の前年比増加だが伸びは前月から減速。一方、輸入は21カ月連続で同増加し伸びは前月から加速。輸出の伸びが減速し、輸入の伸びが加速した結果、関西の貿易収支は2カ月連続の黒字だが、黒字幅は前月から縮小した。

    ・10月の関西国際空港への訪日外客数は11万6,658人と、2020年2月(22万8,987人)以来、単月で10万人超の水準となった。

    ・9月のサービス業の活動は前月から小幅悪化だが、持ち直し傾向が続く。第3次産業活動指数、対面型サービス業指数はいずれも2カ月ぶりの前月比低下。一方、観光関連指数は2カ月連続で同上昇した。

     

    【トピックス2】

    ・8月の関西2府8県の延べ宿泊者数は8,720.8千人泊。2019年同月比では-31.5%と前月から減少幅は拡大。行動制限のない夏季休暇があったものの、COVID-19の感染再拡大が悪影響した。

    ・うち、日本人延べ宿泊者数は8,598.3千人泊。府県別に2019年同月比をみれば、他府県が減少しているのに対し、京都府が3カ月連続で増加した。また、外国人延べ宿泊者数は122.5千人泊と前月から幾分増加した。

     

    【トピックス3】

    ・2022年7-9月期関西(2府8県ベース)の国内旅行消費額(速報)は9,916.1億円となった。7-8月はCOVID-19の感染状況が悪化していたものの、9月には感染拡大が落ち着いたことで宿泊旅行を中心に回復。府県別では三重県や奈良県は2019年同期比プラスに転じ、和歌山県、鳥取県以外の府県ではマイナス幅が前期より縮小した。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.61 -持ち直しの動き続くも、景気後退への警戒感強まる:懸念材料は海外経済の減速と物価高-

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 郭 秋薇 / 盧 昭穎 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    1. 2022年7-9月期の関西経済は、前期に続き緩やかに持ち直した。COVID-19感染第7波に対して行動制限措置は取られず、前年に比べて経済活動が正常化した。また前期に発生した中国のロックダウンの影響が、今期は幾分落ち着いた。しかし一方で、海外経済の減速懸念や物価高により景気後退への警戒感が強まっている。
    2. 家計部門は、持ち直している部分もあるが、物価高が回復の足かせとなっている。各種行動制限が解除となったことで百貨店販売は回復し、雇用環境も改善している。しかしながら、食料品やエネルギー価格など消費者物価の高騰により、センチメントや実質賃金などは弱い動きとなっている。
    3. 企業部門は、経済活動が正常化に向かっていること、また中国・上海のロックダウンの影響が落ち着いたことから、概ね緩やかに持ち直した。生産は幾分持ち直し、また設備投資計画についても積極的な姿勢がうかがえる。一方、原材料価格の高騰が続いていること、海外経済の減速などを警戒する向きもあり、景況感については足踏み状態にある。
    4. 対外部門は、財については輸出・輸入とも増加基調が続いている。特に輸入の伸びが大きく、貿易収支は赤字に転じた。輸出を地域別に見ると、米国向けおよびEU向けは堅調だったが、中国向けは鈍化した。インバウンド需要などのサービス輸出については、入国規制の緩和により、関空経由の外国人入国者数・百貨店免税売上で大幅な改善が見られる。
    5. 公的部門は、引き続き全国に比べて堅調に推移している。
    6. 関西の実質GRP成長率を2022年度+1.8%、23年度+1.1%、24年度+1.4%と予測。19年度・20年度の2年連続のマイナス成長から、21年度以降は1%台のプラス成長が続く。しかしコロナ禍からの回復としては力強さに欠く。日本経済予測と回復経路に大きな違いはない。
    7. 成長に対する寄与度を見ると、民間需要が22年度+2.3%ポイント、23年度+0.8%ポイント、24年度+1.2%と成長の牽引役となる。また公的需要も22年度から24年度にかけていずれも+0.2%ポイントと成長を下支える。域外需要は、22年度は-0.6%ポイントと成長を押し下げ、23年度以降も成長に対する貢献は大きくない。
    8. 今号のトピックスは「関西各府県GRPの早期推計」と「中国経済減速リスクと関西経済へのインパクト」を紹介する。後者の分析結果によると、中国の実質GDPが1%下落したと仮定すると、それに伴い関西の実質輸出が0.462%減少し、関西の実質GRPは0.12~0.13%減少する。

     

