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「 関西経済 」の研究・論文一覧 [ 3/4 ]

  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.36 <停滞を抜け、堅調な改善が続いている。実感のある景気回復を定着させよ>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介 / 馬 騰

    ABSTRACT

    停滞を抜け、堅調な改善が続いている。実感のある景気回復を定着させよ

    1.2017年7-9月期実質GDP成長率は前期比+0.4%(同年率+1.4%)と7四半期連続のプラス。市場コンセンサスにほぼ一致する結果であった。成長に対する寄与度をみると、国内需要は-0.2%ポイントで4四半期ぶりのマイナス。純輸出は同+0.5%ポイントと2四半期ぶりのプラスとなった。

    2.2017年7-9月期の関西経済は、堅調な改善ペースを維持した。家計部門は、堅調に推移している。住宅市場や雇用環境では改善傾向に一服感が出ているが、消費者センチメントや所得環境は、足下改善している。企業部門は、景況感は好調を維持しているが、生産は弱い動きであり、在庫は積み上がり局面を迎えている。対外部門は輸出輸入とも拡大が続いており、貿易収支は黒字基調が定着している。公的部門は、大幅な前年割れが続いていたが、足下では底打ちしている。

    3.関西の実質GRP成長率を2017年度+1.8%、18年度+1.4%、19年度+1.1%と予測する。日本経済予測の下方修正を反映した結果、前回の予測結果と比較して、2017年度は0.1%ポイント、18年度は0.3%ポイントのともに下方修正である。なお今回から19年度の予測を新たに追加した。

    4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2017年度は民間需要が+1.1%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.6%ポイントと、各項目がバランスよく成長に貢献する。18年度は民間需要+0.8%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.5%ポイント、19年度は民間需要+0.6%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.3%ポイントとなる。成長に対する寄与度は徐々に減速していくが、バランスの良い成長パターンが続こう。

    5.日本経済予測と比較すると、2015-16年度の回復の立ち遅れから転じて17年度以降は全国を上回る成長率で推移する。内需の寄与は日本経済予測とほぼ同じであるが、外需はアジア向けを中心とした輸出の伸びが旺盛なことと純移出の貢献から、全国よりも寄与が大きくなる。

    6.県内GDP早期推計(2015-16年度実績見通し)を改定した。関西2府4県の実質GRP成長率(生産側)の実績見通しは、2015年度-0.0%、16年度-0.4%となる。日本経済(GDP)では15-16年度にプラス成長に回復していたのとは対照的に、関西は2年連続でマイナス成長であった。なお2017年度(超短期予測、参考値)は+1.4%と3年ぶりのプラス成長に回復する。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.55-景気は足下やや横ばいだが、先行きは緩やかな改善の見込-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET / 馬 騰 / 豊原 法彦

    ABSTRACT

    -景気は足下やや横ばいだが、先行きは緩やかな改善の見込み-

    ・9月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月から低下した。7-9月期は2四半期ぶりのマイナス。近畿経産局は「生産は横ばい傾向で推移している」と前月から据え置いた。
    ・10月の貿易収支は9カ月連続の黒字だが、黒字幅は前年同月と比べて3カ月ぶりに縮小した。輸出は前月に続き、遊戯用具が増加し、9カ月連続のプラス。輸入はたばこ・医薬品等が増加し、8カ月連続のプラス。
    ・10月の消費者態度指数は4カ月ぶり、景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続の改善。株価上昇や好調なインバウンド消費が上昇に寄与した。先行き判断DIは、株高を受けた年末商戦への期待などから大幅に上昇した。
    ・8月の関西2府4県の現金給与総額は6カ月連続の前年比増加。「関西コア」賃金指数も4カ月連続の同改善。賃金は着実に伸びている。
    ・9月の大型小売店販売額は2カ月連続の前年比プラス。百貨店は、秋冬物衣料が伸び、化粧品と宝飾品は依然好調。スーパーは、牛肉と鍋物関連商品を中心に食料品が堅調であった。
    ・9月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前年比減少。利用関係別にみると、持家は7カ月連続の減少、貸家は3カ月ぶりの増加、分譲は3カ月ぶりの減少。
    ・9月の有効求人倍率、新規求人倍率はともに前月比悪化。完全失業率も4カ月ぶりに悪化したが、これまでの反動とみられ、雇用情勢は依然堅調である。
    ・10月の公共工事請負金額は5カ月ぶりの前年比増加。季節調整値では4カ月連続の増加となった。
    ・10月の関空を利用した訪日外客数は8カ月連続の前年比増加。また、7カ月連続で2桁増が続いており、好調である。
    ・中国10月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は3カ月ぶりに悪化したものの、15カ月連続で景気の分岐点である50を上回った。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.54-景気は足下、先行きともに緩やかな成長が見込まれる-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    -景気は足下、先行きともに緩やかな成長が見込まれる-
    ・8月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月から上昇したが、7-8月平均は4-6月平均比小幅上昇にとどまった。近畿経産局は「生産は横ばい傾向で推移している」と判断している。
    ・9月の貿易収支は8カ月連続の黒字。米国向けのゲームソフトを中心に遊戯用具が過去最高額となり、輸出の伸びに寄与した。結果、前年比でも黒字幅は拡大した。
    ・9月の消費者態度指数は前月比小幅悪化。一方、景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月ぶりの改善。消費者の節約志向は依然強いものの、好調なインバウンドに加え、秋物商材が好調で全体は上昇した。
    ・7月の関西2府4県の現金給与総額は5カ月連続の前年比増加。「関西コア」賃金指数も3カ月連続の同改善。緩やかではあるものの、賃金は上昇が続いている。
    ・8月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比プラス。百貨店は化粧品、宝飾品等が国内需要とインバウンド需要向けで好調。スーパーは牛肉と水産品を中心に食料品が堅調であった。
    ・8月の新設住宅着工戸数は3カ月ぶりの前年比増加となった。利用関係別にみると、持家は6カ月連続、貸家は2カ月連続いずれも減少。一方、分譲は2カ月連続の増加。
    ・8月の有効求人倍率は前月比横ばい。新規求人倍率は2カ月連続の上昇となり、労働需給が引き締まった状態が続く。完全失業率は3カ月連続の改善で、雇用情勢は依然好調である。
    ・9月の公共工事請負金額は4カ月連続の前年比減少。季節調整値で見ると、3カ月連続の増加となったものの、補正予算の効果はすでに剥落しているとみられる。
    ・9月の関空を利用した訪日外客数は前年比+24.0%と7カ月連続で増加しており、インバウンドは好調。また、7-9月期の訪日外客の平均消費額は7四半期ぶりのプラスであった。
    ・中国の7-9期の実質GDP成長率は、前年比+6.8%となり、4-6月期から、-0.1%ポイント小幅下落した。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.53-景気は足下、先行きともに緩やかな回復が続く-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介

