研究成果

research

インサイト : コメンタリー

コメンタリーでは最新の社会経済や政策動向等についての考察を行い、特定のトピックスに注目したトレンド・ウォッチを月一回程度発行。ディスカッションペーパーでは分析的・実証的に学術研究を行い、時事テーマに焦点を当てた分析レポートも発行します。

  • CAO THI KHANH NGUYET

    APIR Commentary No.59<「魚か鉄か」― 台湾大手製鉄会社による海洋環境破壊事件からみた海外投資誘致と環境問題>

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    CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    2016年4月半ばにベトナムの中部沿岸で、台湾の製鉄工場の廃液による魚の大量死が500キロ以上にわたって発生した。この事件は、漁業を生業とする漁師にとって一大事であり、また観光産業を重視する地方政府にとっても、外資誘致に取り組んでいる政府にとっても、大きな出来事であった。今回の事件は、経済を発展させるために海外からの資本誘致をひたすら優先させる道を歩んできたベトナムの政策スタンスに対して、大きな警鐘を鳴らすものとなった。本稿では今回の出来事を中心に、海外投資の誘致による工業化の推進と、それによって起こりうる環境汚染問題について、いくつかコメントを述べてみたい。

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  • 木下 祐輔

    APIR Commentary No.58<超高齢社会に臆するな>

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    AUTHOR : 
    木下 祐輔

    ABSTRACT

    2015年の人口統計が相次ぎ発表され、改めて日本が超高齢社会に向かっていることが裏付けられた。少子高齢化が進むにつれて、年金や医療・介護といった社会保障関連費用は急激に増加していく。こうした状況の中、かつては1人の高齢者を多くの現役世代で支える「胴上げ型」だったが、将来は一人が一人を支える「肩車型」になり、将来世代は負担に耐え切れなくなると言われている。

    果たしてその見方は正しいのか。本稿では、「働いている人」が「働いていない人」の面倒を見るという扶養負担という視点で見れば安定して推移していることを確認する。

    就業意欲のある女性や高齢者、障がい者といった人たちがより一層活躍でき、生産性の向上を通じた経済成長を実現できれば、超高齢社会の到来を過度に恐れる必要はない。

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  • 金 賢九

    APIR Commentary No.57<韓国の第20代国会議員総選挙の展望>

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    金 賢九

    ABSTRACT

    韓国では2016年4月13日に第20代国会議員総選挙が予定されている。
    来年は次期大統領選挙も控えていることから、今回の総選挙の結果に自然と注目が集まっている。
    総選挙投票日まで1カ月を切った現在、新聞やニュースでは選挙結果に関する様々な予想が出されており、
    その多くは与党が圧勝すると予想している。

    しかし、こうした見通しを揺さぶるような事件が起きた。それが2月23日から3月2日まで行われた
    「フィリバスター政局」である。本稿では、世界中に報道されたフィリバスターが今後の国政に
    どのような影響を与えるか分析した。

    重要なのは、フィリバスターの反響を受けて、現野党がしっかりとした経済重視の政権公約を
    作りこめるかどうかである。これが成功するならば、与党が過半数を獲得する可能性が高いと
    される事前予想は当たらない可能性もある。

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  • 陳 永峰

    APIR Commentary No.56<台湾政治・経済構造の「大転換」蔡英文「親海遠陸」政権の誕生>

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    陳 永峰

    ABSTRACT

    2016年1月16日に台湾総統選挙及び立法院選挙が行われ、総統選挙においては民進党の蔡英文が、立法院選挙においては民進党が圧勝、政権交代が実現した。本稿においては、選挙結果を左右した背景を検証するとともに、今後の台湾の通商政策等を考察した。

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  • 金 賢九

    APIR Commentary No.55 韓国次期大統領選挙:潘基文国連事務総長への待望論

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    金 賢九

    ABSTRACT

    韓国では、2017年に次期大統領選挙が予定されている。その次期大統領候補として、現国連事務総長である潘基文(パン・キムン)氏への期待が高まっている。その背景には、与野党ともに国民の支持が得られないという深刻な「政権政党の不在」という問題を抱えていることがある。そのため、優れた能力とクリーン(清新)なイメージを持つ潘氏に注目が集まっているとみられる。しかし、一見華々しい話題の影で、今韓国では深刻な経済停滞が生じており、若者を中心に深刻な閉塞感が強まっている。就任から3年が経過し、特筆すべき成果を上げられなかった現政権の政策運営は、まさに今年が正念場となろう。

