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「2024年度」の研究・論文一覧

  • 稲田 義久

    日本経済(月次)予測(2024年6月)<6月末発表の月次データ及びGDP2次速報改定を反映し、4-6月期実質GDP成長率を前期比年率+2.5%と上方修正>

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久

    ABSTRACT

    5月発表データのレビュー

    ▶今回の予測では5月末までに発表されたデータを更新。また1-3月期GDP1次速報を追加した。家計消費関連指標、公共工事、及び国際収支状況を除けば、4-6月期GDP推計に必要な基礎月次データのほぼ1/3が更新された。

    ▶GDP1次速報によれば、1-3月期実質GDPは前期比年率-2.0%と2四半期ぶりのマイナス成長。CQM最終予測の予測誤差はほぼ想定内に収まった。

    ▶4月の生産指数は前月比-0.1%と2カ月ぶりのマイナスだが、1-3月平均比+2.6%上昇した。経産省は生産の基調判断を「一進一退ながら弱含み」と据え置いた。

    ▶4月を1-3月平均と比較すれば、建築工事費予定額は+14.0%、資本財出荷指数は+3.0%上昇した。民間住宅や民間企業設備は前期の低迷から回復。1-3月期の実質総消費動向指数は前期比+0.1%と4四半期ぶりの小幅増、公共工事は同+5.6%と3四半期ぶりのプラスとなった。

    ▶4月の輸出入動向(日銀ベース)を1-3月平均と比較すれば、実質輸出額は+1.3%、実質輸入額は+2.9%、それぞれ増加した。実質財貨純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度はマイナスとなっている。

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  • 稲田 義久

    改定版:148回 景気分析と予測<建設総合統計の遡及改定で23年度実質成長率は下方修正 - 実質GDP成長率予測:24年度+0.3%、25年度+1.2% ->

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT
    1. 7月1日発表の1-3月期GDP2次速報改定によれば、実質GDP成長率は前期比年率-2.9%となり、2次速報(同-1.8%)から下方修正された。2四半期ぶりのマイナスと成長率のパターンは前回より変化がなかったが、大幅な下方修正。このため、2024年度への成長の下駄が前回から低下した。2次速報改定で、下方修正されたのは民間住宅と公的固定資本形成である。これらの基礎統計である建設総合統計が4月発表時に過去値が大幅に遡及改定されたためである。
    2. 過去1年の実質成長率を2次速報改定と2次速報を比較すると、2023年1-3月期+0.4%ポイント上方修正だが、4-6月期-0.4%ポイント、7-9月期-0.3%ポイント、10-12月期-0.4%ポイント、24年1-3月期-1.0%ポイントといずれも下方修正となった。結果、23年度の実質成長率は-0.2%ポイント下方修正された。
    3. 2023年度の実質GDPは前年度比+1.0%と3年連続のプラスとなったが、成長率を年度内(前年同期比)でみると-0.8%と3年ぶりのマイナス成長であった。このため、2024年1-3月期の実質GDPは再びコロナ前のピークを割り込んだ。
    4. デフレータを見ると、1-3月期の国内需要デフレータは前期比+0.6%と13四半期連続のプラスだが、交易条件は6四半期ぶりに悪化。結果、GDPデフレータは同+0.5%と6四半期連続で上昇し、名目GDPは前期比年率-0.9%と2四半期ぶりの減少となった。2023年度の名目GDPは前年度比+5.0%と3年連続のプラス。バブル崩壊の影響が残る1991年以来の高成長である。
    5. 1-3月期GDP2次速報改定と新たな外生変数の想定を織り込み、2024-25年度日本経済の見通しを改定。実質GDP成長率を、24年度+0.3%、25年度+1.2%と予測。前回(148回予測)から、24年度を-0.2%ポイント、25年度を-0.1%ポイントそれぞれ下方修正した。24年4-6月期には自動車の減産や輸出の反動減からの回復を予測している。1-3月期の大幅下方修正により24年度成長率への下駄が低下したため、4-6月以降は回復が見込まれるものの、24年度平均成長率は低めにとどまる。内需と純輸出のバランスのとれた回復は25年度となろう。
    6. 実質賃金がプラス反転せず、また自動車減産(耐久消費財大幅減)の影響もあり、1-3月期の実質民間最終消費支出は4四半期連続の減少となり、減少幅も前期から拡大した。実質賃金のプラス反転は、インフレ高止まりの影響が剥落する24年後半以降となろう。加えて、7-9月期には定額減税の効果が表れるため可処分所得の増加も期待できるため、民間消費は緩やかに持ち直そう。
    7. 24年度前半にかけて消費者物価インフレ率は加速する。結果、消費者物価コア指数のインフレ率を、24年度+2.4%、25年度+1.7%と予測する。前回予測から変化なし。GDPデフレータは23年度交易条件改善の裏が出るため、24年度+1.6%、25年度+1.6%となる。
      予測結果の概要
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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.134-景気は現況、先行きともに悪化の兆し: 生産回復が見込まれるが物価上昇加速が景気下押し圧力-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 関 和広 / 野村 亮輔 / 郭 秋薇 / 劉 子瑩 / 吉田 茂一 / 古山 健大 / 宮本 瑛 / 新田 洋介 / 壁谷 紗代

    ABSTRACT
    • 関西の景気の判断は、現況、先行きともに悪化の兆しがみられるとした。現況判断CIは前月差上昇したが、基調判断を引き上げる程度ではなかったために前月から据え置いた。8月には「酷暑乗り切り緊急支援」が実施されるものの、電気・ガス負担軽減策終了につれてエネルギー価格の一時的な上昇が見込まれるため、景気の先行きに対して下押し圧力となろう。
    • 足下、生産は2カ月連続の増産。雇用環境は、失業率が4カ月ぶりに改善したものの、有効求人倍率と新規求人倍率はいずれも低下した。大型小売は、好調なインバウンド需要により百貨店を中心に持ち直している。貿易収支は輸出の伸びが輸入の伸びを上回ったため、4カ月連続の黒字である。
    • 関西4月の生産は、2カ月連続の増産。業種別にみれば、生産用機械は半導体製造装置の増産が影響し、大幅上昇となった。
    • 4月の失業率は前月より改善し、就業者数と労働力人口の大幅な増加がみられた。また、就業率も前月より上昇し、足下の雇用情勢は回復傾向にある。ただし、昨年10‐12月期から1‐3月期にかけて停滞がみられたため、今後の動向に注意を要する。
    • 3月の現金給与総額は4カ月連続の前年比増加となり、伸びは前月より小幅拡大。しかし、物価上昇に追いついておらず、実質賃金の減少が続いている。
    • 4月の大型小売店販売額は31カ月連続の前年比増加となった。うち、百貨店はインバウンドによる高額品の売上が堅調だったことから、26カ月連続のプラス。スーパーは飲食料品などの単価上昇が影響し19カ月連続で増加した。
    • 4月の新設住宅着工戸数は3カ月ぶりに前月比増加。持家が減少したものの、貸家と分譲は増加となり、着工数全体を押し上げた。
    • 4月の建設工事出来高は3カ月ぶりの前年比増加。民間工事、公共工事ともに全国に比して強い。5月の公共工事請負金額は前年比、前月比ともに2カ月連続の増加となった。結果、1-3月期の落ち込みから大幅回復した。
    • 5月の景気ウォッチャー現状判断、先行き判断DIいずれも3カ月連続で前月比悪化。物価の高止まりやコストの上昇が景況感に悪影響を与えている。
    • 5月は輸出入ともに前年比増加となった。輸出は好調な対中国と対欧米の影響で2カ月ぶりに増加に転じた。一方、輸入は対中及び対ASEANが堅調に推移し、対EUが増加に転じたため、2カ月連続で増加した。輸出の伸びが輸入の伸びを上回ったため、貿易収支は4カ月連続の黒字となった。
    • 5月の関空経由の外国人入国者数は過去最高値を更新し、インバウンド需要は好調を維持している。
    • 5月の中国経済は、生産の回復が停滞気味である一方、消費の回復は6カ月ぶりに加速した。しかし、雇用回復の遅れに加えて、不動産市場の不況も短期間での改善が望めないため、消費の更なる加速は期待しにくい。そのため、4-6月期の景気は1-3月期より大きな改善が見込まれないと予想される。

