日本経済(月次)予測(2025年5月)
<5月末データを更新し、4-6月期実質GDP成長率予測を前期比年率-1.9%と大幅下方修正>

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ABSTRACT

5月発表データのレビュー

  • 今回の予測では、5月末までに発表されたデータを更新した。家計消費関連、公共工事、及び国際収支状況を除けば、4-6月期GDP推計に必要な基礎月次データの1/3が更新された。
  • 5月16日発表のGDP1次速報によれば、1-3月期実質GDPは前期比年率-0.7%と4四半期ぶりのマイナス成長。市場コンセンサスやCQMの最終予測から下振れた。
  • 4月の生産指数は前月比-0.9%低下し3カ月ぶりのマイナス。結果、1-3月平均比0.0%と横ばい。経産省は生産の基調判断を「一進一退」と前月から据え置いた。
  • 4月を1-3月平均と比較すれば、消費財出荷指数は-1.4%低下。建築工事費予定額は-29.2%減少、資本財出荷指数は-3.2%と低迷している。4-6月期の実質民間需要は前期から停滞の可能性が高い。
  • 4月の輸出入動向(日銀ベース)を1-3月平均と比較すれば、実質輸出額は-4.0%減少、実質輸入額は+0.4%増加した。4-6月期最初の月の実質財貨純輸出は実質GDP成長率に大きなマイナス寄与となった。

DETAIL

4-6月期実質GDP成長率予測の動態

▶最新のデータを更新の結果、CQM(支出サイド)は、4-6月期の実質GDP成長率を前期比-0.5%、同年率-1.9%と予測。前回の予測(-0.5%)から下方修正した。うち、国内需要は実質GDP成長率に対して前期比+0.1%ポイント、純輸出は同-0.5%ポイントの寄与度。また、主成分分析モデル(生産サイド)は、前期比年率-1.4%と予測。両サイドの平均予測は同-1.6%となる。2四半期連続のマイナス成長の可能性が高まってきた。

 

 

4-6月期インフレ予測の動態

▶4月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+3.5%と44カ月連続の上昇、インフレ率は5カ月連続の3%超え。

▶今回のCQMは、4-6月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+0.3%と予測。国内需要デフレータも同+0.3%と予測。一方、交易条件は改善するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.6%と予測する。

 

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