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  • James Brady

    APIR Commentary No.54<The Yabu Special Zone: An incipient model for agricultural reform and rural revitalisation>

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    James Brady

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  • 林 敏彦

    APIR Commentary No.53<人口減少国ドイツと日本>

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    林 敏彦

    ABSTRACT

    日本の人口減少が始まってしばらく経つ。人口のピークは2009年だった。そこから2100年まで、日本の人口は継続的に減少すると予測されている。しかし、実は、人口減少を経験するのは日本だけではない。

    国連が新しく改定した人口推計の2015年版を調べてみると、人口が21世紀中のどこかで最大値を記録し、2100年にかけて減少していく国の数は155カ国。データに収録されている231カ国のうち、実に67%に当たる。世界の総人口は2100年まで増加を続けるが、ヨーロッパやアジアの高所得国から上位中所得国では人口減少こそが常態となる。

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    APIR Commentary No.52<李克強指数と中国の経済成長率>

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    ABSTRACT

     最近の中国の経済成長率は世界的に大きな関心事となり、その動向が世界の金融市場にも大きなインパクトを与えている。しかし、中国の国家統計局から公表されるGDP成長率は客観的に中国の経済情勢を反映しない場合が少なくないことが中国内外の研究者や市場関係者から古く指摘されてきている。その代表的な人物がほかならぬ中国の首相李克強氏である。李克強氏は、工業電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行貸出残高の3つのデータに基づく指標を用いて、中国経済の動きを判断しているとし、近年はこの李克強指数について言及される機会が増えてきた。
     しかし、この李克強指数が国家統計局公表のGDP成長率より実態に近いとする根拠はない。また、同指数が中国経済の実態をより正確に反映するためには幾つかの修正が必要と思われる。
     そこで、ここでは李克強指数の再推計を試みた。その結果、既存の同指数が、近年、成長率に比して大きく下方に乖離していたことに対し、本稿で推計した同指数は発表された成長率により近い水準となっていることが分かった。本稿の推計によれば、国家統計局の公表データが中国の経済成長率を過大に評価したとは言いがたい。
     また、中国経済はすでに量的拡大を追求する時代を終えており、日本が高度成長が終了してから平均で4%程度の経済成長を続けていたことを考えれば、中国の7%成長は依然として高い水準にあるといえる。さらに、近年の中国経済の規模は従来よりも大きくなっていることから、例えば2014年度のGDP増分はインドネシア一国のGDP総額に匹敵する。このことからも、中国が世界経済を牽引する力は依然として大きく、成長率の低下について過度に悲観的になる必要はないと考えられる。

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  • 林 敏彦

    APIR Commentary No.51<民主主義はペイするか>

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    AUTHOR : 
    林 敏彦

    ABSTRACT

    世界にはなぜ豊かな国と貧しい国があるのか、過去20年間で最も高い成長を遂げた国はどのような国か。アジアの中所得国は政治的民主化を遂げなければ、高所得国に移行できないのだろうか。こうした問題を解明する上では経済モデルにも限界がある。そこで、経済のパフォーマンスを非経済変数で説明するモデルを考えてみた。初めに、過去20年の平均実質成長率を「人間開発指数(human development index)」「民主主義指数(democracy index)」、「腐敗認識指数(corruption perception index)「グローバル化指数」国際ドルで評価された「一人当たりGDP」の4つの変数で説明することを試みた。