      【関西経済のトレンド】

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  • 野村 亮輔

    都道府県別訪日外客数と訪問率:4月レポート No.59

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    野村 亮輔 / 稲田 義久 / 松林 洋一

    ABSTRACT

    【ポイント】

    ・JNTO訪日外客統計によれば、4月の訪日外客総数(推計値)は304万2,900人。桜の開花シーズンの影響もあり、2カ月連続で300万人超の水準となった。

    ・目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば2月は278万8,224人。うち、うち、観光客は254万8,085人と5カ月連続で200万人を超える水準となった。

     

    【トピックス1】

    ・関西4月の輸出額は前年同月比-1.8%と2カ月ぶりの減少。一方、輸入額は同+1.4%と2カ月ぶりの増加となった。結果、貿易収支は3カ月連続の黒字だが、黒字幅は縮小した。

    ・4月の関空への訪日外客数は77万2,860人となり、過去最高値を更新した。

    ・3月のサービス業の活動は対面型サービス業を中心に悪化した。第3次産業活動指数、対面型サービス業指数いずれも2カ月ぶりの前月比低下。また、観光関連指数は旅行業や旅客運送業が低下に寄与し、4カ月ぶりの同低下となった。

     

    【トピックス2】

    ・1月の関西2府8県の延べ宿泊者数は9,352.4千人泊で、2019年同月比+7.9%と6カ月連続の増加となった。

    ・うち、日本人延べ宿泊者数は6,574.0千人泊で、2019年同月比+5.3%と6カ月連続の増加。また、外国人延べ宿泊者数は2,778.4千人泊で、同+14.5%と7カ月連続で増加した。

     

    【トピックス3】

    ・2024年1-3月期関西(2府8県ベース)の国内旅行消費額(速報)は1兆350億円。新型コロナ5類移行後、初めての年始休暇の影響もあり、宿泊旅行消費、日帰り旅行消費ともに増加した

    ・国内旅行消費額のうち、宿泊旅行消費額は8,158億円、日帰り旅行消費額は2,193億円であった。

     

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  • 木村 福成

    アジア太平洋地域の政治・経済的協力のあり方

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2024年度 » アジア太平洋軸

    RESEARCH LEADER : 
    木村 福成

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    APIR上席研究員 木村 福成 (慶應義塾大学 経済学部 シニア教授、日本貿易振興機構アジア経済研究所所長)

    研究計画

    研究の背景

    岸田首相は4月11日、米議会の上下両院合同会議で “国際秩序守るため大きな責任担う”と日米の結束を呼びかける一方、経済的威圧や「債務の罠」外交で経済的依存を悪用、武器化する中国を非難する演説を行った。
    国際情勢の不安定化が加速する中、一方で東アジア全域において展開されている国際的生産ネットワークは引き続き活発に動いている。
    本プロジェクトでは、経済安保上の利益とグローバル化の経済的利益の間の折り合いをつけながら、国際通商ルールに基づき自由で開かれた経済活動を発展させていくことの重要性を再確認していく。
    国際経済学のみならず、国際法学、政治学ならびに企業研究などさまざまな知見を得ながら、アジア太平洋地域における政治・経済協力のあり方について研究を進めていく。

    分析の手法または現地調査の詳細

    2024年度は昨年度に引き続き、刻々と変化する国際貿易体制の状況を踏まえながら、マクロ的には自由貿易体制の行方、ミクロ的には自由化と国際ルール作りの要点につき、学際的な視点から知見を深めていく。
    米中対立、2つの戦争の影響による地政学的緊張が継続するなか、今年は米中と繋がりながら経済成長を続けるASEANで、むしろ中国のプレゼンスが高まってきている現状を検証しつつ、合わせて活力を維持している東アジアの生産ネットワークの現状や、ルールに基づく国際貿易秩序の行方についても検討していく。
    木村リサーチリーダーによるASEANと日本についての経済研究を軸に、学識者、研究者並びに実務家に登壇いただき、複眼的な見地に立ったディスカッションにつなげる。企業の見識を高め、事業活動に資する情報提供の場としたい。

    期待される成果と社会還元のイメージ

    オープン研究会において、多方面からの理論・実証・政策研究の成果を提供し、企業の方々を中心に還元する。対海外、特にアジア太平洋地域における事業展開戦略の策定に資する。

    研究体制

    研究統括

    本多 佑三  APIR研究統括、大阪大学名誉教授

     

    リサーチリーダー

    木村 福成  APIR上席研究員、慶應義塾大学 経済学部 シニア教授、日本貿易振興機構アジア経済研究所所長
  • 後藤 健太

    サステイナビリティと人権

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2024年度 » アジア太平洋軸

    RESEARCH LEADER : 
    後藤 健太

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    APIR主席研究員 後藤 健太(関西大学経済学部 教授)

    研究計画

    研究の背景

    アジアにおけるビジネス戦略を考えるうえで、SDGs(Sustainable Development Goals)の達成、ESG投資、持続可能なサプライチェーンの構築は欠かせない視点である。
    2019年度から5年にわたり、これらの視点(人権を含む)を持った企業経営やグローバル・バリューチェーンの重要性を情報発信するとともに、具体的な事例(22年度:ベトナムのエビ養殖バリューチェーン、23年度:繊維産業のバリューチェーンとSDGs経営の実態)の調査研究を通じ、SDGs経営のあり方や実装化の課題について議論を深めてきた。
    2025年大阪・関西万博の開幕まで準備が進む中で、日本・関西企業のSDGs経営とその視点(人権を含む)に対してこれまで以上に国際社会からの注目が集まっている。そのため、当研究から得られる今後取り組むべき対応や進むべき道筋の示唆、企業や消費者のSDGsを重視した行動変容に資する情報発信に期待が高まっている。

    研究内容

    国際社会から求められるSDGs経営のレベルと日本企業の対応状況とのギャップを明らかにするとともに、SDGs経営(人権を含む)に対する意識をどのようにして高めてゆくか、グローバル・バリューチェーン全体に対してどのようにSDGs経営を担保するか、SDGs経営の実装化の課題について、引き続き議論を深めてゆく。