    ※説明動画は下記の通り4つのパートに分かれています。

    ①00’00”~02’56” :Executive summary

    ②02’57”~34’42”:第140回「景気分析と予測」<世界経済の減速を反映し、23年度成長率を下方修正に – 実質GDP成長率予測:22年度+1.7%、23年度+1.2%、24年度+1.4% ->

    ③34’43”~47:52:Kansai Economic Insight Quarterly No.61<持ち直しの動き続くも、景気後退への警戒感強まる:懸念材料は海外経済の減速と物価高>

    ④47’53”~53’33”:トピックス<「関西各府県GRP早期推計」「中国経済減速リスクと関西経済へのインパクト」>

    ※要旨およびフルレポートは以下にてご覧ください

  • 稲田 義久

    140回景気分析と予測<世界経済の減速を反映し、23年度成長率を下方修正に - 実質GDP成長率予測:22年度+1.7%、23年度+1.2%、24年度+1.4% ->

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    1. 11月15日発表のGDP1次速報によれば、7-9月期の実質GDPは前期比年率-1.2%(前期比-0.3%)と4四半期ぶりのマイナス成長となった。市場コンセンサスやCQMの最終予測から大幅に下振れて、ネガティブ・サプライズとなった。ただし、4-6月期の成長率が前回から大幅上方修正されており、7-9月期と均した半期ベースでみれば緩やかな回復が続いている。
    2. 7-9月期の実質GDP成長率(前期比-0.3%)への寄与度を見ると、国内需要は同+0.4%ポイントと4四半期連続のプラスとなった。うち、民間需要は同+0.3%ポイントと4四半期連続のプラス、公的需要も同+0.1%ポイントと2四半期連続のプラス。一方、純輸出は同-0.7%ポイントと2四半期ぶりのマイナスとなった。純輸出が大幅なマイナス寄与となった原因は輸入の大幅増加であり、特にサービス輸入の急増が影響した(海外への大口支払い等による一時的要因)。GDPに交易条件の変化から生じる交易利得を加えた実質GDI(国内総所得)は同-1.0%となり、7四半期連続で実質GDPの伸びを下回った。交易条件の悪化による所得流出が続いている。
    3. 7-9月期GDP1次速報と新たな外生変数の想定を織り込み、22-23年度の日本経済の見通しを改定するとともに新たに24年度の予測を追加した。今回、実質GDP成長率を、22年度+1.7%、23年度+1.2%、24年度+1.4%と予測した。前回(第139回予測)から、22年度は+0.2%ポイント上方修正、23年度は-0.3%ポイント下方修正した。この予測における海外外生変数の想定は、原油価格の高止まり、世界貿易の一層の停滞、円安の加速と特徴づけられる。世界経済の減速、金融引き締め政策の影響は、22年度後半から23年前半にかけて世界経済に一層の下押し圧力となる。
    4. 22年7-9月期実質GDPはコロナ禍前のピーク(19年4-6月期)から依然2.5%低い。この主要因としては、民間最終消費支出及び民間資本形成が低水準にとどまっていることを指摘できる。予測期間において家計に行動制約が課されない場合、22年度は累積した強制貯蓄が取り崩され、サービス支出を中心に民間最終消費支出主導の回復が期待できる。10-12月期以降、しばらく純輸出の押し上げは期待できないうえに民間需要の寄与度が減速するため、23年度の成長率は前年から低下すると予測。このため、コロナ禍前のピークを超えるのは24年7-9月期以降となろう。
    5. エネルギー価格の高騰、円安と輸入品価格上昇による食料品価格高騰の影響で、22年度後半の消費者物価コア指数は前年比3%台後半で推移する。23年度はエネルギー価格高騰の影響が剥落するため、消費者物価指数の基調はサービス価格の動向がポイントとなる。この意味で23年度の賃上げ動向が重要である。結果、消費者物価コア指数のインフレ率を、22年度+2.7%、23年度+1.9%、24年度+1.3%と予測する。前回予測から、22年度+0.4%ポイント、23年度+0.9%ポイント、いずれも上方修正した。

     

    ※説明動画は下記の通り4つのパートに分かれています。

    ①00’00”~02’56” :Executive summary

    ②02’57”~34’42”:第140回「景気分析と予測」<世界経済の減速を反映し、23年度成長率を下方修正に – 実質GDP成長率予測:22年度+1.7%、23年度+1.2%、24年度+1.4% ->

    ③34’43”~47:52:Kansai Economic Insight Quarterly No.61<持ち直しの動き続くも、景気後退への警戒感強まる:懸念材料は海外経済の減速と物価高>