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  • Miles Neale

    APIR Commentary No.50<オーストラリアのAIIB参加表明の背景とは>

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    Miles Neale

    ABSTRACT

    今年3月29日、日米が中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の運営方針に対する懸念を示す中、オーストラリアのアボット首相はAIIBに参加する意向を正式に表明した。アボット政権は当初、AIIBの参加に関してためらいを見せていた。例えば、昨年11月の閣議では、日本とアメリカとの同盟を重視する外務省がAIIBに対する反対の意向を示し、経済成長のためにアジア諸国へのインフラ投資の重要性を訴えた財務相と対立した。議論を重ねた結果、政府は参加を見合わせる方針を新聞等で発表した。しかし、表明期限のわずか2日前、これまでの方針から一転、参加の意向を表明した。

    この一見唐突に見える転換の背景について明らかにしておく必要があろう。本稿では、オーストラリアがAIIBに参加を表明した理由と背景を考察する。検討の結果、参加の判断に影響を及ぼした要因は、①他国の参加、②中国との協議を通じた発言力確保、③オーストラリアの経済戦略という3点であることを示す。

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  • 林 敏彦

    APIR Commentary No.49<長期停滞仮説論争>

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    林 敏彦

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  • 林 敏彦

    APIR Commentary No.48<日本経済は長期的に2%成長を維持できるか>

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    林 敏彦

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  • 林 万平

    APIR Commentary No.47<日本は世界の「クール」な旅行先?>

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    林 万平

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  • 金 賢九

    APIR Commentary No.46<AIIB参加が韓国で議論にならなかった理由とは>

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    金 賢九

    ABSTRACT

    2015年4月11日、韓国は中国が主導するアジアインフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank,以下AIIB)に参加することを決めた。本稿では、参加決定に至るまでの韓国の主要な新聞の論調を振り返ることで、何が論点となってきたか示したい。結論を述べると、韓国では政治的配慮から慎重意見はみられるものの、経済的な利益が期待できることから、いずれの新聞もAIIB参加に賛成で一致しており、反対意見はみられなかった。このようにメディアが大きな関心を持って報じたにも関わらず、一般世論はAIIBや参加決定に対して異論を唱えることはなく、さながら無風状態とも呼べる状況であった。このような状態が生じた理由として、既に国民は「国益」という視点からAIIB参加に賛成で一致しており、それを問題と感じなかったこと、それよりも政治や国内問題解決を優先してもらいたいという意見が大勢を占めていたことなどが考えられる。

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  • 小川 一夫

    APIR Commentary No.45<グローバル化における地域志向のすすめ>

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    小川 一夫

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  • Tiusonco Jose II Opalalic

    APIR Commentary No.44<フィリピンは最終的にAIIBに参加するか>

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    Tiusonco Jose II Opalalic

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  • 木下 祐輔

    APIR Commentary No. 43 <AIIBの実態は中国の国内銀行 日本が果たせる役割は限定的>

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    木下 祐輔

    ABSTRACT

    中国が主導して設立を予定しているアジアインフラ投資銀行(AIIB)に日本が参加するか否かの議論が盛んに行われている。欧州を始めとして50カ国以上からの参加表明がされる中、4月7日に政府はAIIBへの対処方針を発表し、引き続き日本側が求める公正で透明な組織運営の確約、国際基準の確保を求めていくこととして参加を見送った。しかし、大手メディアや一部識者、野党からは未だに「外部から批判するのではなく、内部に入って積極的な役割を果たすべき」といった意見も聞かれる。果たして、そのようなことは可能なのか。現在得られる情報から考えると、日本が参加しても積極的な役割を果たすことはできず、かえって大きな損失を被る可能性が高い。なぜならAIIBの実態はほぼ中国の国内銀行に近いものであるからだ。日本としては、米国との歩調を合わせ、引き続きガバナンスとプロジェクト審査基準の透明化を求めていくと同時に、ADBの融資を被援助国がより使いやすいよう改善するためのチャンスと考えればよい。AIIB加盟は「様子見」こそ最良の選択肢である。

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  • 林 敏彦

    APIR Commentary No. 42 <世界の中の関西経済>

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    林 敏彦

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  • 林 敏彦

    APIR Commentary No. 41 <東京圏が作り出す地域経済格差>

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    林 敏彦

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  • 林 敏彦

    APIR Commentary No. 40 <地方創生と地域経済格差>

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    林 敏彦

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