    期待される成果と社会還元のイメージ

    ■サスティナビリティ(人権含む)視点を取り入れたグローバル・バリューチェーンの構築やSDGs経営の実装化に取り組む企業や団体の一助となる。
    ・SDGs経営等に取り組む企業側のメリット(取り組まないことによるデメリット)の提示。
    ・2025年4月より開催予定の大阪・関西万博にむけた人権を含む持続可能性の社会的側面の重要性に関わる啓蒙。

    これからアジア進出を予定している企業に対してはアジアにおけるビジネス展開の際の留意事項として、既に進出済みの企業に対しては早急に対策すべき課題として、取り組むための動機付けや事業展開策定等に資する。

    研究体制

    研究統括

    本多 佑三  APIR研究統括、大阪大学 名誉教授

     

    リサーチリーダー

    後藤 健太   APIR主席研究員、関西大学経済学部 教授

     

    リサーチャー

    菊池 淳子  日本工営株式会社 サスティナビリティデザイン室長
    草郷 孝好  関西大学 社会学部社会システムデザイン専攻 教授
    佐井 亮太  コーエイリサーチ&コンサルティング 主任コンサルタント
    佐藤 寛   開発社会学舎 主宰
    田中 竜介  ILO駐日事務所 プログラムオフィサー/渉外・労働基準専門官

     

    オブザーバー

    新井裕二  イオン株式会社リスクマネジメント統括部イオンサプライヤーCoC事務局
    藤馬裕一  株式会社三菱総合研究所営業本部コーポレートベンチャー、連携推進グループ万博推進室兼務海外事業本部中東事業グループ プロデューサー
    間田伸一郎 経済産業省地域経済産業グループ 地域経済産業調査員
  • 下條 真司

    関西・大阪における都市ぐるみ、都市レベルのDX

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2024年度 » 日本・関西経済軸

    RESEARCH LEADER : 
    下條 真司

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    APIR上席研究員 下條 真司(青森大学ソフトウェア情報学部 教授)

    研究の進捗

    6月13日(木)第1回研究会開催

    研究計画

    研究の背景

    日本創生会議で示された「2040年自治体消滅マップ」、いわゆる増田レポートにおいて、人口減少とともに東京圏への人口転入が進み、「2040年までに消滅可能性都市が896に上る」と指摘された。
    その後、2014年に「まち・ひと・しごと創生法」が施行され、地方創生の取組みが進められてきたが、新型コロナの拡大によりテレワークの浸透や地方移住への関心が高まり、2021年11月、岸田内閣のもとで「デジタル田園都市国家構想」の検討が開始された。
    この構想の下で、デジタルを最大限に活用して公共サービス等の維持・強化と地域経済の活性化を図り、社会変革の実現に向けて、地域の個性を生かしながらデジタルの力によって地方創生の取組を加速化・深化させていくこととなっている。また、その際には、個々の事業者による取組だけでは足りず、それぞれの地域全体として個々の事業者を巻き込みながら戦略的に取り組んでいくことを推進し、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」の実現を目指すとしている。

    しかし、国内での取組み以上に、GAFAを中心とした米系プラットフォーマーによるデータ収集と利活用の動きは目覚ましく、本来個人や地域で管理し活用するべきデータが、個人・地域から離れたグローバル・プラットフォーマーが一極集中管理する事態を招いている。

    本研究プロジェクトでは、2023年度の報告内容「地域のデータプラットフォームによる“まちづくり”の必要性」を題材として、今後目指すべき都市OS基盤の在り方について有識者を招いたフォーラム開催により、議論を深めると共に市場関係者への発信を図る。

    研究内容

    ・視点(1) これまでのデジタルプラットフォーム と 予測される未来
    論点① 現在主流となっている集中型プラットフォームの課題
    論点② 集中型プラットフォームが進展した未来社会

    ・視点(2) 脱・集中型プラットフォームに向けた動向
    論点③ 脱・集中型プラットフォームを目指すために
    論点④ 国際ルール連携・データ連携の重要性

    ・視点(3) 地域のデータプラットフォームによる“まちづくり”
    論点⑤ データの地産地消
    論点⑥ デジタル民主主義の実現に向けた仕組み

    期待される成果と社会還元のイメージ

    ・大阪府市のスーパーシティ、都市OS、万博へのアピールに向けた提言。
    ・産官学・各社の枠を超えた、DX/スマートシティの諸課題に関する情報共有と議論の場。

    ・企業各社は、DX/スマートシティ構築に関する事業戦略立案。
    ・自治体が地域データプラットフォームを推進するための制度検討。
    ・フォーラムは、DX/スマートシティ構築に関する各社が交流の場とすることで、実証実験のパートナーやきっかけを作る機会となる。

     

    研究統括

    宮原 秀夫  APIR所長

     

    リサーチリーダー

    下條 真司  APIR上席研究員、青森大学ソフトウェア情報学部 教授

     

    リサーチャー

    岸本 充生  大阪大学データビリティフロンティア機構 教授
    木多 道宏  大阪大学 大学院工学研究科 教授

     

    オブザーバー

    行政、団体、民間企業、より適宜参加を要請
  • 中塚 雅也

    地産地消型の地域経済圏~「食と農」でつなぐコミュニティモデル~

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2024年度 » 日本・関西経済軸

    RESEARCH LEADER : 
    中塚 雅也

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    APIR主席研究員 中塚 雅也(神戸大学大学院農学研究科 教授)

    研究の進捗

    6月5日(水) 第1回研究会開催

    研究計画

    研究の背景

    日本全体で人口減少が進む中、都市部と地方部で一体化した新たな地域経済圏の構築が今後必要となる。この地域経済圏の実現には、地方の基幹産業である「農業」を儲かるビジネスにすることが、重要なアプローチの一つとなる。

    現在、日本の農業が置かれている状況は、以下に示す通りである。

    (ⅰ)国内の農業就業者は、人口減少と平均年齢の上昇が続き、農業の担い手を増やすことが急務となっている。(図1)

    (ⅱ)地方移住の阻害要因として、農業分野の平均所得の低さが指摘されており、『農業を儲かるビジネスにする』ことが必要である。(図2)

    (ⅲ)政府は、農地集積・大規模化する方針だが、中山間地域の集積が足踏み状態。関西では中山間地域が50%と全国平均より高く(図3)、大規模化が困難のため、『高付加価値の野菜・果樹栽培』が今後進む可能性がある。

    本研究プロジェクトでは、日本の中でも都市と地方が近接する強みを持つ関西で、『都市と地方を一体化した地産地消型コミュニティによる“儲かる農業”』の実現方法を提案する。

    研究内容

    以下の3つの分析観点から、フィールドワーク・ヒアリング調査を進めて、事例評価とコミュニティ実現に向けた課題をまとめる。

    (ⅰ)都市部農空間の地方との連携方法
    マルシェ・市民農園の活用
    ex)うめきた2期グラングリーン、卸売市場(木津・西宮)の地方交流拠点化など

    (ⅱ)農産地のファン化を促す交流モデル
    農業学習・人的交流をセットにした観光農園・農業体験による関係人口の増加
    地方での体験・人的交流を基に、観光→援農→移住体験を促す移住者獲得プログラム

