ABSTRACT
フォーラムの開催
研究計画
研究の背景
2026年は、昨年の合意に基づき米中間の通商摩擦が抑制され、11月の米国中間選挙を見据えて両国関係は表面的な安定を保っている。一方で、中東情勢の不安定化を背景に、すでに原油・石油製品の供給に混乱が生じており、日本を含むアジア諸国は経済活動と社会活動の基盤が揺らぐ事態に直面しつつある。通商・資源エネルギー・安全保障が複雑に絡み合うなか、各国は国際秩序の今後の展開を見極めることが一段と困難となっている。
本プロジェクトでは、経済安全保障とグローバル化の利益の調和を図りつつ、国際通商ルールに基づく自由で開かれた経済活動の維持・発展の重要性を再確認し、急速に変容しつつあるアジア太平洋の政治経済秩序の行方を展望する。そのうえで、国際経済学のみならず国際法学、政治学、企業研究など多様な知見を取り入れ、同地域の政治・経済秩序の変化を分析し、その再構築に向けた方向性を多角的に検討する。
分析の手法または現地調査の詳細
2026年度は昨年度に引き続き、刻々と変化する国際貿易体制の状況を踏まえながら、マクロ的には自由貿易体制の行方、ミクロ的には自由化と国際ルール作りの要点について、学際的な視点から知見を深めていく。
米中が重要素材と先端技術をめぐり相互依存と対立が併存する状況のもと、今年は対米依存のあり方を見直す動きがみられるASEANに対し、輸出拡大や経済的関与の強化を通じて域内での影響力を高めようとする中国の政策を検証する。また、極東アジアの生産ネットワークと、通商・エネルギー・安全保障が交錯するなかで変容が進む国際貿易秩序の行方について検討を深めていく。
木村リサーチリーダーによるASEANと日本についての経済研究を軸に、学識者、研究者並びに実務家に登壇いただき、複眼的な見地に立ったディスカッションへとつなげる。企業の見識を高め、事業活動に資する情報提供の場としたい。
期待される成果と社会還元のイメージ
・オープン研究会を通じて、通商秩序の再編や米中関係の変動など、企業の中期的な経営判断に直結する理論・実証・政策の知見をタイムリーに提供し、会員企業へ還元する。
・アジア太平洋地域を中心とする政治・経済情勢の変化に関する理解を深め、海外事業展開やリスク管理など、中長期的な経営戦略の立案に資する情報を提供する。