    ABSTRACT

    -景気は足下、先行きともに緩やかな回復が続く-
    ・7月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月から下落し、4-6月平均と比べても下落した。近畿経済産業局は「総じてみれば、生産は横ばい傾向で推移している」と判断している。
    ・8月の貿易収支は7カ月連続の黒字。アジア向けの科学光学機器等の輸出額の増加が半導体等電子部品等の輸入額の増加を上回ったことから、前年同月比でも黒字幅は拡大した。
    ・8月の消費者態度指数は前月比横ばい。一方、景気ウォッチャー現状判断DIは4カ月ぶりの悪化。インバウンド消費や猛暑による季節商材の好調も、依然消費者の節約志向は強く、全体は低下。インバウンド消費への期待は高いものの、海外リスクへの懸念から、先行き判断DIは2カ月ぶりの小幅上昇。
    ・6月の関西2府4県の現金給与総額は4カ月連続で増加。「関西コア」賃金指数も2カ月連続の改善。賃金の伸びが今後も定着するかどうか、注視が必要であろう。
    ・7月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの減少。百貨店ではインバウンド需要が好調だったが、バーゲン前倒しの反動により売上が減少した。スーパーでは鮮魚と農産品が苦戦した。
    ・7月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の減少。利用関係別にみると、持家は5カ月連続、貸家は3カ月ぶりの減少。一方、分譲は6カ月ぶりの増加となった。
    ・7月の有効求人倍率は6カ月連続の改善。新規求人倍率は2カ月ぶりの上昇となり、労働需給が引き締まった状態が続く。完全失業率は横ばいで、雇用情勢は依然好調である。
    ・8月の公共工事請負金額は3カ月連続の減少。季節調整値で見ると、2カ月連続の増加となったものの、今後補正予算の効果剥落が懸念される。
    ・8月の関空を利用した訪日外客数は61万6,020人で6カ月連続の増加。5カ月連続で2桁増が続いている。
    ・中国8月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は2カ月ぶりに前月から改善し、13カ月連続で景気判断の分岐点である50を上回った。一方、不動産市場は低調で、主要70都市のうち不動産価格が上昇したのは46都市で、前月から10都市減少した。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.35 <緩やかな改善が続く関西経済>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介

    ABSTRACT

    緩やかな改善が続く関西経済

    1.2017年4-6月期実質GDP成長率は前期比年率+4.0%(前期比+1.0%)と6四半期連続のプラスとなった。市場コンセンサスから大幅に上振れた。国内需要の寄与度は前期比年率+5.1%ポイントと3四半期連続のプラス、純輸出は同-1.1%ポイントと6四半期ぶりのマイナス。内需主導型の堅調な回復となった。

    2.2017年4-6月期の関西経済は、緩やかな改善が続いている。家計部門、企業部門ともに持ち直しており、特に企業部門の景況感は先行きも明るい。またこれまで関西では改善が遅れていた所得環境でも、まだ楽観視はできないものの、ようやく上昇の気配が見えてきた。対外部門では、対アジアを中心に輸出輸入とも持ち直してきており、貿易収支は黒字基調が続いている。ただし公的部門は、弱い動きとなっている。

    3.関西の実質GRP成長率を2017年度+1.9%、18年度+1.7%と予測する。前回の予測結果と比較すると、関西経済の足下での底堅さと日本経済予測の上方修正を受けて、17年度+0.5%ポイント、18年度+0.4%ポイントとともに上方修正とした。なお過年度の実績見通しについては、前回予測から大きな修正はない。

    4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度を見ると、2017年度は民間需要が+1.1%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.7%ポイントと、各項目がバランスよく成長に貢献する。18年度は民間需要+0.9%ポイント、公的需要+0.1%ポイント、外需+0.7%ポイントと前年度に比べるとやや内需が減速するが、前年度に続いてバランスの良い成長パターンを見込む。

    5.日本経済予測と比較すると、2015-16年度の回復の立ち遅れから転じて17年度は全国並み、18年度は全国を上回る成長率で推移しよう。内需の寄与は日本経済予測より小幅にとどまるが、外需はアジア向けを中心とした輸出の伸びが旺盛なことと純移出の貢献から、全国よりも寄与が大きくなる。