    (ⅲ)地産地消を支える中小規模流通モデル
    都市部・地方部の双方で集荷拠点を集約して相乗り配送を増やし、個配を無くす事例の収集・評価

    期待される成果と社会貢献のイメージ

    ・企業各社による、SDGs・地域貢献・健康経営の観点での取組み/参画方法に利用
    ・交通・流通業界による、地産地消型コミュニティ実現に向けた効率的な流通基盤の在り方検討
    (ex)貨客混載・小さな拠点の実現方法の検討に利用
    ・観光業界・地方自治体による、食と農でつなぐ広域周遊ツーリズムの検討に利用

    研究体制

    研究統括

    本多 佑三  APIR研究統括、大阪大学 名誉教授

     

    リサーチリーダー

    中塚 雅也  APIR主席研究員、神戸大学大学院農学研究科 教授

     

    リサーチャー

    石田 奈津子 ブリコルーズ合同会社 代表、駒澤大学 研究員
    武田 重昭  大阪公立大学大学院農学研究科 准教授
    若菜 千穂  いわて地域づくり支援センター 常務理事
  • 稲田 義久

    人口減少下における活力ある関西を目指して~2050年を見据えて~

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2024年度 » 日本・関西経済軸

    RESEARCH LEADER : 
    稲田 義久

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    APIR研究統括兼数量経済分析センター長 稲田 義久

    研究計画

    研究の背景

    2024年4月に人口戦略会議は、全国地方自治体の「持続可能性」についての分析レポートを発表した。その中で、2020年から2050年までの間に若年女性人口の減少率が50%以上になる自治体(消滅可能性自治体)は全国1,729のうち744(43%)あるとし、関西は全198のうち門真市等81の自治体(41%)が該当している。まずは、この状況が前回2014年のレポートと比較して改善しているのか、そして今何が問題になっているかを把握する必要がある。

    国立社会保障・人口問題研究所(以下、社人研)の最新の推計によると、日本の総人口は2023年の1億2,435万人から2056年に1億人を割り、2070年には8,700万人になるとされている。特に関西(2府4県)は、全国や関東に比べて人口減少のスピードが速い。社人研の推計を基に2022年~2050年の減少率をみると、全国-19.4%、関東-7.5%に対し、関西は-23.3%となる。

    また、高齢化の進行も厳しい。社人研の推計によると2050年には生産年齢人口が5,540万人と2023年(7,395万人)比25.1%の減少、およそ4人に1人が75歳以上になるとされている。将来の労働力となる子どもの出生数も年々減少しており、人手不足によって社会インフラの維持が困難になる可能性も指摘されている。

    人手不足は足下でも深刻である。帝国データバンクによると、2023年の人手不足を理由とした倒産件数は260件で前年比1.9倍(前年:140件)と過去最多を更新した。業種別では建設業や運輸業が多く、生活に必要不可欠な職種(エッセンシャルワーカー)の人手不足は深刻である。

    一方で、労働参加率を上げ、特にサービス業の生産性を向上させれば人口が減少しても問題ないとする議論もあるが、最適解はどこにあるかについて検討する必要があると考える。

    そこで、全国に比して人口減少・高齢化が厳しい関西において、人口や労働等に関する様々な基礎データを整理し、加えてAPIRがこれまで蓄積してきたデータベースや知識を組み合わせながら総合的に分析しつつ、データを可視化することで、関西各府県及び自治体の特徴と課題を明らかにする。そして中長期的な視点で、この先人口が減っても豊かさと活力を維持・向上させていくための方策を模索していきたい。

    研究内容

    ●関西基礎統計の整理
    ・労働に関する基礎データ(就業構造基本調査、賃金構造基本統計調査 等)を基に、関西の地域別、産業別、企業規模、性別、年齢別の5軸でデータベースを構築し、県民経済計算に対応できるようなシステム開発及びメンテナンスを行う。
    ・地域別将来人口推計データを整理しつつ、足下と比較して関西の特徴を明らかにする。

    ●関西における詳細なデータ分析と労働需給分析
    ・整理したデータベースを基に産業構造や雇用構造、年齢構造、賃金構造等から、関西が抱える労働問題を総合的に明らかにする。
    ・介護、建設、宿泊サービスの分野に焦点を絞って詳細なデータ分析を行い、どの職種に労働需給のミスマッチが起きるのかを明らかにし、中長期視点で解決策を検討する。

    ●経済成長を維持し、持続可能な社会をつくるための施策の検討
    ・労働需給の課題に対してどのような処方箋が考えられるか、有識者等から様々な視点での知見をもらい、関西において実現できる未来の姿を模索する。

    期待される成果と社会還元のイメージ

    ・マクロデータの分析成果(関西経済白書、トレンドウォッチ)
    ・人口減少による人手不足の課題の共有化(研究会等での情報提供と議論)

    ・人手不足(特に介護、建設、宿泊分野)の解消に向けた対応の検討
    ・人口減少下においても人手不足を補い経済力を維持するための施策の立案

    研究体制

    研究統括・リサーチリーダー

    稲田 義久  APIR研究統括兼数量経済分析センター長、甲南大学 名誉教授

     

    サブリサーチリーダー

    松林 洋一  APIR主席研究員、神戸大学大学院経済学研究科 教授

     

    リサーチャー

    野村 亮輔  APIR副主任研究員
    吉田 茂一  APIR研究推進部員
    古山 健大  APIR研究推進部員
  • 高林 喜久生

    関西地域間産業連関表2015年表の利活用:2020年表作成に向けての準備

    研究プロジェクト

    研究プロジェクト » 2024年度 » 経済予測・分析軸

    RESEARCH LEADER : 
    高林 喜久生

    ABSTRACT

    リサーチリーダー

    APIR上席研究員 高林 喜久生(大阪経済法科大学経済学部 教授)

    研究計画

    研究の背景

    関西2府8県+1地域を対象地域とする唯一無二の地域間産業連関表である。本研究プロジェクトでは、これまで様々な事象による経済社会活動に対する影響について産業連関表を用いて府県別・産業部門別に推計してきている。今後関西においては、2025年大阪・関西万博をはじめとするイベントの開催、さらにIRを機とした新たな産業の展開が予想され、産業連関表を用いた様々な経済分析が重要である。

    研究内容

    ・関西地域間産業連関表2020年版の作成に向けたWebアンケート調査の実施
    ・2020年時点と2023年時点のデータを取得し、コロナ禍と平時の比較分析
    ・関西地域間産業連関表2015年版を使用し、各種イベントの経済分析
    ・国、大阪府市、APIRの3機関による大阪・関西万博の経済波及効果を比較・分析
    ・対中貿易減速による関西各府県への影響についての分析
    ・関西地域間産業連関表2015年版を用いた経済構造の分析、2011年版との比較分析
    ・分析結果を関西経済白書やAPIRの各種レポートに掲載、マスコミ取材時、セミナー等における経済波及効果試算の一層のPR

    期待される成果と社会貢献のイメージ

    地域間産業連関表を用いることで、関西における府県間・産業間の相互取引関係・供給構造の分析や、経済波及効果の推計を通じた政策評価を客観的かつ定量的に行うことが可能となる。