    ④47’53”~53’33”:トピックス<「関西各府県GRP早期推計」「中国経済減速リスクと関西経済へのインパクト」>

    ※要旨およびフルレポートは以下にてご覧ください

  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.115-景気は足下、先行きともに改善を見込む: 民間消費は持ち直しも、リスクは消費者物価加速と中国経済減速-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 盧 昭穎 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 山守 信博

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに改善を見込む。足下、生産は増産だが、回復のペースは遅い。雇用環境・消費・センチメントは持ち直しが続く。サービス消費を中心に引き続き改善を見込むが、先行きは消費者物価加速と中国経済減速による景気の下押しリスクに注意が必要である。
    ・COVID-19の新規陽性者数は11月に入り増加傾向が顕著である。またインフルエンザの感染者数もコロナ禍である昨年、一昨年と比べ増加してきており、同時感染に注意が必要である。
    ・9月の生産は輸送機械などの増産もあり、2カ月連続の前月比上昇。結果、7-9月期は2四半期ぶりの前期比上昇だが、回復のペースは全国に比して遅い。
    ・9月の完全失業率は3カ月連続で改善。就業率もコロナ禍前の水準を超えている。また、有効求人倍率は6カ月連続で改善した。7‐9月期は、失業率は2四半期ぶりに改善し、就業率と有効求人倍率も3四半期連続で上昇した。総じて、雇用情勢は改善傾向にある。
    ・8月の関西2府4県の現金給与総額は、名目で18カ月連続の前年比増加。一方、消費者物価指数の上昇により、実質では6カ月連続の減少となった。物価高は当面続くと見込まれるため、実質賃金はマイナスで推移し続けるだろう。
    ・9月の大型小売店販売額は12カ月連続の前年比増加。うち、百貨店は前年の営業時間短縮や行動制限の反動に加え、高額品と秋冬衣料品の販売が好調で7カ月連続の増加。一方、スーパーは2カ月連続の減少となった。
    ・9月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比減少だが、7-9月期は2四半期連続で前期比増加した。建設資材の高騰による価格転嫁が進んでおり、先行き売上への影響が懸念される。
    ・9月の建設工事出来高は9カ月連続の前年比増加。うち、公共工事出来高は15カ月連続の同増加。公共工事・民間工事ともに増加基調が続いている。また、10月の公共工事請負金額も2カ月ぶりに同増加した。
    ・10月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続で前月比改善した。全国旅行支援事業の開始もありサービス関連を中心に回復。一方、先行き判断DIは物価高による消費への悪影響が懸念されることから3カ月ぶりに悪化した。
    ・10月の貿易収支は2カ月連続の黒字だが、黒字幅は前月から縮小。輸出入ともに過去最高額を更新したものの、輸出の伸びは前月より減速し、輸入の伸びが加速したため。
    ・10月の関空への外国人入国者数は前月から大幅増加し単月で10万人を超える水準まで回復。入国者数の上限撤廃など水際対策の大幅緩和が影響した。
    ・10月の中国経済は、COVID-19の感染拡大に応じて一部の都市で行動制限が厳しくなった影響もあり、生産の回復が減速したことに加えて、個人消費は減少した。11月に感染は急激に拡大しており、今後多くの都市で厳しい行動制限が課されることが予想されるため、10-12月期の景気は悪化するだろう。

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  • 稲田 義久

    都道府県別訪日外客数と訪問率:9月レポート No.40

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    【ポイント】

    ・JNTO訪日外客統計によれば、9月の訪日外客総数(推計値)は20万6,500人とコロナ禍の影響が表れ始めた2020年3月の水準(19万3,658人)を上回った。

    ・目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば7月は14万4,578人となった(2019年同月比-95.2%)。うち、観光客は3万315人、商用客は4万616人、その他客は7万3,647人。

    ・10月以降、水際対策の大幅緩和により訪日外客数の一層の回復が見込まれるが、回復のペースは国・地域によって異なる。特に2019年時に訪日外客の30%を占めていた中国ではゼロコロナ政策の影響で、回復が遅れる可能性が高い。

     

    【トピックス1】

    ・関西9月の輸出は19カ月連続で前年比増加し、伸びは前月から加速。また、輸入は20カ月連続の同増加となり、2桁の高い伸びが続く。輸出の伸びが加速し、輸入の伸びが前月から減速した結果、関西の貿易収支は3カ月ぶりに黒字となった。

