日本経済(月次)予測(2025年7月)
<7月及び8月初旬のデータを更新し、4-6月期実質GDP成長率予測を前期比年率-0.1%と前月から上方修正>

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ABSTRACT

7月及び8月初旬発表データのレビュー

  • 今回の予測では、7月及び8月初旬に発表されたデータを更新。家計消費支出、公共工事、及び国際収支状況を除けば、4-6月期GDP推計に必要な基礎月次データが更新された。
  • 6月の生産指数は前月比+1.7%と3カ月ぶりのプラス。結果、4-6月期は前期比+0.3%と2四半期ぶりのプラスだが、前期の落ち込みをかろうじてカバーしたにとどまった。経産省は生産の基調判断を「一進一退」と据え置いた。
  • 4-6月期を前期と比較すれば、消費財出荷指数は横ばい。建築工事費予定額は-33.1%大幅減少、資本財出荷指数は+4.4%上昇した。また、4-5月平均の公共工事は1-3月平均比+4.1%増加した。4-6月期の実質民間需要は及び公的需要は前期から小幅拡大の可能性が高い。
  • 4-6月期の輸出入動向(日銀ベース)を前期と比較すれば、実質輸出額は-3.7%減少、実質輸入額は+1.7%増加した。4-6月期の実質財貨純輸出は実質GDP成長率にマイナス寄与となる。

DETAIL

4-6月期実質GDP成長率予測の動態

▶最新のデータを更新の結果、CQM(支出サイド)は、4-6月期の実質GDP成長率を前期比-0.0%、同年率-0.1%と小幅のマイナスを予測。前月の予測(-0.5%)から上方修正した。うち、国内需要は実質GDP成長率に対して前期比+0.2%ポイント、純輸出は同-0.2%ポイントの寄与度。一方、主成分分析モデル(生産サイド)は、前期比年率-2.8%と予測。両サイドの平均予測は同-1.4%となる。支出面からの成長率はゼロ近傍の可能性が高い。なお、市場コンセンサスは同+0.04%とほぼゼロ成長。

 

4-6月期インフレ予測の動態

▶6月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+3.3%と46カ月連続の上昇で、7カ月連続の3%超えとなった。

▶今回のCQMは、4-6月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+0.3%と予測。国内需要デフレータを同+0.4%と予測。一方、交易条件は改善するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.9%と予測する。

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