    これらの分析結果は、自治体の担当者にとっても、政策形成を行ううえでの重要な指針となるだけでなく、関西経済の現状および構造的特徴を説明する際の貴重な資料として活用されることが期待できる。

    研究体制

    研究統括

    稲田 義久  APIR研究統括兼数量経済分析センター長、甲南大学名誉教授

     

    リサーチリーダー

    高林 喜久生 APIR上席研究員、大阪経済法科大学経済学部教授

     

    リサーチャー

    下田 充   日本アプライドリサーチ研究所主任研究員
    下山 朗   大阪経済大学経済学部教授
    入江 啓彰  近畿大学短期大学部商経科教授
  • 稲田 義久

    日本経済(月次)予測(2024年5月)<5月末の統計集中発表日のデータを更新して、4-6月期の実質GDP成長率予測を前期比年率+2.0%に上方修正>

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久

    ABSTRACT

    5月発表データのレビュー

    ▶今回の予測では5月末までに発表されたデータを更新。また1-3月期GDP1次速報を追加した。家計消費関連指標、公共工事、及び国際収支状況を除けば、4-6月期GDP推計に必要な基礎月次データのほぼ1/3が更新された。

    ▶GDP1次速報によれば、1-3月期実質GDPは前期比年率-2.0%と2四半期ぶりのマイナス成長。CQM最終予測の予測誤差はほぼ想定内に収まった。

    ▶4月の生産指数は前月比-0.1%と2カ月ぶりのマイナスだが、1-3月平均比+2.6%上昇した。経産省は生産の基調判断を「一進一退ながら弱含み」と据え置いた。

    ▶4月を1-3月平均と比較すれば、建築工事費予定額は+14.0%、資本財出荷指数は+3.0%上昇した。民間住宅や民間企業設備は前期の低迷から回復。1-3月期の実質総消費動向指数は前期比+0.1%と4四半期ぶりの小幅増、公共工事は同+5.6%と3四半期ぶりのプラスとなった。

    ▶4月の輸出入動向(日銀ベース)を1-3月平均と比較すれば、実質輸出額は+1.3%、実質輸入額は+2.9%、それぞれ増加した。実質財貨純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度はマイナスとなっている。

     

    4-6月期実質GDP成長率予測の動態

    ▶今回のCQM(支出サイド)は、4-6月期実質GDP成長率を前期比年率+2.0%、生産サイドは同+2.4%、平均同+2.2%と予測する。市場コンセンサス(同+2.10%)は支出サイドとほぼ同じ成長率を予測(図表1参照)。

    図表1

     

    4-6月期インフレ予測の動態

    ▶4月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+2.2%と32カ月連続の上昇だが、インフレ率は2カ月連続で前月から縮小。一方、コアコア指数(除く生鮮食品及びエネルギー)は同+2.4%と25カ月連続の上昇だが、インフレ率は8カ月連続で減速している。

    ▶今回のCQMは、4-6月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+0.4%、国内需要デフレータを同+0.6%と予測。交易条件は悪化するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.3%と予測する(図表2参照)。

    図表2

    PDF
  • 高林 喜久生

    大阪・関西万博の経済波及効果 -3機関による試算の比較-

    インサイト

    インサイト » トレンドウォッチ

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    高林 喜久生 / 入江 啓彰 / 下田 充 / 下山 朗 / 稲田 義久 / 野村 亮輔

    ABSTRACT

    本稿では3機関(経済産業省、大阪府市、アジア太平洋研究所(以下、APIR))の産業連関表による大阪・関西万博の経済波及効果の試算を比較し、試算結果の違いを分析した。その結果、各機関が想定した最終需要の大きさが違うこと、取り扱う最終需要の範囲が異なること、加えて産業連関表の対象地域が異なることが、経済波及効果の違いを生じさせていることが明らかとなった。分析を整理し、得られた含意は以下の通りである。

     

    1. 経済波及効果を比較するうえで、まず最終需要の想定が重要である。最終需要のうち、万博関連事業費(建設投資・運営・イベント・その他)及び来場者消費において、APIRが経済産業省及び大阪府市の想定を上回っている。
    2. 経済産業省と大阪府市は発生した需要額(発生需要)をそのまま用いて経済波及効果を計算しているのに対し、APIRでは2府8県以外のその他地域分を除いた直接需要ベースで行っており、そこからも効果の違いが表れている。
    3. 経済産業省は全国表、APIRは2府8県とその他地域の産業連関表を含む関西地域間産業連関表を用いているので、両者がカバーする地域は同一である。そのため、経済波及効果を発生需要もしくは直接需要で除した両者の乗数には大きな違いはない。一方、大阪府域への経済波及効果はAPIRの方が大きい。理由は、大阪府市が用いている産業連関表は大阪府内を対象とするものであり、府県間をまたいだ経済波及効果を考慮できないためである。
    4. より高い経済効果を実現するためにも来場者消費の効果の引上げが重要となろう。そのためにもAPIRが主張する「拡張万博」のコンセプトが重要であり、それに基づいた旅行コンテンツの一層の磨き上げが重要となる。
    PDF
  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.69 -足踏み局面から緩やかな持ち直しへ:先行きの回復は企業の賃上げペース次第-

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 小川 亮 / 郭 秋薇 / 劉 子瑩 / 野村 亮輔 / 吉田 茂一 / 古山 健大

    ABSTRACT
    1. 2024年1-3月期の関西経済は、足踏み状況から緩やかな持ち直しに向かう局面にある。家計部門では、消費者センチメント、所得、雇用など力強い回復には至らないものの、底打ちの兆しが見られる。企業部門では、生産は自動車工業の大幅減産で弱い動きであるが、景況感は堅調である。対外部門では、インバウンド需要はコロナ禍前の水準以上に回復しており、財輸出は持ち直してきている。
    2. 家計部門は一部に弱い動きも見られるが、緩やかに持ち直しつつある。大型小売店販売、センチメント、所得、雇用など多くの指標で回復ないし持ち直しの動きとなっている。実質賃金も依然として前年比マイナスが続いているが、底打ちの兆しが見られる。一方、住宅市場は低調である。
    3. 企業部門は、足踏みの状況が続いている。生産は自動車工業の大幅減産で弱い動きとなっている。設備投資計画は、非製造業で前年の反動が見られるなど全国に比べてやや控えめとなっている。景況感は製造業・非製造業ともに堅調に推移している。
    4. 対外部門のうち、財貿易は輸出・輸入ともに底打ちの兆しが見られる。輸出は対中国向けの持ち直しを背景に4四半期ぶりの前年比プラスとなった。インバウンド需要は順調に回復している。関空経由の外国人入国者数、免税売上高など増加傾向が続いている。
    5. 公的部門は、請負金額・出来高とも前年を下回り、弱い動きとなった。
    6. 関西の実質GRP成長率を2024年度+1.2%、25年度+1.4%と予測。22年度以降1%台前半の緩やかな伸びが続く。24年度は日本経済を上回る伸びとなる見通し。前回予測に比べて、24年度は-0.3%ポイント、25年度は-0.1%ポイントといずれも下方修正。
    7. 成長に対する寄与を見ると、民間需要は24年度+0.5%ポイント、25年度+1.0%ポイントとなり、緩やかな回復で成長を支える。公的需要は万博関連の投資により24年度+0.4%ポイントと成長を下支えるが、25年度には万博効果が剥落し、小幅寄与となる。域外需要は24年度+0.3%ポイント、25年度+1%ポイントとなる。
    8. 経済成長率を日本経済予測と比較すると、24年度は関西が全国を上回り、25年度はほぼ同程度となる。24年度は設備投資や公共投資など万博関連需要の押し上げにより全国を上回る伸びとなる。25年度は関西、全国とも民間需要が成長の牽引役となる。
    9. 今号のトピックスでは「関西各府県GRPの早期推計」および「各機関における大阪・関西万博の経済波及効果の比較」を取り上げる。