    6.インバウンド消費の関西経済に対する影響について分析した。訪日外国人消費は2016年の関西GRPを約0.86%、就業者を約1.25%押し上げる効果をもたらした。インバウンド需要は「爆買いから新たな拡張局面へ」移行したといえる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.52-景気は足下、先行きともに緩やかな回復を見込む-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    -景気は足下、先行きともに緩やかな回復を見込む-

    ・6月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりの前月比プラス。結果、4-6月期は2四半期ぶりの増産となった。
    ・7月の貿易収支は6カ月連続の黒字となった。しかし、黒字幅は2か月連続の前年比マイナス。中国向けの科学光学機器を中心に輸出額が増加したが、エネルギーを中心に輸入額も増加したためである。
    ・7月の消費者態度指数は前月比横ばいだが、景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続の改善。インバウンド消費や天候要因等が景況感を押し上げた。一方、酷暑による客足の減少や秋物商戦への影響懸念から、先行き判断DIは4カ月ぶりに悪化。
    ・5月の関西2府4県の現金給与総額は3カ月連続で増加。「関西コア」賃金指数も2カ月ぶりに改善したものの、依然として賃金の伸びは弱い。
    ・6月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比プラス。うち、百貨店はインバウンド需要の好調に加え、夏のバーゲンの前倒しが売上に貢献した。スーパーは、平年より低温の影響で夏物衣料と季節の農産品が苦戦した。
    ・6月の新設住宅着工戸数は前年同月比-5.4%となり、先月から再び減少に転じた。利用関係別にみると、持家は4カ月連続のマイナス。分譲は5カ月連続のマイナス。一方、貸家は2カ月連続の増加となった。
    ・6月の有効求人倍率は5カ月連続で改善。新規求人倍率は3カ月ぶりに低下したものの、労働需給は引き締まった状態が続く。完全失業率は2カ月ぶりに改善し、雇用環境は好調である。
    ・7月の公共工事請負金額は前年同月比-31.3%と2カ月連続のマイナス。季節調整値で見ると、前月比+7.1%となり、3カ月ぶりのプラス。
    ・7月の関空への訪日外客数は65万5,140人と前年比+13.0%となり、5カ月連続のプラス。4カ月連続で2桁増が続いている。
    ・中国7月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は51.4と4カ月ぶりに前月から低下したが、12カ月連続で景気判断の分岐点である50を上回った。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.51-景気は足下改善が続くも、先行きは足踏みの兆し-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 木下 祐輔 / 生田 祐介 / CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    -景気は足下改善が続くも、先行きは足踏みの兆し-

    ・5月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりの前月比マイナス。しかし4-5月平均は1-3月平均比上昇した。1-3月期は一時的な減産となったが、4-6月期は増産が期待できよう。
    ・6月の輸出は5カ月連続で前年比増加、輸入も4カ月連続で同増加。円安や原油高の影響などから輸入の伸びが輸出を上回り、貿易収支は黒字となったものの、黒字幅は縮小した。
    ・6月の消費者態度指数、景気ウォッチャー現状判断DIはともに改善。好調なインバウンド消費や天候要因等が景況感を押し上げた。また、猛暑予想による季節商品の売上増加への期待から、先行き判断DIは3カ月連続で改善した。
    ・4月の関西2府4県の現金給与総額は前年比2カ月連続で増加したものの、「関西コア」賃金指数は2カ月ぶりの悪化。賃金の伸びは弱い。
    ・5月の大型小売店販売額は2カ月ぶりの前年比マイナス。百貨店はインバウンド需要などが好調であったが、スーパーは食料品の低調が続いた。結果、大型小売店販売額は前年比減少。
    ・5月の新設住宅着工戸数は4カ月ぶりの前年比プラス。持家と分譲はマイナスとなったが、貸家は大幅増加したことによる。
    ・5月の有効求人倍率は4カ月連続の改善。労働需給は非常に引き締まった状態が続く。新規求人倍率は2カ月連続の上昇。完全失業率は3カ月ぶりに悪化したが、雇用環境は好調である。
    ・6月の公共工事請負金額(季節調整値)は2カ月連続の前月比マイナスだが、4-6月期は4四半期ぶりの前期比プラスとなった。
    ・6月の関空への訪日外客数は58万4,730人となり、4カ月連続で増加。一方、4-6月期の訪日外客の平均支出額は、6四半期連続で減少だが、マイナス幅は縮小している。
    ・中国の4-6月期の実質GDP成長率は、前年同期比+6.9%となり、1-3月期と同水準を維持した。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.50-景気は足下改善が続くも、先行き悪化の兆しか-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / James Brady / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介

    ABSTRACT

    -景気は足下改善が続くも、先行き悪化の兆しか-
    ・4月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月から上昇し、1-3月平均と比べても上昇した。これは、4-6月期の最初の月としては好調な結果であり、生産は持ち直しの動きで推移している。
    ・5月の輸出は4カ月連続の前年比増加、輸入も3カ月連続で同増加。輸入の伸びが輸出の伸びを上回ったものの、貿易収支は4カ月連続の黒字となった。
    ・5月の消費者態度指数は3カ月ぶりに悪化したものの、景気ウォッチャー現状判断DIは5カ月ぶりの改善。猛暑の予想による季節商品の売上増加への期待から、先行き見通しは2カ月連続で改善した。
    ・3月の関西2府4県の現金給与総額は2カ月ぶりの増加、「関西コア」賃金指数も3カ月ぶりの改善となったものの、今後賃金が増加していくかについては注視が必要である。
    ・4月の大型小売店販売額は9カ月ぶりの前年比プラス。気温が低めのため春物衣料が不振であったが、訪日外国人向け販売が好調であった。
    ・4月の新設住宅着工戸数は3カ月連続の前年比減少。
    ・4月の有効求人倍率は前月比上昇し、3カ月連続の改善。1974年6月以来の高水準だが、有効求職者数の減少が全体を押し上げた。新規求人倍率は2カ月ぶりの上昇。完全失業率は3カ月ぶりの改善で、雇用環境は引き続き好調である。
    ・4-5月平均の公共工事請負金額(季節調整値)を1-3月平均と比較すると、関西、全国ともに増加しており、補正予算の効果は着実に出ているとみられる。
    ・5月の関空への訪日外客数は56万4,070人と3カ月連続で増加した。訪日外客数は引き続き上昇トレンドが見られる。
    ・中国5月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は前月比横ばい。鉱工業生産は前年同月比+6.5%と前月と同水準。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.34 <停滞を抜けて内外需とも好材料が見られる関西 先行きの力強い改善に期待>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 木下 祐輔 / James Brady / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介