    ・9月の関西国際空港への訪日外客数は4万1,456人と前月から増加し、コロナ禍の影響が出始めた2020年3月の水準を上回った。

    ・8月のサービス業の活動は行動制限のない夏季休暇もあり改善した。第3次産業活動指数、対面型サービス業指数、観光関連指数は、いずれも3カ月ぶりに前月比上昇。夏季休暇による旅行需要増加もあり、宿泊業などが上昇した。

     

    【トピックス2】

    ・7月の関西2府8県の延べ宿泊者数は7,379.2千人泊。2019年同月比-30.4%と減少幅は3カ月連続で縮小した。

    ・うち日本人延べ宿泊者数は7,274.1千人泊で、2019年同月比-1.9%と減少幅は5カ月連続で縮小し、コロナ禍前の水準を回復しつつある。一方、外国人延べ宿泊者数は105.1千人泊で、同-96.7%と依然大幅減少が続く。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.114-景気は足下、先行きともに改善を見込む: 対面型サービス消費の持ち直し期待も、物価高の加速が懸念材料-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 盧 昭穎 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 山守 信博

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに改善を見込む。足下、生産は増産だが、回復のペースは弱い。雇用環境・消費・センチメントは持ち直しが続く。先行きは全国旅行支援事業の開始やインバウンド需要回復の期待もあり対面型サービス消費を中心に改善を見込むが、物価高の加速が懸念材料である。
    ・COVID-19の新規陽性者数は減少が続いた後、足下で増加傾向へ転じている。政府による全国旅行支援事業や入国上限撤廃により対面型サービス消費の回復は期待できるものの、持続的な医療体制へのケアは必要である。
    ・8月の生産は電気・情報通信機械などの増産もあり、2カ月ぶりの前月比上昇。7-8月平均は4-6月平均比上昇だが、回復ペースは全国に比して緩慢である。
    ・8月の完全失業率は2カ月連続で改善。就業率もコロナ禍前の水準を超えている。また、有効求人倍率は5カ月連続で改善した。総じて、雇用情勢は回復基調を維持している。
    ・7月の関西2府4県の現金給与総額は、名目で17カ月連続の前年比増加。一方消費者物価指数の上昇により、実質では5カ月連続の減少となった。物価高は当面続くと見込まれるため、実質賃金はマイナスで推移し続けるだろう。
    ・8月の大型小売店販売額は11カ月連続で前年比増加。うち、百貨店は前年の営業自粛に対する反動や、ラグジュアリー商品の値上げ前の駆け込み需要の影響もあり6カ月連続の増加。一方、スーパーは2カ月ぶりの減少となった。
    ・8月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比増加。一方、建設資材の価格が高騰しており、住宅価格への転嫁が進んでいることに注意が必要である。
    ・8月の建設工事出来高は8カ月連続の前年比増加。うち公共工事出来高は14カ月連続の同増加。一方、9月の公共工事請負金額は2カ月ぶりに同減少した。
    ・9月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続の前月比改善。新規陽性者数が減少したことで、サービス関連が改善した。先行き判断DIは全国旅行支援事業の開始やインバウンド需要回復への期待から2カ月連続で改善した。
    ・9月の貿易収支は3カ月ぶりの黒字だが、7-9月期でみれば2014年7-9月期以来32四半期ぶりの赤字となった。5四半期連続で輸入の増加幅が輸出の増加幅を上回る状況が続いている。
    ・9月の関空への外国人入国者数は前月から増加しコロナ禍が始まった20年3月の水準を上回った。7-9月期では水際対策緩和の進捗もあり10万人を超える水準となった。
    ・中国の7-9月期実質GDPは前年同期比+3.9%と前期から加速した。しかし、1‐9月期の前年同期比は+3.0%にとどまり、目標成長率(5.5%)の達成は難しいとみられる。ゼロコロナ政策と不動産市場の低迷は今後も景気回復の足かせとなるため、10-12月期の景気は大きな改善が見込まれない。

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  • 稲田 義久

    都道府県別訪日外客数と訪問率:8月レポート No.39

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 松林 洋一 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    【ポイント】

    ・JNTO訪日外客統計によれば、8月の訪日外客総数(推計値)は16万9,800人。2019年同月比でみると前月から減少幅は縮小しているが、依然として90%超の減少が続いており、本格的な回復には至っていない。

    ・目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば6月は12万430人。うち、観光客2万5,879人、商用客6万6,244人、その他客31万4,901人となった。観光客は添乗員付きの団体ツアー客の受け入れ開始の影響もあり、2021年8月以来の水準となった。