     

    予測結果表

     

    ※説明動画は下記の通り5つのパートに分かれています。

    ①00’00”~01’42”: Executive summary

    ②01’42”~26’14”: 第148回「景気分析と予測」 <自動車減産の影響は一時的、緩やかな回復を予測>

    ③26’14”~36’10”: Kansai Economic Insight Quarterly No.69 <足踏み局面から緩やかな持ち直しへ―先行きの回復は企業賃上げペース次第―>

    ④36’10”~38’45”: トピックス1 <関西2府4県GRPの早期推計>

    ⑤38’45”~43’34”: トピックス2 <大阪・関西万博の経済波及効果—3機関による試算の比較->

  • 稲田 義久

    148回景気分析と予測:詳細版<自動車減産の影響は一時的、緩やかな回復を予測 - 実質GDP成長率予測:24年度+0.5%、25年度+1.3% ->

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT
    1. 5月16日発表のGDP1次速報によれば、1-3月期実質GDPは前期比年率-2.0%減少し、2四半期ぶりのマイナス成長となった。実績は市場コンセンサス(ESPフォーキャスト5月調査)の最終予測(同-1.17%)から下振れた。またCQM最終予測(支出サイド)は同-1.4%となり、予測誤差はほぼ想定内に収まった
    2. 1-3月期の実質GDP成長率(前期比-0.5%)への寄与度を見ると、国内需要は同-0.2%ポイントと4四半期連続のマイナス寄与。うち、民間需要は同-0.4%ポイントと4四半期連続のマイナス寄与。民間最終消費支出、民間住宅及び民間企業設備はいずれも減少した。一方、純輸出も同-0.3%ポイントと2四半期ぶりのマイナス寄与となった。不正問題発覚に伴う自動車減産の影響が民間最終消費支出、民間企業設備や輸出の減少に表れたようであるが、影響は一時的にとどまろう
    3. 結果、2023年度の実質GDPは前年度比+1.2%と3年連続のプラスとなったが、成長率を年度内(前年同期比)でみると-0.4%と3年ぶりのマイナス成長であった。このため、2024年1-3月期の実質GDPは再びコロナ前のピークを5%割り込んだ。
    4. デフレータを見ると、1-3月期の国内需要デフレータは前期比+0.7%と13四半期連続のプラスだが、交易条件は6四半期ぶりに悪化した。結果、GDPデフレータは同+0.6%と6四半期連続で上昇し、名目GDPは前期比年率+0.4%と2四半期連続の増加となった。2023年度の名目GDPは前年度比+5.3%と3年連続のプラス、バブル崩壊の影響が残る1991年以来の高成長となった。
    5. 1-3月期GDP1次速報と新たな外生変数の想定を織り込み、2024-25年度日本経済の見通しを改定。実質GDP成長率を、24年度+0.5%、25年度+1.3%と予測。前回(147回予測)から、24年度を-0.3%ポイント下方修正、25年度を+0.2%ポイント上方修正した。24年4-6月期は自動車の減産や輸出の反動減からの回復を予測している。4-6月期以降は強めの回復を見込むが、1-3月期のマイナス成長のため24年度成長率への下駄が低下した。このため24年度平均成長率は低めにとどまる。25年度は内需と純輸出のバランスのとれた潜在成長率を上回る回復となろう。
    6. 8四半期連続の実質賃金減少と自動車減産(耐久消費財大幅減)の影響もあり、1-3月期の実質民間最終消費支出は4四半期連続の減少となり、減少幅も前期から拡大した。実質賃金のプラス反転は、昨年春闘を上回る賃上げが実現し、インフレ高止まりの影響が剥落する、24年後半以降となろう。また、7-9月期には定額減税の効果から可処分所得の増加も期待できるため、民間消費は緩やかに持ち直そう。
    7. 2024年夏場にかけ消費者物価インフレ率は加速する。結果、消費者物価コア指数のインフレ率を、24年度+2.4%、25年度+1.7%と予測する。前回予測から+0.4%ポイント、+0.3%ポイントそれぞれ上方修正した。GDPデフレータは23年度交易条件改善の裏が出るため、24年度+1.4%、25年度+1.5%となる。

     

    予測結果の概要

     

    ※説明動画は下記の通り5つのパートに分かれています。

    ①00’00”~01’42”: Executive summary

    ②01’42”~26’14”: 第148回「景気分析と予測」 <自動車減産の影響は一時的、緩やかな回復を予測>

    ③26’14”~36’10”: Kansai Economic Insight Quarterly No.69 <足踏み局面から緩やかな持ち直しへ―先行きの回復は企業賃上げペース次第―>

    ④36’10”~38’45”: トピックス1 <関西2府4県GRPの早期推計>

    ⑤38’45”~43’34”: トピックス2 <大阪・関西万博の経済波及効果—3機関による試算の比較->

  • 小川 亮

    関西2府4県GRPの早期推計 No.3

    経済予測

    経済予測 » 関西2府4県GRPの早期推計

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    小川 亮 / 稲田 義久 / 吉田 茂一

    ABSTRACT

    【関西各府県のインバウンド消費の影響】

    ・2023年度の早期推計値をみれば、年度最終四半期の工業生産の落ち込みが影響し、大阪府を除いてすべての府県で前年比減少となっている。一方で、大阪府は同+1.1%と比較的好調を維持している。プラスを維持する要因の一つは、好調なインバウンド消費と考えられるだろう。

     

    【ポイント】

    ・2020年度のGRPは、COVID-19の経済的影響のもと、関西各府県のマイナスの寄与度が大きく増し、国全体(-4.1%)に近いマイナス成長。

    ・2021年度には、21年度には、反転して関西全体で+3.3%のプラス成長であった。

    ・2022年度では+1.1%となり回復の傾向が続いたが、23年度はインバウンドの押上げ効果があるなか製造業による不振が相殺した結果として-0.7%のマイナス成長になると予想される。

     

    コロナ禍からの回復過程(2019年度=100)
    PDF
  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.133-景気は足下、先行きともに悪化の兆し: 生産回復が見込まれるが物価の高止まりがリスク要因-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 関 和広 / 野村 亮輔 / 郭 秋薇 / 劉 子瑩 / 吉田 茂一 / 古山 健大 / 宮本 瑛 / 新田 洋介 / 壁谷 紗代

