日本経済(月次)予測(2025年8月)
<8月末データを更新し、7-9月期の実質GDP成長率予測を前期比年率-2.6%と下方修正>

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ABSTRACT

8月発表データのレビュー

  • 今回の予測では、8月末までに発表されたデータを更新した。家計消費関連、公共工事、及び国際収支状況を除けば、7-9月期GDP推計に必要な基礎月次データの1/3が更新された。
  • 8月15日発表のGDP1次速報によれば、4-6月期実質GDPは前期比年率+1.0%と5四半期連続のプラス成長。市場コンセンサスやCQMの最終予測を上回った。
  • 7月の生産指数は前月比-1.6%低下し2カ月ぶりのマイナス。結果、4-6月平均比-0.3%低下した。経産省は7月の生産の基調判断を「一進一退」と前月から据え置いた。
  • 7月を4-6月平均と比較すれば、消費財出荷指数は-2.8%低下。建築工事費予定額は+20.7%増加だが、資本財出荷指数は-6.3%と低迷している。7-9月期の実質民間需要は前期から減少の可能性が高い。
  • 7月の輸出入動向(日銀ベース)を4-6月平均と比較すれば、実質輸出額は-2.3%、実質輸入額は-1.9%とそれぞれ減少した。7月の実質財貨純輸出は実質GDP成長率にマイナス寄与となった。

DETAIL

7-9月期実質GDP成長率予測の動態

▶最新のデータを更新の結果、CQM(支出サイド)は、7-9月期の実質GDP成長率を前期比-0.7%、同年率-2.6%とマイナス成長を予測した。前回の予測から下方修正。国内需要は実質GDP成長率に対して前期比-0.4%ポイント、純輸出は同-0.2%ポイントの寄与度となった。また、生産サイド(主成分分析モデル)は、前期比年率-0.9%と予測。結果、両モデルの平均予測は同-1.8%と6四半期ぶりのマイナス成長の可能性が高い。

 

7-9月期インフレ予測の動態

▶7月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+3.1%と47カ月連続の上昇、インフレ率は8カ月連続の3%超え。

▶今回のCQMは、7-9月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+0.1%と予測。国内需要デフレータも同+0.2%と予測。一方、交易条件は改善するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.5%と予測する。

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