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KISER政策レポート第5号「日本標準時繰上げ案に関する1000人調査結果」

2010-06-10

財団法人関西社会経済研究所では、日本標準時繰上げ案に関する全国対象のインターネット調査を実施、成果をを発表いたしました。
このテーマは中央大学の塩沢由典教授が主催されていた「関西活性化研究会」の部会として議論されてきたものです。
当研究所からも同研究会にメンバーを参加させており、これは、その調査研究活動の成果です。

1.「早起きニッポン」提案とは・・
兵庫県明石市を通る標準時子午線の設定を東へ15度移し、日本の標準時を1時間早めること。
これにより日本人の生活リズムを変え、省エネや経済発展に繋げるのが目的で、効果金額は約2兆円に上がると試算されている。1日の活動時間帯の日照時間が長くなることにより、余暇の有効活用による経済の活性化、照明や冷暖房の電力消費の節減等につながる。(「関西活性化研究会」のメンバーである清水宏一氏の発案)

2.今回の調査結果発表は、上記提案について、全国の20才以上の1000人を対象にインターネット調査を実施したものである。
○「この提案を採用すべきかどうか」という設問に対して、「賛成+どちらかといえば賛成」が22.3%に対し、「反対+どちらかといえば反対」は、31.7%であり、「なんともいえない」と答えた人が46.0%と最も多かった。この結果は、提案内容への反対よりも、提案内容の説明がわかりにくいと判断した人の割合が多いと考えられる。プレゼンテーション方法の工夫が必要である。

3.標準時の移動という、近年日本でやったことのない試みについて、3割から4割といえども、正しい想像力をもった人がいたということは驚きである。
「早起きをこころがけるようになる」という回答が多かったのは、きちんとした説明もなしに回答したら、結果はこの程度だろうなと想像させる程度のものであった。
この調査結果の意義は、「日本標準時繰上げ」に対する期待があまり高くなかったということではなくて、3から4割でも、こうした想像力を要する提案を正しく考え、それが省エネ効果や経済活性化などに結びつく可能性を考えてくれたことだと思われる。(塩沢由典教授)

掲載メディア

  • 日本経済新聞
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