    ABSTRACT

    停滞を抜けて内外需とも好材料が見られる関西 先行きの力強い改善に期待

    1.2017年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.2%(前期比+0.5%)となった。5四半期連続のプラス成長で、潜在成長率を超える成長率が続いている。GDP成長率に対する寄与度をみると、国内需要が+1.5%ポイント、外需が+0.6%ポイントとバランスの良い成長となった。特に輸出と消費が成長を牽引した。

    2.2017年1-3月期の関西経済は、内需・外需の両方に好材料が見られはじめ、先行きの力強い改善に期待を持たせる内容となった。家計部門、企業部門ともに持ち直している。対外部門についても、対アジアを中心に輸出輸入とも持ち直してきており、貿易収支は黒字基調が続いている。一方、公的部門は、弱い動きとなっている。また所得環境については、前年割れが続き、全国の伸びと比べて低調である。

    3.関西の実質GRP成長率を2017年度+1.4%、18年度+1.3%と予測する。足下での景気指標の持ち直しの動きを反映して、前回予測から17年度+0.3%ポイント、18年度+0.2%ポイントのそれぞれ上方修正とした。また過年度の実績見通しについては県内GDP早期推計の改定を反映し、15年度は修正なし、16年度は-0.6%ポイントの下方修正とした。

    4.実質GRP成長率に対する各需要項目の寄与度は、2017年度は民間需要が+0.6%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.6%ポイント、各項目がバランスよく成長に貢献する。18年度も内需外需ともに成長を牽引するパターンが続き、民間需要+0.6%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.6%ポイントと見込む。

    5.日本経済予測と比較すると、関西の成長率自体は全国に近い結果となるが、需要項目の寄与のパターンは異なる。民需は所得環境の回復の動きが緩慢であることから、民間消費の貢献が全国に比べて小さく、公的需要も日本経済予測に比べて小幅にとどまる。一方外需については、アジア向けを中心とした輸出の伸びが旺盛なことと純移出の貢献から、全国よりも寄与が幾分大きくなる。

    6.2015-16年度の県内GDP早期推計を改定した。関西2府4県の実質GRP(生産側)の合計は、2015年度が84.98兆円、16年度が84.80兆円となり、実質成長率では2015年度-0.06%、16年度-0.21%と予測される。全国でプラス成長が続いたのとは異なり、15-16年度の関西経済は、横ばいで停滞したことになる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.49-景気は足下、先行きともに改善が続く-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / James Brady / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介

    ABSTRACT

    -景気は足下、先行きともに改善が続く-
    ・3月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月から低下したものの、1-3月期は前期比+1.8%と5四半期連続の拡大。これは、2009年4-6月期から11年1-3月期以来の拡大である。
    ・4月の輸出は3カ月連続の前年比増加、輸入も2カ月連続で同増加。輸入の伸びが輸出の伸びを上回ったため、貿易収支は3カ月連続の黒字だが、黒字幅は3カ月ぶりに縮小した。
    ・4月の消費者態度指数は5カ月ぶり、景気ウォッチャー現状判断DIは4カ月連続の悪化。インバウンド関連需要に加え、猛暑の予想もあり、先行き見通しは2カ月ぶりに改善した。
    ・2月の関西2府4県の現金給与総額は3カ月ぶりに減少、2月の「関西コア」賃金指数も2カ月連続で悪化。賃金は再び減少している。
    ・3月の大型小売店販売額は8カ月連続の前年比マイナス。訪日外国人向けの販売は依然として堅調であるが、低温の影響で春物衣料が不振となり、販売が落ち込んだ。
    ・3月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前年比減少。貸家は堅調であったものの、持家および分譲は減少した。
    ・3月の有効求人倍率は前月比小幅上昇し、2カ月連続の改善。依然として高水準である。新規求人倍率は2カ月ぶりに下落したものの、前月の反動であろう。完全失業率は前月比横ばいで、雇用環境は引き続き好調である。
    ・4月の公共工事請負金額は7カ月連続の前年比マイナスだが、前月比では3カ月連続プラスとなっており、補正予算の効果が出てきた。
    ・4月の関空への訪日外客数は63万2,120人と2カ月連続で増加し、歴史的高水準となった。春の行楽シーズンと、今年はGWの日並びが良かったこと等が背景にあるとみられる。
    ・中国4月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は3カ月ぶりの前月比悪化。鉱工業生産も減速が目立つ。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.48-景気は足下、先行きともに改善の方向にある

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 木下 祐輔 / James Brady / CAO THI KHANH NGUYET / 生田 祐介

