ABSTRACT
研究計画
研究の背景
- 持続可能な観光戦略(国内観光+インバウンド)策定の必要性
2025年の訪日外客数は 4,268万人と過去最多を更新し、インバウンド消費額も 9.5兆円 に達しました。政府は2030年に訪日外客数6,000万人、同消費額15兆円 を目標に掲げています。一方で、観光業界では 人手不足、オーバーツーリズム、都市と地方の格差 などの課題が深刻化しています。国内旅行もコロナ後の回復が鈍く、需要喚起が求められています。
こうした状況の中、観光産業が持続的に成長するためには、国内観光の強化 と インバウンド誘致 の両面を見据えた戦略づくりが不可欠です。また、人口減少が進む日本では、これまでの「量的拡大」から、「質」を重視した戦略転換も必要となっています。
本研究では、自治体やDMOが今後の戦略を検討する際の参考となるよう、数量分析を中心に現状の課題と解決の方向性を検討していきます。
- 求められる関西の広域観光展開
関西広域(2府8県)では、訪日外客が大阪府・京都府に集中しており、その他の地域への周遊促進が大きな課題となっています。これを受け、関西のDMOや自治体は、広域での観光周遊を促す取り組みを進めています。
本研究プロジェクトでは、関西各府県の観光担当部署やDMOへのヒアリングを通じて、地域ごとの現状と課題を整理し、関西全体での広域観光の展開方策を検討します。さらに、都市と地域の関係性を踏まえつつ、国内外の旅行者誘致による地域経済の活性化についても検討を進めます。
分析の手法または現地調査の詳細
●関西基礎統計の整理
・観光庁などの基礎データを整理し、定点観測レポートを作成する。
・2019年度に開発した府県別訪日外客数の月次推計については、新データを踏まえた推計方法を検討する。
●マイクロデータによる実証分析
・インバウンド消費動向調査や宿泊旅行統計の個票データを用い、コロナ後の観光動向を整理・分析する。
●観光戦略・成長戦略の検討
・関西の観光担当部署やDMOへのヒアリングを通じ、現行施策と課題を整理し、今後の戦略を検討する。
●広域観光推進のための官民連携
・官庁・推進組織・民間団体との意見交換の場として、研究会を定期的に開催する
期待される成果と社会還元のイメージ
・万博後の観光政策の立案に資する情報提供
・観光ハード面とソフト面のインフラ整備
研究体制
研究統括
リサーチリーダー
野村 亮輔 APIR副主任研究員
リサーチャー
森本 裕 甲南大学経済学部 准教授
LUONG Anh Dung 神戸大学経済学部専任講師
劉 子瑩 APIR研究員