    ・10月11日以降、日本の厳格な水際対策が大幅緩和された。1日当たりの入国者数の上限が撤廃され、短期滞在ビザの免除や観光目的の外国人入国者の個人旅行も認可されたこともあり、今後の訪日外客数は、これまで低調であった観光目的を中心に回復が期待されよう。

     

    【トピックス1】

    ・関西8月の輸出は18カ月連続の前年比増加だが伸びは前月から減速。輸入は19カ月連続の同増加となり、2桁の高水準で推移している。輸出の伸びが減速し、輸入の伸びが高水準で推移した結果、関西の貿易収支は2カ月連続の赤字となった。

    ・8月の関西国際空港への訪日外客数は3万4,311人と前月から増加し、コロナ禍の影響が始まった2020年3月と同水準となった。

    ・7月のサービス業の活動はCOVID-19の感染再拡大を受け悪化した。第3次産業活動指数、対面型サービス業指数、観光関連指数はいずれも2カ月連続で前月比低下。感染状況の悪化に伴い外出機会が減少した影響もあり、飲食店、飲食サービス業、旅行業や宿泊業が低下した。

     

    【トピックス2】

    ・6月の関西2府8県の延べ宿泊者数は6,438.8千人泊。 COVID-19の感染状況が改善されていたこともあり2019年同月比-33.1%と前月から減少幅は縮小した。

    ・うち日本人延べ宿泊者数は6,360.0千人泊で、2019年同月比-5.6%と減少幅は4カ月連続で縮小。京都府を除き各府県で減少傾向が続いている。一方、外国人延べ宿泊者数は78.7千人泊で、同-97.3%と依然大幅減少が続く。

     

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.113-景気は足下、先行きともに改善を見込む: 感染状況は落ち着きつつあるも物価高が依然懸念材料-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 郭 秋薇 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 今井 功 / 山守 信博

    ABSTRACT

    ・関西の景気は足下、先行きともに改善を見込む。足下、生産は減産だが、雇用環境・消費・センチメントは持ち直している。先行きは感染状況の落ち着きもあり改善を見込むが依然物価高が懸念材料である。
    ・COVID-19の新規陽性者数は全国、関西ともピークアウトし減少傾向がつづく。政府の対応も陽性者の全数把握の見直しが議論され、入国者への水際対策の緩和も進み、新たなステージに移行しつつある。
    ・7月の生産は化学(除.医薬品)や電気・情報通信機械などの減産もあり、2カ月ぶりの前月比低下。4-6月平均比では小幅上昇にとどまっており全国と比して回復のペースは遅い。
    ・7月は失業率が小幅に低下し、就業者数と労働力人口はいずれも増加した。また、有効求人倍率は4カ月連続で改善した。総じて、雇用情勢は改善傾向を維持している。
    ・6月の関西2府4県の現金給与総額は、名目で16カ月連続の前年比増加。一方消費者物価指数の上昇により、実質では4カ月連続の減少となった。物価高は当面続くと見込まれるため、実質賃金はマイナスで推移し続けるだろう。
    ・7月の大型小売店販売額は10カ月連続で前年比増加。うち、百貨店は猛暑やクリアランスセール等の影響もあり5カ月連続の増加。スーパーは4カ月ぶりの増加だが微増にとどまった。
    ・7月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前月比減少。建設資材の価格が高騰しており、住宅価格への転嫁が進んでいることに注意が必要である。
    ・7月の建設工事出来高は7カ月連続の前年比増加。うち公共工事出来高は13カ月連続の同増加。一方、8月の公共工事請負金額は前月から横ばいとなった。
    ・8月の景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月ぶりに前月比改善だが、新規陽性者数が高水準で推移していたこともあり、改善のペースは緩慢。先行き判断DIは感染状況が落ち着くとの期待もあり3カ月ぶりの改善となった。
    ・8月の貿易収支は2カ月連続の赤字となった。輸出入とも伸びは前月から減速したが、輸入の伸びが高水準で推移したためである。
    ・8月の関空への外国人入国者数は前月から増加したものの、依然コロナ禍が始まった20年3月の水準にとどまっている。今後、入国者数の上限撤廃や個人旅行受け入れ再開などの水際対策の一層の緩和が望まれよう。
    ・8月の中国経済は、生産と個人消費の回復のペースはいずれも前月から加速した。しかし、不動産市場は依然低迷し、ゼロコロナ政策による行動制限はサービス産業など内需を下押しした。先行きもこれらの下押し要因による影響が続き、7-9月期の景気は大きな改善が見込めない。

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