    ABSTRACT

    -景気は足下、先行きともに改善の方向にある-
    ・2月の鉱工業生産指数は2カ月ぶりの前月比上昇。結果、1-2月平均は10-12月平均比+2.3%増加しており、1-3月期も5四半期連続の拡大が期待できる。
    ・3月の輸出は2カ月連続の前年比増加、輸入も2カ月ぶりに同増加した。結果、貿易収支は2カ月連続の黒字となった。
    ・3月の消費者態度指数は2カ月ぶりに改善した一方で、景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月連続の悪化。春の行楽シーズンを控え、インバウンド需要増加への期待感はあるが、全体を押し上げるだけの強さはなく、先行き見通しは2カ月ぶりの悪化。
    ・12月の関西2府4県の現金給与総額は6カ月ぶりに増加した。2016年通年では、小幅増加にとどまった。一方、1月の「関西コア」賃金指数は2カ月ぶりの減少。再び減少が続く可能性も出てきた。
    ・2月の大型小売店の販売額は7カ月連続の前年比マイナス。うち百貨店は、訪日外国人の影響で販売が堅調であったものの、スーパーでは、前年がうるう年の影響から販売が落ち込んだ。
    ・関西2月の新設住宅着工戸数は前年同月比-4.0%となり、4カ月ぶりの減少。全国は分譲住宅が大幅に減少したため、8カ月ぶりのマイナスとなった。
    ・2月の有効求人倍率は前月比小幅上昇し、2カ月ぶりの改善。依然として高水準である。新規求人倍率も2カ月ぶりに上昇しており、企業の求人意欲は旺盛である。完全失業率は6カ月ぶりに悪化したものの、雇用環境は好調が続く。
    ・3月の公共工事請負金額は前年比マイナスとなったものの、前月比ではプラスに転じており、補正予算の効果が出ているようである。
    ・3月の関空への訪日外客数は54万4,020人となり、2カ月ぶりに増加した。一方、1-3月の訪日外客の平均支出額は、5四半期連続で減少が続いている。
    ・中国の1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.9%となり、前期より+0.1%ポイント小幅加速。工業成長の回復と不動産市場の好調により、成長率は15年7-9月期の値まで回復した。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.47-景気は足下、先行きともに改善が続く

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 林 万平 / 木下 祐輔 / CAO THI KHANH NGUYET / James Brady

    ABSTRACT

    -景気は足下、先行きともに改善が続く-
    ・1月の鉱工業生産指数は3カ月ぶりのマイナスだが、10-12月平均比+1.8%となっており、近経局は「生産は持ち直しの動きが見られる」と判断している。
    ・2月の輸出は2カ月ぶりの前年比増加、輸入は2カ月ぶりに同減少した。結果、貿易収支は2か月ぶりの黒字となった。
    ・2月の消費者態度指数は3カ月ぶり、景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で、いずれも悪化した。依然として消費者の節約志向は強いものの、インバウンド需要の増加への期待もあり、先行き見通しは3カ月ぶりに改善した。
    ・11月の関西2府4県の現金給与総額は5カ月連続で減少し、下落幅も拡大。一方、12月の「関西コア」賃金指数は6カ月ぶりの増加。一時的な増加かどうか、今後の動きに注視が必要。
    ・1月の大型小売店の販売額は6カ月連続の前年比マイナス。農産品の相場高や、訪日外国人に対する販売が堅調だったものの、天候不順等により衣料品等が不振であったため。
    ・1月の新設住宅着工戸数は3カ月連続の前年比増加。全国は東京五輪・パラリンピックの選手村建設による特殊要因が影響したため、関西よりも高い伸びであった。
    ・1月の有効求人倍率は前月比横ばいだが、依然として高水準が続く。新規求人倍率は3カ月ぶりに低下したものの、企業の求人意欲は旺盛である。完全失業率は3カ月ぶりに改善し、1998年以降で最も低水準となった。雇用環境は好調が続いている。
    ・2月の公共工事請負金額は5カ月連続の前年比マイナスとなったものの、前月比ではプラスに転じており、補正予算の効果が出始めたようである。
    ・2月の関空への訪日外客数は49万9,570人となり、2013年1月以来、49カ月ぶりの減少となったものの、引き続き高水準で推移している。
    ・中国の2月の生産者物価指数(PPI)の伸びは2016年9月にプラスに転じてから、6カ月連続で加速。原油価格の上昇に加え、需給バランスの改善からデフレ圧力は緩和している。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.33 <岐路に立つ関西経済、持ち直しの動きを持続できるか 内需の好循環で成長を持続しリスクに備えよ>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 林 万平 / 木下 祐輔 / James Brady / CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    岐路に立つ関西経済、持ち直しの動きを持続できるか 内需の好循環で成長を持続しリスクに備えよ

    1.2016年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.0%(前期比+0.2%)となった。市場コンセンサスより下振れたが、APIR超短期予測とほぼ一致する結果であった。在庫循環の進展から在庫品増加がマイナスに寄与したこともあり、国内需要は小幅ながら2四半期連続のマイナスとなったが、輸出の大幅増で外需が下支えした。4期連続のプラス成長で、日本経済は潜在成長率よりも高い成長率で推移している。

    2.2016年10-12月期の関西経済は、緩やかな回復を示した。家計部門は、持ち直しの動きがみられる。消費者心理や百貨店販売額、雇用環境は改善しており、個人消費は底堅く推移している。企業部門も持ち直している。生産は増加基調が続いており、在庫調整が進展している。輸出は対アジアを中心に底打ちしている。

    3.景気の懸念材料として、所得環境の停滞と、企業の景況感の伸び悩みがある。所得環境は2016年下期以降マイナス圏での推移が続いており、これが消費の伸びの足枷となっている。また企業の先行き見通しは諸々の不確実性に伴うリスクからやや消極的となっている。持続的で底堅い景気回復、また諸々のリスクに対する備えのために、所得環境の改善を通じた内需の好循環が必要であろう。

