ABSTRACT
9月発表データのレビュー
- 今回の予測では、10月初旬までに発表されたデータを更新した。家計消費関連、公共工事、及び国際収支状況を除けば、7-9月期GDP推計に必要な基礎月次データの2/3が更新された。
- 日銀短観9月調査によると、大企業業況判断DIは、製造業で2四半期連続の改善。一方、非製造業では前回から横ばいだが、高水準を維持している。今回は日米間税合意をうけての調査結果で、前回より不確実性は低下した。
- 8月の生産指数は前月比-1.2%低下し2カ月連続のマイナス。結果、7-8月平均は4-6月平均比-0.4%低下した。経産省は基調判断を「一進一退」と前月から据置いた。
- 7-8月平均を4-6月平均と比較すれば、消費財出荷指数は-2.0%低下。建築工事費予定額は+15.8%増加だが、資本財出荷指数は-5.7%と低迷している。7-9月期の実質民間需要は前期から減少の可能性が高い。
- 7-8月平均の輸出入動向(日銀ベース)を4-6月平均と比較すれば、実質輸出額は-2.0%、実質輸入額は-2.1%とそれぞれ減少した。7-8月平均の実質財貨純輸出は実質GDP成長率に小幅のプラス寄与となった。
DETAIL
7-9月期実質GDP成長率予測の動態
▶最新のデータを更新の結果、CQM(支出サイド)は、7-9月期の実質GDP成長率を前期比年率-4.3%とマイナス成長を予測した。前回の予測から下方修正。また、生産サイド(主成分分析モデル)は、同-0.8%と予測。結果、両モデルの平均予測は同-2.6%と6四半期ぶりのマイナス成長の可能性が高い。市場コンセンサスは同-1.11%とともにマイナス成長を予測している。
7-9月期インフレ予測の動態
▶8月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+2.7%と48カ月連続の上昇で、インフレ率は3カ月連続で前月から減速し、2024年11月以来の2%台となった。
▶今回のCQMは、7-9月期民間最終消費支出デフレータを前期比-0.1%と予測。国内需要デフレータを同+0.2%と予測。交易条件は悪化するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.1%と予測する。