日本経済(月次)予測(2025年4月)
<4月から5月2日までに発表された月次データを更新し、1-3月期実質GDP成長率を前期比年率+0.1%と予測>

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ABSTRACT

4月発表データのレビュー

  • 今回の予測では、4月から5月2日までに発表されたデータを更新した。家計消費関連、公共工事、及び国際収支状況を除けば、1-3月期GDP推計に必要な基礎月次データのほぼすべてが更新された。
  • 3月の生産指数は前月比-1.1%と2カ月ぶりの低下となった。結果、1-3月期は前期比-0.7%と4四半期ぶりに低下し、前期の上昇幅を相殺した。経産省は3月の生産の基調判断を「一進一退」と前月から据え置いた。
  • 1-3月期を前期と比較すれば、消費財出荷指数は+2.6%と2四半期連続の上昇。建築工事費予定額は+17.8%と2四半期連続の増加、資本財出荷指数は-1.8%と2四半期ぶりに低下した。1-3月期の実質民間需要は前期から回復の可能性が高い。
  • 1-3月期の輸出入動向(日銀ベース)を前期と比較すれば、実質輸出額は+3.2%、実質輸入額は+3.9%、とそれぞれ2四半期ぶりに増加した。1-3月期の実質財貨の純輸出は実質GDP成長率にマイナス寄与となった。

DETAIL

1-3月期実質GDP成長率予測の動態

▶最新のデータを更新の結果、CQM(支出サイド)は、1-3月期実質GDP成長率を前期比+0.0%、同年率+0.1%と予測。うち、国内需要は実質GDP成長率に対して前期比+0.6%ポイント、純輸出は同-0.5%ポイントの寄与度。一方、主成分分析モデル(生産サイド)は、前期比年率+0.6%と予測。両サイドの平均予測は同+0.3%。なお3月の市場コンセンサス予測は同+0.08%とほぼゼロ成長を示している。1-3月期の実質GDP成長率はゼロ%台前半となろう。

 

 

1-3月期インフレ予測の動態

▶3月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+3.2%と43カ月連続の上昇、インフレ率は4カ月連続の3%超え。1-3月期のコア指数は前年同期比+3.1%となった。

▶今回のCQMは、1-3月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+1.0%と予測。国内需要デフレータを同+0.8%と予測。一方、交易条件は悪化するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.5%と予測する。

 

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