    4.関西の実質GRP成長率を2016年度+0.8%、17年度+1.1%、18年度+1.1%と予測する。前回予測と比較して、2016-17年度はそれぞれ0.2%ポイント、0.3%ポイントの上方修正。足下での輸出の回復から外需の貢献を前回よりも大きく見積った。18年度は民需を上方修正、外需を下方修正した結果、トータルでは修正なしである。

    5.2016年度は民間需要が+0.4%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.2%ポイントで、主に内需が成長を押し上げる。17年度は外需も緩やかに復調し、民間需要+0.4%ポイント、公的需要+0.3%ポイント、外需+0.4%ポイントと、各項目がバランスよく成長に貢献する。18年度には民需の貢献がより大きくなり、民間需要+0.6%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.3%ポイントとなる。

    6.日本経済予測と比較すると、関西の成長率は日本経済予測の結果より下回って推移する。所得環境の回復の動きが緩慢であること等から、民需の伸びが全国に比べて小さいため。公的需要も、日本経済予測に比べて貢献は小さい。外需については、純移出の貢献から、17年度以降は全国よりも寄与が幾分大きくなる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.46-景気は足下、先行きともに改善の方向にある

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 林 万平 / 木下 祐輔 / James Brady / CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    -景気は足下、先行きともに改善の方向にある-

    ・12月の鉱工業生産指数は2カ月連続のプラス。10-12月期は4期連続の増産。アジア向けの電子部品・デバイスの輸出が好調で、先行き関西の生産は堅調に推移する可能性が高い。
    ・1月の輸出は3カ月ぶりの前年比減少、輸入は17カ月ぶりに同増加した。結果、貿易収支は12か月ぶりの悪化となった。
    ・1月の消費者態度指数は2カ月連続で改善したものの、景気ウォッチャー現状判断DIは4カ月ぶりの悪化。トランプ新大統領の政策運営が与える影響への懸念から、先行き見通しは2カ月連続で悪化した。
    ・10月の関西2府4県の現金給与総額は4カ月連続の下落。11月の「関西コア」賃金指数も5カ月連続で下落。賃金は緩やかな下落が続いている。
    ・12月の大型小売店の販売額は5カ月連続の前年比マイナス。衣料品等の季節商品の不振が顕著であったため、百貨店、スーパーともに伸びはマイナスとなった。
    ・12月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前年比プラス。利用関係別にみると、貸家は3カ月連続で増加したものの、分譲は2か月ぶりに減少した。
    ・12月の有効求人倍率は4カ月連続の小幅上昇。新規求人倍率も2カ月連続で上昇し、企業の求人意欲は旺盛。完全失業率は2カ月連続で小幅悪化したものの、雇用情勢は依然好調が続く。
    ・1月の公共工事請負金額は4カ月連続の前年比マイナス、季節調整値も2カ月ぶりのマイナスとなっており、補正予算の効果はこれからである。
    ・1月の関空への訪日外客数は58万5,280人(単月過去最高)となり、48カ月連続の前年比プラスとなった。
    ・中国1月の生産者物価指数(PPI)は資源価格の上昇や需給ギャップの改善もあり、前年比+6.9%と5カ月連続のプラス。伸びは前月から加速した。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.44-足下景気は減速傾向。先行き改善も持続性に力強さを欠く

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 林 万平 / 木下 祐輔 / James Brady / CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    -足下景気は減速傾向。先行き改善も持続性に力強さを欠く-

    ・10月の鉱工業生産指数は前月比3カ月ぶりのマイナス。ただし、10月実績を7-9月平均と比較すれば+1.2%の伸びとなっており、回復の兆しがみられる。
    ・アジア向け輸出の回復により、11月の輸出は14カ月ぶりの前年比プラス。輸入は15カ月連続の同マイナス。結果、貿易収支は10カ月連続の黒字となった。
    ・11月の消費者態度指数は構成4指標が全てマイナス、2カ月連続の悪化。一方、景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続の改善。今冬は低気温が続くとの予想から、冬物商材の売上増への期待は高く、先行き見通しは2カ月ぶりに改善した。
    ・8月の関西2府4県の現金給与総額は2カ月連続の低下。9月の「関西コア」賃金指数も3カ月連続の低下。賃金は減少が続いている。
    ・10月の大型小売店の販売額は3カ月連続の前年比マイナス。スーパーは好調であったが、百貨店は婦人服を中心に衣料品の販売が不振であったため、引き続き減速が続いている。
    ・関西10月の新設住宅着工戸数は前年同月比3カ月連続の減少。利用関係別にみると、貸家、分譲を中心に低迷が続いている。
    ・11月の有効求人倍率は3カ月連続の小幅上昇。新規求人倍率も2カ月ぶりの上昇。完全失業率は3カ月ぶりに小幅悪化したものの、雇用情勢は好調が続く。
    ・11月の公共工事請負金額は2カ月連続の前年比マイナス、季節調整値は4カ月連続の前月比マイナス。全国の拡大ペースは一時的に停滞しており、関西は減速が続いている。
    ・11月の関空への訪日外客数は前年比+9.1%と46カ月連続のプラスで依然高水準を維持しているものの、伸びは減速傾向である。注目すべきは10月の中国からの外客数が2カ月のマイナスとなったことである。
    ・中国11月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は2カ月連続の改善。10月のリコノミクス指数(APIR試算)は9カ月連続のプラスとなり、先行き改善の兆しが見られる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.32 <足下は停滞局面続くも先行きに緩やかな持ち直しの兆し>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 林 万平 / 木下 祐輔 / James Brady / CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    足下は停滞局面続くも先行きに緩やかな持ち直しの兆し

