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「 四半期予測 」の研究・論文一覧 [ 2/2 ]

  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.26 <2013-14年度の関西2府4県のGDP早期推計結果を公表 14年度は大阪府・京都府が成長に貢献>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 林 万平 / 木下 祐輔 / James Brady

    ABSTRACT
    1. 2015年5月20日に公表された2015年1-3月期のGDP1次速報によると、実質GDP成長率は前期比年率+2.4%(前期比+0.6%)と、2四半期連続のプラス成長となった。市場コンセンサスを上回る回復となったものの、成長に最も貢献した需要項目は民間在庫品増加で、中身に乏しい結果となった。
    2. 2015年1-3月期の関西経済は、緩やかな回復の動きを継続している。企業部門については、収益環境の改善から足下の景況感に明るい兆しが見えつつある。特に生産は依然として全国を大きく上回る水準で推移している。また家計部門も緩やかに持ち直しの動きが見られる。域外取引も堅調に推移している。
    3. 最新の日本経済予測の結果を織り込み、関西の実質GRP成長率を2015年度+2.0%、16年度+2.3%と予測する。前回予測から、15年度は修正なし、16年度は0.2%ポイントの上方修正である。
    4. 2015年度は民間需要+1.2%ポイント、外需+0.8%ポイントとそれぞれバランスよく経済成長に貢献する。16年度も民間需要+1.4%ポイント、外需+0.8%ポイントと堅調に成長を下支えする。公的部門の寄与は15年度・16年度とも+0.1%ポイントで、景気に対する寄与は小さい。
    5. 県民経済計算確報が未公表である2013-14年度の実績見通しについて、関西2府4県のGDP早期推計を更新した。推計結果によると13年度+1.39%、14年度+0.10%となった。全国の実績値と比較すると、13年度は全国を下回り、14年度は上回っていたことになる。13年度は2府4県とも前年度比プラスとなり、寄与度でみると成長の大部分を担ったのは大阪府であった。14年度は、前年度比プラスとなったのは大阪府・京都府のみであった。

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  • 稲田 義久

    第104回景気分析と予測

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(日本)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 下田 充

    ABSTRACT

    〈予測のハイライト〉

    1. GDP1次速報値によれば、1-3月期実質GDP成長率は前期比年率+2.4%(前期比+0.6%)と2期連続のプラス。市場コンセンサスを上回る回復となった。しかし、2014年度でみると消費増税の影響が大きく実質成長率は-1.0%のマイナスとなり、前回増税時(+0.1%)と比較して大きく下回った。
    2. 1-3月期実質GDP成長率への寄与度を見ると、内需は+3.0%ポイント増加し2期連続のプラス。一方、純輸出は-0.7%ポイント減少し4期ぶりのマイナスとなった。内需のうち、実質民間在庫品増加は実質GDP成長率を+2.0%ポイント押し上げた。内需の寄与度の2/3が在庫投資であり、これによって成長率が嵩上げされており、中身に乏しい結果となった。
    3. 1-3月期GDP1次速報値を織り込み、実質GDP成長率を2015年度+1.7%、16年度+2.0%と予測する。14年度のマイナス成長から2%を目指す回復となる。前回(第103回)予測に比して、15年度を0.2%ポイント、16年度を0.1%ポイントそれぞれ下方修正した。
    4. 14年度成長率が小幅下方修正された理由は、純輸出の下方修正による。米国経済の一時的な停滞、中国や新興国経済の不振による輸出の減速と消費増税の影響剥落による輸入の回復が影響している。しかし、民間需要が景気押し上げのメインエンジンとなり、先行き見通しは悪くない。
    5. 15年度は消費増税の影響が剥落することに加え、実質賃金の上昇が見込め、原油価格の大幅下落のプラス効果が浸透してくる。所得増を伴った民間消費の回復や企業設備の増加が期待できる。
    6. 16年度は15年度と同じような民間需要を中心とする回復パターンとなる。また年度末に駆け込み需要の影響が出るため成長率は前年から幾分加速する。
    7. 3月の貿易収支は21カ月ぶりに黒字に転じたが、世界経済の回復が緩やかなものにとどまっていることや原油価格がすでに反転していることから、再び赤字に戻る可能性が高い。旅行収支の改善によりサービス収支の赤字は着実に縮小し、第一次所得収支は安定的に拡大するため、15年度の経常収支は前年度から大幅拡大する。16年度は幾分縮小する。
    8. 消費者物価コア指数インフレ率は2015年度+0.1%、16年度+1.2%となる。国内企業物価指数は-1.4%、+1.3%となる。GDPデフレータは+1.8%、0.0%と予測している。原油価格の下落によりインフレ見通しは下方修正されており、15-16年度のインフレは日銀目標の2%に至らない。
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