    ABSTRACT
    • 関西の景気は、足下、先行きともに悪化の兆しがみられる。足下、生産は3カ月ぶりの増産だが、1-3月期は大幅な落ち込み。雇用環境は、失業率は横ばいだが、就業者数と労働者数が減少しており回復に停滞がみられる。大型小売は、堅調なインバウンド需要が影響し持ち直している。貿易収支は3カ月連続の黒字だが、黒字幅は縮小。先行きは自動車の生産回復が見込まれているものの、消費者物価の高止まりが景気の下押しリスクとなっている。
    • 輸送機械、生産用機械や電子部品・デバイス等の増産もあり、3月の生産は3カ月ぶりに前月比上昇した。しかし、1-3月期は、輸送機械の落ち込みが影響し、大幅減産となった。
    • 3月の失業率は前月からほぼ横ばいだが、就業者数と労働力人口に減少がみられた。また、就業率も前月より低下した。足下の雇用情勢に改善はみられず、労働需給はともに低調である。
    • 2月の現金給与総額は3カ月連続の前年比増加となり、伸びは前月より拡大した。しかし、物価上昇に追いついておらず、実質賃金の減少が続いている。
    • 3月の大型小売店販売額は30カ月連続の前年比増加となった。うち、百貨店はインバウンド需要の増加やオケージョン需要が堅調だったことから、25カ月連続のプラス。スーパーも18カ月連続で拡大した。
    • 3月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前月比減少。持家、分譲は増加となったが、貸家は減少した。依然弱い動きとなっている。
    • 3月の建設工事出来高のうち、公共工事は3カ月連続の前年比減少。一方、4月の公共工事請負金額は4カ月ぶりに増加に転じた。
    • 4月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で前月から悪化。円安による輸入コストの上昇や物価の高止まりが影響した。また、先行き判断DIも引き続き警戒感が強いこともあり、2カ月連続で悪化した。
    • 4月の輸出は2カ月ぶりに前年比減少。中国向けは2カ月連続で持ち直したものの、EUと米国向けが大幅減少したためである。一方、輸入は2カ月ぶりの前年比増加。結果、貿易収支は3カ月連続の黒字だが、黒字幅は前年比縮小。
    • 4月の関空経由の外国人入国者数は桜の開花時期でインバウンド需要が高まり、開港以来最高値を更新。外国人入国者数は堅調に推移している。
    • 4月の中国経済は、生産は堅調な推移が続くが、消費の回復には停滞感が強まっている。雇用回復の遅れと不動産市場の不況には依然として大きな改善が見られない。そのため、4-6月期の景気は1-3月期より大きな改善が見込まれないと予想される。

    【関西経済のトレンド】

    PDF
  • 稲田 義久

    148回景気分析と予測:速報版<自動車減産の影響は一時的、緩やかな回復を予測 - 実質GDP成長率予測:24年度+0.5%、25年度+1.3% ->

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT
    1. 5月16日発表のGDP1次速報によれば、1-3月期実質GDPは前期比年率-2.0%減少し、2四半期ぶりのマイナス成長となった。実績は市場コンセンサス(ESPフォーキャスト5月調査)の最終予測(同-1.17%)から下振れた。またCQM最終予測(支出サイド)は同-1.4%となり、予測誤差はほぼ想定内に収まった。
    2. 1-3月期の実質GDP成長率(前期比-0.5%)への寄与度を見ると、国内需要は同-0.2%ポイントと4四半期連続のマイナス寄与。うち、民間需要は同-0.4%ポイントと4四半期連続のマイナス寄与。民間最終消費支出、民間住宅及び民間企業設備はいずれも減少した。一方、純輸出も同-0.3%ポイントと2四半期ぶりのマイナス寄与となった。不正問題発覚に伴う自動車減産の影響が民間最終消費支出、民間企業設備や輸出の減少に表れたようであるが、影響は一時的にとどまろう。
    3. 結果、2023年度の実質GDPは前年度比+1.2%と3年連続のプラスとなったが、成長率を年度内(前年同期比)でみると-0.4%と3年ぶりのマイナス成長であった。このため、2024年1-3月期の実質GDPは再びコロナ前のピークを割り込んだ。
    4. デフレータを見ると、1-3月期の国内需要デフレータは前期比+0.7%と13四半期連続のプラスだが、交易条件は6四半期ぶりに悪化。結果、GDPデフレータは同+0.6%と6四半期連続で上昇し、名目GDPは前期比年率+0.4%と2四半期連続の増加となった。2023年度の名目GDPは前年度比+5.3%と3年連続のプラス。バブル崩壊の影響が残る1991年以来の高成長である。
    5. 1-3月期GDP1次速報と新たな外生変数の想定を織り込み、2024-25年度日本経済の見通しを改定。実質GDP成長率を、24年度+0.5%、25年度+1.3%と予測。前回(147回予測)から、24年度を-0.3%ポイント下方修正、25年度を+0.2%ポイント上方修正した。24年4-6月期には自動車の減産や輸出の反動減からの回復を予測している。1-3月期マイナス成長のため24年度成長率への下駄が低下したため、4-6月以降は回復が見込まれるものの、24年度平均成長率は低めにとどまる。内需と純輸出のバランスのとれた回復は25年度となろう。
    6. 実質賃金がプラス反転せず、また自動車減産(耐久消費財大幅減)の影響もあり、1-3月期の実質民間最終消費支出は4四半期連続の減少となり、減少幅も前期から拡大した。実質賃金のプラス反転は、春闘を上回る賃上げの実現とインフレ高止まりの影響が剥落する24年後半以降となろう。加えて、7-9月期には定額減税の効果が表れるため可処分所得の増加も期待できるため、民間消費は緩やかに持ち直そう。
    7. 24年度前半にかけて消費者物価インフレ率は加速する。結果、消費者物価コア指数のインフレ率を、24年度+2.4%、25年度+1.7%と予測する。前回予測から+0.4%ポイント、+0.3%ポイントそれぞれ上方修正した。GDPデフレータは23年度交易条件改善の裏が出るため、24年度+1.4%、25年度+1.5%となる。

    ※本レポートの詳細版については5/29(水)に公表予定

    予測結果の概要

    PDF
  • 野村 亮輔

    都道府県別訪日外客数と訪問率:3月レポート No.58

    インバウンド

    インバウンド

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    野村 亮輔 / 稲田 義久 / 松林 洋一

    ABSTRACT

    【ポイント】

    • JNTO訪日外客統計によれば、3月の訪日外客総数(推計値)は308万1,600人。イースター休暇や桜の開花シーズンの影響もあり、単月として初めて300万人を超えた。
    • 目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば1月は268万8,478人。うち、観光客は238万6,640人と4か月連続で200万人を超える水準となった。また、商用客は8万8,781人(同-35.9%)、その他客は21万3,057人(同+3.6%)であった。
    • 先行きの訪日外客数は引き続き中国を除くアジア地域や欧米を中心に増加が見込まれよう。また、1人当たりの消費単価が着実に上昇しており、コト消費も増加しつつある。観光立国推進閣僚会議(2024年4月17日)で述べられているように、今後は日本における受入体制の強化に加え、各地域の観光資源の一層の磨き上げがより重要となろう。