    1.2016年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.2%(前期比+0.5%)となった。3四半期連続のプラス成長で、事前の市場コンセンサスを大きく上回る結果となった。家計消費をはじめとする国内需要は振るわなかったが、純輸出が高い伸びを示し、GDP成長率を押し上げた。

    2.足下の関西経済は、停滞局面を抜けて、先行きに緩やかな回復の兆しが見られはじめた。家計部門は、弱めの動きとなっている。消費者心理は改善しつつあるが、所得環境は足下で伸び悩んでいる。雇用環境では依然堅調な改善が続いているとはいえ、ペースはやや鈍化傾向にある。一方企業部門は、景況感や生産などで弱い動きから持ち直しの動きが見られる。域外取引では、貿易収支は黒字基調であるものの、輸出と輸入はともに停滞が続いている。

    3.関西の実質GRP成長率を2016年度+0.6%、17年度+0.8%、18年度+1.1%と予測する。前回の予測結果と比較すると、2016年度は小幅の下方修正、17年度は修正なしである。今回から18年度の予測を新たに追加した。

    4.日本経済予測と比較すると、関西の成長率は2016-17年度にかけて日本経済予測の結果より下回って推移すると見込む。所得環境の回復の動きが弱いこと等から民需の伸びは比較的緩慢である。また輸出の停滞から外需の寄与も全国に比べて小さい。一方18年度は、中国経済の復調で外需が伸び、全国よりも高い成長率を見込む。

    5.2016年度は民間需要が+0.4%ポイント、公的需要+0.2%ポイントと内需が成長を押し上げるが、外需は成長に対して寄与しない。17年度は小幅ながら各項目がバランスよく成長に貢献する。18年度は、民間需要+0.5%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.4%ポイントと、民需と外需の貢献が拡大する。

    6.県内GDP早期推計(2014-15年度実績見通し)を改定した。関西2府4県の実質GRP成長率(生産側)は2014年度+0.28%、15年度が-0.09%と予測。一部に堅調な成長を続ける府県があるものの、経済規模の大きい大阪府の景気が振るわないことなどにより、回復軌道になかなか乗れない状況にあったと見込まれる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.43-足下の景気は緩やかな減速も、先行きは回復を見込む

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 林 万平 / 木下 祐輔 / James Brady / CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    -足下の景気は緩やかな減速も、先行きは回復を見込む-
    ・9月の鉱工業生産指数は前月比2カ月連続のプラス。結果、7-9月期は3期連続のプラスも、伸びは前期より縮小した。
    ・10月の輸出は13カ月連続の前年比マイナス。輸入は14カ月連続の同マイナス。結果、貿易収支は9カ月連続の黒字となった。
    ・10月の消費者態度指数は収入の増え方や、暮らし向き指標の低下から、3カ月ぶりの悪化。一方、景気ウォッチャー現状判断DIは3カ月ぶりに改善。冬物商材の売上増への期待は高いものの、不透明感が強く、先行き判断DIは4カ月ぶりに悪化した。
    ・7月の関西2府4県の現金給与総額は2カ月ぶりの低下。8月の「関西コア」賃金指数も2カ月連続で下落した。賃金は伸び悩んでいる。
    ・9月の大型小売店の販売額は2カ月連続の前年比マイナス。百貨店は9カ月連続、スーパーは2カ月連続の減少である。猛暑や台風等で衣料品、農産品の消費が減少した。
    ・9月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前年比マイナス。10月のマンション契約率は2カ月ぶりに70%台を上回った
    ・9月の有効求人倍率は2カ月ぶりの小幅上昇。新規求人倍率も2カ月連続で上昇。完全失業率は2カ月ぶりに小幅低下しており、雇用情勢は好調が続く。
    ・10月の公共工事請負金額は4カ月ぶりの前年比マイナス、季節調整値でみれば3カ月連続のマイナス。
    ・10月の関空への訪日外客数は前年比+10.5%と45カ月連続のプラスで依然高水準を維持している。しかし、最近では中国からの訪日客の減少により、伸びは減速している。
    ・中国10月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は2カ月ぶりの改善。9月のリコノミクス指数(APIR試算)は10カ月連続で改善している。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.42-足下の景気は停滞、先行きは緩やかな低下を見込む-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 豊原 法彦 / 林 万平 / 木下 祐輔 / James Brady / CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    -足下の景気は停滞、先行きは緩やかな低下を見込む-
    ・8月の鉱工業生産指数は5カ月ぶりのプラスも、7-8月平均は4-6月期比-1.6%となっており、生産の基調は弱い。
    ・9月の輸出は12カ月連続の前年比マイナス。輸入は13カ月連続の同マイナス。結果、貿易収支は8カ月連続の黒字だが、今後の基調については原油価格の動向に注意が必要である。
    ・9月の消費者態度指数は雇用環境や収入の増え方指数の改善により、2カ月連続の改善。一方、景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で悪化したが、秋の行楽シーズンや冬物商材の売上増加への期待から、先行き判断DIは3カ月連続で改善。
    ・6月の関西2府4県の現金給与総額は2カ月ぶりの上昇。一方、7月の「関西コア」賃金指数は6カ月ぶりに下落した。
    ・8月の大型小売店の販売額は2カ月ぶりの前年比マイナス。百貨店は8カ月連続の同マイナス、スーパーは3カ月ぶりの同マイナス。猛暑の影響等により秋物の衣料や農産品、水産品などが不振であった。
    ・8月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前年比マイナス。9月のマンション契約率は4カ月ぶりに70%台を下回った
    ・8月の有効求人倍率は、2014年9月以来23カ月ぶりに小幅下落。一方、新規求人倍率は3カ月ぶりに上昇した。完全失業率は2カ月ぶりに悪化したものの、雇用情勢は堅調である。
    ・9月の公共工事請負金額は3カ月連続の前年比プラスも、季節調整値でみれば2カ月連続のマイナス。
    ・9月の関空への訪日外客数は前年比+13.8%と44カ月連続のプラスで依然高水準を維持している。2016年に入り、訪日外客の平均支出額は、円高の影響もあり減少傾向にある。
    ・中国7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.7%となり、3四半期連続で同水準となった。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Monthly Vol.41-足下緩やかな回復が続くも、鈍化傾向-

    経済予測

    経済予測 » Monthly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 林 万平 / 木下 祐輔 / James Brady / CAO THI KHANH NGUYET / 豊原 法彦

    ABSTRACT

    -足下緩やかな回復が続くも、鈍化傾向-

    ・7月の鉱工業生産指数は4カ月連続のマイナス。4-6月平均比-2.1%となっており、生産の基調は弱い。
    ・8月の輸出は11カ月連続の前年比マイナス。輸入は12カ月連続の同マイナス。大幅な円高進行により輸入減が輸出減を上回る状況が続いている結果、貿易収支は7カ月連続の黒字。
    ・8月の消費者態度指数は雇用環境や収入の増え方指数の改善により、2カ月ぶりの改善。一方、景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月ぶりに悪化したものの、公共工事受注増加等、売上増加への期待から、先行き判断DIは2カ月連続で改善した。
    ・5月の関西2府4県の現金給与総額は4カ月ぶりの小幅下落。一方、6月の「関西コア」賃金指数は2カ月ぶりに上昇した。
    ・7月の大型小売店の販売額は5カ月ぶりの前年比プラス。百貨店は7カ月連続の同マイナスも、スーパーは2カ月連続の同プラス。百貨店の減速が続いている。
    ・7月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前年比プラス。8月のマンション契約率は3カ月連続で70%台を上回った。
    ・7月の有効求人倍率は、6カ月連続の小幅上昇。新規求人倍率は2カ月連続で下落したものの、高水準を維持。完全失業率は2カ月ぶりに改善しており、雇用情勢は堅調である。
    ・8月の公共工事請負金額は2カ月連続の前年比プラスも、季節調整値でみれば3カ月ぶりのマイナス。
    ・8月の関空への訪日外客数は51万8,880人で43カ月連続のプラス。国籍別にみると、6月の中国からの訪日外客数の伸びはマイナスであった前月から一転し、2カ月ぶりのプラス。
    ・中国8月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は5カ月ぶりの改善。リコノミクス指数(APIR試算)は前年比8カ月連続で上昇しているものの、伸びは小幅にとどまる。

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  • 稲田 義久

    Kansai Economic Insight Quarterly No.31 <関西経済は弱い基調が定着、先行きも好材料に乏しい>

    経済予測

    経済予測 » Quarterly Report(関西)

     / DATE : 

    AUTHOR : 
    稲田 義久 / 入江 啓彰 / 林 万平 / 木下 祐輔 / James Brady / CAO THI KHANH NGUYET

    ABSTRACT

    関西経済は弱い基調が定着、先行きも好材料に乏しい
    民需外需は牽引力不足、景気対策の効果も関西では期待薄

    1.4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率+0.2%(前期比+0.0%)と2四半期連続のプラスとなった。閏年要因を除けば年前半は小幅のプラス成長であり、日本経済は緩やかに回復しているといえる。寄与度を見ると、内需は前期比+1.2%ポイントと2四半期連続のプラスだが、純輸出は同-1.0%ポイントと4四半期ぶりのマイナス。

    2.関西経済は、足下弱い基調が定着しつつあり、かつ先行きも好材料に乏しい。家計部門は、前期から引き続いて弱含んでいる。企業部門は、景況感や生産などで足下では弱い動きが見え始めている。域外取引では、輸出と輸入の失速が続いており、かつマイナス幅が拡大し続けている。

    3.関西の実質GRP成長率を2016年度+0.7%、17年度+0.8%と予測する。前回予測と比較すると、2016年度は0.1%ポイントの下方修正、17年度は0.2%ポイントの上方修正となった。また景気対策の影響の大小の違いにより、関西の成長率は日本経済予測の結果より若干下回って推移すると見込む。

    4.成長に対する寄与度を見ると、2016年度は民間需要が+0.4%ポイントと3年ぶりにプラスに転じる。公的需要も+0.2%ポイント、外需も+0.1%ポイントと小幅ではあるが各項目ともプラスの寄与となる。17年度も、民間需要+0.3%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、外需+0.3%ポイントと各項目ともプラスの寄与となる。しかしいずれも小幅にとどまり、景気を牽引するような力強さには物足りない。

    5.8月2日、政府は新たな景気対策を閣議決定した。民需や外需の牽引力に期待しづらい関西経済において、公的需要が景気を幾分下支えする役割を果たそう。ただし関西では景気対策の影響が限定的となることから、公的需要の寄与は全国に比べると小幅にとどまる。

    6.2015年の関西経済におけるインバウンド需要の影響は歴史的なものであった。(1)訪日外国人消費は2015年の関西GRPを0.76%程度説明している。関西におけるインバウンド・ツーリズムの影響力は年々高まっているが、特に、15年のGRPに対する寄与は前年の1.73倍となっている。(2)就業者についてみると、15年は1.10%程度押し上げたことがわかる。15年の雇用押し上げ効果は前年比1.67倍である。

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