    【トピックス1】

    • 関西3月の輸出は前年同月比+1.5%と2カ月ぶりの増加。一方、輸入額は同-13.6%と2カ月ぶりの減少となった。結果、貿易収支は2カ月連続の黒字となり、黒字幅は拡大した。
    • 3月の関空への訪日外客数は77万2,640人となり、開港以来、過去最高値を記録した。
    • 2月のサービス業の活動は対面型サービス業を中心に持ち直した。第3次産業活動指数、対面型サービス業指数いずれも2カ月ぶりに前月比上昇。また、観光関連指数は旅行業
      旅客運送業が上昇に寄与し、3カ月連続の同上昇となった。

    【トピックス2】

    • 1月の関西2府8県の延べ宿泊者数は9,040.0千人泊で、2019年同月比+7.5%と5カ月連続の増加となった。
    • うち、日本人延べ宿泊者数は6,231.0千人泊で、2019年同月比+3.5%と5カ月連続の増加。また、外国人延べ宿泊者数は2,809.0千人泊で、同+17.7%と6カ月連続で増加した。

    【トピックス3】

    • 2024年1-3月期の訪日外国人消費額(速報、全目的ベース)は1兆7,505億円となり、四半期調査としては過去最高額を更新。円安の影響もあり、旅行者の消費意欲が高まり、1人当たりの旅行支出が増加した影響が表れた。
    • 一般客1人当たり旅行支出(全目的)は20万8,760円となった。2019年同期比+41.6%と2四半期連続で増加幅が拡大。欧米豪を中心に単価は着実に上昇しつつある。
    • 1人1泊当たり旅行支出をみれば、2万2,456円となり、2019年同期比+29.5%増加。買物代に比して、娯楽等サービス費等のコト消費に加え、宿泊費が大きく伸びていることが特徴的である。
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  • 稲田 義久

    日本経済(月次)予測(2024年4月)<4月末統計集中発表日のデータを更新して、1-3月期の実質GDP成長率予測を前期比年率-2.9%に上方修正>

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久

    ABSTRACT

    4月発表データのレビュー

    ▶今回の予測では4月末までに発表されたデータを追加。家計消費関連指標、公共工事、及び国際収支状況を除けば、1-3月期GDP推計に必要な基礎月次データをほぼ更新。

    ▶3月の生産指数は前月比+3.8%上昇し3カ月ぶりのプラス。結果、1-3月期は前期比-5.4%と2四半期ぶりのマイナス。生産の基調判断は「一進一退ながら弱含み」。

    ▶1-3月期平均を前期と比較すると、就業者数は+4万人と5四半期連続、雇用者数は+15万人と4四半期連続で、それぞれ増加した。

    ▶1-3月期を前期と比較すれば、建築工事費予定額は-4.8%、資本財出荷指数は-8.4%低下した。1-2月平均を10-12月平均と比較すれば、実質総消費動向指数は-0.2%減少だが、公共工事は+4.5%増加した。民間最終消費、民間住宅投資、民間企業設備と民間需要の低迷が目立つ。

    ▶1-3月期の輸出入動向(日銀ベース)を前期と比較すれば、実質輸出額は-2.5%、実質輸入額は-4.5%それぞれ減少した。財貨の実質純輸出の1-3月期の実質GDP成長率に対する寄与度はプラスだが、サービス支出の寄与度は大幅なマイナスとなろう。

     

    1-3月期実質GDP成長率予測の動態

    ▶今回のCQM(支出サイド)は、1-3月期実質GDP成長率を前期比年率-2.9%、生産サイドは同-1.7%と予測する。市場コンセンサス(同-0.54%)もマイナス成長を予測するが、両モデル平均予測(同-2.3%)はより高め(図表1参照)。

    図表1

    1-3月期インフレ予測の動態

    ▶3月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+2.6%と31カ月連続の上昇だが、インフレ率は2カ月ぶりに前月から縮小。一方、コアコア指数(除く生鮮食品及びエネルギー)は同+2.9%と24カ月連続の上昇だが、インフレ率は7カ月連続で減速している。

    ▶今回のCQMは、1-3月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+0.1%、国内需要デフレータを同+0.3%と予測。交易条件は悪化するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.1%と予測する(図表2参照)。

    図表2
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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.132-景気は足下局面変化、先行きは悪化の兆し: 生産停滞と消費者物価高止まりがリスク要因-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 関 和広 / 野村 亮輔 / 郭 秋薇 / 劉 子瑩 / 吉田 茂一 / 古山 健大 / 宮本 瑛 / 新田 洋介 / 壁谷 紗代

    ABSTRACT
    • 関西の景気は、足下局面変化、先行きは悪化の兆しがみられる。足下、生産は2カ月連続の減産。雇用環境は失業率が前月から小幅悪化したことに加え、就業者数も減少した。消費はインバウンド需要の好調で百貨店を中心に緩やかに改善。貿易収支は2カ月連続の黒字となり、黒字幅は拡大した。先行きは生産の停滞と消費者物価の高止まりがリスク要因となろう。
    • 2月の生産は2カ月連続の前月比低下。前月大幅減産となった輸送機械は増産となったものの、生産用機械の大幅落ち込みが低下に寄与した。
    • 2月の失業率は前月より小幅悪化したと同時に、就業者数も減少に転じた。また、就業率も前月より低下した。雇用情勢に多少の停滞が見られる。なお、足下労働需要の動きは低調である一方、新規求職者数の大幅増加が見られる。
    • 1月の現金給与総額は2カ月連続の前年比増加となったが、伸びは前月より縮小した。結果、実質賃金の減少が続き、減少幅は前月より拡大した。
    • 2月の大型小売店販売額は29カ月連続の前年比増加となった。うち、百貨店はインバウンド需要の増加や春物衣料品などの好調で、24カ月連続のプラス。スーパーも17カ月連続で拡大した。
    • 2月の新設住宅着工戸数は3カ月ぶりの前月比減少。貸家は増加だが、持家、分譲は減少となった。特にマンションの大幅な落ち込みが全体を押し下げた。
    • 2月の建設工事は公共工事が引き続きマイナスとなり2カ月連続の前年比減少。また、3月の公共工事請負金額も3カ月連続の同減少となった。
    • 3月の現状判断DIは2カ月ぶりの前月比悪化。天候不順の影響で春物商材の売行きが伸びなかったことが影響した。また、先行き判断DIも物価やコストの上昇に加え、人手不足への不安感の高まりから2カ月ぶりの悪化となった。
    • 3月の貿易は輸出が2カ月ぶりに前年比増加に転じた。中国向け輸出が好調で、3月としては過去最高額を更新した。一方、輸入は2カ月ぶりに前年比減少し、23年12月以来の2桁マイナスとなった。
    • 3月の関空経由の外国人入国者数は桜のシーズンやイースター休暇の影響もあり、開港以来過去最高値を記録。インバウンド需要は好調に推移している。
      中国の1-3月期実質GDPは前年同期比+5.3%と前期からわずかに加速した。足元は生産の堅調な推移が続くが、雇用回復の遅れと不動産市場の不況は依然として改善が見られず、消費の回復の勢いは鈍化している。そのため、4-6月期の景気は1-3月期より大きな改善が見込まれないと予想される。
    【関西経済のトレンド】

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